プラネテス

登録日:2010/06/10(木) 20:47:32
更新日:2024/11/02 Sat 21:57:28
所要時間:約 3 分で読めます




モーニングにて1999年から2004年までに連載していた幸村誠のSF漫画。全4巻。
タイトルは"planet"の語源となった古代ギリシャ語。
惑星、もしくは惑う人という意味。

宇宙で暮らす人々の群像劇を軸に、宇宙開発により発生するとされる社会問題を描いている。
当時は注目されてなかったスペースデブリ問題を扱ったことで話題を呼んだ。

2002年に星雲賞コミック部門を受賞。連載中の作品が受賞したのは本作が初。
これを原作にしたテレビアニメも2005年度星雲賞メディア部門を受賞。
同賞の原作・アニメのダブル受賞は『風の谷のナウシカ』以来。

本来はもっと長く続く予定だったが、作者がヴィンランド・サガを描きたくなったため木星到着までで終了。
これを完結とするか未完結とするかは意見が分かれている。

○世界観設定

2075年頃、宇宙開発最盛期を迎えた未来。
月にはヘリウム3の採掘場、火星には実験居住施設があり、木星と土星には有人探査計画が立てられている。
月面と宇宙ステーションには多くの企業とそこで働く人々が生活している。
高々度旅客機が地球と宇宙ステーションを毎日往復し、火星や月への宇宙旅行も一般化している。

しかし、華やかな宇宙開発の影で生まれたスペースデブリ(宇宙ゴミ)が軌道上にあふれ、卵大の物でも宇宙船を破壊することがあるため、社会問題となっていた。
また、宇宙開発の恩恵は先進各国の独占状態であり、途上国の貧困や紛争は未だ解決していない。


○あらすじ

主人公の星野 八郎太は大手宇宙企業でデブリ回収の仕事をするサラリーマン。通称デブリ屋。
いつか自家用宇宙船を手に入れて宇宙を自由に旅することを夢みている。
彼を始め、登場人物達は理想と現実の狭間で思い、悩み、迷い、答えを探し求める。

○登場人物



○原作とアニメ版との相違点

  • アニメ版ではキャラクターの追加や設定の変更があった。

  • 原作では途中登場だったタナベが、アニメでは第1話から準主役として登場。
物語もハチマキとタナベの関係が中心になる。

  • 原作ではロゴしか登場しなかったテクノーラ社が物語の主軸として登場。

  • デブリ屋は原作では危険手当により高給で、社内にも複数のデブリ回収チームがあったが、
アニメでは安月給で社会的評価が低く、デブリ課は通常の課の半分の人数しかいない。

  • 原作ではEDC(地球外開発共同体)という宇宙開発を共同で行うだけの組織があるが、
アニメ版では連合(INTO)という強大な組織が存在する。

  • 原作ではあっさり終わった宇宙防衛戦線との闘争が、アニメでは一番の見せ場になる。

  • 原作でハチマキの夢に出たモジャモジャの宇宙人が、アニメではテクノーラのマスコットになっている。

  • 原作ではフィクションでよくみるタイプの頭部が全面透明の宇宙服だったが、アニメではJAXAが想定する未来の宇宙服を元にした全身オレンジでフェイスガードが付いたデザインに変更されている。
それに伴い機能面でも原作よりも詳しい描写がされている。


その他にも多くの変更がされているが、原作の世界観は崩していない。

アニメ版では宇宙空間ではちゃんと無音。エンジンが点火しても無音とかなりこだわっている。
アニメスタッフに乾杯。


またアニメでは、酒井ミキオ氏の歌を交えたOP・EDが本編と素晴らしい相乗効果を生み出している。

OPでは「Dive in the Sky」と共に宇宙の壮大さを示し、

本編中では、嫌になるほど切実に社会情勢や人の負の感情を見せつけ、それでもその中で足掻く『人の愛』を語る。

最後に流れるEDは、「Wonderful Life」と共に、見た人に明日も頑張る気持ちを与えるだろう。

素晴らしい人生だから
自分を愛する勇気を持とう

素晴らしい人生なのさ
君も僕も全ての人も


何かしら悩みを抱える人は、特にアニメの方を見てみると良いかもしれない(原作後の方がなお良し)。
幸村誠氏、アニメスタッフ、酒井ミキオ氏に、重ねて乾杯。




追記も修正も…全部オレの物だ……!
もったいなくってなぁ!テメェなんかにやれるかよ!!

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最終更新:2024年11月02日 21:57