ジナイーダ

登録日:2009/05/31 Sun 21:58:34
更新日:2025/07/10 Thu 02:22:36
所要時間:約 4 分で読めます






手間は取らせん…

お前が真のレイヴンでなければ

結果は見えている



ARMORED CORE LAST RAVEN』に登場するレイヴン
CVは浅野まゆみ。

いずれの勢力にも属さず、依頼があればどこにでもつく中立の立場のレイヴンではあるが、依頼が終わるまでは依頼主の命令は絶対に守るのでどの勢力からも厚い信頼を寄せられている。
また、ネクサスではジナイーダと呼ばれるレイヴンは確認されておらず、特攻兵器の襲来以降に現れたものと思われる。


概要

彼女に関する情報は全くないと言っていいほど少なく、バーテックスが攻撃予告をして以降数時間の戦果でしか知られていない。
ただ、そのごく少ない時間において圧倒的なまでの実力を示している。またアライアンス側のモリ・カドルを追っているらしいが、こちらに関しては理由などは分からない。

活動開始から間もないため情報屋エド・ワイズも「真偽は定かではないが、噂では『特定勢力に加担しないレイヴンとしては最高峰』と言われているらしい」程度の事しか掴めていないほど。
それでも伝え聞く情報だけでも注意しておくに越したことは無い十分な実力者と認めており、「実力」「人格」「思想」のどこかしら或いは全てに低評価を下すエドをして(情報が無さ過ぎるのも原因とはいえ)そのいずれも欠点扱いする部分無しという珍しい評価をしている。

レイヴンとは所属組織や他人の思想ではなく、権力欲でもなく、ただ自分自身だけを信じて戦う者という哲学を持っているらしく、アライアンスにもバーテックスにも興味が無いどころかあれらに協力するレイヴンを「レイヴンの風上にも置けない連中」のように見ている。
主人公に対しても例外ではなく、受諾した依頼がどちらかに偏っていると主人公のこともそれらと同列に扱う一方で、中立の姿勢を取っていると安易にレイヴンを名乗るヤツらより多少は信じる価値があると見込んでコンタクト(という名の決闘の申し込み)を取って来る。
曰く「組織の下らない依頼で命を落とすより、レイヴン同士鎬を削り合うべきではないか?」という『AC2』~『SL』までのトップランカーに近い思想の持ち主。

プロの傭兵としての高いプライドも持ち合わせており、護衛を依頼されていたMT部隊を合流前に全滅させられた際は怒りの余り生き残っているレイヴン全員に「私に恥をかかせた奴、どこのどいつか知らんが絶対見つけ出して殺す」というような内容のメールをばら撒いた
因みにルートによってはそれが主人公であることを知る(ルートによっては完全に濡れ衣の場合もある)が、その場合もやはり主人公を興味深い存在と見做すようになる。


搭乗機

ファシネイター


頭部 CR-H98XS-EYE2
コア CR-C06U5
腕部 CR-A92XS
脚部 LH09-COUGAR2
エクステンション FUNI
右肩武器 KINNARA
左肩武器 CR-WB78RP2
右腕武器 WR07M-PIXIE3
左腕武器 CR-WL79LB2

EYE2の細い顔立ちと新コアパーツ「CR-C06U5」の凄まじいくびれが、どこか女性らしいシルエットを形作っている。
が、ゲーム中で実際に組むと既存のコアより一回り大きなコアパーツのサイズのせいで、上半身に比べて下半身が貧弱すぎるアンバランスな体格になってしまう。
これはファシネイターに限らずCR-C06U5(CR-YC03U4)を絡めたアセンをするとこうなりがちなので、ヴィジュアルを意識し始めるとアセンブルのセンスが問われる。

あらゆる距離や状況に対応出来る武装――具体的にはミサイルにロケット、マシンガン、そしてブレード――を揃えた、汎用性の高い中量二脚の機体。ジナイーダ自身の実力もあり、かなりの強さを誇る。
機体色が背景に溶け込みやすい色であることや、強化人間の補正、そしてマップが狭いこともあって、機体の元の速度以上に速く感じる。

「ファシネイター(Fascinator[英])」とは「魅惑的なもの」といった意味。また女性用ヘッドドレスの一種の名前でもある。
女性的なシルエットの機体構成や「女性の裸体を象った香水の瓶」というエンブレムと相俟って、女を捨てているとしか思えないその生き様の割にいろいろと女性的なACとなっている。


作中での活躍

ゲーム開始時のムービーと、ミッションの両方に登場する。

ムービーでは基地を襲撃する四脚型MTにロックされ天井ごとミサイルで攻撃されるが、その噴煙の中から現れ空中からマシンガンで攻撃し一機を早速撃破。
その後は敵のミサイルをかわしつつブレードでさらに一機を撃破、直後に距離を取ってマシンガンで牽制するというヒットアンドアウェイ戦法を取る。
MTはミサイルで追撃するもののこれをかわし、マイクロミサイルでMTを撃破して戦闘を終わらせた。
その後はコアのコックピットハッチを開放し、パイロットのジナイーダが基地の兵士の前に姿を表す。

『MoA』『2』『3』など、過去作でもパイロットやオペレーターの体の一部が描かれることはあったが、
このムービーはAC史上初の「コックピットハッチを開放してパイロットが登場する」という演出を行い、レイヴン達の間で話題となった。
…が、その平坦なバストのせいで「ジナイーダは貧乳」というネタ方面の話題もレイヴンたちに提供してしまい、
「ジナイーダは貧乳」という設定は暫くの間創作系レイヴンの間で良くも悪くも定着してしまった。
パイスーで押さえつけられてるだけだと思うんですけど(名推理)

ゲーム中では二度戦う機会があるのだが、どちらのミッションでも邪魔が入って最後までは戦えない。
クリア後に解禁されるEXアリーナで、ようやくまともに戦える。
強化人間補正がかかっているためスピードが早く動きもいい難敵。ただしシングルトリガーなので火力は低め。




以下ネタバレ




お前か…

矢張りな…

そんな気がしていた…

私達の存在…

それが何を意味するのか、これで分かる気がする…

…お前を倒し…最後の一人となった…

その時に…!!



ジャック・Oにインターネサインを破壊し得る真の強者、すなわちドミナントとして見出だされた者の一人。
実際「ジャック・O討伐」ルートでは主人公の知らないところでインターネサイン破壊に成功していた模様。
また「インターネサイン破壊」ルートでも同様に中枢破壊までは成功したが、こちらでは機能停止間際に生み出された最後のパルヴァライザーの圧倒的戦闘能力の前に手も足も出ず敗北、遅れてやって来た主人公に逃げるように促しながら戦死した。

ただし、自身をドミナントと信じて疑わなかったエヴァンジェとは異なり彼女はドミナント仮説にかなり否定的。
主人公に宛てたメールで語られたところによると、あくまで自分の意思で自分の為に戦う彼女にとっては「自分の力に名など必要ない」とドミナント云々以前にジャックの計画にもインターネサインの脅威にも全く興味が無いことを語っている。
そうは言いつつもどのルートでも何だかんだインターネサイン破壊に向かってはいるのは、「そういう依頼だったから」というだけである。
だが他人に興味が無さそうな彼女が、主人公に最後のパルヴァライザーとは戦わず逃げるよう言い残したのは少し謎。自分と同じような存在であることを感じ取った主人公に対しては僅かばかりでも情が湧いたのだろうか。
実際ジャックの思惑にも興味は無いと言いつつも、「インターネサイン破壊」ルートでは全ての戦いがジャックの立てたインターネサイン破壊作戦だった事を知り「中々興味深い男だった」と振り返っている。

「中枢突入」ルートでは、最後の傭兵(レイヴン)の名を賭けて、主人公との一騎打ちに臨む。
ちなみにこのルートのみEDロールが他のルートと異なる。

この最終決戦においては乗機ファシネイターの機体構成が変更されており(通称「ラストジナイーダ(ラスジナ)」)、
ブレードを投げ捨ててハンドレールガン+マシンガンのダブルトリガーに腕武器を変更、背部にはパルスキャノンにデュアルミサイル、ダメ押しとばかりに格納武器に「リボハン」こと「CR-WH01HP」を仕込む。
さらに強化人間の性能補正に加えてラスボス補正でブースタ推力が強化されており凄まじい早さで飛び回りながら怒涛の瞬間火力を発揮する。肩のパルスキャノンは相当痛い。

初心者に優しくない難易度である「アーマードコア」シリーズの中でもその強さは最高峰に位置する。
異常な速度と火力を兼ね備え、「産廃」と名高いハンドレールガンをハンデと思わせないほどの精度でぶっ放す圧倒的な強さは今なお多くのレイヴンのトラウマとなった。

ありのままに起こったことを話してる間もなくプレイヤーを叩き潰すその姿は正しく鬼畜である。ただこの鬼畜をとっつき(しかも仁王で)やタンクで打ち破るドミナントも確認されている。

ああ、決戦前にコアは破損してるね。それが何か?

彼女が最期に残した言葉には誰しもが感慨深い気持ちを抱くことだろう。
それは正に、ラストレイヴンとしての証であり、レイヴンの時代の終焉を飾るにふさわしいものである。  



私はただひたすらに強くあろうとした…

それが私の生きる理由であると信じていた…

やっと追い続けたものに手が届いた気がする…

レイヴン…その称号は

お前にこそふさわしい



余談

「ジナイーダ(Зинаида)」はロシアでは一般的な女性の名前。
前作ACNXに登場した、同じくロシア系の人名でEYE頭部という共通点がある「ジノーヴィー」「アグラーヤ」との関連性は色々と想像されており、一時はアグラーヤとの同一人物説も囁かれたが、後にディレクターの武村大からジノーヴィーの妹であることが語られている。
また本編中では全く語られなかったジノーヴィーとの関係性やモリ・カドルに執着している理由も、「強者であった兄を慕っており、しかし(フリーランスの傭兵ではなく)クレストの専属ACだったことを知り後に嫌悪するようになった」「自らもレイヴンとなったのは、企業専属だったジノーヴィーとは違う道である『何者にも捕らわれない傭兵、レイヴン』の追究」「兄のAC乗りとしての在り方を否定する一方、『兄の愛機(そのシンボルであるエンブレムも)を模倣する弱者』であるモリは、兄の名誉を傷付けるも同然であり彼女にとって唾棄すべき存在」とのこと。







―レイヴン、聞こえるか…この項目には完了していない箇所もあるようだ、修正や追記をして完了してくれ…―

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年07月10日 02:22