キーア(赫炎のインガノック)

登録日:2014/05/29 Thu 15:11:45
更新日:2023/12/28 Thu 23:44:50
所要時間:約 6 分で読めます







……どうして。ギー。



ライアーソフトのスチームパンクシリーズ第2段、赫炎のインガノックのメインヒロイン。
CV.かわしまりの

薄赤色の瞳を持つ少女。
ドラッグに侵された≪熊鬼≫の男に無理矢理どこかへ連れ込まれそうになっていたところを、通りかかったギーアティに助けられた。
その恩返しとして住み込みで働くことを申し出るが、身なりの良さと立ち居振る舞いから上層の市民子女だろうと見当をつけたギーに家族のもとへ帰るよう諭された。
しかし、キーアはその言葉をまったく聞き入れず、自らの素性も明かさなかった。
仕方なくギーは情報屋に身元の調査を頼んで無理矢理家族の元へ送り返そうとしたのだが、腕利きの情報屋でもキーアのことはまったく掴めず成果はゼロ。
かといって治安の悪いインガノックの街に放っておくわけにもいかず、結局はギーのアパルトメントに同居することになった。

性格は素直で温厚。
基本的に聞き分けはよく、ワガママもほとんど言わない。
…が、かといって従順というわけでもなく、ギーの言いつけに対してあからさまにむくれることも。


かわいい。

そして、彼女を語るうえで外せないのはそのハイスペックぶり

  • いつの間にか情報を集めて家計簿をつけていた。
  • 出会って間もない第2章の時点で家事全般をこなすようになっていた。
  • いつの間にか看護服を手縫いして巡回診療の仕事を手伝っていた。
  • 買い物上手。
  • 超スピードでご近所さんや常連の患者に馴染んでいた。
  • それどころか子どもには懐かれ大人には(どんな癖者であろうと)可愛がられるようになっていた。

なにこのハイスペックょぅι゛ょ。

ちなみに注射の腕は本人曰く「ジョウミャクの位置はわかるの。ほら、役に立っているでしょう?」
ギー曰く「驚いた。行為にではなく技術に。技能機関でも埋め込んでいるものかと思うほど、その手並みは鮮やかだった」。なにこのハイスペックょぅι゛ょ。

家事の腕は確かで、前述の手縫いした看護服は既製品と並べても遜色ない出来。
料理の腕もかなりのものらしく、とてつもなくマズい合成食料でもそれなりの味に仕上げられる。
朝早くキッチンに立ち、ギーの少食っぷりを嘆き、どうすればもっと食べてくれるか考え込む姿はまさにおかん
患者の子どもたちからもかなり早い段階で「キーアがギーの世話をしている」と認識されている。
一応はギーが保護者のはずなのだが。ギー先生ェ…。

また、たとえ異形に変異しきった相手であろうと死病に侵されて余命いくばくもない患者であろうと親身になって接することができる。
格差社会が隅々まで行き渡っており、他者を思いやる余裕や道徳観が失われつつあるインガノックでそのように振る舞える人間は稀である。

ただ、先述の素性がわからないこと以外にも色々と奇妙な点があり、

  • インガノックの住民は、ギーの大脳変異やエラリィのふたつめの心臓、アティの≪猫虎≫化など大なり小なり身体のどこかに変異を抱えていることが多いが、キーアには外見にも肉体にもその影響が見られない。
  • 私物を詰め込んだ大きな旅行鞄が唯一の所持品で、≪熊鬼≫から助けた後にギーが「どこへ行くつもりだったのか」と尋ねるとその返答が「ここ(ギーのアパルトメント)」だった。
  • 都市の変容が起こってからの10年で市民の間では常識になった「都市法」や「機関精霊」について何も知らない。
  • 人語を発せないほど変異した人間とも普通に意志疎通することができる。
  • 中盤以降、見えない誰かと話しているような描写がある。

これらの事とハイスペックぶりを合わせてギーからは不思議な子だと思われていた。

なお、ギーの巡回診療についていく中で出会ったミースという少年に好意を寄せられており、ちょいちょいアタックされている。…が、総スルーしている
ミースの好意には老師イルも、果てはアティのアタックに朴念仁な反応を返してばっかりのギーですら気づいているのに。
…もしかしたら恋愛面ではニブいのかもしれない。

以下ネタバレ。

























――これは過去。
――あたしの記憶。
――あなたの記憶。
過去の記憶。
あなたが思い出せなかった記憶の破片。


























「死なせない」
「きみは絶対に」
「僕が助ける」

実は、キーアはインガノックが変容する原因となる上層大学病院の崩落事故に巻き込まれて命を落とした人間のひとり。
つまり、10年前に死んでしまった人間である。

元はインガノック変容前の中流階級に生まれた少女で、両親と兄の4人家族で幸せに暮らしていた。
崩落事故が起こった時は出産を間近に控える母親を見舞いに来ていたが、病院の通路を歩いているところを崩れ落ちてきた瓦礫に押し潰されて瀕死の重態になってしまった。
この時のキーアの容態は彼女の視点から語られる「まぶたを開けているのに何も見えない」「体が動かない」「音がよく聞こえない」「痛くてたまらない」というような言葉から、致命傷に近いものだったのではないかと思われる。

瓦礫の中から救出されたキーアは死の予感に震えながらも、崩落事故のその日に生まれるはずだった弟のことを想った。
名前ももう決まっていた。何カ月も前から産まれるのを楽しみにしていた。けれど、ここで死んでしまったら会えないかもしれない。
「死にたくない」
そう呟いたキーアの耳に届いたのが、当時研修医として上層大学に在籍していたギーの声だった。

瓦礫の崩落により周囲は地獄絵図と化していた。
実の兄すら苦しむキーアの姿に耐えられず安楽死を望んでいた。
それなのに、ただひとり。ギーだけはキーアを救おうとしていた。

なぜ、ギーは諦めなかったのか。
なぜ、最後まで助けようとしてくれたのか。
彼はどのような人なのか。

その答えを得るために。
そして、最後まで命を救おうと手を伸ばし続けてくれたことに対する感謝の言葉を伝えるために、インガノックの根源存在グリム=グリムによって≪奪われた者≫として復活させられたキーアはギーの前に現れたのだった。


【余談】
スチームパンクシリーズにおいて「赫眼」は「黄金瞳」とはまったく別の力を持つ瞳として扱われているのだが、作中何度も瞳の色を強調する描写が入ったことから、キーアの瞳も赫眼に類する何かだった可能性がある。
ちなみにアニヲタWikiに記事がある赫眼保有者はこの人この人
うん、前者に関しちゃヒロインってとこ以外まったく共通点がないねもう一人に至っては皆無だね。
まあ黄金瞳も発現する能力にかなり個人差があるし、赫眼もそんなもんなのかもしれない。

一応書いておくと、≪西インド会社≫の最高幹部がもつ赫眼は永続的な活動を可能にする≪数式≫を埋め込んだ結果、発現したものである。
その他の条件で発現している赫眼の能力は明言されてはいないが、保有者は(キーアを除けば)軒並み戦闘能力が高いか悪神の関係者かのどちらかである。
キーアのみそのどちらの要素も持たないのは、瞳の色が「赫色」ではなく「薄赤色」である事や、≪奪われた者≫の中でただひとりグリム=グリムの支配から逃れていた事と関係があるのかもしれない。
…ただ、インガノックの変容にもスチパンシリーズ全体で退屈しのぎに暗躍しまくっている機械仕掛けの悪神が一枚噛んでいたことを考えると、その辺由来の赫眼である可能性も否めなかったり。


 ……見せて。Wiki籠り。
「見せて。Wiki籠り」
 あなたの追記したものが、修正したものが、何であるのか……。
「あなたの追記したものが、修正したものが」
「何であるのか」
 どうして、あなたはそうするのか。
「どうして、あなたはそうするのか」

 僕は……。
 あなたは……。
 ……きみを紹介したかった。
 クリアし、涙した時から、今までずっと。


(画像出典)
赫炎のインガノック-What a beautiful people-
株式会社ビジネスパートナー・Liar soft
イラストレーター 大石竜子

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最終更新:2023年12月28日 23:44
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