レオ(白光のヴァルーシア)

登録日:2013/12/28 Sat 00:58:32
更新日:2024/06/08 Sat 08:06:12
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私は世の全てを知っているよ。

およそ私は万能であるのだから。



白光のヴァルーシアの登場人物。
CV.滝沢アツヤ


物語の外に立つ人物。

自らを万能であると嘯き、それに恥じない無限の知識と強靭なる精神を以て都市の現実を観察し続ける男。

大天才、大碩学を自称しながら碩学年鑑には名前の記されていない謎の人物。

2年前、ヴァルーシアが天蓋から解放された後に従者のリザ・フォースと共に都市を訪れ、豪華な異邦風の屋敷を建設した。
その屋敷には招かれた者しか入ることができず、招かれない者はその存在すら認識できないとされる。



以下ネタバレ




その正体は十碩学の第六位、《万能王》レオナルド・ダ・ヴィンチ。
元ネタはは言わずと知れた天才芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ。

とはいえそれさえも真の名ではなく、レオナルド・ダ・ヴィンチは彼の七番目の名前。

かれこれ二千年近くを生きる不老の人物であり、本人は現象数式によって老化を誤魔化していると語っているが、それを解除されても多少ダメージを受けただけで復活したため、どういう原理でそんだけ長生きしてるのか詳細は不明。

万能の名が示す通りおよそあらゆる分野に精通しており、ショゴスを用いて構成されたリザ・フォースや、モランの後継機である機関人間セバス等、様々な存在を生み出している。

この世の英知が全て記されていると噂される書物、《緑色秘本》と《赤色秘本》の双方を目にした唯一の人物でもあり、《史実の書》の所有者でもある。
ちなみに《史実の書》というのは、スチパン世界とは別の歴史を辿った《史実世界》、要するに我々の世界の歴史が記された書であり、なんと某奇妙な冒険漫画限界を突破する螺旋の無限力等のサブカルチャーまで網羅されているらしい。


そんな途方も無い知識と知恵を備えた彼だが、それ故に彼はある結論に至ってしまった。

曰く、“ひと”という種には価値がない。

文明なるものを生み出し、その果てに世界を葬り去る存在。そんなものが何故世に充ちるのか。彼らの、自分たちの存在には何の意味があるのか。
その疑問に至ってしまった彼は、その命題の答えを探し求め、ある時神の名を呼びながら炎に灼かれた少女の姿を目にしたことから“ひと”を種ではなく個々人として捉え、観察していくことを決めた。

それ以降の彼は、何かを強く願いながらそれを叶えられずにいる人々へと力を貸してその願いの果てを見届けることを己の役割とし、長い時を経てたどり着いたヴァルーシアにて、その命題の答えへの可能性を持った少年と出会う。




●《巨神》


機関と鋼鉄とが紡ぐもの

その果てを、見るがいい



レオがその技術を以て作り上げた巨鋼の人型。
簡単に言うと巨大ロボット


主な能力は

巨大
完全独立(一切の物理的影響を受けない)
守護(宿主を守る)
蒼天覆う雷の腕》(雷撃に似た光を纏う鋼の拳を繰り出す)
赫炎穿つ命の声》(分子間結合力を奪う振動を肩から放つ)
漆黒なる王の瞳》(展開した頭から黒色の奔流をぶつける)
《善なる左手》(対象の現在を増幅させる)


と、様々な能力を持っているが、本編で披露されたのは《善なる左手》だけ。

超巨大ホラー・アブホールだろうと天使型ホラー・パラディグムだろうと、その左手を突き出せば何の抵抗もできずに砕け散るのみ。



本編での動向



主人公・アスルに命題の回答への可能性を見出していたレオは、ヴァルーシアにて現象数式実験を目論む《結社》と敵対し、彼らが顕現させるアブホールを砕き、消滅させていく。

それを疎んじたヒルドの時間牢獄に囚われ、肉体を砕かれるが、シャルルが12体のアブホールを顕現させたのに伴い復活。

《巨神》が乱戦に不得手なことに加え、先のダメージが残っていたことで多少の苦戦を強いられるが、《善なる左手》によって《機怪》アンフェクシオン諸共アブホールを砕く。

しかしその直前、シャルルによって白き死の仮面を埋め込まれたことでホラーと精神を同調させてしまい、彼らの正体が古代文明ヴァルーシアの民の恐怖の残滓であることと、その恐怖の根源が自分達が生み出した文明がもたらす恐るべき明日であることを知った。


『ひとを止める』

『文明を止める』

『それが、きみたちの』

『心よりの願いであるのなら』

『私は叶えよう』


その嘆きの願いを聞き届けたレオはアブホールを取り込み、空を覆う巨大な白き死の仮面《ホラー・エンド》へと《巨神》を変容させ、その嘆きに従い、恐怖をもたらす全てのものを今ここで消却するか、あるいはそれをも超える命題への答えをアスルとクセルが示してみせるのか。それを以て己の行動を決定することを決める。


『ーー少年よ』

『さあ、私に見せてくれ』

『物語拓くものを』

『嘆きの果てに消えぬ願いを』

『恐怖の果てに消えぬ望みを』

『この私に』

『その手に輝くものを』

『きみを、否、君たちを導くもの』

『白光溢るる絶対なるものが』

『果てなく無限に在るということを!』


彼に己の言葉を届けるため、空を翔るアスルとクセル、その姿に希望を見出し、ザハカの魔の手を跳ね除けるナナイとハールート、ザールの白き死の仮面を剥ぎ取ったアナとカシム。

そして遂に、命題への答えが示される時が来た。


「僕は願う、僕は望む!」

「空がどう在っても!僕は、僕らはきっとそれを止めない!」

「ううん、止められないんだ!」

「父さんがーー」

「ううん、違うよ、みんなが!みんな、きっと、願ったはずなんだ!」

「僕も!」

「あたしも!」



少年と少女が示してみせた輝き、眩い願い。それは、恐怖に嘆く影に、神ならぬ万能の男に、いつか願ったはずの想いを思い出させて


『ひとの、情念』

『かくも、眩いものだったか』

『長い間、忘れていたな』


命題の答えを見出したレオは《ホラー・エンド》を消滅させ、ヴァルーシアの脅威は消滅するのだった。



その後


《結社》に呼び出され、《黄金王》ローゼンクロイツとの契約によってリザの体内の《緑の石》の引渡しを要求されるがこれを拒否。
その代わりにローゼンクロイツが再び行動を始めた時、敵対しないという契約を交わした。

1909年、世界機械《ナコト・ファンタズマゴリア》によって《巨神》を砕かれ、以降の消息は不明。



追記と修正とが紡ぐ項目、その果てを見るがいい。


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最終更新:2024年06月08日 08:06