闇人(SIREN)

登録日:2009/05/30(土) 23:08:14
更新日:2025/02/18 Tue 20:25:33
所要時間:約 6 分で読めます





「なぁぁがいくぅぅん 一緒に遊びましょおおお」








闇人(やみびと)とは『SIREN2』に登場するクリーチャー。


夜見島遊園地にあった、異界をつなぐ七つの門の下にいた「母胎」から生み出された「闇霊(やみれい)」が人間の死体に取り憑いたもの。

人間の形は残しているものの光に弱く、光よけとして黒い布のようなものを頭から被っているのが特徴。
見た感じは黒い体で白い顔のジャミラ……の物真似で上着を頭まで被った人。昆布巻きにも似ている。
靴は履いておらず裸足で行動しており、腕や足も露出している。日除けの為に雨傘を差している個体も。
皮膚は蒼白を通り越して真っ白であり、血ではなく黒い液体を流している。

本作における屍人は「屍霊」という存在が人間の死体に取り憑き、操っているという設定になっているが、
この「屍霊」と「闇霊」は大元は同じ存在であったが、太古の昔に起きたある出来事によって分かたれたとされている。
「屍霊」は「闇霊」に比べて劣化しているとされ、その屍霊が憑りついた屍人が動きが鈍く、言葉を話すこともないのに対し、
闇霊が憑りついた闇人は軽快に動き、言葉を話したりするのも、屍霊が闇霊より劣化しているためとされている。
また、屍人はあまり知性のようなものを感じられないのに対し、闇人は(一応)人よりも知能が高いらしい。

闇霊と闇人は、屍霊と屍人とは敵対関係にあり、ムービーでは屍霊に闇霊が襲い掛かる場面もある。
ただし、上述の通り屍霊・屍人は闇霊・闇人より劣化しているためか、闇霊が復活してから瞬く間に屍霊は駆逐されてしまったらしく、
ゲーム中でも、闇霊復活イベント後はすぐに徘徊する敵は闇霊と闇人だけになる。
屍霊が憑りついていた死体(屍人)からも屍霊を追い出して、新しく闇霊が居座って闇人になっている。

闇人は闇霊・闇人間で生命力を共有しているため、近くに仲間がいればすぐに生命力を補給されて復活する。
逆に近くにいる闇霊や闇人を全滅させてしまえば自己再生に頼らざるを得なくなるらしく、しばらく復活できなくなる。

また、闇人は人間を凌駕する身体能力を有するが、闇霊は永い間光の届かない異界で暮らしていたため、非常に光に弱いという弱点を持つ。
懐中電灯程度の光を当てられるだけでも怯んで隙が出来てしまう上、闇霊の状態ではしばらく光を当てられると消滅してしまう。
その反面というべきか、屍人と比べて闇人は非常に夜目が利くという性質を持ち、暗闇でも平気で活動し、プレイヤーキャラを見つけてくる。

「人間の死体に憑りつき、行動する時の依り代とする」という点は屍人と同じであるが、
闇霊は憑りついた死体を身体構造まで変化させているといい、外見上は黒い布を幾重にも巻き付けた人間という風貌だが、
身体に巻かれた黒い布の下の身体は、ゲームでは表現できないくらいおぞましいことになっているらしい。
闇人となった後も身体構造の変化は変わらず続くらしく、時間をかけることでさらに強力な形態に変化することが可能で、
物語終盤では実際にそれら強力な形態へと変化した闇人たちと戦うことになる。


これらの特性から、闇人はほぼ不死身と言って良い存在で、倒す(殺す)ことは非常に困難であるが、
再生不可能なほどに取り憑いている死体を破壊するか、夜見島に生えている「滅爻樹(めっこうじゅ)」の枝を突き刺すことで倒すことができる。

「滅爻樹」とは、夜見島に伝わる「滅爻樹伝承」で伝えられる想像上の神木のことで、
現実世界の夜見島では既にその神木は存在せず、ただその枝のみが存在するとされる*1
夜見島では子供が生まれると、網元である太田家の当主がこの「滅爻樹」の枝を拾いに行き、生まれた子供と同じ名前の銘を付けるという風習がある。
ゲームに登場する闇人となった死体のほとんどは夜見島出身者のものであるため、同じ名前の銘が付いた枝を突き刺して滅するケースが多いが、
別段同じ名前の枝でなければ効果が得られないというわけではないので、銘が何であれ、突き刺すことが出来れば問題なく滅することが出来る。
ゲームでは概ね滅爻樹の枝を用いて倒すことになるが、唯一永井だけ、TNTを用いて再生不可能なほどに死体を破壊するやり方で倒している*2

前作に登場する屍人は、完全に滅するためには「宇理炎」で発生させられる「煉獄の炎」でその身を燃やすしかないが、
この「宇理炎」を使用するには使用者の命を代償にする必要があるので、それと比べると対策が多い分闇人の方がまだマシと言えるかもしれない。
ちなみに、この「宇理炎」や「木る伝」が宿った「焔薙」といった、前作に登場した「神の武器」も闇人に通用するようで、
スコアアタックモードでは、それらを持つSDKの攻撃で本編中の不死身っぷりが嘘のようにバシバシ倒されていく。
さらに言えば、後述する闇人甲式・乙式は、本編では不意打ち以外だと正面からの攻撃が効かないのだが、
宇理炎や焔薙での一撃は例外で、真正面から叩き込んでも問題なく倒せる辺り、単に通用するどころか特効攻撃であるらしい。



なお、身体能力だけでなく、設定上は知能的にも人間を上回っているようなのだが、ゲーム中では…


近くで鳴ってる電話機を何もせず眺めている。

脳天に消火器を落とされ撃沈。


セルフタイマーを作動させたカメラを拾って眺める。

富竹フラッシュ

目が、目があああぁぁぁ!!

転落


電灯が消えてる所でその場を動かずに監視

ファイアー!(電灯のスイッチを押す)

目が、目があああぁぁぁ!!

エリア外へ猛スピードで離脱


どう見ても人間以下です。本当にありがとうございました。
そんな様から、訓練されたファンにはアホの子として萌えキャラ扱いされているフシまであり、海人(うみんちゅ)に準えた「闇人(やみんちゅ)」の愛称で親しまれている。


彼らの目的は母胎が地上に進出するための露払いと思われる。
蒼の久集落では街灯の下に黒い布を張って少しでも環境を良くしようと涙ぐましい努力をしている。壊せよ。バラして電源切れよ。

取り憑いた死体の記憶を受け継ぐらしく、生前の口癖などを口走ったりもするが、
死体にとり憑いた闇霊の自我は残っているため、状態が悪い死体に取り憑くと「ガタが来てる」などの愚痴を漏らすことも。
ちなみに、闇人(闇霊)は自分たちがとり憑く人間の死体のことを『殻』と呼んでいる様子。
また、生前に強烈な未練や想いなどを抱いたまま死んでいった死体に取り憑くと、それに影響された行動を取ることもある。



最終的に母胎は一樹と郁子に倒され、残った闇霊と闇人はその後やってきた異界ジェノサイダーSDKに手も足も出ないまま、根こそぎ狩られたと見られる。
永井が落ちた世界では地上の侵食に成功し、ごく普通の日常生活を送っていた。
その世界では人間は既に絶滅しており、見慣れない生物(人間)である永井を化物と思って逃げ出す闇人がいるなど、元の世界とは人間と闇人の関係性が逆転している。



【主な種類】


・闇人零式

基本の人間形態。
周囲を徘徊し、人間や屍人を見つけると奇怪な雄叫びを上げながら襲いかかってくる。
また、隠れている人間を誘き出すためか「助けに来ました」「もう大丈夫ですよ」などの言葉を発することもあるが、
「どうあがいても、絶望」な状況下に全くそぐわない内容のもの(上記二つ等)が多く、効果があるのかは疑問。
ちなみにこの形態の闇人は小銃を手にすると、全個体例外なく何故か我が子を愛でるかの如く撫でまわす。

・闇人甲式

男の闇人が肉体を再構築したもの。
巨体の上半身の下に大きな顔がつき(上の頭の顔は機能していない)、足が1つの手のように変異しており大きな4本の指で徘徊する。
身に危険が迫ると顔面を硬質化させ攻撃を防ぐ他、接近されると黒い霧のような闇を作り出し視界をふさぐが、知能はさらに低下している。
見た目に反して意外と素早い上に図体がでかいため、狭い道で出くわすと結構厄介。闇霊などと一緒だとかなり危険。
倒すには後ろに回る必要がある。が、相手がこちらを発見していない状態なら真正面からでも攻撃は通り、与えるダメージも大きい。
また、一部の場所では地形を利用し引っ掛ける事が出来る。
作中では三上隆平、太田常雄、三沢がこの形態に変異しているが、モブは永井の夜見島中学校に2体(ハードでは3体)出るのみ。
(三上家の玄関、勝手口等)

・闇人乙式

女の闇人が肉体を再構築したもの。
体が退化した代わりに頭が肥大化し、4本の足で犬のように動き回る。前足が鳥のように変異している。
こちらも危険が迫ると顔面を硬質化させるが、闇を作り出す力はない。
甲式同様、倒すには背後に回るしかないが、こちらも相手が警戒していない状態なら真正面からでも攻撃が通る。
知能はやはり低下しているが四つん這いのくせにドアを開けちゃうのであなどってはいけない。
デザインにあたり「トロと休日」の心霊写真*3からインスパイアを受けている。
ちなみに肥大化した肉体を隠すのに衣服ではなく布団を羽織っており、ちょっと可愛く見えない事もない。
作中本編で登場するのは太田ともえの変異体が殆ど。*4

・ともえ闇人

元は太田ともえだった闇人。
闇人としての登場時点ですでに乙式になっており、考え無しに機関室に向かったプレイヤーをその不気味な容姿や正面攻撃無効化の能力で、恐怖のどん底に叩き落とした。
しかし、時折口にする、生前のともえが持っていたらしい都会への憧れや、父親の闇人が倒された時にいそいそと逃げ出す姿から多くのファンやベテランプレイヤーに愛されている。

・常雄闇人

鉄塔で襲いかかってきた元は太田常雄だった闇人甲式。永井を塔から突き落とした。
こちらも登場時から既に甲式になっていた(初出は12:00の阿部シナリオだが戦うことはない)*5
非常に回復スピードが早く、運が悪いと機関拳銃と拳銃を撃ち尽くしても立っていることも(当然詰み)。

・三上父闇人

元は三上隆平だった闇人甲式。自宅の周りをうろついている。
相手をする章子は拳銃しか手に入れられないため苦戦は避けられない…と思いきやところがどっこい。
三上家の勝手口や玄関に引っかかってるところに懐中電灯の光を当て続けるだけで倒せる(ハードでは懐中電灯が無いが)
道をウロチョロしている時や屋根でボーっとしているところに拳銃弾をぶち込めば一発で死ぬ事もある最弱の闇人甲式。
三上隆平は夜見島出身ではないために滅爻樹が存在しなかったが、代わりに移住後に島で生まれた息子のものによって滅された。

・藤田闇人

木船が鉄塔を登る道中で遭遇する元は藤田茂だった闇人零式。少し開けた場所でうろうろしている。
他の闇人と違って感応視で操ることができない(しようとすると一瞬で解かれてしまい、警戒状態になる)。
38口径を持っているため銃が必要だが、強力な機関拳銃が手にはいるため、タイミングを掴めばライトで怯んでいる隙にあっさり倒せる。
実は他の闇人を操って倒すことができ、上手く行けばスタート地点から一歩も動かずにクリアできる。
たまに口から出る独り言は、生前の藤田の辛い状況をうかがわせるものばかりで、聞いているとこちらまで物悲しくなる。
滅爻樹を刺されて肉体が消滅する間際、木船に向かって「そうか…あんたも、あの…」と、何かを感じ取ったかのような言葉を残すが…?

・沖田闇人

キレて見境がなくなった永井の前に立ちふさがった闇人。
周りには甲式がいるのに、なぜかスコップ持ちの闇人同様零式のまま。
実は開始当初はかなり無防備な位置におり、あっさり倒される。
第2条件では奥の小運動場で見張っている。
闇人ではあるが「永井、根性出せよ!」「挫けるんじゃないぞ」叱咤してくれる。
最期は永井の手により、TNTを口にぶち込まれて爆散した。

・三沢闇人

元は三沢だった闇人。
最初は金鉱採掘所に零式状態で見張っているが、他の自衛隊闇人とよく似ているため独り言をよく聞かないと分からない。
阿部が小銃や釘バットを持っていても手こずる強敵。
体力が非常に高い上に復活も早く、ハードでは5秒ぐらいで復活し、その早さはあの恩田姉妹と肩を並べるほど。
その後、小学校下の空き地に甲式になって登場。ミニミをぶっ放す上にライトが効かない強敵(しかし瞬殺するやり方はある)。
今作最強の闇人と言っても過言ではない。また、闇人では珍しく同一の個体で2タイプの姿を見ることができる。*6

おもなセリフ集

「まーえーまーえーこーなぎー♪」
「巨人勝ったかなあ?」
「あ暑っつ、ビール飲みてー」
「ハァー百恵ちゃん素敵よね」
「かしらー、なか!」
「たすけにきましたー」
「ハハ、死んじゃえーハハハ…」
「そろそろ死んでくださーい」
「テレビ見たいなあ」
「専守防衛、ハハッ」
「死ぬのが怖いのかい?」
「頑張れよ☆」
「頑張れ!頑張れ!」
「もっと楽しもうよー」
「新しい殻欲しいなあ」
「あーあ、お肌乾燥しちゃう」
「ほら頑張れ頑張れーヘヘ」
「安心して死んでいいよ」
「永井もずいぶんと冷たいよなあ」
「挫けんじゃないぞ」
「永井、根性出せよ!」
「永井ー、俺だよ俺」
「この殻あ、ちょっとガタきてるなあ…」
「居場所がないって切ないよなあ」
「化け物なんかじゃ無いですよ」
「これ、学会に連絡しないとな」
「おーい?かくれんぼか?」
「大漁だ大漁だ」
「都会ってどんなところなのかな?」
「久しぶりに最高の気分だ」
「なーーーがーーーいーーくん!いっしょにあそびましょーう!」
「あっち側もこっち側も関係ない」
「そうか、あんたも・・・」

一部の闇人自衛官はパンダ君、スコップ君、ニヤニヤ君等の愛称で親しまれている。(スコップ君は永井のEDにも一瞬だけ出ている)

パンダ目、目をバンダナで隠している、ニヤニヤ顔の闇人を見かけたら愛でてあげてください。



追記、修正は要らない殻を脱ぎ捨ててから(i∀i)

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • SIREN2
  • SIREN
  • ホラー
  • ゲーム
  • クリーチャー
  • 愛すべきバカ
  • ゾンビではない
  • やみんちゅ
  • 壊すべき生活がそこにはある
  • トラウマな甲型乙型
  • ともえたん
  • 永井ファン
  • 夜見島
  • 闇人
  • 闇霊
  • 化け物
  • 不気味
最終更新:2025年02月18日 20:25

*1 物語の舞台となる異界の夜見島には滅爻樹が実体化して現れているが、「SIREN2マニアックス」によれば、元々この滅爻樹は虚無の世界にのみ存在する樹であり、それ故に「母胎」がその虚無の世界に作った異界の夜見島では実体化しているという。

*2 上述の通り誰の名前が付いた枝であっても滅せられるのだが、対象の闇人が憑りついた死体は夜見島出身者ではないので名前に対応する枝がなく、さらに永井は枝を手に入れることも、その効果を知る機会もなかったためだと思われる。

*3 青白い巨大な顔がこちらを覗いている(ように見える)窓の事。勿論悪鬼化生の類などではなく、解像度の問題で偶然そう見えるだけ・・・だと良いね

*4 一応終盤の木船や一樹のシナリオでは1〜2体別個体現れる他、スコアアタックのSDK無双では複数体登場する。

*5 というか、もし戦うことになったらマゾゲーだが(阿部の手持ちは木製バット、章子は傘のため)

*6 前述の名前付きの闇人は殆どが変異してからの登場、または変異前に滅されている。