SIREN2

登録日:2009/05/30 Sat 23:19:17
更新日:2025/03/02 Sun 21:30:00
所要時間:約 6 分で読めます


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2006年 MMR SDK SIREN SIREN2 daku ✝俺という観測者✝ そして誰もいなくなった なぁにこれぇ なーがいくーん、いっしょにあそびましょー! やるじゃない キバヤシ クトゥルフ神話 ゲーム サイレン セーラー服と機関銃 タグに偽りなし タグ欄がカオス←何一つ嘘は書かれていない ツンデレの多いゲーム ハートフルボッコ パラレルワールド ピエール瀧 ブライトウィン号の怪 ホラー メソポタミア神話 亀ゼリーラーメン 人魚 人魚姫 佳作 健康優良日本男児 勝因:火の不始末 国盗りす 堕慧児 増殖する悪夢 夜見島 夜見鍋 女性キャラ全員人外 屍人 平行世界 幻視 怪作 敗因:うんこ 斎藤工 最強武器:トイレ 柳沢なな 母胎 滅爻樹 異界 異界ジェノサイダー 神風見せてやるよ! 純愛ゲー 純愛ゲー←ある意味で 続編 自衛隊 軍艦島 逃げ場なんて、ないよ 闇人 闇那其



  「逃げ場なんて、ないよ」  


SCEより発売されたプレイステーション2用のホラーゲーム『SIREN』の続編。

時間軸的には前作の直接的な続編にあたるが、前作のキャラはSDKを除けば登場せず、
繋がりが示唆されている程度で、前作を知らなくとも問題なくプレイできる。
また、前作は強制ハードモード難易度選択は出来なかったが、本作では難易度選択が可能となっている。



【あらすじ】

29年前、島の住民が一夜にして消失した孤島、夜見島。
オカルト雑誌の編集者をしている一樹守は、今でも失踪事件が相次ぐその島に取材に向かおうとするも、
近くの港を訪れた彼は、危険な無人島である夜見島に行く手段がないことを知り、途方に暮れてしまう。

そんな一樹に、偶然その島にチャーターした漁船で向かおうとしていた人気小説家・三上脩が声をかける。
彼の計らいにより、一樹と、出港直前に乗り込んできた男女二人は、三上と共に島に向かうことになる。
しかしその途中、が突如赤く染まって大荒れになり、ついには彼らを乗せた漁船は津波に飲み込まれて転覆してしまう。

運良く夜見島の港に流れ着き、現状を確認しようとした一樹の目に飛び込んできたのは、死体が動くという異常現象だった。
果たしてこの島に何が起きているのか。29年前、この島で一体何が起きたのか。
そして、それぞれ夜見島に流れ着いた一樹たち船の乗客は、生きて島を脱出することが出来るのか――


絶望のサイレンが、再び鳴り響く


【概要】

コンセプトは

  「増殖する悪夢」  

基本的な機能はそのままに各部分が改良された。

前作では死んでリトライすると失われていた仕掛けやキーアイテムがそのままになったのは大きい。
MAPで現在地が表示されるようになったり、しゃがみ走りができるようになったり、攻撃が連続攻撃できるようになったりとプレイしやすくなっている。
そのため、逃げ回るのが基本だった前作と比べるとある程度ごり押しが効くようになっており、前作よりも難易度が下がったといわれている。 

ただし、ある程度説明されるようになったとはいえ攻略のヒントが少ないのは相変わらず。
敵との戦闘についても序盤は屍霊・屍人の登場するステージが多いが、中盤から闇霊・闇人との戦いがメインになってゆく。
特に後半からメインの敵となる闇人の上位種等が登場するようになると格段に難易度が上昇。
後半からは正面からの攻撃を無効化する「闇人乙式」、更に周囲を暗闇にする能力まで得た「闇人甲式」が追加。
敵の数も多く武器にも恵まれない為、これらと戦う際には正面衝突を避けつつ慎重に立ち回る必要が出てくる。
さらにハードモードでは、油断しているとあっというまに殺されることもザラ(特に小銃持ちが多い三沢団地)
前作がMGSなら本作はバイオになった感じで、一部プレイヤーからは「アクションは2の方が難しい」とも言われる。

また、前作のオカルトランドのようにスタッフの手によって三上脩と喜代田章子の公式サイトが立ち上げられている。

尚、前作『SIREN』がキリスト教的な世界観をモチーフとしていたのに対して、本作ではシュメール系のメソポタミア神話を下敷きにしている。
七つの門や冥府といった用語、闇那其(=アヌンナキ)といった単語からも推測可能。後述のように屍人の設定が変わっている。
ぶっちゃけると前作とは迚も世界観を共有しているようには見えないのだが、設定的には“ちゃんと繋がりがある”とのこと。
……全く世界観が別に見えるのは、大元は同じでも枝分かれした後の“神”の種別と其処から生まれた因果律が別物だからだろうか?

実際、前作『SIREN』が円環する閉ざされた世界からの脱出を目指す物語(ループもの)であったのに対し、
本作『SIREN2』は敵も味方も自分達の未来を得られる世界を目指して世界間移動を繰り返す物語(パラレルワールドもの)になっており、正に似ているようで大きく違う世界観だったりする。


【主な登場人物】

一樹 守(イツキ マモル)

「いったい どういう事なんだ?」
オカルト雑誌「超科研アトランティス」の見習い編集員。メガネ。モデルは何と斎藤工。
謎の消失事件の相次ぐ「夜見島」の取材を行おうと調査にくるが、危険な無人島である夜見島へ行く船が見つからず、困り果てていた。
そこへたまたまチャーター船で島に向かおうとしていた三上と出会い、彼の厚意で同乗を許される。
だが途中で嵐(堕慧児が起こしたもの)に巻き込まれ、夜見島港に一人漂着。赤い津波に襲われて異界に囚われてしまう。
島で出会った美少女・百合と共に夜見島の謎を解き明かそうと動き出す。ちなみにいつの間にかメガネを失くす。

ゲーム本編の主役的立場であるのだが、他のプレイアブルキャラと違い夜見島とは因縁がない狂言回し的な存在。
そのため若干影が薄いが、彼なりに冷静に事態の究明と解決を目指して行動しようとしている典型的オカルトおたく
だが極限の状況下に置かれているストレスからか、空回ったりめんどくさい言動を取ってしまうことも。そのせいでプレイヤーから不評を買う。
中学時代に自分のせいで元カノが自殺未遂を起こしたという暗い過去があり、そのせいで女性に甘い。逆に男には妙に冷たく刺々しい。
冗談があまり通じず嫌味の返答に生真面目に考え込んだり、自分が原因で起きた問題に逆切れしたりと忙しい。
名前の由来はMMR (MaMoRu) から。ファンからの愛称は「イチさん」「4様」「キバヤシ」。

岸田 百合(キシダ ユリ)

「誰も私を助けてくれない…あなたしかいないの…」
一樹が異界の夜見島で初めて出会った美少女で、屍人に追われていたところを一樹に助けられる。
島に閉じ込められた母を救う為に謎の儀式を決行しようとしており、一樹を誘惑し半ば強引に付き合わせた。
赤を中心にしたファッションで身を包んでおり、異常にが苦手で激しく嫌がる。
言動が思わせぶりというか漠然としていて要領を得ず、若干電波が入っている感じが特徴。
また何故か異界となった島でも慌てる様子もなく、むしろ馴染んでいるようでさえあった。
不思議な雰囲気を纏っており、抱き着く・すり寄る・囁くなど男を誘惑するような行動を取る。脱ぐとすごい
だが一樹が「お母さん」に疑問を持つと一転、拒否反応を示した百合はその場を立ち去ってしまう。

木船 郁子(キフネ イクコ)

「私が…止めなくちゃいけないんだ」
トラウマ持ちのツンデレヒロイン。若くして第四級海上無線通信士の資格を持っている。
夜見島近くの漁港で釣り船のアルバイトをしており、一樹たちを夜見島に運ぶ途中で船ごと異界に巻き込まれた。
嵐の中、船に必死にしがみついていたところ一樹が助けようとしたが、結局は流されてしまう。
他人の心を読める超能力を持ち、島に来てからはジャックした相手を操れる『感応視』を使えるようになる。
幼少時から抱える心の重荷(胸の痣、特殊能力、複雑な出生事情など)のせいで、人と関わるのを避けている。
それもあってか性格は塞ぎ込みがちでネガティブ気味だが、責任感は強く真面目。

永井 頼人(ナガイ ヨリト)

「逆ギレのが強ぇーんだよ!」
陸上自衛官の陸士長。通称「永井君」「健康優良日本男児」。
物資輸送訓練中にヘリが操縦不能になって不時着、島にたどり着く。
自衛隊での成績は優秀だが、性格はいかにもな現代の若者。先輩の沖田を尊敬し、上官の三沢の事が嫌い。
それ故、内心では「なんで三沢が生きてて沖田先輩が死ななきゃならなかったんだ」と思っている。
どんどんおかしくなっていく(ように見えた)三沢が、民間人(と思ってた)の百合や市子に銃を向けるのを見て激昂。
思っていた内心を吐露してしまい決別する。その後に市子を銃で脅す三沢を咄嗟に撃って殺してしまった。
保護した市子は闇人に攫われ、助けた市子には機関銃で撃たれ、自分が大きな勘違いをしていた事にようやく気付いた。
終盤では良くも悪くも一念発起して怪物たちに立ち向かい、一樹と共に鉄塔の頂上を目指す。
だが、頂上回廊に到達する直前に突然現れた闇人甲式・太田常雄に突き落とされてしまう。


三沢 岳明(ミサワ タケアキ)

「撃たなきゃだめなんだよ もう訓練じゃないんだ」
永井の上官の三等陸佐。通称「ピエール」(演者のピエール瀧氏から)
理想に流されない現実主義者でレンジャーの資格も持っており、バイアスロン大会で優秀な成績を残している優秀な自衛官。
前作と少しだけ繋がりがある人物で、以前羽生蛇村の災害救助に向かい、唯一の生存者「四方田春海」の救助を行った。
だがその際、霊感が強い体質だったことが災いして異界の一端に触れてしまい、以降精神を病んでいる*3
また、病院からは精神安定剤らしきものを処方されていたようで、劇中でもたびたび服用していたが切らしてしまう*4
しかし不器用な性格ゆえに、このことを他人に打ち明けたり相談したりすることができず、一人で抱え込んでいた。
夜見島に降り立ってからは永井と共に脱出しようとするが、元々彼からはあまり好かれていなかった。
更に異常な状況に置かれたストレスと異界の影響か、趣味の悪い冗談を言ったりとおかしな言動が徐々に見え始める*5*6
そのせいで永井からはほとんど信用されておらず、それが結果的に自分の首を絞めることに。
霊感のおかげで岸田百合や矢倉市子の正体に気づくが、それを知らない永井にいずれも妨害される。

三上 脩(ミカミ シュウ)

「この島に 記憶の引き出しの鍵が眠ってる」
夜見島出身の売れっ子恋愛小説作家。29年前に起こった事件の影響で弱視を患っている。
物心つく前に母と死別、夜見島で起きた事件で父を亡くし、島にかつての思い出を訪ねてやってきた。
翔星丸が転覆後、何故かツカサと29年前の夜見島にタイムスリップし、更に異界にまで飛ばされてしまう。
転覆の際に弱視用メガネを無くしたため視界はぼやけて見えづらく、武器は靴ベラと、登場人物の中ではもっとも最弱。
ツカサがいないと何もできない。でも頼りのツカサは落盤事故に巻き込まれ…。

・ツカサ・オブ・ジルドール

犬。一歳。シェパード。
三上と一緒にいるドイツの血を引いていると思われる、茶と黒が混じった毛が特徴の色黒な顔の女の子。
弱視の三上の目となる健気な子で、攻撃的な漁師も撃退してくれるデレ。
崩れた小屋の下敷きになり死んだかと思われたが、終盤に阿部の前に現れツンな態度を見せる。
物語の最後でおいしいところをさらっていくツンデレキャラ。


阿部 倉司(アベ ソウジ)

「マジありえねぇよ ドッキリだったら暴れるぞ」
同棲中の恋人を殺害した容疑で指名手配されているフリーター。
ただし彼自身は恋人を殺害していないどころか、恋人が死んだこと自体(とある事情で)信じていない。
逃亡の最中、恋人の友人であった喜代田の下に向かうとナイフ片手に無実を訴え、助けを請う。
そして彼女の占いに従って恋人の行方を知るために、夜見島行きの船に転がり込んだ。
見た目と口調は完全にヤンキーだが、根はひょうきんで優しい性格の持ち主であり、肝が据わってるのかマイペース。
異界で黒い革ジャンを着て釘バットを振り回し、怪異に巻き込まれている最中に誕生日を迎えた女に歌とプレゼント(拾い物)を贈る男。
考えもなくいかにも怪しい異界の果物を採って食ったり、異界の遊園地で電動パンダに乗ったり、結構島を満喫している。
異界に迷い込んでからも明るさと優しさを失わない彼の人柄は、プレイヤーの数少ない癒しとなった。

喜代田 章子(キヨタ アキコ)

「さっきのイメージ すごく変・・・別の力?」
阿部の恋人の友人だった占い師。ペンデュラムによるダウジングで占う。結構フランクで明るい性格で服装が派手。
異界の中で誕生日を迎えた30歳。阿部からは「不思議ちゃん」「年増」「占い女」と散々な呼ばれ方をしている。
過去の光景を見ることが出来る『過去視』の能力を持っており、自分を尋ねてきた阿部の無実をその能力によって信用した。
更に彼の依頼で友人の行方を占った結果、夜見島に阿部と共に向かうこととなった。
事件の真相を解明する途中で嵐に巻き込まれ、夜見島に流れ着く。過去視で三上の子供時代が見えた直後、赤い津波に飲み込まれた。


藤田 茂(フジタシゲル)

「心細いだろうに すぐ行くからな!」
正義感が強く優しい警察官で52歳の巡査部長。
無人になったはずの夜見島に若い女性がいるのを見たという通報を受け、気になって夜見島を訪れた事で異界に。
異界の船に取り残された矢倉市子を保護し、彼女を励ましながら異界から脱出しようとするが…。
かつては優秀な警察官として警部補にまで昇進するが、「家族に会ってから自首する」という犯人の言を信じて解放。
結局優しさを仇で返されそのまま取り逃がし、失態を演じた責任で降格・左遷される。
元々仕事に打ち込むあまり家庭を顧みなかったため、この一件で妻と娘からは完全に愛想を尽かされてしまう。
左遷先には一人で赴任することになった上、娘からは絶縁状に近い手紙を送られた哀しいお父さん*9
好奇心と使命感の強さ故に厄介事に自ら首を突っ込む性格が災いし、不幸な目に遭いがち。

矢倉 市子(ヤグラ イチコ)

「中島君? ノリコ? みんな…どこ?」
なぜか島に着いたフェリー、ブライトウィン号の中で気を失っていた中学生の女の子。好物はカレー。
夜見島にある県立亀石野中学校の生徒で、「わかんない」が口癖のテニス部員だが記憶を一部失っている。
ブライトウィン号船内で警察官の藤田に保護され、合流後は彼の乗ってきたボートを目指す。
その後、とある事情で藤田と別れた市子は独りで逃走中、自身の悲鳴を聞きつけて駆け付けてくれた三沢と合流する。
だが三沢には徐々に不審がられるようになる。彼曰く「あの女(百合?)より生臭い」らしい。


多河 柳子(タガワ リュウコ)

「ごめん…ごめんね……」
現代の人物で阿部の恋人。幸薄そうな女性で、最近阿部とはよく喧嘩していたと噂されていた。
物語開始前に、阿部と同棲していたアパートの一室で、顔を個人が判別できないほど酷く損傷させられた撲殺体として発見される。
だが阿部の話によると、死体発見直前にアパートの前で既に死んでいるはずの柳子と鉢合わせになり、少し会話した後に去っていったという。

加奈江(カナエ)

「修は男の子だもん。がんばれるよね。」
島に流れ着いた百合に瓜二つの少女。29年前の人物で当時18歳、すでに故人。
記憶喪失の状態で三上親子に拾われ*10、脩は「お姉ちゃん」と慕っていたが、夜見島の島民からは嫌われている。
不思議な雰囲気を持った美少女で、光が苦手だったり、記憶を失っているのに島に伝わる歌を口ずさむ*11等、不審な一面を見せているが、
脩に対しては母もしくは姉かというほど優しく接しており、29年前の事件では暴徒と化した島民から脩を庇いながら島を脱出しようとするが……。

太田 常雄(オオタ ツネオ)

島の漁師の元締めで左目の眼帯のような手拭いが特徴。29年前の島民消失事件で行方不明となっていた。
加奈江の正体を不審に思い、島を護る太田家の使命を果たすべく、漁師たちを率いて加奈江を抹殺しようとした。
しかし加奈江を追い詰めたところで母胎が起こした赤い津波により、全島民共々異界に呑みこまれてしまう。
その後、夜見島を訪れた藤田茂に発見され「親父さん」「藤田んとこの馬鹿息子」と元々顔見知りである事が分かる。
だがその時すでに瀕死であり、話をしてほどなくして太田は死亡。
残された遺体は、やがて周囲を取り囲んでいた屍霊に憑りつかれ、屍人として活動を開始。
藤田と市子に襲い掛かったが、市子が謎の笑みを浮かべた瞬間、恐れおののくような仕草を見せて逃走した。
その後は闇人甲式と成り果て、永井を鉄塔から落とすが一樹に「太田常雄銘の滅爻樹」によって滅された。
懐に戦時中に入手したと思われる二十六年式拳銃を隠し持っており、屍人化後にこれで攻撃してくる。

太田(オオタ) ともえ

常雄の娘で当時24歳。29年前の島民消失事件で行方不明となっていた。
元締めの娘であることに誇りを持ち、父の仕事を手伝っているが、内心では都会に憧れを持つ。普段は気遣いのできる優しい少女。
だが一樹たちの前に突如現れると、百合を加奈江と勘違いして掴みかかり追いかけてくる。
そして島を彷徨っている時に屍霊に襲われ、足を滑らせて崖から転落、アンテナに串刺しになり死亡する。
その遺体は屍人や闇人乙式となって蘇り、「目抜き大切」を手にして再び一樹たちを執拗に追いかけてくるが、最終的には滅される。
なお、一樹たちを追いかけてきたのは大事にしていた髪飾りを彼らが持っていた(落としたのを拾われた)というだけ
事件の事さえなければ都会に憧れを持っていたり、父親からもらった髪飾りを大事にしていたりと、年相応の女の子。
でも大事にしている理由は凄い高価な髪飾りだったからだったりするが
可愛げがあり親想いな設定が受けたのか、操作キャラクターになることはない敵キャラクターでありながら、かなりの人気キャラ。
ちなみに彼女が「加奈江が黒い気持ち悪いものと海にいた」と言い出したのだが、これは微妙に間違っている。
実際は島に元々いた屍霊達が加奈江(母胎の因子)に惹かれて寄ってきたのを、加奈江が追い払っていただけである。
後述の滅爻樹の風習により死者が屍人化せずにいただけで、実は異界に飲まれる前にもすでに屍霊や屍人がいる。
都会への憧れがあったからなのか、よく船の中にいることが多い。闇人乙式となった際は何故か布団を巻き付けていた。


【主な敵】



暗いところにかくれていれば、助かるとでも思ってたのかい?

屍人

島に巣くう下記の屍霊が人間の死体に取り憑き、動かしている存在。
倒しても倒しても復活してくるのは「不死身」だからではなく、新しい屍霊が憑依し直しているからである。
前作と違って身体を動かしているのが死んだ当人ではないためか、生前の記憶を有していることはほとんどない。
だがかなり強い思念をもって死亡した人間に取り憑いた場合は、その執着心に影響されることもある*12
人間の天敵だが敵対する闇人に一掃されてしまい、中盤からは登場しなくなる。

・屍霊

モヤモヤ。「穢れ」や「赤黒い化け物」などと呼ばれ、光を受け続けると消滅する。
普段は雑魚だが、ハードモードでは懐中電灯が無いと数の暴力を受けなにも出来ないまま殺られる。
なお、彼らをよく見ると中央に顔が浮いている。その正体は数億年前に海底に追いやられた古代先住者達の成れの果て。

闇人

闇霊が死体に取り憑いたもの。「やみんちゅ」ではない
光に極度に弱い為、常に黒い和服や頭巾を何重にも被って光を遮っており、肌は真っ白で黒い体液を顔から流している。
闇の中でも目が利くが、逆に強い光を浴びると悶絶する。それを防ぐため日傘を持ち歩く者もいる。
元の人間(遺体)を『殻』と呼び、その人物の生前の行動を模倣する他、生前の意志が強い場合乗っ取られることも。
もっとも母胎の目的を覆したりはできないので、やはり人間を襲ってくる。
前作の屍人に近い存在で、取り憑いた死体の生前の記憶を保持しつつも高い知能を持ち、屍人を瞬く間に駆逐した。
また、「助けに来ましたよ」「もう大丈夫ですよ」などと言って人間を誘い出そうとする。
ちなみに女闇人は「僕ぅ?出ておいでぇ」「あ~ら 可愛いわねぇ」と何故かおねショタな香りが漂う。
闇人(というか取り憑いている闇霊)にも自我は存在しており、取り憑いた死体への感想を洩らしたりもする。
周囲の闇霊達と生命力を共有しているため、死んでも強力な自己再生能力で蘇る。
このように不死身の存在だが、『殻』である人体を木っ端微塵に吹っ飛ばせば滅する事は可能。「神器」なら一撃で消滅する。
夜見島出身の者は「滅爻樹(めっこうじゅ)」と呼ばれる夜見島の神木の枝により滅する事ができる*13
甲式・乙式と呼ばれるおぞましい強化形態も存在するなど、物語後半からの強力な敵としてプレイヤーに立ちはだかる。

…だがゲーム中では懐中電灯程度の光で怯む、滅爻樹で消滅するなどイマイチ恐怖感が薄い。銃火器を使う個体が増えたので脅威ではあるのだが…。
確かに屍人と違い見え見えな陽動には引っ掛からないが、単純な罠には普通に引っ掛かかったり余計なことして自爆したりと、知能が高いとも思えない。
強化形態の方も巨大な頭が邪魔をして、地形に引っ掛かってハマったり通れなかったりと、むしろ不器用すぎて萌えキャラ扱いされている。



闇霊

通称「たらこ」。その正体は「光の洪水」から虚無の世界へ逃れ姿形を失った地上の古代先住者のなれの果て。
復活後の母胎から分裂するように産まれ、闇人と同じように黒い布で包まれている。中身は真っ白。
実体があるように見えるが、人間とは全く異なった身体構造となっている。闇人と違い物理攻撃で消滅する。
中盤に母胎の復活と共に島に大量発生し、屍霊に代わる新たな敵としてプレイヤーの前に立ちはだかった。そしてSIREN2アンチを生み出す大きな要因となった。
光に対し極端に弱く耐性がないため、懐中電灯や街灯の光ですら浴び続けてしまえば消滅する。


・模倣体

本編に登場する矢倉市子の正体。「母胎の鳩の模倣」と「生前の市子の姿の模倣」両方の意味を兼ねている。(公式見解)
後述の闇霊ベースの分裂体とは違い、屍霊が元になっているためか光に対し耐性がある。
母胎にとっての「鳩」のような存在だが、あちらが母胎が地上侵攻のためにいくつかの役割をもたせて創ったのに対し、
模倣体は堕慧児が単に母胎を真似て創ったようなもので、市子以外に模倣体は存在せず、果たすべき役割も特にない。
そのため、模倣体として完全に覚醒した市子は、自身を創造した堕慧児の「母胎の下に還りたい」という意識に引っ張られて行動している。

しかし、元々劣化した堕慧児が作ったためか、「矢倉市子」でも「堕慧児」でもない、それらとは別の凶悪な意識も芽生えている。
敵対する闇人・闇霊、そして生きている人間といった、彼女にとっての「邪魔者」を見かけると即座に殺しにかかるのもその影響。
光に耐性がある故に弱点らしい弱点はなく、攻撃を浴びせかけてもそれを物ともせずに突進してくるし、倒してもすぐ復活する。
そのためゲーム的には最強の敵の一角と言っても過言ではない。太田家に古くから伝わる宝刀『潮凪(しおなぎ)』を振り回す。

最終盤には鉄塔で母胎の襲撃を受けて転落し、自身を創造した堕慧児に吸収される形で消滅する。
ちなみに吸収される直前、肉体の崩壊が始まった模倣体こと市子の顔が巨大な眼球のような形状に変化していた。
模倣体を取り込む前の堕慧児は片目をずっと閉じていることから、模倣体は堕慧児の目から創造されたことが分かる。

・分裂体(鳩)

後述の母胎が地上に派遣した、母胎から分裂した分身。加奈江、岸田百合、木船郁子、喜代田章子、多河柳子の正体*14
通称『鳩』とされ全て女性の姿だが、その理由は後述のモデルから。肉体自体は女性どころか人間とは全く違う。
その目的は「人間(性別を問わない)を冥府に誘い、母胎と融合させること」である他、地上の状況を母胎に知らせる諜報員としての役目も持つ。
母胎が現世から生贄の人間をつれてくるために産み出した存在であり、闇霊の集合体のため光に弱く、日光を浴びれば溶けてしまう*15
ちなみに屍人や闇人と違い身体能力も普通の女性と同等しかなく、攻撃を受ければ人間と同じように死んでしまう。

分裂体には母胎から直接産み出される「覚醒体」と、覚醒鳩を構成していた闇霊(鳩の因子)が妊婦の胎児に寄生して生まれる「未覚醒体」がある。
「覚醒体」は母胎の身体の一部から作り出され、母胎と同じ顔を持ち闇霊と同じ弱点を持つが、最初から母胎の強い影響下にある一方、
「未覚醒体」は、『鳩』として覚醒するまでは肉体・精神共に普通の人間であり、当然顔も人によって異なり、日光で溶けたりもしない(苦手ではある模様)。
また、『鳩』として覚醒するまでは普通の人である「未覚醒体」は、覚醒しても人格が変わったりはせず、覚醒以前の自我が残っているため、
覚醒後は人間として培ってきた良識や良心と『鳩』としての役割の板挟みとなり、結果として覚醒後に母胎の下に帰ってきた者はいなかったらしい*16
なお、喜代田だけは『鳩』となった経緯が異なり、彼女は幼い脩を助け、溶けた後に海に漂っていた加奈江の「コア」が宿って生まれた「未覚醒体」。
加奈江は「三上弥生」、つまりモデルとなった人間の影響を強く受けていたためか、彼女のコアが宿った喜代田は「母胎の影響を最も受けにくい『鳩』だった」という*17

また、「未覚醒体」には『鳩』として覚醒すると、劇中の百合や加奈江…というよりも、母胎(三上弥生)と同じ顔に変貌するという特徴も持つ。
柳子は覚醒した影響で以前とはまるっきり人相が変わってしまったことで、それまでの自分とは別人として生きていくことを余儀なくされたという。
また「未覚醒体」は『鳩』としての自覚はないが、覚醒する事で自分が何者であるかを思い出し、母胎からの指令に目覚め、肉体も変質する。
だが死亡すると遺体は再度人間に戻るのか、殺害された覚醒後の『鳩』である柳子の遺体を警察が検死*18した際は何も異常は見つかっていない模様。
尚、亡くなった三上弥生の年齢は不明だが『鳩』は何故か皆18歳の姿で現れる*19
ちなみに三上の父は手記で「恐ろしい程若い頃の妻に似ている。」と述べている。

加奈江は最初から自覚をもって生み出された『鳩』であったが、モデルとした三上弥生の母性に引っ張られ、幼い脩を冥府に導くことを拒否した。
唯一役割を果たし、母胎の下に生贄となる人間を連れて戻ってきた岸田百合は、最も母胎に忠実な『鳩』であったとされており、
彼女は他の『鳩』と違い、母胎が自らの頭部を分裂させて作りだした「最も母胎の影響を強く受けている」個体であるが故である。
『鳩』としての役割を拒否し、人間として生きていこうとしていた柳子を母胎の命令で抹殺したのも百合であり、
阿部が柳子らしき撲殺遺体を部屋で見つける直前に出会ったという柳子は、彼女の殺害後、現場から出てきたばかりの(柳子と瓜二つの顔の)百合である。
だが全く自我がないというわけではなく、自らの姉妹とも呼べる同じ『鳩』であり、人間として幸せを掴みつつあった柳子を殺すことにやりきれない思いはあった。
そのため、遺書を予め用意した上で自分を迎え入れ、抵抗せずに大人しく殺されようとする柳子に「ごめんね」と謝罪しながら手を下している。


堕慧児(オトシゴ)

屍霊の親玉。リアルクトゥルカ。
元は闇霊と同じ存在であったが、光の洪水により母胎側と分断され、海底に追いやられた古代先住者達の成れの果て。
そして海の底で長い年月を過ごすうちに「屍霊」と呼ばれる存在に変質し、その屍霊者たちが集合体して出来上がった*20
19年前に溺死した矢倉市子の死体から母胎を真似て形を成したが、巨大な頭部から無数の手足が生え、口から屍霊を吐く醜悪な怪物となった。
母胎のもとに帰りたがっているが、母胎自体は自分(闇霊)たちとは異質に変化(劣化)した堕慧児や屍霊(屍人)たちを同胞とは思っていない。
それどころか、むしろ現世進攻の邪魔者として嫌っており、堕彗児も永い間自分たちを放置していた母胎へ愛憎渦巻く感情を抱いている。
そのため屍霊と闇霊は劇中では敵対関係となっており、地上の奪還には興味はない。異界の現象は起こせないが、嵐や大波、ケーブル切断などはできる。
ブライトウィン号の怪や海底ケーブル切断事故は、母胎へのアピールとしてコイツが引き起こしたもの。

母胎の復活を知ると異界に侵入し、鉄塔から落下した市子こと模倣体と、闇人甲式になった三沢を吸収。
その場にいた永井に襲いかかった。最期は永井の機転で大量の石油を浴び、投げつけられた水銀灯で炎上し滅ぼされた。
ちなみに、外伝小説「ブライトウィン号の怪」では、ブライトウィン号に引き揚げられた『鳩』の一体が暴走して惨劇を引き起こしており、
この暴走には堕慧児が関係していると語られているが、あくまで「堕慧児の影響で鳩が暴走した」というだけで、
鳩そのものは母胎が創って送り出したもので、堕慧児は(直接的には)無関係である。


・母胎

かつて地上を支配していたが、光の洪水により駆逐され異界に逃れた闇霊の集合体。伝承の「地の裏側に逃れし者」。
虚無の世界で悠久の時を眠り続けていたが、ある時異界に偶然流れついた「三上弥生」の水死体を見て、人間の存在に気付いた。
そしてかつての自分達の世界が人間に奪われたと思い込み、「人間を殻に使った地上奪還作戦」を考え付く。
手始めに『鳩』と呼ばれる人間を模した分身体を定期的に飛ばしつつ、29年前に夜見島を模した異界を作り上げた。
この異界「写し世の世界」を中継拠点とし、その2年後に「加奈江」を夜見島に送り、赤い津波を起こして夜見島の島民を異界に飲み込んだ。
更にその8年後には夜見島付近を航行中だったフェリー・ブライトウィン号を飲み込むも、堕慧児と接触してしまい、『鳩』2名を喪う*21
その後、冥府の門を開くための生け贄を『鳩』に探させ始め、忠実な『鳩』である「岸田百合」を生み出し、本格的に動き出した。

基本的には光という弱点以外は不死身の存在。
顔(百合)以外にも体の一部が欠損しているが、これは生み出した『鳩』が戻ってこないため。
後に頭部の『鳩』である岸田百合と融合、更に三上脩を吸収した事によって完全体となる。
元々は精神体で不定形だったが、地上奪還を思いついた時に三上弥生(の死体)を参考に身体を創造した。
そのためか実体は弥生の頭がついた巨大なタツノオトシゴと人魚の融合体めいた肉体となっている。
他、それ以降に作られた母体の分裂体である『鳩』も、母胎…つまりは三上弥生と同じ顔に変化するという特徴を有する。

本作のサイレンも正体はコイツの鳴き声。霊力を行使する時に鳴くらしく、音が響き渡ると赤い津波などの怪奇現象が起こる。
尚、赤い津波に飲み込まれた者は、時系列を無視して異界のニセ夜見島に飛ばされる。時代の違う面々が一堂に会しているのはこのため。
ちなみに本作での赤い水は母胎の力が使われていることの象徴なだけで、前作のような屍人化・幻視・不死身などの効果はない。
幻視ができるようになるのは母胎の力の影響であり、異界(母胎の縄張り)に入る事で使えるようになる。

母胎唯一の弱点として、闇霊を完全に滅することのできる木「滅爻樹」から生まれた『闇那其』であればダメージを与えられる。
これは冥府に生えている滅爻樹が、夜見島で産まれた者に与えられ、闇霊や屍霊のような穢れを滅する事ができる神木のため。
……そして母胎は冥府と繋がる異界の夜見島で『産まれた』者であるため、滅爻樹から新たに闇那其・痕が生まれたのである。
母胎の穢れを滅する為に生み出された闇那其には、全てを無にしてしまう力(そして闇那其のみが残る世界を作る力)がある。
現実をも改変してしまう特異点でこれに身体(加奈江)を貫かれ、一樹達に闇那其・痕で滅された母胎は、存在そのものが抹消されることになり、
母胎を元とする闇霊も堕慧児も消え、堕慧児を元とする屍霊や屍人も消え、当然『鳩』も消え、夜見島で29年前から起きた全ての異変も起きなかった世界となる。
これにより、『鳩』とそれに関わった人間も歴史改変に巻き込まれ、母胎がいた世界とは全て別人となっている*22
(ちなみに三上と加奈江は特異点で再会、冥府で眠りについたので一樹達と同じく世界線を移動したと思われるが、こっちの世界にパラレル三上が存在するかは不明)
尚、特異点に到達していなかった阿部と永井は、赤い津波によってそれぞれ別の並行世界へと誘われた。


【その他】

・夜見島/異界「写し世の世界」(ニセ夜見島)

『SIREN2』の主な舞台となる離島と、その離島を元に形作られた異界の島。

現実世界の夜見島は日本近海に位置する離島であり、島の形が「飛び立つ鳩」に似ている。
夜見島の名前は「忌み島」「黄泉島」「闇島」が由来であるとされており、古くから外部との関わりを持たず、閉鎖的な島であった。
だが1961年に島内で金鉱が発見され、外部から採掘業者が多数移住。結果インフラの整備や電化が進み、島の近代化が促進された。
しかし1970年に突如として採掘量が激減し、後に完全に枯渇。金鉱事業が撤退すると同時に島民の減少が進み、島は衰退の一途を辿った。
更に1976年に海底ケーブル切断事故*23で島内全域の電力が途絶え、更に全島民が失踪するという怪事件が起こる。
これを境に無人島と化し、廃墟化した社宅や鉱山関連施設などが島内各所に多数残されているだけとなる。
夜見島の近隣住民の間でも呪われた島として忌避されており、現在も島を訪れる者は少ない。

また、島に伝わる伝承を元にした『滅爻樹信仰』という、神木信仰に近い土着信仰も根付いており
『滅爻樹』には邪気や不浄を浄化する効果があるとされ、島に子供が生まれると、太田家の当主が四鳴山(しなりやま)に向かい、
その子供の名前を記した滅爻樹の枝を取りに行くという、『滅爻樹迎え』なる行事が行われる他、
死者の葬儀の際には、その者の名前を記した枝が死者に捧げられることで、死体に憑依する穢れを浄化できると信じられている。
ただ、滅爻樹そのものは伝説上でも既に現世には無く、枝のみが存在するとされる。
山は島民から神聖視されており古来より禁足地だったが、鉱山開発後に離島線4号基鉄塔が建造された。
その他、島には巫秘抄歌(こうなぎひしょうか)という「舞う巫が7つの門の7つの封印を解く」というわらべ歌があったが、メロディは伝っていない。

尚、一樹が取材に訪れる前にすでに週刊粕取の編集者とライター、協力者の都市伝説調査隊の管理人SHIBITOが訪れており、
週刊粕取139号(昭和80年7月29日発行)にその記事が掲載されている。ライターは再び島を訪れたらしいが行方不明。


一方、ニセ夜見島の方は現実世界ではなく異界に存在し、赤い津波に飲み込まれた者は、時系列を無視してこの島に飛ばされる。
異界である「写し世の世界」は、現代の29年前である1976年(昭和51年)の夜見島を模倣した箱庭世界。
島の天然資源から紙切れ一つまで当時の状態をほぼ完全再現しているが、一部時空がねじ曲がってしまっている*24

本編の主な舞台となっているのは実際のところは現実世界(本物)の夜見島ではなく、異界のニセ夜見島であり、
本物の夜見島が登場するのは、登場人物たちが赤い津波*25に飲まれる前(サイレンが鳴る前)のみ。
また、登場人物の中には一樹たちと違う時代からニセ夜見島に飛ばされた者がいるため、
よく見ると、赤い津波に飲まれる前にいた現実世界の夜見島が、他の登場人物がいた島と細部が異なっていることもある。

ニセ夜見島は常に闇に包まれており、壊れた物が元に戻ろうとする力が働くらしい。鉄塔は元に戻らなかったけど
29年前のため海底ケーブルが切断されておらず、島内にも電気が通っている。どこから来ているのかは不明。ただし電話は通じない*26
また、この世界は母胎の強い影響下にあるため、霊感や異能の力が増大され、誰でも幻視が使えるようになる。
ついでに一緒に赤い津波に飲まれたのか、屍霊や屍人や堕慧児もこちらの異界にも出現する。

このニセ夜見島で儀式を行い冥府の門を開く事で、空の向こうに鏡合わせのように現実世界の夜見島が現れる*27
冥府の門を開いた後は、滅爻樹の枝があるとされた四鳴山に冥府から伸びてきた滅爻樹が、鉄塔を取り込むように地上に突き出している。
この鉄塔の先でニセ夜見島と現実の夜見島は結ばれており、母胎がここに辿り着けば現実世界への侵攻が現実のものとなる。
逆に言えば鉄塔さえ破壊してしまえば、母胎の地上奪還作戦は不可能となる。同時に現実世界に戻る唯一のルートでもある。
またその鉄塔と鉄塔の間は『特異点』という、無限の可能性の中で現世と虚無の区別のない異空間であり、あらゆる事象が起こりうる。
特異点の中は赤い水で満たされた岩場のようであり、呼吸などは普通にできるが母胎も自由自在に泳ぎ回れる。空は水面っぽい。


夜見島のモデルは長崎県端島(通称軍艦島)。
ただし建物の老朽化で立入禁止になっていた為、ロケーションは広島県大久野島や岡山県真鍋島などで行われている。
シリーズ恒例のゲテモノ料理は夜見鍋と亀ゼリーラーメン。1に比べると材料が手に入りにくいのが残念。
  • 夜見鍋:夜見島でとれた海の幸、山の幸を使用した鍋。包丁を一切使わず、月明かりの下で食すのが作法。
    • 調理法以外一見まともに見えるが、夜見島でのみ自制する夜見アケビが入っている。酸味と甘味のある果肉を持ち、曰く「最高の珍味」。
    • …ただし実は多幸感や幻覚作用、高確率で腹痛と下痢を引き起こすという有毒果。
  • 亀ゼリーラーメン:緑ヶ目食品より販売されているカップ麺でトッピングに亀ゼリーを使用している。「一口で十日若返る」と言われる程の美容効果を持つ。
    • CMに出演した美浜奈保子は前作で永遠の若さを求め海還りの果てに屍人化した人物。
    • 本商品の愛好家たちが「海へ還りたい」などの意味不明な言葉を口走った後、失踪する怪事件が相次いだという。
尚、夜見島近海には『夜見亀』という甲羅に「怒れる人の顔」のような模様がある亀が生息している。
島の漁師は網を切り離してでも逃がす程に不吉なものとして扱われている。

ちなみにバグでスパナが空中浮遊したり、壁から甲式の顔が出てくる、軽トラから永井の上半身が飛び出る事故(?)が起こる。

なお、一樹役の斎藤工は2024年に放送されたTBS系ドラマ『海に眠るダイヤモンド』で端島に住んでいる炭鉱夫の荒木進平を演じていた為、視聴者の中には本作を思い出した人もいたとか。


SDK SuDaKyouya

怪異の最中に神代美耶子の血が受け継がれたことで、堕辰子(=美耶子=恭也)と同一体とも言える存在となっている。
「全てを無に帰す戦いのため」に召還された存在。
を斬る「焔薙」と古代の神の武器「宇理炎」を使い、異界の存在を狩り続ける我らが不死身の異界ジェノサイダー。
美耶子との約束「人間以外の異形が住まう異界を破壊する事」を果たすべく異界を渡り歩き、今度は夜見島に闇人たちを殲滅するべく現れた。
攻撃を無力化する闇人甲式や乙式でさえ正面からでも倒すことができる。ちなみに背中に背負った2丁の猟銃は今回使用することができない。
操作できるキャラクターの中では最強キャラだが、ゲームではボーナスステージのみの登場で、本作のシナリオとは直接的には関係しない。

沖田 宏(オキタ ヒロシ)

不時着時に永井を庇って死亡し、屍人化した自衛官。バディを組む永井からは優しい先輩として慕われていたようだ。
89式自動小銃を持って夜見島を徘徊している。母胎復活後は闇霊に襲われ、闇人零式になった。
女子中学生を軽トラで追い回したりもしたが、闇人になった後は永井にTNTで感謝の言葉と共に滅される。
闇人になっても尚「永井、根性出せよ!」「挫けるんじゃないぞ」等と永井を叱咤した。
アーカイブ53番によるとモロヘイヤが大好物で、永井の母親からもモロヘイヤを貰っているらしい。

三上 隆平(ミカミ リュウヘイ)

三上脩の父親で考古学者。元々は東京に住んでいたが、33年前に身重の妻と共に夜見島に移り住む。そして妻の死をきっかけにして島の定住を始めた。
29年前に母胎の影響を受けた『鳩』に殺される。ちなみに前作『SIREN』に登場した竹内臣人(竹内多聞の父親)とは学者仲間であり友人関係。
余所者という事で島民から嫌がらせを受けていた。とある発見を学会で発表しようとしていたが……。

三上 弥生(ミカミ ヤヨイ)

三上脩の母親で夜見島出身。脩が生まれた年の夏に海難事故に巻き込まれて死亡。
彼女の遺体は「現実と虚無の間の小さな綻び」を通じて母胎のいる世界へと流れ着き、
母胎は人間という存在を初めて知り、彼女(の遺体)を元に肉体を形成すると、地上侵攻に本腰を入れて動き始めた。
なお、流れ着いた後の遺体がどうなったのかは不明。

木船 倫子(キフネ ノリコ)

外伝「ブライトウィン号の怪」に登場。名字から分かるように、本編のヒロイン・木船郁子の実母である。
19年前の人間で亀石野中学校に通う中学生。矢倉市子とは親友でお揃いのブレスレットを所持している。
同級生の中島一郎とは恋仲にあり、彼と一線を超えた結果、中学生にして妊娠してしまい、思い悩んでいた。
その後、「ブライトウィン号の怪」で描かれた事件から生還した倫子は、当該事件で中島が亡くなったこともあり、
彼への愛情もあって約四ヶ月後に双子を出産し、上京するが、生活苦もあって郁子は泣く泣く親戚に預けることとなった。

中島 一郎(ナカジマ イチロウ)

外伝「ブライトウィン号の怪」に登場。
19年前の人間で亀石野中学校に通う中学生。テニス部のエースであり、市子の片想い相手でもあった。
上述の倫子とは恋仲にあり、一線を超えてしまった結果、彼女を妊娠させている。
その事実を告げられた後に遭遇した「ブライトウィン号の怪」の事件では、
自身も怪異に巻き込まれながらも彼女を必死で守ろうとし、それもあって倫子は生還を果たすが、自身は死亡した。
なお、阿部が辿り着いた並行世界では怪異に遭遇せず、東京で倫子と暮らしていたようだが、浮気して彼女に撲殺されている。

一藤 二孝(イチフジ ニタカ)

隠しシナリオで操作できる、元は永井たちの上官だった屍人。39歳、階級は一等陸佐。
不時着の衝撃で死亡し屍人化、島の娘(屍人)と恋に落ちるが、闇人に連れ去られたため部下と共に奮戦する。

鍋島 揉子(ナベジマ モミコ)

夜見島の娘。32歳パート。
形見のアイロンを探して団地を彷徨っていたところを闇人に襲われそうになり、一藤に保護されて一目惚れ。
一応脱出には成功したものの、最終的には闇人達によって全滅してしまった。

江戸 屍仁(エド シジン)

作中で最初に出会う屍人で、現代の漁師。たまたま一樹の自撮りに映った際は、虚ろな表情を浮かべ百合と一緒に歩いていた。
百合に誘惑され島に訪れ、冥界の門を開こうとしたが死亡、屍人と化した。死後も百合への執着心に溢れる。
ちなみに演者の江戸清仁は前作でも最初に出会う屍人である「石田徹雄」を演じている。


・古の者

人類が誕生する遥か以前に存在していた生命体。
まだ世界が闇に包まれていた頃に全地上を支配するほどに繁栄していたが、突如起きた「光の洪水」によって地上を追われる。
そしてある者たちは海底へ、そしてある者たちは異界へと逃れた。このうちの前者が屍霊、後者が闇霊の祖である。
作中で生きた個体は登場せず*28、「光に弱い」以外の生態も不明だが、アーカイブで見れる化石によると角を生やした姿をしていた模様。


【派生作品】

本作をモチーフにした実写映画「サイレン〜FORBIDDEN SIREN〜」があるが、中身はほとんど別物。
説明不足の部分が多く、映画だけでは理解できないため、ファンから黒歴史扱いされている。
2ちゃんねるにて、サイレンと名が付く(ゲーム以外でも)スレが立つと書き込まれる

「サイレンが鳴ったら外に出てはいけない」

の決まり文句はこの映画のものであり、実はゲームでは出ていない。

同じくモチーフにした漫画「サイレン〜ETERNAL SIREN〜」もあるが、作者が万乗大智という点でお察しください。






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最終更新:2025年03月02日 21:30

*1 中学時代、胸にアザがあることでいじめられていた「池田麻衣」に唯一味方したのだが、実は彼女には心を読める能力があり、ある日、この力の影響で信頼していた一樹にも裏切られたと思い込んだ彼女が自殺未遂を起こしたことがあった。一樹の手帳にあった一樹宛の手紙を書いた人で、新聞記事の切れ端の自殺未遂者本人。

*2 闇人文字で書かれており、アーカイブ名からも闇人である事は明白。本編中では闇人は「闇霊が人間の死体に憑りついた存在」であるため、人間が絶滅すれば闇人も絶滅しそうだが、設定上「闇人となった死体は、憑りついた闇霊によって徐々に都合の良いように作り変えられていく」らしいので、具体的にどのように生殖するかは想像したくないが、この世界では人間の死体がなくとも新たな闇人が生まれるように闇人達の身体が変質したと推測される。

*3 三沢の目には地上からこちらへ伸びてくる無数の白い手という心霊現象として映っており、化け物と化した春海に襲われる悪夢も見ていた。それを目撃した時に三沢はヘリから吊り下げられた状態で救助した春海を抱えており、文字通り「逃げ場なんて、ないよ」という状況だった事も拍車を掛けた可能性がある

*4 精神を高揚させる効能があったのか、服用直後は平時とは正反対な異様なハイテンションと、それに起因する質の悪い冗談や言動を繰り返しており、事情を知らない永井の不信感と嫌悪感を買ってしまっていた

*5 これは途中で携行していた精神安定剤が切れたことも影響したと思われる。実のところの彼は、瀕死になった沖田を担ぎながら永井を奮い立たせ脱出したり、沖田の死に狼狽え心が折れた永井を気遣い、更に屍人化した沖田や隊員達を見ても冷静に対処するなど、極めて有能な人物だった

*6 また、劇中では「電話が通じないはずの夜見島で電話が鳴り響き、扇風機を掛けながら布団を掛けないまま電源の入った炬燵に入っている」という白昼夢ないし幻覚症状も目にしているため、精神安定剤が切れた後の精神面は危険な状態にあったことがうかがえる

*7 これは永井に銃口を向けた時に口にした「これが現実ならお前は撃たれて死に、夢なら暖かい布団で目が覚める」という自身の冗談が元。「夢であってほしい」という三沢の切実な思いが垣間見える。また、狼狽える永井がこの地獄に取り残される事を心配し、彼を称賛する事で自分を撃ったことを肯定してみせた。

*8 尤も、設定上これは三沢本人ではなく、その遺体に憑りついた闇霊が彼の記憶を元にそれっぽい発言をしているに過ぎないのだが。

*9 妻は過労で倒れ、娘の朝子は大学に行かず働く道を選ばざるを得なくなっているので、恨まれるのも仕方ないとも言える。

*10 脩が宝物だった土器博記念メダルを落としてしまい、それを捜している最中に岩場に倒れた彼女を発見した。なお、脩はこの時に加奈江に魅了されているらしき様子がある。

*11 カセットテープで加奈江が巫秘抄歌を歌っていた事に三上の父が驚いていたのは、考古学者として歌詞の存在は知っていたが、誰も知らないはずの失われたメロディーを初めて聞いたため。

*12 上記の太田ともえの屍人が一樹たちを追いかけてくるのは、それだけ強い思い入れを髪飾りに持っていた証左である

*13 滅爻樹の枝に刺された闇人はその穢れを木に吸い取られ、滅爻樹の栄養となり苗床になる。滅爻樹には各々島民の銘が彫られているが、誰の枝でも特に問題はない。

*14 ちなみに一樹のトラウマになっている元カノの池田麻衣もそうだったと言われている。

*15 ただし幼い頃に三上脩が描いた図画によれば、曇りの日であれば外で遊べたらしき描写がある。

*16 唯一帰ってきたのは初めから覚醒体として母胎の頭部から造られた岸田百合のみ

*17 「サイレン2マニアックス」より。同書では「最も人間に近い『鳩』」とも称されており、他の「未覚醒体」と比べても覚醒する可能性がかなり低かった(=人間として生きていける可能性が最も高かった)と推測されるが、何の因果か夜見島に向かい、加奈江の記憶を『過去視』の能力で読み取っていった結果、自身に宿る加奈江の因子が覚醒し、『鳩』…というより加奈江として覚醒してしまった。

*18 恋人の阿部すら顔が識別不明なほど潰されていたのに、警察は柳子と特定して指名手配に至っている。19年前にブライトウィンが回収した水死体の鳩も同様か。

*19 メタ的に言えばモデルの役者の年齢だから。設定的に言うなら生け贄となる男を誘惑するためと、加奈江の件から人間の庇護欲をかきたて都合良く転がり込むためと思われる。

*20 劇中では腐った肉塊めいているが、アーカイブの絵では元々は母胎のような外見をしていた模様。

*21 正確にはブライトウィン号に死体として引き上げられた母胎の分裂体二体の内の一体が、堕慧児の影響で暴走したことが原因で船内の人間を飲み込んでしまった。最終的に母胎による赤い津波で船を飲み込むが、この際、不測の事態だった為か船は海ではなく森の中に転移され、その中にいた模倣体も異界に招いてしまう。

*22 ただし母胎関連は消滅したとしても、現実世界にはまだ見ぬ怪異が存在する可能性はある。

*23 堕慧児が母体へのアピール(協力?)で切断した。

*24 鉄塔と太田家家屋が融合していたりする。邪魔されない現世への直通路を作るなど母胎にとって都合のいいような島にすることは、恐らく冥府の門の儀式や異界と現実と繋げるため不可能だったと思われる。またその証左に自身の弱点に繋がる島の電源も再現されている。

*25 尚、この赤い津波は母胎が作り出した幻であり実際には津波は起きていない。普通なら死ぬような津波でも無事なのも、家屋が倒壊したり水浸しにならないのもそのため。

*26 母胎の影響なのか、現実の夜見島では自衛隊の航空無線すら交信が繋がらなかった。

*27 空から謎の光が降り注ぎ闇霊を蒸発させ、郁子・一樹や市子のピンチを助けるシーンがある。これは現実の夜見島が昼間で、向こうでの光の反射がニセ夜見島に届いてしまったせい。

*28 屍霊や闇霊はあくまで「成れの果て」であって、古の者そのものではない