登録日:2009/05/30 Sat 23:19:17
更新日:2025/03/02 Sun 21:30:00
所要時間:約 6 分で読めます
SCEより発売されたプレイステーション2用のホラーゲーム『
SIREN』の続編。
時間軸的には前作の直接的な続編にあたるが、前作のキャラはSDKを除けば登場せず、
繋がりが示唆されている程度で、前作を知らなくとも問題なくプレイできる。
また、前作は強制ハードモード難易度選択は出来なかったが、本作では難易度選択が可能となっている。
【あらすじ】
29年前、島の住民が一夜にして消失した孤島、夜見島。
オカルト雑誌の編集者をしている一樹守は、今でも失踪事件が相次ぐその島に取材に向かおうとするも、
近くの港を訪れた彼は、危険な
無人島である夜見島に行く手段がないことを知り、途方に暮れてしまう。
そんな一樹に、偶然その島にチャーターした漁船で向かおうとしていた人気小説家・三上脩が声をかける。
彼の計らいにより、一樹と、出港直前に乗り込んできた男女二人は、三上と共に島に向かうことになる。
しかしその途中、
海が突如赤く染まって大荒れになり、ついには彼らを乗せた漁船は
津波に飲み込まれて転覆してしまう。
運良く夜見島の港に流れ着き、現状を確認しようとした一樹の目に飛び込んできたのは、死体が動くという異常現象だった。
果たしてこの島に何が起きているのか。29年前、この島で一体何が起きたのか。
そして、それぞれ夜見島に流れ着いた一樹たち船の乗客は、生きて島を脱出することが出来るのか――
【概要】
コンセプトは
「増殖する悪夢」
基本的な機能はそのままに各部分が改良された。
前作では死んでリトライすると失われていた仕掛けやキーアイテムがそのままになったのは大きい。
MAPで現在地が表示されるようになったり、しゃがみ走りができるようになったり、攻撃が連続攻撃できるようになったりとプレイしやすくなっている。
そのため、逃げ回るのが基本だった前作と比べるとある程度ごり押しが効くようになっており、前作よりも難易度が下がったといわれている。
ただし、ある程度説明されるようになったとはいえ攻略のヒントが少ないのは相変わらず。
敵との戦闘についても序盤は屍霊・屍人の登場するステージが多いが、中盤から闇霊・闇人との戦いがメインになってゆく。
特に後半からメインの敵となる
闇人の上位種等が登場するようになると格段に難易度が上昇。
後半からは正面からの攻撃を無効化する「闇人乙式」、更に周囲を暗闇にする能力まで得た「闇人甲式」が追加。
敵の数も多く武器にも恵まれない為、これらと戦う際には正面衝突を避けつつ慎重に立ち回る必要が出てくる。
さらにハードモードでは、油断しているとあっというまに殺されることもザラ(特に小銃持ちが多い三沢団地)
前作が
MGSなら本作は
バイオになった感じで、一部プレイヤーからは「アクションは2の方が難しい」とも言われる。
また、前作のオカルトランドのようにスタッフの手によって三上脩と喜代田章子の公式サイトが立ち上げられている。
尚、前作『
SIREN』が
キリスト教的な世界観をモチーフとしていたのに対して、本作ではシュメール系のメソポタミア神話を下敷きにしている。
七つの門や冥府といった用語、闇那其(=アヌンナキ)といった単語からも推測可能。後述のように屍人の設定が変わっている。
ぶっちゃけると前作とは迚も世界観を共有しているようには見えないのだが、設定的には“ちゃんと繋がりがある”とのこと。
……全く世界観が別に見えるのは、大元は同じでも枝分かれした後の“神”の種別と其処から生まれた因果律が別物だからだろうか?
実際、前作『SIREN』が「円環する閉ざされた世界からの脱出を目指す物語」であったのに対し、
本作『SIREN2』は「敵も味方も自分達の未来を得られる世界を目指して世界間移動を繰り返す物語」になっており、正に似ているようで大きく違う世界観だったりする。
【主な登場人物】
・一樹 守
「いったい どういう事なんだ?」
オカルト雑誌「超科研アトランティス」の見習い編集員。メガネ。モデルは何と斎藤工。
謎の消失事件の相次ぐ「夜見島」の取材を行おうと調査にくるが、危険な
無人島である夜見島へ行く船が見つからず、困り果てていた。
そこへたまたまチャーター船で島に向かおうとしていた三上と出会い、彼の厚意で同乗を許される。
だが途中で嵐(堕慧児が起こしたもの)に巻き込まれ、夜見島港に一人漂着。赤い津波に襲われて異界に囚われてしまう。
島で出会った美少女・百合と共に夜見島の謎を解き明かそうと動き出す。ちなみにいつの間にかメガネを失くす。
ゲーム本編の主役的立場であるのだが、他のプレイアブルキャラと違い夜見島とは因縁がない狂言回し的な存在。
そのため若干影が薄いが、彼なりに冷静に事態の究明と解決を目指して行動しようとしている
典型的オカルトおたく。
だが極限の状況下に置かれているストレスからか、空回ったりめんどくさい言動を取ってしまうことも。そのせいでプレイヤーから不評を買う。
中学時代に自分のせいで元カノが自殺未遂を起こしたという暗い過去があり、そのせいで女性に甘い。逆に男には妙に冷たく刺々しい。
冗談があまり通じず嫌味の返答に生真面目に考え込んだり、自分が原因で起きた問題に逆切れしたりと忙しい。
名前の由来はMMR (MaMoRu) から。ファンからの愛称は「イチさん」「4様」「キバヤシ」。
不時着したヘリから降りてきた永井達と森で遭遇、救助に来た自衛隊と勘違いする。
だが異常なまで光を嫌がる百合と、平然と銃口を向ける自衛官(三沢)、襲い来る動く死体、赤い津波、謎の着物の女。
まるで誰かの意識が自分の中に流れ込んでくるような不快感(幻視)と、何か知っているのに一切語ろうとしない百合。
採掘所脱出後、これまでのあまりにも非現実的、非科学的で理不尽な出来事の連続に一樹は足を止めてしまう。
百合に質問しても相変わらず意味不明な比喩を羅列するばかりで、一樹の話を聞こうともしない。
混乱と苛立ちの末、一樹は百合に思わず「その君の母さんとかいう人、本当にいるの?」と言ってしまう。
百合はその言葉で態度を豹変、「ひどい!私のこと信じてないのね!」と言うと一樹を置いて走り去った。
もっとも実際のところ百合の誘惑に騙されて、まんまと都合の良いように利用されただけだった。
過去のトラウマを刺激され、更に百合の「誘惑」で正気を失い操られ、母胎に自ら歩み寄る=吸収されようとする。
だが偶然そこに辿り着いた郁子の「感応視」の能力で母胎は動きを止められ、正気を取り戻した一樹は郁子と冥府から脱出。
郁子のおかげで一命を取り留めるも彼女の超能力に驚き、反射的に掴んだ手を放してしまった事で、郁子の心を傷つけてしまう。
数々の自身の不甲斐なさ、過去のトラウマ、百合の裏切りとその正体、絶望的状況などが重なり、怒りと憎しみが爆発。
「光には弱いってわけだ……化け物め……化け物め……化け物め!」
ブライトウィン号までやってきた一樹は闇人の弱点が光だと気付き、船内にいた闇人達を船内電灯で殲滅した。
半ば自暴自棄になり憎しみを込めて闇人を探しては狩り尽くすが、これまでの疲労困憊に倒れ、通りがかった永井に助けられる。
だが悲観的な事ばかり呟く一樹に、ある種の居直りを見せる永井が発破をかける。
「語る暇あったら最後まで悪あがきするほうが良くない?映画でもそういう奴が生き残るじゃん」
そして四鳴山に聳え立つ奇怪な鉄塔の先、空の向こうに夜見島の姿が見えた事で一樹がMMR化。
一樹「そうか!ここは29年前の夜見島のコピーだったんだよ!!」ΩΩΩ<な、なんだってー!!
永井「うわぁ……また語り始めちゃったよこの人……。」
一樹「やつらはこの鉄塔を利用して現実の世界に干渉するつもりなんだ!」
永井「なんだよそれ……。」
一樹「あの先に、俺という観測者がたどり着いた時、可能性はひとつに収束する(スタスタ)」
永井「……どいつもこいつも、勝手にしろっての。」
そして二人は絶望から抜け出す最後の悪あがきの為、現世に繋がるという鉄塔の先を目指す。
尚、この時に共闘することになった永井との(お互いに)妙に鼻につくやり取りや、キバヤシ化して根拠のないMMR口調になる一樹の饒舌は必見。
何よりも「✝俺という観測者✝」……という、確かに核心は衝いているのだが、どうしようもないくらいに厨二臭い発言に吹き出してしまう人間は多い。
(挙げ句には、それを聞いた永井がプレイヤーの気持ちを代弁したかのような反応するのがまた)
一樹が永井と二手に分かれ鉄塔に入った後、感応視により闇人達から母胎の計画を知った郁子もそれを阻止するために追って鉄塔を登る。
感応視と滅爻樹を駆使して闇霊や闇人を滅しながら進むが、ふらついた瞬間足場が崩れてしまう。だが、あわやの所でその手を一樹がしっかりと掴んだ。
数時間前には異能に躊躇し手放してしまったが今度は離さないと、一樹はこれまでの顛末を詫びる。
それに悪態で返す郁子。そうして笑みを浮かべる二人であった。全ての決着のために、二人で鉄塔の頂上を目指す。
だがその目の前に現れたのは……
・岸田 百合
「誰も私を助けてくれない…あなたしかいないの…」
一樹が異界の夜見島で初めて出会った美少女で、屍人に追われていたところを一樹に助けられる。
島に閉じ込められた母を救う為に謎の儀式を決行しようとしており、一樹を誘惑し半ば強引に付き合わせた。
赤を中心にしたファッションで身を包んでおり、異常に
光が苦手で激しく嫌がる。
言動が思わせぶりというか漠然としていて要領を得ず、若干電波が入っている感じが特徴。
また何故か異界となった島でも慌てる様子もなく、むしろ馴染んでいるようでさえあった。
不思議な雰囲気を纏っており、抱き着く・すり寄る・囁くなど男を誘惑するような行動を取る。
脱ぐとすごい
だが一樹が「
お母さん」に疑問を持つと一転、拒否反応を示した百合はその場を立ち去ってしまう。
津波直後から「視界ジャック=幻視」の使い方を知っていたり、霊感が強い三沢に何故か疑われたりしている。
怯えていたはずの屍霊を平然と踏み潰し、何者かに呼ばれるようにブライトウィン号に乗り込むなど、あからさまに怪しい。
市子は百合を見るや頭を抱え苦しみ、百合は心配するどころか「あなた何なの?何をしようとしているの?」と問い詰める。
一樹と別れた後はブライトウィン号で永井達を発見。しかし懐中電灯の光に怯み逃げ出す。
永井は保護しようと三沢に声を掛けるが無視されたため、一人で百合を追いかける。
百合は自身を怪しみ光を向ける三沢を避けたが、永井が単独で助けに来てくれたため、今度は彼を誘惑・懐柔しようとする。
だが不審に思い後をつけていた三沢に銃を突き付けられ、正気になった永井が割って入った間に逃走。
逃げた先の夜見島遊園のコーヒーカップで一樹と再会。
目の前でガラス細工の鳩を割り、それがいつの間にか元に戻る様を見せ「元に戻ろうとする世界」の事を説明。
驚く一樹に身を擦り寄せ「ずっと待ってた」「信じてくれるのはあなただけ」とすかさず誘惑し、彼に協力させる。
そして巫秘抄歌(こうなぎひしょうか)を口ずさみながら、歌に秘められた儀式の方法を一樹に教えた。
言われるがまま一樹が儀式を行うと、先程まで観覧車があった場所に巨大な穴が開く。
穴の先には地下へ繋がる通路があり、その先は遂に現世……ではなく
一面「赤い水」で満たされた異常な世界。
最下層に降りた百合は「私を見て、私の本当の姿を見て…」と、一樹の目の前で衣服を脱ぐ。
そこには豊満たわわな
おっぱい……ではなく、
巨大な女の顔が。それを見た一樹は悲鳴をあげる。
更に百合は背後から現れた不気味な化け物と融合、その化け物の頭部になると一樹をも取り込もうとするが、郁子に邪魔される。
逃げる一樹を追おうとしたところへ三上と阿部まで冥府に現れたが、歌に引き寄せされてた三上に標的を変更。
三上に「お姉ちゃん」の幻覚を見せて誘き寄せ取り込むことに成功。百合の目的は達成され、母胎に吸収され消滅。
母胎は歓喜の笑い声とともに何十、何百もの闇霊を産み落とし、一樹達だけでなく屍人を襲い人間の肉体を奪っていく。
人間ではなく、後述する母胎の分裂体の『鳩』。百合はその『鳩』の中でも最も母胎に忠実とされる。
本編開始直前、阿部倉司の恋人であった多河柳子を殺害したのも、母胎が彼女のところに差し向けた百合である。
『鳩』本来の目的を最優先して行動するように母胎が創った『鳩』であり、そのための必要最低限の知識しか与えられていない反面、
本編に登場する『鳩』の中でも最も協力で、男を誘惑する特殊能力を持っている。
この「誘惑」は他の『鳩』にはない、百合だけに備わったものであり、マインドコントロールのように相手の意思を徐々に操作する。
最初は三逗港の漁師「江戸 屍仁」を誘惑し、そそのかして船を出させたが、彼は『門』を開ける前に島で死亡し、屍人化してしまった。
これが一樹が初めて会った赤い服の屍人であり、通称「江戸屍人」。
(百合の「あの人は助けてくれるって言ったのに」という発言の「あの人」)
この「誘惑」による洗脳を解くには、百合(融合後は母胎)の能力行使を中断させるか、操られた者に強いショックを与えるしかない。
劇中で一樹が途中で正気に戻ったのも、強烈な出来事の連続によるショックで洗脳が解けたため。
百合は急いでいるのに一樹が思った通り動かないので面倒になり、次の生け贄を探すために立ち去った。
遊園地にいたのも一樹を待っていたのではなく、そこが儀式の場だったからであり、誰でもいいから待ち伏せしていただけである。
母胎と距離が近いほど能力が強まるのか、一樹は百合の正体に戦慄していたにもかかわらず、母胎融合後も操られていた。
『岸田百合』という名前も偽名で、本物の岸田百合は昭和78年の人間。
彼女は偽百合によって三逗港第三倉庫に監禁され、服と名前を奪われた。
当然ながら偽百合とは似ても似つかない顔と風貌のメガネっ子で、母胎などの異界の存在とは無関係の普通の人間。
本編には登場せず、ゲーム内で収集できるアーカイブ(行方不明女性の貼り紙、メッセージボトル)でその存在を確認できる。
本物が拉致監禁された際には偽百合は服を着ていなかったのか、それとも奪った服に着替える時に目撃したのかは不明だが、
メッセージボトルでは偽百合の本当の顔(人間でない事?)についての言及がある。
なお、「これを読んだ人は家族か警察に連絡してほしい」という悲痛な訴えもしたためられているが、
不運なことにメッセージボトルは異界の夜見島に流れ着いており、彼女の生存は絶望的と思われる。
ちなみに本編で一樹が気絶した百合を起こしているように見えるが、実際は気絶したフリをして一樹(代わりの生贄)を待ち構えていた。
・木船 郁子
「私が…止めなくちゃいけないんだ」
トラウマ持ちの
ツンデレヒロイン。若くして第四級海上無線通信士の資格を持っている。
夜見島近くの漁港で釣り船のアルバイトをしており、一樹たちを夜見島に運ぶ途中で船ごと異界に巻き込まれた。
嵐の中、船に必死にしがみついていたところ一樹が助けようとしたが、結局は流されてしまう。
他人の心を読める
超能力を持ち、島に来てからはジャックした相手を操れる『感応視』を使えるようになる。
幼少時から抱える心の重荷(胸の痣、特殊能力、複雑な出生事情など)のせいで、人と関わるのを避けている。
それもあってか性格は塞ぎ込みがちでネガティブ気味だが、責任感は強く真面目。
ブライトウィン号消失事件唯一の生き残りである「木船倫子」の娘。多河柳子(阿部の恋人)とは双子の姉妹。
『感応視』の能力は木船自身にも負担が掛かる為に短時間しか使えず、長く使用すると息切れを起こしてしまう。
悪夢にうなされて目を覚ました後、冥府に現れて一樹を『感応視』で救い、共に冥府を脱出する。
しかし今までの経験から「いずれ一樹も自分を嫌うようになる」と決めつけ、居た堪れなさから一方的に彼の元を去ってしまう。
その後は島に渡って強化された力で怪異の元凶・母胎の目論見を知り、単独で母胎との戦いに挑もうと鉄塔を登る。
だが鉄塔からふらつき落下しそうになるところで、諦めずに追って来た一樹に助けられ互いに和解、漸く彼に心を開いた。
模倣体を退け頂上まで来た二人は鉄塔の崩壊に巻き込まれ、空に向かって落下し『特異点』に辿り着く。
三上や加奈江の協力もあり、そこで母胎を撃退。再度赤い津波に巻き込まれ、現世の夜見島鉄塔で一樹に起こされる。
朝日が射し一樹は安堵するが、郁子はその朝日を妙に眩しがるのだった…。
劇中『鳩』として未覚醒だが、本人もデモ中に「結局この島に引き寄せられちゃったよ…母さん」と発言している。
恐らく倫子に夜見島の事を聞かされていたのか、この島との因果を感じている事がわかる。
・永井 頼人
「逆ギレのが強ぇーんだよ!」
陸上自衛官の陸士長。通称「永井君」「健康優良日本男児」。
物資輸送訓練中に
ヘリが操縦不能になって不時着、島にたどり着く。
自衛隊での成績は優秀だが、性格はいかにもな現代の若者。先輩の沖田を尊敬し、上官の三沢の事が嫌い。
それ故、内心では「なんで三沢が生きてて沖田先輩が死ななきゃならなかったんだ」と思っている。
どんどんおかしくなっていく(ように見えた)三沢が、民間人(と思ってた)の百合や市子に銃を向けるのを見て激昂。
思っていた内心を吐露してしまい決別する。その後に市子を銃で脅す三沢を咄嗟に撃って殺してしまった。
保護した市子は闇人に攫われ、助けた市子には
機関銃で撃たれ、自分が大きな勘違いをしていた事にようやく気付いた。
終盤では良くも悪くも一念発起して怪物たちに立ち向かい、一樹と共に鉄塔の頂上を目指す。
だが、頂上回廊に到達する直前に突然現れた闇人甲式・太田常雄に突き落とされてしまう。
空は割れ、地は裂け…あらゆる生存者は絶滅したかにみえた
だが
「健康優良日本男児をなめんなよぉ……神風見せてやるよッ!」
高所から落とされた永井だったがピンピンしている。
健康優良日本男児つよすぎだろ……
ちなみに同じように鉄塔から落ちた
異能生存体こと模倣体市子は重傷を負って息絶え絶えだった。
むしろ吹っ切れて顔を迷彩色に塗り、性格・雰囲気が一変し攻撃的になる。
これは永井曰く、フェイスペイントを施すことで自己を鼓舞する『逆切れモード』というらしい。
そして何故か落下した鉄塔から一番離れた場所にある学校に特攻、周辺の闇人・闇霊を殲滅、闇人・沖田を滅する。
更にその直後に闇人甲式と化した三沢を撃退、市子と三沢を取り込んだ堕慧児をも滅ぼした。
「調子こいてんじゃねぇーぞ 三沢ぁー!!」
三沢の遺したMINIMI軽機関銃を携え決着に歓喜する永野を、再度赤い津波が飲み込み…。
気付くと永井は突如としてどこかに落下し、しりもちをついた。
痛みを堪え立ち上がった彼の目に飛び込んできたのは、黒い太陽が輝く真っ赤な空。
町はボロボロの建物ばかりで、おおよそ人間の言語とは思えない謎の文字で書かれた看板が並ぶ。
浜辺には屋台もあり、まるで海水浴に来た人間の如く、日常を謳歌する闇人たちの姿があった。
……そう、永井が飛ばされたのは、『母胎の地上侵攻作戦が成功した世界』だったのである。
突如として現れた永井の姿に気付いた闇人たちは、かつて夜見島で遭遇した闇人たちとは違い、まるで恐ろしいものを見たかのように恐れ慄き、逃げ惑う。
何故なら永井が落とされたこの世界では、人間こそ排除されるべき異物であり、母胎と闇人に抗った伝説の怪物として恐れられていたのだ。
母胎の地上侵攻によって既に人間は絶滅しており、「異界にたった一人取り残され」、「二度と現世に帰ることができない」、「どうあがいても絶望」な状況。
それを悟ってか、錯乱状態に陥った永井が絶叫しながら闇人達に向かって持っていた機関銃を乱射するところで、彼の物語の幕は下りる。
「そらから こわいかいぶつが おちてきた ぜつめつしたはずの にんげんの いきのこり」
(by アーカイブ№097 闇人の絵日記より)
公式の見解では、蜘蛛の糸(鉄塔)を登り切れず地上に堕ち(脱出失敗)、登る事よりも殲滅(異界に留まる)を優先したから。
生き残るために地上で異形と戦い続ける「決意」をした結果、異形のモノのみの世界へ至ったらしい。
・三沢 岳明
「撃たなきゃだめなんだよ もう訓練じゃないんだ」
永井の上官の三等陸佐。
通称「ピエール」(演者のピエール瀧氏から)
理想に流されない現実主義者でレンジャーの資格も持っており、バイアスロン大会で優秀な成績を残している優秀な自衛官。
前作と少しだけ繋がりがある人物で、以前羽生蛇村の災害救助に向かい、唯一の生存者「
四方田春海」の救助を行った。
だがその際、霊感が強い体質だったことが災いして異界の一端に触れてしまい、以降精神を病んでいる。
また、病院からは精神安定剤らしきものを処方されていたようで、劇中でもたびたび服用していたが切らしてしまう。
しかし不器用な性格ゆえに、このことを他人に打ち明けたり相談したりすることができず、一人で抱え込んでいた。
夜見島に降り立ってからは永井と共に脱出しようとするが、元々彼からはあまり好かれていなかった。
更に異常な状況に置かれたストレスと異界の影響か、趣味の悪い冗談を言ったりとおかしな言動が徐々に見え始める。
そのせいで永井からはほとんど信用されておらず、それが結果的に自分の首を絞めることに。
霊感のおかげで岸田百合や矢倉市子の正体に気づくが、それを知らない永井にいずれも妨害される。
ただでさえ極限状態な上に、島を訪れてから立て続けに怪異と遭遇するストレスからか、
特に精神安定剤が切れてからは、三沢の精神状態は加速度的に悪化していく。
一方で、百合が永井を『誘惑』の能力で篭絡しようとした際には、強引に割って入って彼を助けるなど、
「危険な存在」の感知能力は高いのだが、あくまで勘のようなものなので証拠を提示できず、永井からは誤解されて喧嘩別れする。
独りになった三沢は、かつて助けた少女の恐ろしい幻覚や悪夢にうなされるが、
それでも女性の悲鳴を聞くと即座に駆け付け、その悲鳴の主…矢倉市子を保護する。
しかし市子と行動を共にするうちに、三沢は彼女に対して違和感を持ち始める。
やがてその違和感は「市子は人間ではない」という確信に変わり、三沢は彼女に銃を向けて「何者だ」と問い質した。
だが、そもそも記憶すら朧げな市子はその問いに答えられず、銃を向けられた恐怖で泣き叫ぶしかなかった。
相手は化け物と確信していた三沢は、躊躇いなく威嚇射撃を行いなおも問い質そうとした。
だがその時、三沢は思わぬ方向から銃撃を受け、腹部を押さえる。
周囲を見回すと、背後に自分に銃を向ける永井の姿があった。
銃声を聞きつけて駆け付け、様子のおかしな上官が泣き叫ぶ女の子を銃で脅す光景を目の当たりにした永井は、
反射的に女の子を助けようとし、三沢に向けて発砲してしまったのだった。
故意ではなく、撃ったことが信じられない様子で震える永井。
致命傷を負ったことを理解したのか、三沢は止血や応急手当しようとする様子もなく、
自らを撃った永井に向き直って真顔で「やるじゃない。」と称賛するような言葉を口にすると、よろめきながら彼に近付く。
そして、やがて力尽きた三沢は永井に体を預けるも、自分を撃ったことに対する恨み言などは全く言わず、
一言「俺だけ先に目覚めちゃうけど……悪いな」と口にすると、意識を失い、そのまま死亡した。
やがて物語の全貌が明らかになると、三沢が警戒した人物は概ね怪異と深く関係していることが分かるため、
彼の直感・霊感は紛れもない本物であり、もしも彼が信頼できる相手と組んで行動することが出来ていたなら、
母胎や堕慧児の企みに気付き、その阻止に多大なる貢献を果たした可能性もある。
しかし結果的に三沢は一番近くにいた永井にも信頼されず、誤解の果てに彼に銃撃されて最期を迎えることとなってしまった。
その本心では永井と仲良くしたかったらしく、「どうしてそんなに嫌うかな…」と悲しんでいる様子もみられる。
尚、永井が慕っていた沖田とは元バディであり、三沢も相当ショックを受けている様子なのだが、永井を奮い立たせる為に気丈に振る舞っていた。
ちなみに母胎が復活したときは団地の屋上で屍霊と素手で戦っている。ピエール強ぇ…
後に闇人として蘇った三沢は阿部を襲い、最終的に闇人甲式になると何処から持ってきたのかMINIMI軽機関銃を乱射する。
死んで悪夢から解放されたからか「あんなに苦しんでたのが嘘みたい」「久し振りに最高の気分だ」と喜んでいた。
最終的には永井により撃退された後、その身体を堕慧児に吸収された。
また、彼の「気持ちは分かるけどな これドラマじゃねえから」という台詞は永井の「映画でもそういう奴が生き残るじゃん」の対比になっている。
・三上 脩
「この島に 記憶の引き出しの鍵が眠ってる」
夜見島出身の売れっ子恋愛小説作家。29年前に起こった事件の影響で弱視を患っている。
物心つく前に母と死別、夜見島で起きた事件で父を亡くし、島にかつての思い出を訪ねてやってきた。
翔星丸が転覆後、何故かツカサと29年前の夜見島に
タイムスリップし、更に異界にまで飛ばされてしまう。
転覆の際に弱視用メガネを無くしたため視界はぼやけて見えづらく、武器は靴ベラと、登場人物の中ではもっとも最弱。
ツカサがいないと何もできない。でも頼りのツカサは落盤事故に巻き込まれ…。
赤い津波に飲まれ異界に飛ばされツカサを失うが、偶然出会った阿部倉司に助けられ共に行動する。
だが物語中盤、遊園地にて幼少期の記憶の中の「お姉ちゃん」……加奈江の歌声に誘われ、一樹が開けた冥府の門をくぐってしまう。
一樹の代わりに百合に誘われて冥府の門を開く生贄とされたことで、三上はそこから現れた母胎に取り込まれてしまう。
ここで彼は肉体的には死亡することになるが、その魂は夜見島を漂い続け、生前に自分を助けてくれたツカサや阿部たちを現世に戻すため手助けする。
だがその魂は次第に幼少期の姿になっていき、当時からの想い人である「お姉ちゃん」こと加奈江の痕跡を追い始める。
そして最終盤に一樹たちが母胎と戦うこととなった特異点に、一樹が拾っていた幼少期の思い出のメダルに引き寄せられるように現れる。
更にそれに引っ張られ、喜代田章子を乗っ取る形で復活して三上を救う方法を探していた「お姉ちゃん」こと加奈江も現れた。
幼い三上は母胎から加奈江を呼び、加奈江は三上を母胎から解放するための方法を探す。
そして『鳩』故に母胎とリンクしている自らの肉体を「闇那其」で貫いて自害することで、母胎を弱らせることに成功。
勝機を見出した一樹たちの活躍によって母胎は撃退され、囚われていた三上の魂も解放された。
その後、母胎の断末魔と共に発生した赤い津波が一樹たちを呑み込んでいく中、
三上はずっと想い続けていた「お姉ちゃん」と再会を果たし、彼女の胸に抱かれながら、共に赤い海で永い眠りについた。
結局肉体的には死亡してしまった三上だが、最期には想い人と再会し、二人で静かな眠りにつくことから、
『SIREN2』の主要人物の中でも、その想い人である加奈江共々、最も幸せな最期を迎えた人物と言っても過言ではないだろう。
・ツカサ・オブ・ジルドール
犬。一歳。シェパード。
三上と一緒にいるドイツの血を引いていると思われる、茶と黒が混じった毛が特徴の色黒な顔の女の子。
弱視の三上の目となる健気な子で、攻撃的な漁師も撃退してくれるデレ。
崩れた小屋の下敷きになり死んだかと思われたが、終盤に阿部の前に現れツンな態度を見せる。
物語の最後でおいしいところをさらっていくツンデレキャラ。
「マジありえねぇよ ドッキリだったら暴れるぞ」
同棲中の恋人を殺害した容疑で指名手配されているフリーター。
ただし彼自身は恋人を殺害していないどころか、恋人が死んだこと自体(とある事情で)信じていない。
逃亡の最中、恋人の友人であった喜代田の下に向かうとナイフ片手に無実を訴え、助けを請う。
そして彼女の占いに従って恋人の行方を知るために、夜見島行きの船に転がり込んだ。
見た目と口調は完全にヤンキーだが、根はひょうきんで優しい性格の持ち主であり、肝が据わってるのかマイペース。
異界で黒い革ジャンを着て釘バットを振り回し、怪異に巻き込まれている最中に誕生日を迎えた女に歌とプレゼント(拾い物)を贈る男。
考えもなくいかにも怪しい異界の果物を採って食ったり、異界の遊園地で電動パンダに乗ったり、結構島を満喫している。
異界に迷い込んでからも明るさと優しさを失わない彼の人柄は、プレイヤーの数少ない癒しとなった。
喜代田とはぐれ、阿部採掘所では「クソすぎだろぉ!」といきなり絶望感を露わにする。
……が、それは喜代田の団地開始デモで食べた夜見アケビに当たったから。異界で初の絶望感が便意とは……
腹痛に苛まれながらトイレを探していて、「このままじゃよう…」とその場にへたれ込む。
次の瞬間、頭上に狙撃手による銃弾が打ち込まれてビビり散らかし、トイレを求めて腹痛に耐えながら先へ。
採掘所の物置で霊体化した三上と遭遇、どう見ても幽霊だが持ち前の明るさで気さくに挨拶する。
だが阿部の目の前で三上は壁の中へ消えていってしまい、不思議がるがそこにあった犬笛で今度はツカサが現れる。
可愛いツカサの登場に喜ぶが相手にされず、走り去ってしまったので追い掛けると、失くしたライターをツカサが持ってきてくれる。
しかしツカサはまたしても姿を消してしまい、更に阿部の便意はもはや我慢の限界ギリギリ、尻を抑えながら苦渋の声を挙げて走る。
そしてようやく発見したトイレに駆け込むと、トイレの外観だけが映り阿部の喘ぎ声が響く長尺を使っての踏ん張りタイム。
ご機嫌でトイレから出てタバコで一服、鼻歌交じりにバスケットのシュート宜しく便器に吸殻を放り込む。
見事にシュートが決まり「イエッス!」とガッツポーズを決め、意気揚々とトイレに背を走り出す。
次の瞬間、トイレが大爆発。
汲み取り式のトイレであったため、底に溜まっていたメタンガスにタバコの火が引火したのだ。
更にメタンガスは地下道にも充満していたため、地下空洞で次々に連鎖爆発が発生。その爆発は鉄塔の足元にまで広がっていく。
その光景を茫然と見るしかない阿部の目に、遂に爆発により地盤が崩壊して倒壊していく鉄塔の姿が!!
「ありえねぇ……どうなってんだよ?」
それを一番言いたかったのは多分母胎だと思う目の前の現実に眼を疑う阿部なのだった。
ともあれ、彼の行動によって現実世界とのリンクである鉄塔が崩壊したため、母胎の地上侵攻作戦は完全に潰えることとなる。
つまり、阿部は直接的に母胎の地上侵攻を阻止し、世界を救ったヒーローと言えるのだが、そのことは誰も……というか本人さえ知らない。
しかし、その功績からか、阿部と彼に寄り添っていたツカサは、赤い津波に呑まれた後に、「怪異が存在しなかった世界」に辿り着いた。
そこは、闇霊や屍霊といった怪異が最初から存在せず、故に母胎も堕慧児も存在しない世界。
登場人物たちの中では、最も(異界の脅威が存在しないという意味で)平和な世界に辿り着いた阿部たちだったが、他ならぬ彼にとってはそうではない。
というのも、母胎関連の出来事が最初から全て「なかったこと」になってしまうと、阿部にとって大切な出会いも全て「なかったこと」になってしまう。
彼が愛した「多河柳子」は、『鳩』でなくなったことでそもそも上京することもなくなるので、東京で阿部と出会うこともない。
探そうにも阿部の知る柳子の顔は『鳩(百合)』であり、覚醒前の顔を阿部は知らないので、偶然上京して会えても柳子と気付く事はない。
さらに柳子と阿部の出会いが「なかったこと」になれば、柳子がきっかけで知り合った「喜代田章子」と阿部が夜見島に行くこともなくなる。
阿部にとって大切な柳子との想い出や喜代田との交流も、この世界に辿り着いたことで、彼の記憶の中以外にはなくなってしまったのだ。
それを示すかのように、アーカイブで見られる阿部と柳子が二人で写っていた写真も、このデモの後は阿部だけが写った写真になり、
阿部が指名手配された殺人事件を報じる新聞の内容も、「中島一郎と木船倫子が起こしたもの」という内容に変化する。
これは、阿部が辿り着いた世界が以前に彼がいた世界とは違う世界であることを示すもので、
阿部と柳子の出会いは「なかったこと」になったが、同時に阿部の指名手配もなくなったことが分かる。
自分の大切な人たちがいなくなってしまったことを実感した阿部は、「みんな、いなくなっちまったのか…」と呟き、絶望のあまり涙を流す。
そんな阿部に、自身も大切な人…三上脩を喪ったツカサが寄り添った。
そうして一匹と一人は互いに寄り添い抱き合いながら、朝日を見続けるのだった。
尚、公式攻略本サイレン2マニアクスに、101番目のアーカイブ「多河柳子から阿部倉司への手紙」が付属している。
封書になっている血がベットリとついている便箋で、中身は彼への切ない思いのたけを綴った遺書。
現在はプレミアになっていて入手困難となっている。
・喜代田 章子
「さっきのイメージ すごく変・・・別の力?」
阿部の恋人の友人だった占い師。ペンデュラムによるダウジングで占う。結構フランクで明るい性格で服装が派手。
異界の中で誕生日を迎えた30歳。阿部からは「不思議ちゃん」「年増」「占い女」と散々な呼ばれ方をしている。
過去の光景を見ることが出来る『過去視』の能力を持っており、自分を尋ねてきた阿部の無実をその能力によって信用した。
更に彼の依頼で友人の行方を占った結果、夜見島に阿部と共に向かうこととなった。
事件の真相を解明する途中で嵐に巻き込まれ、夜見島に流れ着く。過去視で三上の子供時代が見えた直後、赤い津波に飲み込まれた。
『過去視』の能力を持っているのは、まだ胎児だった頃に起きた事故で後述する『鳩』(未覚醒体)になっていた影響。
それも母胎からではなく、最初の『鳩』である「加奈江」を構成していた闇霊(鳩の因子)が宿っているという特殊な存在である。
その誕生経緯から母胎に抵抗した「加奈江」の因子が強く、劇中に登場する『鳩』の中で最も母胎からの影響(干渉)を受けにくいとされる。
異界と化した夜見島の謎を調べていく中で、喜代田は同じく『鳩』であり三上の「お姉ちゃん」であった加奈江の痕跡を辿っていくことになる。
彼女の身に起こったことを『過去視』で追体験していくうちに、喜代田の意識は次第に加奈江の意識と同調していく。
そのため、冥府にて三上が母胎に取り込まれようとしているのを見た際には、まるで加奈江のように「脩」と呼んで制止しており、
三上もその声にかつての記憶を刺激されたのか、「お姉ちゃん?」と反応を返したが、間に合わずに三上は母胎に取り込まれてしまった。
自分の精神が加奈江に徐々に乗っ取られつつあるのは喜代田本人も自覚していたのか、
加奈江の過去を探り、『過去視』で追体験することで自分の身に良くないことが起こりつつあることを薄々察していたようだが、
それでも喜代田は加奈江の過去を調べることを止めず、その精神はさらに加奈江に浸食されていく。
そして、阿部が寝ている間に何者かに呼ばれるように蒼ノ久集落に訪れた喜代田は、三上の父・隆平の闇人を滅し、全ての真相を知るが、
その直後、半ば乗っ取られるような形で喜代田の精神は加奈江と完全に同調・同化してしまい、顔も加奈江のそれに変化してしまう。
喜代田の人格はこの時に完全に消失してしまい、これ以降の彼女は加奈江として行動を開始する。
肉体は生きているが、精神的には喜代田はここで死亡したと言えるだろう。
こうして「加奈江」となった喜代田は、母胎に取り込まれた三上を救う方法を探して回り、
そして、一樹が拾っていた、幼少期の三上が落としたメダルに引き寄せられた三上の魂を追って、特異点に姿を現した。
ゲームにおいては、一樹(プレイヤー)の視点からすれば母胎との戦いの最中に突如として現れ、
脩を呼び、探し続ける彼女を母胎から生み落とされる白たらこから守ることとなるが、
やがて、母胎と自分が繋がっていることを察した加奈江は、三上の声に応えるように闇那其を使って自害。
これによって喜代田の肉体も死亡し、名実ともに彼女は死亡することとなったが、この行動が一樹達が母胎を撃退する糸口となった。
そして、撃退された母胎の断末魔の如く発生した、赤い津波に呑まれて一樹達が異界から別の世界に飛ばされていく中、
加奈江の魂は、母胎から解放された三上の魂(この時には幼少期の姿・人格となっている)と、実に29年越しの再会を果たす。
ようやく逢えた「脩」を胸に抱いた加奈江は、彼に「おやすみ」と声をかけ、赤い海の底で共に眠りについた。
・藤田 茂
「心細いだろうに すぐ行くからな!」
正義感が強く優しい警察官で52歳の巡査部長。
無人になったはずの夜見島に若い女性がいるのを見たという通報を受け、気になって夜見島を訪れた事で異界に。
異界の船に取り残された矢倉市子を保護し、彼女を励ましながら異界から脱出しようとするが…。
かつては優秀な警察官として警部補にまで昇進するが、「家族に会ってから自首する」という犯人の言を信じて解放。
結局優しさを仇で返されそのまま取り逃がし、失態を演じた責任で降格・左遷される。
元々仕事に打ち込むあまり家庭を顧みなかったため、この一件で妻と娘からは完全に愛想を尽かされてしまう。
左遷先には一人で赴任することになった上、娘からは絶縁状に近い手紙を送られた哀しいお父さん。
好奇心と使命感の強さ故に厄介事に自ら首を突っ込む性格が災いし、不幸な目に遭いがち。
実は現代の人間ではなく19年前の人間であり、夜見島の出身。本土で勤務している。
島民消失事件の時にはすでに島を出ていたので巻き込まれなかったが、29年前の島民達とは10年差なので顔見知りもいる。
フェリーで保護した市子に娘の面影を重ねており、彼女を護ろうと奮戦する。
だが、実は市子は人間ではなく、後述の『模倣体』と呼ばれる存在であり、同行するうちに徐々にそちらの意識が覚醒。
そして、模倣体として半覚醒した市子に無意識に刃物でめった刺しにされた藤田は致命傷を負わされてしまい、
最期は娘への謝罪の言葉を述べながら、相変わらず「やんなっちゃうなぁ」と言い残して死亡。
その後、彼の遺体は屍霊に『殻』とされ、
屍人となった姿で遊園地で木船と遭遇・撃退されるが、
終盤には闇霊に入り込まれて闇人零式として再び木船の前に現れ、滅爻樹で滅されるという結末を迎えた。
その性格と哀しい最期からファンから「藤田部長」と呼ばれ、その死を惜しまれたとか。
・矢倉 市子
「中島君? ノリコ? みんな…どこ?」
なぜか島に着いたフェリー、ブライトウィン号の中で気を失っていた中学生の女の子。好物はカレー。
夜見島にある県立亀石野中学校の生徒で、「わかんない」が口癖のテニス部員だが記憶を一部失っている。
ブライトウィン号船内で警察官の藤田に保護され、合流後は彼の乗ってきたボートを目指す。
その後、とある事情で藤田と別れた市子は独りで逃走中、自身の悲鳴を聞きつけて駆け付けてくれた三沢と合流する。
だが三沢には徐々に不審がられるようになる。彼曰く「あの女(百合?)より生臭い」らしい。
その正体は、19年前に起こったブライトウィン号消失事件で海に投げ出され死亡した女子中学生・矢倉市子……
のコピー。
堕慧児(後述)が母胎(後述)の『鳩』を模倣し、本物の市子の遺体を模して作りだした『模倣体』と呼ばれる異形の存在。
肉体も一から堕慧児を構成する屍霊で創られており、市子の遺体を原材料にしているわけでもない。
ただ死ぬ直前の市子の姿・意識・人格・記憶まで全てコピーされ、
自分を『矢倉市子』と思い込んでいる新生物である。
最初の方こそ自分が異形の存在であるという自覚は全くなく、本来であれば同類にあたる屍人にも怯えていたが、
時間が経過すると共に『模倣体』としての意識が覚醒していき、やがて、同行していた藤田を無意識のうちに攻撃し、殺害してしまう。
我に返って藤田の遺体と血まみれの自分の姿に動揺した市子はその場から立ち去るも、
更に自分(本物の市子)が死んだ時の記憶を思い出し、錯乱するままに彷徨い歩いた先で三沢に保護される。
しかし、霊感が強い三沢にはやがて自分が人間ではないことに気付かれ、市子は彼に自身の正体について尋問されるが、
未だ『模倣体』として完全には覚醒していない市子は何も分からず、銃を向けられた恐怖で泣き叫ぶしかなかった。
その後、結局永井により一時保護されるも、『模倣体』としての覚醒が進むにつれて『矢倉市子』としての意識は朧気になっていき、
やがて、社宅団地で闇人乙型に襲撃され、攫われたことで恐怖がピークに達した市子の自我は崩壊し、ついに『模倣体』として完全に覚醒。
闇人を返り討ちにすると、自分を保護するために現れた永井にも拾った機関銃を発砲。
彼と別れた後、市子は狂ったような笑い声を上げながら闇人を殺してまわりながら彷徨うようになる。
ただし、この時の彼女の意識は未だ混濁状態にあり、市子の記憶や意識、堕慧児から受け継いだ意識が交互に見え隠れしており、
永井が見せた、生前の市子が大切にしていたブレスレットによって一時的に市子の意識を取り戻し、葛藤を繰り返すも結局永井を振り払って逃走。
その後、生前の…いや、『本物の矢倉市子』の死の瞬間を完全に思い出した市子は、本格的に堕慧児の分身として行動し始め、
太田家で拾った
日本刀と機関銃を手に、夜見島の闇人、闇霊、そして生きた人間といった自分にとっての『敵』を無差別に攻撃するように。
スタッフがどこまで狙っていたのかは不明だが、
『
ツインテール&セーラー服姿の
人外な
女子中学生が、
日本刀&マシンガンを手に大暴れ』
…という、ある意味
直球ど真ん中な属性山盛りキャラクターに仕上がっている。
なお、鉄塔付近で登場する頃には髪を下ろしてストレートヘアーになっている。
ちなみに模倣体として覚醒し始めた辺りから、堕慧児から受け継いだ意識が表層化するようになっていく。
たびたび口にする「お母さん」や「帰りたい」という言葉は、市子のものでもあり堕慧児のものでもある。
恐怖のあまり市子の自我が崩壊し、模倣体として完全に覚醒した後は堕慧児そのものと言ってもいい意識で行動をし始めた。
…だが、元々堕慧児が模倣体を創ったのは「母胎が鳩を創ったことに倣った」というアピールのようなもの。
創った時点で役割を終えているようなもので、『鳩』と違って特に模倣体に果たすべき使命はない。
しかも堕慧児が母胎と比べて劣化している影響で、模倣体には「矢倉市子」でも「堕慧児」でもない、別の凶悪な意識が芽生えている。
やがて覚醒した市子は、敵対する闇霊・闇人や生きている人間といった「邪魔者」を、時に狂笑を浮かべて皆殺しにしていく。
更に堕慧児の「母胎の下に戻りたい」「母胎と一つになりたい」という意識に引っ張られ、鉄塔の頂上を目指して行動するようになる。
最後は鉄塔の頂上付近で一樹達と交戦中、昇ってきた母胎に気付き堕慧児の願望通り待ち構えるも、母胎に弾き飛ばされて昏倒。
母胎にとっては邪魔者に過ぎないため全く相手にされず絶望、母胎を目の前にしながら鉄塔崩壊に巻き込まれて瓦礫と共に落ちて行った。
ちなみに、本編で百合と会った際に「生きてたの…?あなた」とまるで既知のような反応をしているが、
これは外伝「ブライトウィン号の怪」で本物の市子が暴走する『鳩』を阻止しようとしたもう一人の『鳩』に協力していたためで、
その記憶を受け継いだ『模倣体』の市子が、その時出会った『鳩』と百合を混同しているだけで、百合とは初対面である。
なお、市子に協力してもらった『鳩』は、事件収束後に「赤い津波」に呑まれて時空を移動して事件直前の時間軸に戻ると、
自分を助けてくれた市子が船から転落・水死する運命を変えるべく、乗船前の市子に「乗ってはいけない」と警告するのだが、
少なくとも『SIREN2』本編に繋がる時間軸では、市子が乗船し、怪異に遭遇して命を落とす運命は変えられなかったようだ。
・多河 柳子
「ごめん…ごめんね……」
現代の人物で阿部の恋人。幸薄そうな女性で、最近阿部とはよく喧嘩していたと噂されていた。
物語開始前に、阿部と同棲していたアパートの一室で、顔を個人が判別できないほど酷く損傷させられた撲殺体として発見される。
だが阿部の話によると、死体発見直前にアパートの前で既に死んでいるはずの柳子と鉢合わせになり、少し会話した後に去っていったという。
「多河柳子」は一部偽名であり、本名は「木船柳子」。
本編に登場する木船郁子とは双子の姉妹として生を受けたが、母親が学生出産であり、父親も既に死亡していたため、
経済的な事情もあって郁子は生後間もなく母方の親戚に引き取られることとなり、生き別れになっていた。
また、実は喜代田と同じく『鳩』と呼ばれる母胎の分裂体で、生まれた頃は「未覚醒体」だったために別の顔であったが、
『鳩』として覚醒した際に顔が今のものに変化し、覚醒したショックもあって衝動的に家出したという過去を持つ。
覚醒前とは顔が違っているために家族の下にも戻れず、逃れられない母胎の影響に絶望して朝日を浴びて消滅(自殺)しようとした。
そこに現れた阿部が事情も知らなかったものの、自身の革ジャンを着せた事で偶然助け、何も聞かず彼女を保護。
以降は身寄りもなく素性も怪しい自分を雇ってくれた飲食店の店長の名字を貰い、「多河柳子」として阿部と共に生きていくこととなった。
こうして一時は自殺を考えながらも、彼女は自分の事を受け入れてくれる人々と出会って考えを改める。
阿部と喧嘩していたという噂は近隣住民の勘違いであり、実際は母胎の影響で暴れてしまう彼女を阿部が宥めていた。
阿部とこのまま人間として幸せに生きて行きたいと思っていたが……。
・加奈江
「修は男の子だもん。がんばれるよね。」
島に流れ着いた百合に瓜二つの少女。29年前の人物で当時18歳、すでに故人。
記憶喪失の状態で三上親子に拾われ、脩は「お姉ちゃん」と慕っていたが、夜見島の島民からは嫌われている。
不思議な雰囲気を持った美少女で、光が苦手だったり、記憶を失っているのに島に伝わる歌を口ずさむ等、不審な一面を見せているが、
脩に対しては母もしくは姉かというほど優しく接しており、29年前の事件では暴徒と化した島民から脩を庇いながら島を脱出しようとするが……。
その正体は母胎により最初に造られた『分裂体』、すなわち一人目の『鳩』。
拾われた時から自分が『鳩』だという自覚もあり、記憶喪失を装っていたのはその方が都合が良いからなのだが、
最初に産み出されたために、元となった三上弥生の記憶と人格が色濃く残っていたため、
一度は『鳩』としての使命から脩を生贄にしようとするも、彼に対して母性にも似た愛情を抱いていた加奈江はそれを断念し、
以降は「加奈江」として、三上親子と疑似親子のような、幸せな日常を送っていた。
しかし、ある日母胎と意識が同調した加奈江は、発作的に脩の父・三上隆平を刺殺してしまい、
さらに間の悪いことに、自分を“穢れ”と看做して排除するべく三上家を訪れた村民たちに、その惨殺現場を目撃されてしまった。
加奈江は何も知らない脩を連れて逃げ出すも、自分を殺そうと執拗に追跡する島民たちについに捕捉され、海に面した崖に追い詰められるが、
足を滑らせて海に投げ出された脩を救うべく自らも海に飛び込んだその瞬間、母胎が「赤い津波」を起こし、島民たちは異界に連れ去られた。
加奈江と脩は共に海中にいたおかげで赤い波に飲まれることなく島を脱出するが、彼女は朝まで脩を護る為に全ての力を使い果たす。
そして朝日を浴びたことで肉体が崩壊し、海の中へと溶けて消えていったのだった。
この際、脩は目の前で大好きな「お姉ちゃん」が目の前で溶けて死んでいくというショッキングな光景を直視した上、
その加奈江から「見ないで」と言われたことで、精神的に大きなショックを受けたのもあって脩はこの夜の記憶を失うと同時に弱視となっていた。
なお、デモムービーで確認できる加奈江の最期は、まるで人魚姫が海に溶けていくかのように、どこか幻想的なものになっているが、
これは「脩視点のもので、幼少期の記憶ということもあって美化されている」らしく、実際にはかなりグロテスクな感じで溶けていったらしい。
こうして肉体を喪った加奈江だったが、彼女の『鳩』の因子や記憶、一部の能力が宿った「コア」は海の中で漂い続け、
そして29年前、その「コア」は近くの海に落ちた女性のお腹にいた胎児に宿り、その女の子…後の喜代田章子を未覚醒の『鳩』に変貌させた。
以降、加奈江の意識は『鳩』となった喜代田の中で長い眠りに付いていたのだが…。
・太田 常雄
島の漁師の元締めで左目の眼帯のような手拭いが特徴。29年前の島民消失事件で行方不明となっていた。
加奈江の正体を不審に思い、島を護る太田家の使命を果たすべく、漁師たちを率いて加奈江を抹殺しようとした。
しかし加奈江を追い詰めたところで母胎が起こした赤い津波により、全島民共々異界に呑みこまれてしまう。
その後、夜見島を訪れた藤田茂に発見され「親父さん」「藤田んとこの馬鹿息子」と元々顔見知りである事が分かる。
だがその時すでに瀕死であり、話をしてほどなくして太田は死亡。
残された遺体は、やがて周囲を取り囲んでいた屍霊に憑りつかれ、屍人として活動を開始。
藤田と市子に襲い掛かったが、市子が謎の笑みを浮かべた瞬間、恐れおののくような仕草を見せて逃走した。
その後は闇人甲式と成り果て、永井を鉄塔から落とすが一樹に「太田常雄銘の滅爻樹」によって滅された。
懐に戦時中に入手したと思われる二十六年式拳銃を隠し持っており、屍人化後にこれで攻撃してくる。
・太田 ともえ
常雄の娘で当時24歳。29年前の島民消失事件で行方不明となっていた。
元締めの娘であることに誇りを持ち、父の仕事を手伝っているが、内心では都会に憧れを持つ。普段は気遣いのできる優しい少女。
だが一樹たちの前に突如現れると、百合を加奈江と勘違いして掴みかかり追いかけてくる。
そして島を彷徨っている時に屍霊に襲われ、足を滑らせて崖から転落、アンテナに串刺しになり死亡する。
その遺体は屍人や闇人乙式となって蘇り、「目抜き大切」を手にして再び一樹たちを執拗に追いかけてくるが、最終的には滅される。
なお、一樹たちを追いかけてきたのは大事にしていた髪飾りを彼らが持っていた(落としたのを拾われた)というだけ。
事件の事さえなければ都会に憧れを持っていたり、父親からもらった髪飾りを大事にしていたりと、年相応の女の子。
でも大事にしている理由は凄い高価な髪飾りだったからだったりするが
可愛げがあり親想いな設定が受けたのか、操作キャラクターになることはない敵キャラクターでありながら、かなりの人気キャラ。
ちなみに彼女が「加奈江が黒い気持ち悪いものと海にいた」と言い出したのだが、これは微妙に間違っている。
実際は島に元々いた屍霊達が加奈江(母胎の因子)に惹かれて寄ってきたのを、加奈江が追い払っていただけである。
後述の滅爻樹の風習により死者が屍人化せずにいただけで、実は異界に飲まれる前にもすでに屍霊や屍人がいる。
都会への憧れがあったからなのか、よく船の中にいることが多い。闇人乙式となった際は何故か布団を巻き付けていた。
【主な敵】
暗いところにかくれていれば、助かるとでも思ってたのかい?
島に巣くう下記の屍霊が人間の死体に取り憑き、動かしている存在。
倒しても倒しても復活してくるのは「不死身」だからではなく、新しい屍霊が憑依し直しているからである。
前作と違って身体を動かしているのが死んだ当人ではないためか、生前の記憶を有していることはほとんどない。
だがかなり強い思念をもって死亡した人間に取り憑いた場合は、その執着心に影響されることもある。
人間の天敵だが敵対する闇人に一掃されてしまい、中盤からは登場しなくなる。
・屍霊
モヤモヤ。「穢れ」や「赤黒い化け物」などと呼ばれ、光を受け続けると消滅する。
普段は雑魚だが、ハードモードでは懐中電灯が無いと数の暴力を受けなにも出来ないまま殺られる。
なお、彼らをよく見ると中央に顔が浮いている。その正体は数億年前に海底に追いやられた古代先住者達の成れの果て。
闇霊が死体に取り憑いたもの。
「やみんちゅ」ではない
光に極度に弱い為、常に黒い和服や頭巾を何重にも被って光を遮っており、肌は真っ白で黒い体液を顔から流している。
闇の中でも目が利くが、逆に強い光を浴びると悶絶する。それを防ぐため日傘を持ち歩く者もいる。
元の人間(遺体)を『殻』と呼び、その人物の生前の行動を模倣する他、生前の意志が強い場合乗っ取られることも。
もっとも母胎の目的を覆したりはできないので、やはり人間を襲ってくる。
前作の屍人に近い存在で、取り憑いた死体の生前の記憶を保持しつつも高い知能を持ち、屍人を瞬く間に駆逐した。
また、
「助けに来ましたよ」「もう大丈夫ですよ」などと言って人間を誘い出そうとする。
ちなみに女闇人は
「僕ぅ?出ておいでぇ」「あ~ら 可愛いわねぇ」と何故か
おねショタな香りが漂う。
闇人(というか取り憑いている闇霊)にも自我は存在しており、取り憑いた死体への感想を洩らしたりもする。
周囲の闇霊達と生命力を共有しているため、死んでも強力な自己再生能力で蘇る。
このように不死身の存在だが、『殻』である人体を木っ端微塵に吹っ飛ばせば滅する事は可能。「神器」なら一撃で消滅する。
夜見島出身の者は「滅爻樹(めっこうじゅ)」と呼ばれる夜見島の神木の枝により滅する事ができる。
甲式・乙式と呼ばれるおぞましい強化形態も存在するなど、物語後半からの強力な敵としてプレイヤーに立ちはだかる。
…だが
ゲーム中では懐中電灯程度の光で怯む、滅爻樹で消滅するなどイマイチ恐怖感が薄い。銃火器を使う個体が増えたので脅威ではあるのだが…。
確かに屍人と違い見え見えな陽動には引っ掛からないが、単純な罠には普通に引っ掛かかったり余計なことして自爆したりと、知能が高いとも思えない。
強化形態の方も巨大な頭が邪魔をして、地形に引っ掛かってハマったり通れなかったりと、むしろ不器用すぎて萌えキャラ扱いされている。
通称「たらこ」。その正体は「光の洪水」から虚無の世界へ逃れ姿形を失った地上の古代先住者のなれの果て。
復活後の母胎から分裂するように産まれ、闇人と同じように黒い布で包まれている。中身は真っ白。
実体があるように見えるが、人間とは全く異なった身体構造となっている。闇人と違い物理攻撃で消滅する。
中盤に母胎の復活と共に島に大量発生し、屍霊に代わる新たな敵としてプレイヤーの前に立ちはだかった。そしてSIREN2アンチを生み出す大きな要因となった。
光に対し極端に弱く耐性がないため、懐中電灯や街灯の光ですら浴び続けてしまえば消滅する。
・模倣体
本編に登場する矢倉市子の正体。「母胎の鳩の模倣」と「生前の市子の姿の模倣」両方の意味を兼ねている。(公式見解)
後述の闇霊ベースの分裂体とは違い、屍霊が元になっているためか光に対し耐性がある。
母胎にとっての「鳩」のような存在だが、あちらが母胎が地上侵攻のためにいくつかの役割をもたせて創ったのに対し、
模倣体は堕慧児が単に母胎を真似て創ったようなもので、市子以外に模倣体は存在せず、果たすべき役割も特にない。
そのため、模倣体として完全に覚醒した市子は、自身を創造した堕慧児の「母胎の下に還りたい」という意識に引っ張られて行動している。
しかし、元々劣化した堕慧児が作ったためか、「矢倉市子」でも「堕慧児」でもない、それらとは別の凶悪な意識も芽生えている。
敵対する闇人・闇霊、そして生きている人間といった、彼女にとっての「邪魔者」を見かけると即座に殺しにかかるのもその影響。
光に耐性がある故に弱点らしい弱点はなく、攻撃を浴びせかけてもそれを物ともせずに突進してくるし、倒してもすぐ復活する。
そのため
ゲーム的には最強の敵の一角と言っても過言ではない。太田家に古くから伝わる宝刀『潮凪(しおなぎ)』を振り回す。
最終盤には鉄塔で母胎の襲撃を受けて転落し、自身を創造した堕慧児に吸収される形で消滅する。
ちなみに吸収される直前、肉体の崩壊が始まった模倣体こと市子の顔が巨大な眼球のような形状に変化していた。
模倣体を取り込む前の堕慧児は片目をずっと閉じていることから、模倣体は堕慧児の目から創造されたことが分かる。
・分裂体(鳩)
後述の母胎が地上に派遣した、母胎から分裂した分身。加奈江、岸田百合、木船郁子、喜代田章子、多河柳子の正体。
通称『鳩』とされ全て女性の姿だが、その理由は後述のモデルから。肉体自体は女性どころか人間とは全く違う。
その目的は「人間(性別を問わない)を冥府に誘い、母胎と融合させること」である他、地上の状況を母胎に知らせる諜報員としての役目も持つ。
母胎が現世から生贄の人間をつれてくるために産み出した存在であり、闇霊の集合体のため光に弱く、日光を浴びれば溶けてしまう。
ちなみに屍人や闇人と違い身体能力も普通の女性と同等しかなく、攻撃を受ければ人間と同じように死んでしまう。
分裂体には母胎から直接産み出される「覚醒体」と、覚醒鳩を構成していた闇霊(鳩の因子)が妊婦の胎児に寄生して生まれる「未覚醒体」がある。
「覚醒体」は母胎の身体の一部から作り出され、母胎と同じ顔を持ち闇霊と同じ弱点を持つが、最初から母胎の強い影響下にある一方、
「未覚醒体」は、『鳩』として覚醒するまでは肉体・精神共に普通の人間であり、当然顔も人によって異なり、日光で溶けたりもしない(苦手ではある模様)。
また、『鳩』として覚醒するまでは普通の人である「未覚醒体」は、覚醒しても人格が変わったりはせず、覚醒以前の自我が残っているため、
覚醒後は人間として培ってきた良識や良心と『鳩』としての役割の板挟みとなり、結果として覚醒後に母胎の下に帰ってきた者はいなかったらしい。
なお、喜代田だけは『鳩』となった経緯が異なり、彼女は幼い脩を助け、溶けた後に海に漂っていた加奈江の「コア」が宿って生まれた「未覚醒体」。
加奈江は「三上弥生」、つまりモデルとなった人間の影響を強く受けていたためか、彼女のコアが宿った喜代田は「母胎の影響を最も受けにくい『鳩』だった」という。
また、「未覚醒体」には『鳩』として覚醒すると、劇中の百合や加奈江…というよりも、母胎(三上弥生)と同じ顔に変貌するという特徴も持つ。
柳子は覚醒した影響で以前とはまるっきり人相が変わってしまったことで、それまでの自分とは別人として生きていくことを余儀なくされたという。
また「未覚醒体」は『鳩』としての自覚はないが、覚醒する事で自分が何者であるかを思い出し、母胎からの指令に目覚め、肉体も変質する。
だが死亡すると遺体は再度人間に戻るのか、殺害された覚醒後の『鳩』である柳子の遺体を警察が検死した際は何も異常は見つかっていない模様。
尚、亡くなった三上弥生の年齢は不明だが『鳩』は何故か皆18歳の姿で現れる。
ちなみに三上の父は手記で「恐ろしい程若い頃の妻に似ている。」と述べている。
加奈江は最初から自覚をもって生み出された『鳩』であったが、モデルとした三上弥生の母性に引っ張られ、幼い脩を冥府に導くことを拒否した。
唯一役割を果たし、母胎の下に生贄となる人間を連れて戻ってきた岸田百合は、最も母胎に忠実な『鳩』であったとされており、
彼女は他の『鳩』と違い、母胎が自らの頭部を分裂させて作りだした「最も母胎の影響を強く受けている」個体であるが故である。
『鳩』としての役割を拒否し、人間として生きていこうとしていた柳子を母胎の命令で抹殺したのも百合であり、
阿部が柳子らしき撲殺遺体を部屋で見つける直前に出会ったという柳子は、彼女の殺害後、現場から出てきたばかりの(柳子と瓜二つの顔の)百合である。
だが全く自我がない
というわけではなく、自らの姉妹とも呼べる同じ『鳩』であり、人間として幸せを掴みつつあった柳子を殺すことにやりきれない思いはあった。
そのため、遺書を予め用意した上で自分を迎え入れ、抵抗せずに大人しく殺されようとする柳子に「ごめんね」と謝罪しながら手を下している。
・堕慧児
屍霊の親玉。リアルクトゥルカ。
元は闇霊と同じ存在であったが、光の洪水により母胎側と分断され、海底に追いやられた古代先住者達の成れの果て。
そして海の底で長い年月を過ごすうちに「屍霊」と呼ばれる存在に変質し、その屍霊者たちが集合体して出来上がった。
19年前に溺死した矢倉市子の死体から母胎を真似て形を成したが、巨大な頭部から無数の手足が生え、口から屍霊を吐く醜悪な怪物となった。
母胎のもとに帰りたがっているが、母胎自体は自分(闇霊)たちとは異質に変化(劣化)した堕慧児や屍霊(屍人)たちを同胞とは思っていない。
それどころか、むしろ現世進攻の邪魔者として嫌っており、堕彗児も永い間自分たちを放置していた母胎へ愛憎渦巻く感情を抱いている。
そのため屍霊と闇霊は劇中では敵対関係となっており、地上の奪還には興味はない。異界の現象は起こせないが、嵐や大波、ケーブル切断などはできる。
ブライトウィン号の怪や海底ケーブル切断事故は、母胎へのアピールとしてコイツが引き起こしたもの。
母胎の復活を知ると異界に侵入し、鉄塔から落下した市子こと模倣体と、闇人甲式になった三沢を吸収。
その場にいた永井に襲いかかった。最期は永井の機転で大量の石油を浴び、投げつけられた水銀灯で炎上し滅ぼされた。
ちなみに、外伝小説「ブライトウィン号の怪」では、ブライトウィン号に引き揚げられた『鳩』の一体が暴走して惨劇を引き起こしており、
この暴走には堕慧児が関係していると語られているが、あくまで「堕慧児の影響で鳩が暴走した」というだけで、
鳩そのものは母胎が創って送り出したもので、堕慧児は(直接的には)無関係である。
・母胎
かつて地上を支配していたが、光の洪水により駆逐され異界に逃れた闇霊の集合体。伝承の「地の裏側に逃れし者」。
虚無の世界で悠久の時を眠り続けていたが、ある時異界に偶然流れついた「三上弥生」の水死体を見て、人間の存在に気付いた。
そしてかつての自分達の世界が人間に奪われたと思い込み、「人間を殻に使った地上奪還作戦」を考え付く。
手始めに『鳩』と呼ばれる人間を模した分身体を定期的に飛ばしつつ、29年前に夜見島を模した異界を作り上げた。
この異界「写し世の世界」を中継拠点とし、その2年後に「加奈江」を夜見島に送り、赤い津波を起こして夜見島の島民を異界に飲み込んだ。
更にその8年後には夜見島付近を航行中だったフェリー・ブライトウィン号を飲み込むも、堕慧児と接触してしまい、『鳩』2名を喪う。
その後、冥府の門を開くための生け贄を『鳩』に探させ始め、忠実な『鳩』である「岸田百合」を生み出し、本格的に動き出した。
基本的には光という弱点以外は不死身の存在。
顔(百合)以外にも体の一部が欠損しているが、これは生み出した『鳩』が戻ってこないため。
後に頭部の『鳩』である岸田百合と融合、更に三上脩を吸収した事によって完全体となる。
元々は精神体で不定形だったが、地上奪還を思いついた時に三上弥生(の死体)を参考に身体を創造した。
そのためか実体は弥生の頭がついた巨大なタツノオトシゴと人魚の融合体めいた肉体となっている。
他、それ以降に作られた母体の分裂体である『鳩』も、母胎…つまりは三上弥生と同じ顔に変化するという特徴を有する。
本作のサイレンも正体はコイツの鳴き声。霊力を行使する時に鳴くらしく、音が響き渡ると赤い津波などの怪奇現象が起こる。
尚、赤い津波に飲み込まれた者は、時系列を無視して異界のニセ夜見島に飛ばされる。時代の違う面々が一堂に会しているのはこのため。
ちなみに本作での赤い水は母胎の力が使われていることの象徴なだけで、前作のような屍人化・幻視・不死身などの効果はない。
幻視ができるようになるのは母胎の力の影響であり、異界(母胎の縄張り)に入る事で使えるようになる。
母胎唯一の弱点として、闇霊を完全に滅することのできる木「滅爻樹」から生まれた『闇那其』であればダメージを与えられる。
これは冥府に生えている滅爻樹が、夜見島で産まれた者に与えられ、闇霊や屍霊のような穢れを滅する事ができる神木のため。
……そして母胎は冥府と繋がる異界の夜見島で『産まれた』者であるため、滅爻樹から新たに闇那其・痕が生まれたのである。
母胎の穢れを滅する為に生み出された闇那其には、全てを無にしてしまう力(そして闇那其のみが残る世界を作る力)がある。
現実をも改変してしまう特異点でこれに身体(加奈江)を貫かれ、一樹達に闇那其・痕で滅された母胎は、存在そのものが抹消されることになり、
母胎を元とする闇霊も堕慧児も消え、堕慧児を元とする屍霊や屍人も消え、当然『鳩』も消え、夜見島で29年前から起きた全ての異変も起きなかった世界となる。
これにより、『鳩』とそれに関わった人間も歴史改変に巻き込まれ、母胎がいた世界とは全て別人となっている。
(ちなみに三上と加奈江は特異点で再会、冥府で眠りについたので一樹達と同じく世界線を移動したと思われるが、こっちの世界にパラレル三上が存在するかは不明)
尚、特異点に到達していなかった阿部と永井は、赤い津波によってそれぞれ別の並行世界へと誘われた。
【その他】
・夜見島/異界「写し世の世界」(ニセ夜見島)
『SIREN2』の主な舞台となる離島と、その離島を元に形作られた異界の島。
現実世界の夜見島は日本近海に位置する離島であり、島の形が「飛び立つ鳩」に似ている。
夜見島の名前は「忌み島」「黄泉島」「闇島」が由来であるとされており、古くから外部との関わりを持たず、閉鎖的な島であった。
だが1961年に島内で金鉱が発見され、外部から採掘業者が多数移住。結果インフラの整備や電化が進み、島の近代化が促進された。
しかし1970年に突如として採掘量が激減し、後に完全に枯渇。金鉱事業が撤退すると同時に島民の減少が進み、島は衰退の一途を辿った。
更に1976年に海底ケーブル切断事故で島内全域の電力が途絶え、更に全島民が失踪するという怪事件が起こる。
これを境に
無人島と化し、廃墟化した社宅や鉱山関連施設などが島内各所に多数残されているだけとなる。
夜見島の近隣住民の間でも呪われた島として忌避されており、現在も島を訪れる者は少ない。
また、島に伝わる伝承を元にした『滅爻樹信仰』という、神木信仰に近い土着信仰も根付いており
『滅爻樹』には邪気や不浄を浄化する効果があるとされ、島に子供が生まれると、太田家の当主が四鳴山(しなりやま)に向かい、
その子供の名前を記した滅爻樹の枝を取りに行くという、『滅爻樹迎え』なる行事が行われる他、
死者の葬儀の際には、その者の名前を記した枝が死者に捧げられることで、死体に憑依する穢れを浄化できると信じられている。
ただ、滅爻樹そのものは伝説上でも既に現世には無く、枝のみが存在するとされる。
山は島民から神聖視されており古来より禁足地だったが、鉱山開発後に離島線4号基鉄塔が建造された。
その他、島には巫秘抄歌(こうなぎひしょうか)という「舞う巫が7つの門の7つの封印を解く」というわらべ歌があったが、メロディは伝っていない。
尚、一樹が取材に訪れる前にすでに週刊粕取の編集者とライター、協力者の
都市伝説調査隊の
管理人SHIBITOが訪れており、
週刊粕取139号(昭和80年7月29日発行)にその記事が掲載されている。ライターは再び島を訪れたらしいが行方不明。
一方、ニセ夜見島の方は現実世界ではなく異界に存在し、赤い津波に飲み込まれた者は、時系列を無視してこの島に飛ばされる。
異界である「写し世の世界」は、現代の29年前である1976年(昭和51年)の夜見島を模倣した箱庭世界。
島の天然資源から紙切れ一つまで当時の状態をほぼ完全再現しているが、一部時空がねじ曲がってしまっている。
本編の主な舞台となっているのは実際のところは現実世界(本物)の夜見島ではなく、異界のニセ夜見島であり、
本物の夜見島が登場するのは、登場人物たちが赤い津波に飲まれる前(サイレンが鳴る前)のみ。
また、登場人物の中には一樹たちと違う時代からニセ夜見島に飛ばされた者がいるため、
よく見ると、赤い津波に飲まれる前にいた現実世界の夜見島が、他の登場人物がいた島と細部が異なっていることもある。
ニセ夜見島は常に闇に包まれており、壊れた物が元に戻ろうとする力が働くらしい。鉄塔は元に戻らなかったけど
29年前のため海底ケーブルが切断されておらず、島内にも電気が通っている。どこから来ているのかは不明。ただし電話は通じない。
また、この世界は母胎の強い影響下にあるため、霊感や異能の力が増大され、誰でも幻視が使えるようになる。
ついでに一緒に赤い津波に飲まれたのか、屍霊や屍人や堕慧児もこちらの異界にも出現する。
このニセ夜見島で儀式を行い冥府の門を開く事で、空の向こうに鏡合わせのように現実世界の夜見島が現れる。
冥府の門を開いた後は、滅爻樹の枝があるとされた四鳴山に冥府から伸びてきた滅爻樹が、鉄塔を取り込むように地上に突き出している。
この鉄塔の先でニセ夜見島と現実の夜見島は結ばれており、母胎がここに辿り着けば現実世界への侵攻が現実のものとなる。
逆に言えば鉄塔さえ破壊してしまえば、母胎の地上奪還作戦は不可能となる。同時に現実世界に戻る唯一のルートでもある。
またその鉄塔と鉄塔の間は『特異点』という、無限の可能性の中で現世と虚無の区別のない異空間であり、あらゆる事象が起こりうる。
特異点の中は赤い水で満たされた岩場のようであり、呼吸などは普通にできるが母胎も自由自在に泳ぎ回れる。空は水面っぽい。
夜見島のモデルは
長崎県の
端島(通称軍艦島)。
ただし建物の老朽化で立入禁止になっていた為、ロケーションは
広島県大久野島や岡山県真鍋島などで行われている。
シリーズ恒例のゲテモノ料理は夜見鍋と亀ゼリー
ラーメン。1に比べると材料が手に入りにくいのが残念。
- 夜見鍋:夜見島でとれた海の幸、山の幸を使用した鍋。包丁を一切使わず、月明かりの下で食すのが作法。
- 調理法以外一見まともに見えるが、夜見島でのみ自制する夜見アケビが入っている。酸味と甘味のある果肉を持ち、曰く「最高の珍味」。
- …ただし実は多幸感や幻覚作用、高確率で腹痛と下痢を引き起こすという有毒果。
- 亀ゼリーラーメン:緑ヶ目食品より販売されているカップ麺でトッピングに亀ゼリーを使用している。「一口で十日若返る」と言われる程の美容効果を持つ。
- CMに出演した美浜奈保子は前作で永遠の若さを求め海還りの果てに屍人化した人物。
- 本商品の愛好家たちが「海へ還りたい」などの意味不明な言葉を口走った後、失踪する怪事件が相次いだという。
尚、夜見島近海には『夜見亀』という甲羅に「怒れる人の顔」のような模様がある亀が生息している。
島の漁師は網を切り離してでも逃がす程に不吉なものとして扱われている。
ちなみに
バグでスパナが空中浮遊したり、壁から甲式の顔が出てくる、
軽トラから永井の上半身が飛び出る事故(?)が起こる。
なお、一樹役の斎藤工は2024年に放送されたTBS系ドラマ『海に眠るダイヤモンド』で端島に住んでいる炭鉱夫の荒木進平を演じていた為、視聴者の中には本作を思い出した人もいたとか。
・SDK SuDaKyouya
怪異の最中に神代美耶子の血が受け継がれたことで、堕辰子(=美耶子=恭也)と同一体とも言える存在となっている。
「全てを無に帰す戦いのため」に召還された存在。
神を斬る
刀「焔薙」と古代の神の武器「宇理炎」を使い、異界の存在を狩り続ける我らが
不死身の異界ジェノサイダー。
美耶子との約束「人間以外の異形が住まう異界を破壊する事」を果たすべく異界を渡り歩き、今度は夜見島に闇人たちを殲滅するべく現れた。
攻撃を無力化する闇人甲式や乙式でさえ正面からでも倒すことができる。ちなみに背中に背負った2丁の猟銃は今回使用することができない。
操作できるキャラクターの中では最強キャラだが、
ゲームではボーナスステージのみの登場で、本作のシナリオとは直接的には関係しない。
・沖田 宏
不時着時に永井を庇って死亡し、屍人化した自衛官。バディを組む永井からは優しい先輩として慕われていたようだ。
89式自動小銃を持って夜見島を徘徊している。母胎復活後は闇霊に襲われ、闇人零式になった。
女子中学生を
軽トラで追い回したりもしたが、闇人になった後は永井にTNTで感謝の言葉と共に滅される。
闇人になっても尚「永井、根性出せよ!」「挫けるんじゃないぞ」等と永井を叱咤した。
アーカイブ53番によると
モロヘイヤが大好物で、永井の母親からも
モロヘイヤを貰っているらしい。
・三上 隆平
三上脩の父親で考古学者。元々は東京に住んでいたが、33年前に身重の妻と共に夜見島に移り住む。そして妻の死をきっかけにして島の定住を始めた。
29年前に母胎の影響を受けた『鳩』に殺される。ちなみに前作『
SIREN』に登場した竹内臣人(
竹内多聞の父親)とは学者仲間であり友人関係。
余所者という事で島民から嫌がらせを受けていた。とある発見を学会で発表しようとしていたが……。
・三上 弥生
三上脩の母親で夜見島出身。脩が生まれた年の夏に海難事故に巻き込まれて死亡。
彼女の遺体は「現実と虚無の間の小さな綻び」を通じて母胎のいる世界へと流れ着き、
母胎は人間という存在を初めて知り、彼女(の遺体)を元に肉体を形成すると、地上侵攻に本腰を入れて動き始めた。
なお、流れ着いた後の遺体がどうなったのかは不明。
・木船 倫子
外伝「ブライトウィン号の怪」に登場。名字から分かるように、本編のヒロイン・木船郁子の実母である。
19年前の人間で亀石野中学校に通う中学生。矢倉市子とは親友でお揃いのブレスレットを所持している。
同級生の中島一郎とは恋仲にあり、彼と一線を超えた結果、中学生にして妊娠してしまい、思い悩んでいた。
その後、「ブライトウィン号の怪」で描かれた事件から生還した倫子は、当該事件で中島が亡くなったこともあり、
彼への愛情もあって約四ヶ月後に双子を出産し、上京するが、生活苦もあって郁子は泣く泣く親戚に預けることとなった。
・中島 一郎
外伝「ブライトウィン号の怪」に登場。
19年前の人間で亀石野中学校に通う中学生。テニス部のエースであり、市子の片想い相手でもあった。
上述の倫子とは恋仲にあり、一線を超えてしまった結果、彼女を妊娠させている。
その事実を告げられた後に遭遇した「ブライトウィン号の怪」の事件では、
自身も怪異に巻き込まれながらも彼女を必死で守ろうとし、それもあって倫子は生還を果たすが、自身は死亡した。
なお、阿部が辿り着いた並行世界では怪異に遭遇せず、東京で倫子と暮らしていたようだが、浮気して彼女に撲殺されている。
・一藤 二孝
隠しシナリオで操作できる、元は永井たちの上官だった屍人。39歳、階級は一等陸佐。
不時着の衝撃で死亡し屍人化、島の娘(屍人)と恋に落ちるが、闇人に連れ去られたため部下と共に奮戦する。
・鍋島 揉子
夜見島の娘。32歳パート。
形見のアイロンを探して団地を彷徨っていたところを闇人に襲われそうになり、一藤に保護されて一目惚れ。
一応脱出には成功したものの、最終的には闇人達によって全滅してしまった。
・江戸 屍仁
作中で最初に出会う屍人で、現代の漁師。たまたま一樹の自撮りに映った際は、虚ろな表情を浮かべ百合と一緒に歩いていた。
百合に誘惑され島に訪れ、冥界の門を開こうとしたが死亡、屍人と化した。死後も百合への執着心に溢れる。
ちなみに演者の江戸清仁は前作でも最初に出会う屍人である「石田徹雄」を演じている。
・古の者
人類が誕生する遥か以前に存在していた生命体。
まだ世界が闇に包まれていた頃に全地上を支配するほどに繁栄していたが、突如起きた「光の洪水」によって地上を追われる。
そしてある者たちは海底へ、そしてある者たちは異界へと逃れた。このうちの前者が屍霊、後者が闇霊の祖である。
作中で生きた個体は登場せず、「光に弱い」以外の生態も不明だが、アーカイブで見れる化石によると角を生やした姿をしていた模様。
【派生作品】
本作をモチーフにした実写映画「サイレン〜FORBIDDEN
SIREN〜」があるが、中身はほとんど別物。
説明不足の部分が多く、映画だけでは理解できないため、ファンから
黒歴史扱いされている。
2ちゃんねるにて、サイレンと名が付く(
ゲーム以外でも)スレが立つと書き込まれる
「サイレンが鳴ったら外に出てはいけない」
の決まり文句はこの映画のものであり、実はゲームでは出ていない。
同じくモチーフにした
漫画「サイレン〜ETERNAL
SIREN〜」もあるが、作者が万乗大智という点でお察しください。
なぁぁがいくぅぅん 一緒に追記・修正しましょおおお
- ハードモードの団地戦は未だにトラウマ -- 名無しさん (2013-10-14 21:54:01)
- 存在そのものは恐ろしいが、下痢と煙草という創作界隈でも極めて情けない原因で侵略計画潰された母胎ェ…… -- 名無しさん (2013-10-14 21:57:36)
- 永井士長… -- 名無しさん (2013-10-14 22:13:32)
- 憎きタラコめ…駆逐してやる…一匹残らず…! -- 名無しさん (2014-08-27 23:12:22)
- 違う意味でクソゲー -- 名無しさん (2015-01-19 18:45:21)
- たまに画面上に謎のテクスチャの欠片が終始チラついてる事がある -- 名無しさん (2015-12-19 06:20:54)
- 異界から現世を救った阿部の糞 -- 名無しさん (2016-03-15 14:17:41)
- ピエールの件でガッチマンの実況Part1が検索上位1位に上がってたのは笑った -- 名無しさん (2019-08-05 17:22:53)
- SIRENの方は小野不由美の屍鬼っぽいけど、2は同作者の黒祠の島っぽい気がする。元ネタの一つ? -- 名無しさん (2021-08-06 15:07:05)
- 今さらだがサイレン→セイレーン→人魚って発想なのね。 -- 名無しさん (2022-03-28 10:51:55)
- 闇霊のせいでアンチが生まれたってどういうこと? -- 名無しさん (2022-04-25 16:07:46)
- このゲームに出てくるトラックは仕様上の問題でその場で方向転換できる。できないと詰むんだけど、その結果一切の前身後退を挟まずに180度ターンが可能というオーバーテクノロジーを積んでいる。 -- 名無しさん (2022-07-08 09:30:57)
- 因みに映画だが、何も知らないで見ればそこそこ面白い。なんで原作にこれを使った。 -- 名無しさん (2022-11-07 18:35:46)
- 永井くんはどうすれば助かったのか… -- 名無しさん (2023-05-03 21:43:46)
- 映画は話の流れとかはまぁ良かったけど顔芸で全て、ね・・・。確かに闇霊のせいでSIRENシリーズアンチじゃなくてSIREN2アンチが生まれた原因ってなんだ -- 名無しさん (2024-02-29 10:04:17)
- だって闇霊しつこいし多数沸くしハメ殺されるし・・・ -- 名無しさん (2024-08-01 01:05:07)
- ↑3 永井君は七つの大罪の怒りが服着て歩いてるみたいな奴だからなぁ……。宗教的な価値観を試されるゲームの内容じゃ地獄行き確定みたいな奴だし。 -- 名無しさん (2024-08-01 01:10:16)
- ↑2 前作の屍人の設定との差異とかじゃなくて単純にゲーム的な邪魔者としてって意味なのか。まぁ警官のじぃじステージは辛かった -- 名無しさん (2024-08-01 11:01:22)
- 闇人があくまで「人間の死体を纏った闇霊」である以上、どれだけ人間殺しても最終的に増殖打ち止めになりそうな気するけどどうなんだろう。田舎の夜見島だからあまり弱点として露呈しなかっただけで、都会なんて夜でも光に溢れてる世界なのに -- 名無しさん (2024-08-01 22:07:32)
- 未覚醒から覚醒した「鳩」といくらおせっせしても、体の作りが違うから子供はできないのか、それとも… -- 名無しさん (2024-08-01 22:42:10)
- 結局「元に戻ろうとする世界」のくだりは何だったの?前作と違ってループものでもないし、なんか関係ある描写ってあったかなあ… -- 名無しさん (2024-08-02 23:29:51)
- 1が山奥の寒村、2が寂れた離島で、もし3来たらどんな舞台になるんだろう -- 名無しさん (2024-08-05 19:31:53)
- ↑東京…? -- 名無しさん (2024-09-06 21:40:00)
最終更新:2025年03月02日 21:30