楠神哀空吏(牙狼-GARO-)

登録日:2014/11/30 (日) 03:40:27
更新日:2025/02/23 Sun 15:09:47
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失格だ。俺は認めない



楠神哀空吏(くすがみ あぐり)は、深夜特撮番組牙狼-GARO- 闇を照らす者の登場人物。
演じるのは青木玄徳氏。本作の放送終了2か月後に仮面ライダー鎧武レモン博士を演じる。


【概要】
魔戒騎士の名門・楠神家の出身で、天弓騎士(てんきゅうきし)・牙射(ガイ)の称号を持つ。
その家柄の重さに恥じぬよう鍛錬してきたせいか、冷徹に近い冷静沈着な性格の持ち主となる。

二本のベルトが施された、襟黒のダブルレザージャケット(魔法衣)に身を包んでおり、
防御力はボルシティの秘密警察SG-1用新装備『フィストボム』を受けても破かれず、着る者のダメージも動ける程度に留めるほどのもの。
(この『フィストボム』はカイザーナックルの形状をしており、岩をも砕く衝撃波を放つ)
ジャケットの左胸部には楠神家の家紋を飾ったブローチを施しており、赤い太陽が下に向かった三日月に突き刺さる三本の矢を照らし出すデザインとなっている。

常に眼鏡をかけてはいるが、視力は特に悪くはない。
かけた眼鏡は第3話『迷 Dungion』のように左縁に触れることで両のレンズに周囲の情報が伝わる仕組みになっている。
第16話『友 Lost』では、燕邦による『フィストボム』の実演発表会にスーツに着替え報道マンとして潜入、眼鏡を外している(この時、眼鏡は傍らにいた莉杏がかけている)。

愛用の武器は『魔戒弓』という
基本的にホラーを射抜くのに使うが、近接戦時には薙刀のように振り回し敵を薙ぎ払ったりもできる。
第21話『義 Justice』のように筈にロープを結んだ矢をアンカー代わりに放つことも、
第23話『輝 Gold』のようにコンテナ内での尊士との格闘の最中、鏃を爆破させて地表に転落させたりすることも可能。
(この第23話の場面では、演じた青木氏曰く「『こりゃ死んだな』と思った」ほど)


【戦闘力】
「楠神流の弓術は早打ちの連射が基本」、と第3話にて流牙が評したように、主に弓矢を用いた迅速かつ必殺必中の遠距離戦を得意とする。
近接戦が苦手、というわけではなく体術も心得ており、
第21話では莉杏を救出するため、三人揃って金城タワーに突入する際護衛していたSG-1を相手に立ち回っている。

基本的にはメンバーの参謀格にあたり、状況を分析しながら綿密な作戦を練り込んでいく方。
牙射の鎧お披露目回である第3話では肉体の一部を全裸の女に変え、夜な夜な男を誘惑し異空間におびき寄せ捕食する陰我ホラーを相手に、
異空間内で札を張り光の屈折を利用し矢の軌道を作り出し相手を仕留める作戦を編み出す。
そのためには魔戒札を必要とし、最後の一枚はホラー本体の近くに貼る必要があった。
札を貼る役目を自ら志願した流牙に任せ、自身は異空間の範囲外にあるビルの屋上で待機し(異空間内では騎士の鎧の召還ができないため)。
流牙を援護する猛竜の連携もあって、光の道と矢が形成されホラーを撃破する。
第24話『照 Future』のゼドム決戦時には、ゼドム自身の周囲に浮かぶキューブで生成された大砲の特徴を分析。
威力は圧倒的だが攻撃はただ一直線に撃ち続ける単純なものと長所と短所を見出し、
それを聞いた猛竜も自らソウルメタル製の盾を形成し仲間を進ませ特攻したことにより撃破に成功する。

陰我ホラーが相手ならともかく、『闇を照らす者』本編では相手が悪かったため必殺の矢が通じない事が目立ってはいたが、
参謀としては優秀な方であり、彼の作戦がなければ突破できない状況もあった。

ホラーを100体送還していない状態のため魔導馬を召還こそできないが、
第23話『輝 Gold』の尊士との決戦では烈火炎装と魔導ホラー態の尊士のぶつかり合いで鎧が送還されても、
猛竜を軽自動車のルーフに乗せ、莉杏と波奏を乗せたワゴン車のルーフ上で激突する流牙と尊士を追跡。
カーチェイスの猛攻で眼鏡を飛ばされても運転の手を緩めなかった。


【性格】
楠神家の出身のため、当初は黄金を失った牙狼を纏う流牙とお人好しでお調子者の猛竜との仲は険悪だった。
第3話では猛竜を救出しに向かおうとする流牙を引き留め、囮として切り捨てようとした事もあり彼の反感を買ったこともある。
魔戒法師である莉杏とはパートナーと言うよりは上司と部下の関係に近く、彼と行動を共にすることが多かった。

第18話『闘 War』で邪悪な本性を現した金城滔星が楠神家を愚弄するかのような挑発にも憤慨したように、プライドの高さが災いする事もあった。
特に第13話『狩 Hunting』では、魔導ホラーに必殺の矢が通じない事に衝撃を受け、一度はプライドの高さが自身の壁になる場合があった。
元老院に向かい魔導ホラーについて別の戦い方を模索すると符礼に提案する際、「やれやれ…臆病な奴ほど言い訳が多いなぁ」とザルバに皮肉られた後、岩を的代わりに射抜く練習をしながらひとり苦悩する。
そんな彼に流牙が「一本じゃだめなら矢を何本に束ねてぶっ刺せばいい」と無数の矢を束ねて岩を打ち壊した際、
「そんなのは楠神流とは言えないな」と反発、流牙も「楠神流だろうが何だろうが関係ないでしょ!?ただ全力でホラーを倒す…それが魔戒騎士だろ?」と衝突。
やがて莉杏が発見した魔導ホラーの『保存食』を見て、それを製造する金城グループの食品プラントに製造員として潜入した際、保存食にされた者たちの無念の声を聞いた時、彼の心に変化が訪れる。

あたかも命を商品のごとく売りさばく行為にただゲートから人に憑依し捕食するだけの陰我ホラーと違う、魔導ホラーの異質さに憤慨する哀空吏。
やがて、潜入し始めた時に魔導ホラーと無関係の職員を逃そうと通報機を鳴らそうとした流牙と同じことを行った。

おい……SG-1が来るだろ……?

その前に……カタをつけよう……!!

怒りと涙に震える哀空吏の瞳に、決意の炎が宿った。

人の魂を食べやすい形にすることにノルマがある…そう嘯き『保存食』を奪還せんとする責任者。
『保存食』を守りながらも、必殺の矢も通じず打ちのめされ、泥まみれになり、眼鏡も外され、プライドさえも砕かれた哀空吏。
それでも、これ以上魔導ホラーを野放しにして犠牲者を多く増やすわけにはいかない。

俺は……俺はまだ折れちゃいない!!

見苦しい抵抗だと嘯かれながらも哀空吏は落ちた無数の矢を拾い上げ、魔導ホラーを突き刺す。
欠片に宿った魔戒騎士としての信念が金色の光となり、牙狼となった流牙の牙狼剣が魔導ホラーを切り裂く。
戦いを終え、互いに笑い合う二人には分け隔てりはなく、哀空吏の心に守りし者としての新たな誇りが生まれた。


【天弓騎士・牙射】
哀空吏が弓で8の字を描く事で左右に光の環が生まれ、両の環が重なるように牙射の鎧が召喚される。
全体的に蒼みを帯びた銀の鎧で、轡を噛んだ狼の兜には、長く伸びた鋭角的な左耳と短く歪曲した右耳に似た左右非対称の角が伸び、
左右両目は赤いゴーグル状につながっており、額部と腰部に鈍い紅色をした、三日月状の紋章が施されている。
胸部中央には菱型に近い形状の橙色の結晶が施されており、そこには鏃にも似た紋章が刻まれている。
腰部の装甲も大腿部を守るための草摺が施され、そこから前・右・後三部に赤い布、腰部装甲からは八つの小さい金輪が伸びている。

使用する魔戒弓も鎧と同じ色に変化、日輪と月輪部に薙刀にも似た銀の刃が施される。
近接戦時には鳥打部から刃を展開しを薙刀のように振りかざす。
第19話『光 Hope』にて、尊士との戦いで弓を二つに折られてからは
二振りの剣としても使用、断たれた部分もヌンチャクのごとくワイヤーで括られて連結も可能な構造になっている。
魔戒弓から放たれる矢も金色になり、鏃がドリルのように鋭角的なものに変化、第3話のように術のサポートで効果は多様に変化する。
第24話では跳躍しながら右足で弓を構えて束ね撃ちをやってのけたが、ゼドムには通じなかった。

烈火炎装も使用可能で、炎の色は澄み渡る蒼穹のような濃い空色
使用したのは第13話ラストと第23話、それも三人同時のみで単体では使用していない。


【その絆】

哀空吏に関連する人物と、彼との関係。

  • 符礼(ぶらい)
哀空吏らの上司的存在。
厳格に若き騎士らに流牙と共に魔導ホラーを討伐するよう命じられ、本人は不本意ながらも従い、
彼の命で一時ボルシティから離れ、魔導ホラー探知用の魔導具の素材たる魔法石を探索、入手に成功した。
終盤では楠神家の家紋が刻まれたソウルメタル製の矢を託され、それがゼドムとの決戦で活路を見出す。

第1話『流 Ryuga』ラストで彼と邂逅。
花嫁に憑依したホラーを仕留めきれなかった事に対し、冒頭の台詞を吐き冷ややかに評価。
第6話ではホラーをおびき寄せるインディーズバンドのボーカル・シンの『Bright Hope』のCDレコーディングスタジオの前で
「あいつの命がけの演奏を聞いてやりたいんだ」と一同に頼む際、
「自分に課したこともできないようでは、牙狼の資格はない」と言いながら彼の選択を見極める。
第13話で最大の壁にぶち当たり挫折しかけた際、一見いい加減に聞こえる流牙の言葉が引き金となり彼を仲間として認める。
第19話『光 Hope』で猛竜と共に流牙を探す際、
「あいつは馬鹿だ。だけど、絶対にあきらめない。それだけは俺も認める」と評している。

お調子者の猛竜と楠神流の御曹司的存在の哀空吏とはソリが合わず、哀空吏本人も第3話のように彼を捨て石にしようとしたことも。
第19話で流牙を探す中、彼を「絶対にあきらめない馬鹿」と評した際、
猛竜も哀空吏を「認めるよ、やっぱりお前も馬鹿だ」と評し、哀空吏も「お前もな」と評し返した。

  • 莉杏(りあん)
本編では流牙とほぼ同じ割合で哀空吏と共にいる事が多く、彼と行動を共にしたり作戦を練ることもあった。
元々洒落っ気があるのか、服装を変えながら偵察し、彼に情報を伝えたり共に潜入したりもする。


【決戦】
符礼決死の抵抗もむなしく、復活したゼドム。
ゼドムの眠る地だった金城タワーの地下に向かう若き守りし者だが、彼が造り出した砲台の猛攻により、防戦に徹せざるを得ない。
それでも前のめりに向かおうとする流牙を哀空吏が制止する。

哀空吏「無茶をするな、流牙!」
流牙「俺は母さんの命を奪ってここに来た…負けるわけにはいかないんだ!!」

もはやあの時見下していた「出来損ない」はそこにいない。
失っても、奪われても、奪っても未来のために走り出そうとする流牙は、ひとりの守りし者……牙狼の称号を受け継ぐ者だった。

哀空吏「なら…死ぬなよ!」
流牙「ああ…死ぬもんか!」

ゼドムの猛攻を分析した後、猛竜決死の特攻で活路を見出した流牙と哀空吏はゼドムの前で、それぞれ牙狼と牙射の鎧を召還し立ち向かう。
牙狼剣で挑む流牙を援護するため、哀空吏は跳躍し、右足で弓を構え幾つもの矢を束ねて放つがゼドムには通じずその反撃を喰らい鎧が送還されてしまう。
やがて、牙狼の鎧を封じられ、ゼドムの中に飛び込む流牙を見送ることしかできない猛竜、莉杏、哀空吏。
そんな彼らに、符礼の魔導筆が舞い落ち、その遺志が莉杏に魔戒八卦(まかいはっきょう)を放てと命じる。
符礼の遺志を受け止め、魔戒八卦を放つ莉杏。そこから示されるゼドムの急所。チャンスは一瞬しかない。

符礼法師……この矢をゼドムの下に導け!楠神流の名に懸けて…!!

楠神家の紋章が刻まれたたったひとつの鏃に、哀空吏はすべてをかける。
楠神家のために、牙狼のために、友のために、未来のために。
地表に落下する中、光芒一点目掛け……ゼドムの急所を射抜いた。

猛竜「ぃやったぜ楠神流ーっ!!!」

猛竜の歓喜に満ちた叫びが響き渡る。
キューブが崩れゆく中、牙狼の鎧を解放し装着する流牙、それに続けと鎧を纏う猛竜、哀空吏。
ゼドムの闇の中で三人の騎士が立ち向かう。
「俺はこの輝きで、未来を照らす!!」……決して諦めない流牙の心が、牙狼の鎧から放つ光が、漸と牙射の鎧をも金色に染め上げる。

流牙の闘志猛竜の怒り、そして哀空吏の誇り……闇を照らす者たちの刃がひとつとなり、ゼドムを打ち砕く……!

戦いは終わり、ボルシティに平和が戻った。
莉杏の術でホラーと魔戒騎士の記憶は消され、人のいない金城タワーにはSG-1が厳重に警備している。
使命を終えた四人はそれぞれの道を歩き出す。
猛竜は西の管轄に、流牙は南の管轄に、莉杏は黄金騎士を支える魔戒法師の道を行く。
そして哀空吏は、元老院を志願しながらも古代遺跡を守りながら修行を続けている。

人の心に邪心がある限り陰我が生まれ、魔獣ホラーが現れ人を喰らう…魔戒騎士の使命に終わりはない。
そして、その誇りのために、友のために彼は新たな道を進み始める……。


【その後】

『GS翔』には登場していなかったが、その後の『神ノ牙 KAMINOKIBA』に登場。
魔戒騎士の鎧を奪おうとする、謎の敵とともに行動しており、流牙や猛竜(とファン)に衝撃を与えた。

幼馴染の蛮美法師が、恋人の魔戒騎士を蘇らせる計画を立てており、
それに協力していたのが、流牙と猛竜と対立していた理由であった。

しかし、蛮美と協力していたホラー・リンザが裏切り、蛮美の恋人ではなく、ジンガを復活させたことにより、
蛮美をジンガに奪われたため、流牙や猛竜、莉杏と合流し、神ノ牙始動阻止のために行動を始める。

ラストシーンでは、蛮美のことを愛していたのではと問われるシーンがあり、哀愁を誘っている。


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最終更新:2025年02月23日 15:09