登録日:2015/10/29 Thu 23:51:44
更新日:2024/08/26 Mon 06:56:45
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※注意
この項目では少女革命ウテナのネタバレ内容を扱ってます
ウテナ・カーとは、『劇場版少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』に登場する車のことである。
◆登場までの経緯
まず始めに、『
少女革命ウテナ』の見所の一つに、デュエリストとの決闘シーンというものが存在する。
これは、
1.ウテナが決闘場に呼び出される
2.BGM『絶対運命黙示録』と共に決闘場に向かい、その道筋の中でウテナがデュエリストの装束に変身
3.決闘場に到着し、相手のデュエリストと『薔薇の花嫁』姫宮アンシーを賭けて相対
4.ウテナがアンシーから『ディオスの剣』を引き抜き、決闘スタート
という流れになっており、大人気のシーンの一つとなっている。
様々な「理想」のために『薔薇の花嫁』を求めるデュエリストとの決闘、人気BGM『
絶対運命黙示録』とともに流れる変身バンク、
毎回デュエリストとに合わせて変わる決闘
BGMなどなど、『
少女革命ウテナ』の代表的な要素で多くのファンを虜にしていた。
そして劇場版での話となるが、当然劇場版でもこの大人気の決闘シーンは存在する。
が、劇場版の決闘シーンでは、天上ウテナは変身せずにデュエリストとの決闘を行なっており、
ここでは『絶対運命黙示録』と合わせた変身シーンが存在しない。
ついでに言うと決闘自体も有栖川戦などは決闘場以外で行われている。
アンシーからディオスの剣を引き抜くシーンや、特徴的な決闘
BGMなどは存在するものの、変身シーンのみ存在しないのである。
実は、終盤で天上ウテナが自身の心と決着をつけた後に、
姫宮アンシーと共に最後の戦いに臨むため満を持して変身する場面が登場し、
ここでようやくウテナが変身をすることとなる。
劇場版ということで、さらにパワーアップしたBGM『
絶対運命黙示録-Adolescence of UTENA』がスタート。
最高潮の中で天上ウテナが変身する、という流れとなってる。
そして、その内容なのだが
天上ウテナが車に変身する。
天上ウテナが車に変身する。
比喩でも何でもなく、本当に車になる。
しかも『変身』とは書いたが、実際は『ウテナを原料に車を製造する』に近く
1.ウテナが巨大な洗車ブラシに取り込まれる
2.BGM『絶対運命黙示録-Adolescence of UTENA』と共に製造機械稼働開始
3.ウテナが素材内に入る
4.それを材料にプレス開始
5.ボデー&各種部品組み立て終了
6.最後に塗装・洗浄
7.ウテナカー完成
と、いう流れで変身が完了する。
文字で表すと
グロテスクに感じるが、実際のシーンでは全くグロくないのでご安心を。
というか
圧倒的な超作画でフルに描かれる車製造シーンと、荘厳なBGM『絶対運命黙示録-Adolescence of UTENA』のインパクトの前でそんな事を感じる余裕はない。
とにかく凄い。見ればわかる。
どうしてこうなったかというと、ウテナがアンシーと共に鳳学園を脱出して『外の世界』に行くことを決意したため。
子供の世界である『学園』の『外の世界』に行くためには、『子供』ではなくなる必要がある。
そのためにウテナ自身は車となり、アンシーが『車を運転する』という『大人』でしか出来ない行動をとることで、
『子供』でなくなり『外の世界』に行くことが可能となるのである。
つまりこの姿は、アンシーが子供から大人になるため、鳳学園を脱出して外の世界に行く闘いのための決闘衣装。
そしてアンシーはこの車で、子供の世界から外の世界に行く事を決め、
記事冒頭の学園からの警告を無視し、外の世界に向かうこととなる。
とまあ、このように論理は通っているのだが、当然このような展開は誰も予想することができず、
このウテナ・カー登場シーンは全観客の度肝を抜くこととなった。
◆車種解説
天上ウテナが変身した、外の世界に
姫宮アンシーを連れていくための車。
ピンクのメタリックな車体の前輪駆動の四輪車。前輪のカバーが馬の様な意匠をしている。
ウテナの『薔薇の刻印』の指輪が鍵に変化しており、これを刺すことでエンジンがかかるようになっている。
ラディカル・グッドスピードも真っ青の、
時速500km以上のスピードが出せるスーパーマシン。
このウテナカーに乗り、アンシーは外の世界に行くことを決意。
追っ手とのカーチェイスが始まる。
学園から放たれたアンシーの追っ手。
黒い車体に鋭角的なフォルムが特徴。モノアイのような巨大なライトがボンネットの上に装備されている。
ウテナカーと同じく人間が変身した姿であり、ナンバープレートに変身した人間の名前が刻まれている。
非常に数が多く、外の世界に行こうとするアンシーを執拗に追い続ける。
ちなみに一台だけ巨大な「キャリアカー」が存在する。
ベルゼブルカーが全て黒色であること。
TV版で黒薔薇会メンバーだった薫梢・高槻枝織がベルゼブルカーとなっていることから、
正体は、黒薔薇会編ラスボスの御影草時だという説がある。
上記のベルゼブルカーの追手からアンシーを助けた生徒会メンバー(西園寺莢一、有栖川樹璃、薫幹)が乗っていた車。
ウテナの親友、篠原若葉が車になった姿。車種は緑色のオフロードジープで、荒い走行も可能。
外の世界で会うことを約束した生徒会同様、彼女もまた、ウテナと再会するために外の世界へと脱出する時が来るのかもしれない。
「行くわ、外の世界へ」
・ウテナ・カー エレガンサーモード
外の世界に行くための障害である『ベルゼブルの王城』を突破するために、ウテナカーが更に変身を遂げた姿。
ベルゼブルカーの妨害で傷だらけになったカウルが修復され、四輪から三輪に。さらに後輪駆動に変化。
ロケットの様な流線型のボディへと姿を変えている。
このモードへの変身と共に、TV版主題歌『
輪舞-revolution~アドゥレセンス・ラッシュ』が流れ始め、
アンシーがフル
アクセルでベルゼブルの王城に突入する。
この一連のシーンは『盛り上がる』では表現しきれないほど熱い。
別名『ベルゼブルの王城』
外の世界に行くための出口付近で走行している、巨大な城。
一見、遠目で見ると煌びやかなおとぎの城だが、その真下では巨大で醜悪なタイヤで轟音を立てて走行しており、
外の世界に行こうとするものを妨害・容赦なく踏み潰している。
何も知らなければ綺麗だが、近づくと醜悪な現実が待っているという「夢」の象徴。
子供であることをやめ、外の世界に行くためにはこの城を突破しなければならない。
モチーフは、ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』
「だからボクらは行かなくっちゃ。ボクらが進めば、それだけ世界は拡がる。きっと」
『ベルゼブルの王城』を突破し、
鳳暁生との決着をつけたウテナ・カー最後の姿。
車体はほぼ全て大破。残っているのはわずかなフレームとエンジン・ふたつのタイヤのみで、ボロボロになって走行している。
その替わり天上ウテナが人間の姿に戻っており、アンシーと寄り添うように車に搭乗している。
この形態で外の世界へと脱出、不毛の荒野のような『外の世界』への道を二人を乗せて駆け抜けていった。
追記修正は、『車』を運転できる大人の方のみお願いします
- 項目見る前「なんか珍しい名前のキャラの項目が建っているな、みてみるかー」→見た後「…、どういうことだってばよ!?」 -- 名無しさん (2015-10-30 03:13:43)
- 2015年となった今でもこれを越えるインパクトはなかなかお目にかかれない -- 名無しさん (2015-10-30 03:40:11)
- ごめん。全く意味わからん。 -- 名無しさん (2015-10-30 05:23:49)
- 何が凄いって、冗談でも何でもなくこの展開なんだよなw 主人公が車になってヒロインとの脱出劇が始まるっていう -- 名無しさん (2015-10-30 10:39:00)
- ファイナルフォームライド? -- 名無しさん (2015-10-30 11:07:00)
- 間違ったことが一つも書いていないwww 確かにこの時の絶対運命黙示録の壮大感はすごい -- 名無しさん (2015-10-30 13:35:17)
- (暁生カーのことじゃなかった…) -- 名無しさん (2015-10-30 20:57:14)
- ↑いつか書いてくれるだろ -- 名無しさん (2015-11-30 08:16:13)
- 文字だけだと訳分かんないし、映画見ても分からない所多いけどそれでもウテナカーになる展開好き -- 名無しさん (2015-12-08 20:06:41)
- 超展開だけどアニメ版よりは話がわかりやすい -- 名無しさん (2016-03-09 19:48:13)
- 2chの噂で聞いたが、ラストのシーンで見ていた中学生が目を背けたそうだとか。 -- 名無しさん (2016-06-08 07:13:37)
- まぁ主人公の少女二人が全裸でキスシーンだしな。不毛な何もない世界に進んでいって大人になるって良いシーンなんだけども -- 名無しさん (2016-08-19 19:32:31)
- ウテナとアンシーが全裸で外の世界に進むシーンは赤ん坊が母親の体内からでて産まれるように、全てのしがらみから解放されて新たに産まれたということを暗示しているのかもしれない -- 名無しさん (2016-10-01 19:42:56)
- 一つだけツッコミたい。なんだあの、モナコもびっくりなうねうねしたコースはww -- 名無しさん (2018-04-07 19:24:14)
- どうやって動いてんのかもはや想像もつかないレボリューションモードくんで薔薇生える -- 名無しさん (2019-03-23 21:13:02)
- ウテナカーを運転してるアンシーはミニ四駆ファイターと言う別の顔を持つのであった。 -- 名無しさん (2021-11-03 22:30:11)
- そう言えば、3つほど疑問が。(1) ノーマルモードやエレガンサーモードの時にウテナの声でしゃべらせたりしてもよかったと思うけど、それをしなかったのには、何か演出的な者も含めて理由があったんだろうか? (2) 城カーを抜けた後、実況室にいたメンツが藁人形になっていたけど、なんの暗喩だったんだろう? (3) レボリューションモードが走り去った後、地平線の向こうにあの城が見えたんだけど、その意味は? わかった人いる?? -- 名無しさん (2022-01-15 18:01:48)
- TV版もそうだけど、「大人になる=車を操縦できる」になんでそんな固執するんだろう?幾原さんが車好きなんだろうか。 -- 名無しさん (2024-01-07 02:35:08)
- 車を運転できるようになるには社会的に認められる年齢・持てるだけの経済力・同乗者や周囲を守るための責任が必要と、車には明瞭な大人に必要な要素があるからじゃね?今は考えが違うかもしれないけど -- 名無しさん (2024-01-07 08:22:14)
- ↑気づくのが遅くなったけど、考察ありがとう。なるほど。 -- 名無しさん (2024-05-02 19:49:17)
- ウテナ・カー、どこかでミニカー・立体化してくれないかなぁ。結果サイバーフォーミュラ感もあって良いけど。ミニカー化するとすればトミカプレミアムアンリミテッド辺りでやるかな? -- 名無しさん (2024-05-28 18:26:14)
- 型にはめる・歯車として作り上げる、それでも芯の自分自身は残る……という示唆的な描写なんだな(お目目ぐるぐる) -- 名無しさん (2024-05-28 18:39:43)
最終更新:2024年08月26日 06:56