登録日:2011/02/07 Mon 22:15:25
更新日:2025/04/10 Thu 19:05:42
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『少女革命ウテナ』は
テレビ東京系で1997年に放映された「学園アニメ」。
…と言い切ってしまっていいのかとも思うが、「鳳学園」という、世界から断絶されたかの様な閉ざされた空間が舞台装置として重要な役割を占めている事は間違いない。
原作者は一人に限定せず、チーム制が採られ、「ビーパパス」なる制作ユニットが結成された。
幾原邦彦:原案・監督
さいとうちほ:キャラクター原案・コミカライズ
長谷川眞也:キャラクターデザイン
榎戸洋司:シリーズ構成・脚本
小黒祐一郎:プランナー・広報
榎戸氏も「『
機動警察パトレイバー』のノウハウそのまんま」とぶっちゃけている。
メンバーのグラビアも撮られ、カードダスにもなった。
長谷川氏は「撮影の時の心得は、恥を捨てることです」とノリノリで臨んでいる。
当時の小黒氏は何かと理由つけて、何とか逃げ切ったが。
なお、各話スタッフとして、その後話題作の総監督やシリーズ構成を務めた人物も多数参加している。
例:五十嵐卓哉(「風山十五」名義)、細田守(「橋本カツヨ」名義)、月村了衛、山口亮太(「比賀昇」名義)、錦織博など
宝塚歌劇団・往年の少女漫画の演出手法を基本に、
一見「無関係だろ」と思われる様な小道具の唐突な出現・赤を基調にした奇抜な色彩設計・最初から作り物であることを示唆する背景を一体化させた前衛的な映像演出、
哲学的且つ舞台的なケレン味のある言い回し、
バトルパートにはJ・A・シーザーによる壮大でおどろおどろしくアングラな合唱曲等を多用している。
その結果、初見ではとっつきにくい独特の世界観を作り上げている。
しかし、主題は飽くまでも「既存の価値観への猜疑」「少女・少年達の成長譚」であり、その行きつ戻りつながら前進するキャラクター達の生き様に惚れこんだ者は多く20年以上経った今尚コアなファン・フォロワーとなった作品は多い。
1999年、『少女革命ウテナ〜アドゥレセンス黙示録〜』として映画化。TV版とは別の物語が展開され、設定が異なる箇所も多々ある。
〈主な登場人物〉
■天上ウテナ
CV
川上とも子
鳳学園中等部二年。幼い頃に出逢った王子様に憧れるあまり、自身が気高い心を持った王子様になる事を誓った
男装の少女。
友達の若葉の為に西園寺に怒鳴り込んだ事をキッカケに、生徒会メンバー達の決闘
ゲームに身を投じ、
姫宮アンシーとエンゲージする事となる。
薔薇の花嫁としての運命を甘受するアンシーに心を砕き、彼女を救おうとするが、それはあまりに過酷で数奇な道程だった…。
薔薇の色は
白。
■
姫宮アンシー
CV:渕崎ゆり子
中等部二年。決闘に勝利したデュエリストと『エンゲージ』する『薔薇の花嫁』。決闘の際には赤いドレスに身を包み、勝負を見届ける。
決闘ゲームに勝ち抜けば、彼女および「世界を革命する力」が与えられる…と「世界の果て」からの手紙に書かれているらしい。
一見従順で我が無いかの様に振る舞っているが、その内面に恐ろしく深い業を背負った「魔女」。
■桐生冬芽
CV:
子安武人
テーマ曲「封印呪縛」「何人も語ることなし」「寓意・寓話・寓エスト」
高等部二年。生徒会会長で完全無欠のプレイボーイ。
デュエリストで薔薇の色は
赤。
「世界を革命する力」を手にする為に色々と策略を巡らすが、次第に本心からウテナに惹かれていき、プレイボーイを卒業する事となる。
■西園寺莢一
CV:
草尾毅
テーマ曲「When Where Who Which」「肉体の中の古生代」「バーチャルスター発生学」
高等部二年。第1話時点での決闘ゲームの勝者。剣道部主将で生徒会副会長だが、他のメンバーからは『道化』呼ばわれされている。
男尊女卑的で単純な性格。エンゲージを解消されてからもアンシーと交換日記を続けていたが、幼馴染である冬芽に日記を捨てられる。
「永遠のもの」に憧れ、決闘ゲームに参加する。薔薇の色は
緑。
通称
ワカメ。
■有栖川樹璃
CV:
三石琴乃
テーマ曲「天使創造すなわち光」「わたし万物百不思議」
高等部一年。フェンシング部部長代行。縦巻きロールで隠れ百合。
「奇跡の力」を否定しながらも、同時に強く欲している。
利害関係では無く、自身の信念のためにウテナに決闘を求める。
薔薇の色は
オレンジ。
ウテナとは二回決闘しているが、二度ともイレギュラーな事態により敗北した。
■薫幹
CV:
久川綾
テーマ曲「スピラ・ミラビリス劇場」「平俗宇宙に不滅の皇帝」
中等部一年。成績優秀でピアノも得意。作中で度々演奏される「光さす庭」という曲は彼が作曲した。渾名はミッキー。
幼い頃に双子の妹に感じていた
「輝くもの」をアンシーから感じ取り、彼女を手に入れるべく決闘に参加する。
生徒会メンバーで唯一ウテナ達と良好な関係を築いており、一緒に勉強会をしたことも。
アンシーを清純で可憐な女性だと思っているが…。
薔薇は
青。
■桐生七実
CV:白鳥由里
テーマ曲「ラスト・エヴォルーション」「天然同胞宮殿遠近法の書」
中等部一年。冬芽の妹で、兄が塞ぎ込んだ際は代わりに生徒会を取り仕切っていた。
病的なブラコンでウテナやアンシーに嫌がらせをするが、その度に牛になったりとか象に蹴飛ばされたりとかロクな目に合わない。
ある朝自分のベッドに見つけた謎の卵を自分が産んだと思い込むおっちょこちょい。案外母性が深いのかもしれない。
生徒会メンバーの中で唯一『革命』を求めていないデュエリスト。
ある事がきっかけで自分と冬芽との血縁関係を疑われ、精神的に追い詰められるがれっきとした冬芽の血縁上の妹である。
しかし「王子様の妹」の立場を追われ「魔女」として学園内での地位を失う様はかつてのアンシーを思わせる。
薔薇は黄色。
■御影草時
CV:
緑川光
テーマ曲「ワタシ空想生命体」
高等部三年。黒薔薇会主宰。
根室記念館を訪ねた生徒たちの「心の闇」を突き、黒薔薇のデュエリストに仕立てあげた。
実は何年も歳をとっていないらしい。
■千唾馬宮
CV:川村万梨阿
御影の傍らにいる中性的な美少年。だが、実は…
■篠原若葉
CV:今井由香
テーマ曲「幻燈蝶蛾十六世紀」
自称「ウテナの大親友」。
明るく優しい本当にいい子なのだが、アンシーには複雑な感情を抱いている。
■薫梢
CV:本多知恵子
テーマ曲「架空過去形<禁厭>まじない」
幹の双子の妹。
関係は破綻しているが、本心では幹を求めている。
ヤンデレ。
■高槻枝織
CV:西原久美子
テーマ曲「地球は人物陳列室」
高等部一年。当初は学園を離れていたが黒薔薇編にて再び転入してくる。
樹璃の幼馴染で想い人。「奇跡を信じて、想いは届くと」が口癖だったらしい。
見た目は控え目で清楚だが、かなりの性悪。
映画版では更に
ビッチ度が増していた。
■石蕗美蔓
CV:
矢島晶子
テーマ曲「円錐形絶対卵アルシブラ」
初等部四年。冬芽に憧れ、七実の「お兄様」になろうとする。
やってる事はだいたい
ストーカー。
茉莉という一つ年上の幼馴染がおり、好意を持たれているのかちょっかいをかけられている。
■土谷瑠果
CV:
佐々木望
テーマ曲「天使アンドロギュヌス」
高等部二年。長期入院していたが、生徒会メンバー、そしてデュエリストとして学園に復帰する。
樹璃と枝織を執拗に傷つけ追い込むが、それは全て樹璃への想いゆえだった。
薔薇は
水色。
■鳳香苗
CV:
折笠愛
テーマ曲「不人幻魂合体術」
高等部三年。理事長の娘で暁生の婚約者。アンシーが苦手。
林檎食べ人形と化す。
■苑田茎子
CV:中川玲
テーマ曲「成熟年齢透明期」
■大瀬優子
■脇谷愛子
七実の取り巻き三人娘。
「そのたおおぜいのわきやく」
だが、彼女達にも思惑はある。
■
鳳暁生
CV:
小杉十郎太
テーマ曲「体内時計都市オルロイ」
鳳学園理事長代行。アンシーの兄。
「世界の果て」の正体であり、かつての王子様・ディオス(CV:結城比呂)のなれの果てでもある。
デュエリスト達による決闘ゲームを仕組み、「失われたディオスの力」を取り戻そうとアンシーを操り、ウテナを誘惑する。
映画版ではミッチーこと及川光博が演じ、キャラも役割も変わっていた。
■チュチュ
CV:こおろぎさとみ
アンシーのペット、もとい友達。
……猿、なのか?バナナが大好き。
大嫌いな西園寺と中身が入れ替わった事がある。
「七実の卵」から産まれたのは2代目らしい…。
■影絵少女
A子
CV:川村万梨阿
B子
CV:こおろぎさとみ
C子
CV:
渡辺久美子
「かしらかしら、ご存知かしら〜♪」
演劇部の生徒…なのか?
彼女たちの影絵は、難解な物語のテーマを要約している。
立ち位置のモデルは
ウィリアム・シェイクスピア作品の道化。
「Wikiの殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく」
- 冬樹にクルルにドロロにアリサにケロロ…ケロロキャラ大集合 -- 名無しさん (2013-09-06 00:49:27)
- 劇場版とウテナと七実にリンクが貼ってあるけど項目がない・・・サルベージし損ねたか? -- 名無しさん (2014-03-05 15:16:02)
- 結局ウテナはまだ世界の果てに取り残されたまま・・・。 -- 名無しさん (2014-03-05 17:24:01)
- 一度ハマると宝塚のように抜け出せなくアニメ -- 名無しさん (2014-03-05 23:47:51)
- ゴールデンの時間帯で主人公が処女喪失・・・・。 -- 名無しさん (2014-03-19 19:03:03)
- 絶対運命黙示録ってなんかすごい第2期昭和シリーズのウルトラマンの曲にありそうな雰囲気だなぁと小さい時思ってたな -- 名無しさん (2016-07-17 21:20:10)
- ↑2 いやそれ以前に……中等部(中学)二年……。13か14でヤッちゃうところが……。理事長、実はロリコ(ザシュッ←ディアスノケンニササレマシタ -- 名無しさん (2017-04-21 06:45:53)
- ここにきてまさかの新作である -- 名無しさん (2017-08-06 17:34:53)
- ↑6 ウテナは鳳学園という狭い棺の中から落ちこぼれて脱落することで、結果的に世界の果てから抜け出せたんじゃないか? 鳳学園というのが、ある種、限界のメタファーなんだと思う -- 名無しさん (2018-06-17 19:56:02)
- フィルムブックの出来が何気にすごい。画像+小説の組み合わせだから普通に読み物として面白い。 -- 名無しさん (2018-08-05 09:49:37)
- ↑2鳳学園自体がウテナの精神世界という考察もある -- 名無しさん (2019-08-01 22:25:14)
- タグに革命刑事あるのは笑う -- 名無しさん (2020-06-13 06:21:50)
- こういう作品も再放送して欲しいけどテレビ局側の頭が固いのか知識が乏しいのか、なかなかやってくれないなあ。 -- 名無しさん (2020-12-01 21:37:51)
- 主人公が脱バージンしたのは彼女がキラより先なんだろw。 -- 名無しさん (2021-10-28 04:31:32)
- 新ガンダム1話がまさかのウテナリスペクトでトレンドに上がっているの笑う -- 名無しさん (2022-10-02 18:09:49)
- というか脚本書いた人が小説版ウテナの作者だから狙ってると思うよ。 -- 名無しさん (2022-10-02 20:04:46)
- ↑終わってみれば大分違う所に着地したけど1話に限ってはあらすじが概ね同じだったもんなぁ -- 名無しさん (2023-10-20 17:23:42)
- ブライガーと言う先例があったから33話が成立した? -- 名無しさん (2024-06-10 23:42:51)
- 最終回の1話前のエピソードの冒頭で、前日に発生した「ポケモンショック」に関するテロップが出ていた。 -- 名無しさん (2024-10-14 18:16:19)
- 本作の主人公役の声優は、本作に出演している三石琴乃さんと同じく危険な大病を患ったのだが、その後が大きく違っていた。 -- 名無しさん (2024-10-14 18:23:14)
- 三石さんは、テレ朝版セーラームーンの終了直後の仕事だったからなあ...。本作の三石さんの声(役名:有栖川)を聴いて違和感を感じなったのだろうか。 -- 名無しさん (2024-10-14 18:34:09)
- よく見たら、主人公役の声優のほかにも故人となった出演声優がいる。 -- 名無しさん (2024-10-15 18:05:42)
- 本作は、テレ朝版セーラームーンからの出演者が割と多い気がする。 -- 名無しさん (2024-10-15 18:11:05)
- 小説版の大河内に続いてシリーズ構成だった榎戸が新作ガンダム構成に参加とかウテナにガンダムが引き寄せられているのか…? -- 名無しさん (2024-12-04 09:38:03)
最終更新:2025年04月10日 19:05