鎧武外伝 仮面ライダーデューク

登録日:2015/11/24 (火) 23:39:51
更新日:2022/04/24 Sun 19:30:55
所要時間:約 11 分で読めます






「許せないなぁ……」

「私の知らないロックシードなど……」



『鎧武外伝 仮面ライダーデューク』とは2015年にVシネマにて公開された『仮面ライダー鎧武』のスピンオフ作品『鎧武外伝』第2弾の第1章で、
本編のアーマードライダー達のベルトの制作者である戦極凌馬が主人公の物語である。
時系列としては、鎧武本編の12~14話を基にしており、彼の過去も明らかになる。なお外伝2では、本編の主人公である葛葉紘汰は登場しない。
キャッチコピーは「凌馬、野望への序章――」

以下、ネタバレ注意。



【あらすじ】


ユグドラシルで、貴虎個人の為にドライバーの研究を続けていた凌馬だったが、
人類を一人でも多く救済しようと、性能よりもコストを重視しようとする貴虎の方針に嫌気が差していた。
そんなある日、ユグドラシル内で新種のロックシードであるザクロロックシードの使用による自爆テロが発生、
調査の結果カルト集団「黒の菩提樹」の存在が明らかとなり、その中で凌馬の前任者である狗道供界が黒幕として、
ザクロロックシードで人々を洗脳していた事が分かった。

しかし、この内容に納得する事が出来ない凌馬。
なぜなら供界は以前、ユグドラシル研究室で起きたロックシードの暴走によって亡くなっていた筈だからである――。



【登場人物】

本作品主人公。
自分の考えとは相容れなくなってきた貴虎に対して失望し始めている。
作品中での「黒の菩提樹」の行動と狗道供界の存在に対して、神になる為に作ったツールをテロの為に応用した事に不快感を示す。
作中ではアクションシーンなどは特になかったが、何度も自爆テロに巻き込まれかける。

ユグドラシル研究所の元責任者で凌馬の前任者。
しかし、かつて(本編の証言から恐らく貴虎が凌馬と接触する少し前)のロックシードの暴走事故で亡くなっていた。
凌馬達の前に現れては煙の様に消えたりしながら、凌馬に対して「試練」と称してカルト集団「黒の菩提樹」のトップとして、
自爆テロや沢芽市民の洗脳をしていた。

なお、その暴走事故で使われていたロックシードは、鎧武外伝第1弾の斬月編バロン編で登場した、
凌馬が初めて完成させたロックシードである「禁断のリンゴロックシード」であった。
この時は壊れていたが、斬月編までに修復されたのか、別のサンプルがあったのかは不明。

凌馬の友人にして、ユグドラシル・コーポレーションの主任。
車内で起きた自爆テロをプロジェクト・アークの障害になる可能性があるとして危険視し、
凌馬に付いて行ったが、凌馬が自爆テロに巻き込まれかけ、それを庇ったところで腕に軽い火傷を負う。
なお、自身が主人公だった斬月編で彼の過去は掘り下げられたが、今回は自身が主任となる少し前に凌馬と接触し、彼と友人になるまでが描かれた。
鎧武外伝第1弾に引き続き、今回も斬月に変身して戦う。そして斬月・真としての登場もあるが、そちらでは戦闘シーンはない。
また作品内では凌馬と他の3人とのやり取りを見ることが出来るが、彼とのやり取りだけは明らかにそっけない(貴虎本人は全く気付いていないが)。

凌馬の部下。
物語冒頭で、ザクロロックシードで洗脳されたユグドラシル社員の自爆テロから上司である凌馬を庇う。
その後、その社員の家に侵入するなどの調査を行い、狗道供界の目撃情報などを集めた(なお、自身も彼に会っている)。
その調査の途中の回想で、元々は産業スパイでデータを盗もうとしていたが、
凌馬に見つかり、彼からの誘いを受けてユグドラシルの一員になった事が分かった。
物語のラストでマリカとして出てくるが、戦闘シーンはなし。

自称大人の錠前ディーラー。
凌馬からの頼みでザクロロックシードで洗脳された人々に対してインベスを召喚して襲わせ、
洗脳を解除させるという荒療治で情報を仕入れるなどの方法で自爆テロの調査を行い、
ザクロロックシードの出回った時期と「黒の菩提樹」が勢力拡大を始めた時期とがほぼ一致している事を突き止めた。

そして調査中の回想で、元々は麻薬などを売っていた麻薬ディーラーチンピラだったが、
仲間と共にユグドラシルの襲撃に遭い逃げていた所で凌馬と出会い、
彼の野望に興味を抱いた凌馬にスカウトされ、ユグドラシルの一員になった事が明らかになった。
湊同様物語のラストでシグルドとして出てくるが、戦闘シーンはなし。

  • 呉島天樹
貴虎の父。
本作では名前が何度か出てきただけだが、どうやら供界を禁断のリンゴロックシードの性能テストに参加させ、
その結果起きた暴走事故の件を揉み消し、供界のデータを抹消した模様。
その為、息子である貴虎には供界の情報が全く入って来ず、彼の存在も凌馬から明かされるまで知らないでいた。



【本作のオリジナルライダー及びオリジナルフォーム】


より詳しい内容が知りたい方はこちらも参照されたし。

仮面ライダーセイヴァー ブラッドザクロアームズ

狗道供界が、ザクロロックシードとブラッドオレンジロックシード、そしてゲネシスコア付き戦極ドライバーを用いて変身するアーマードライダー。
斬月・メロンアームズとデューク・レモンアームズの2人がかりで戦っても互角以上に立ち回れ、
作中でもトップクラスの強さを誇る貴虎をもってしても「手強い」と言わしめるほど。
アームズウェポンとしてセイヴァーアローと大橙丸を使用して戦う。
変身音はザクロ側は「ブラッドザクロアームズ! 狂い咲き・サクリファイス!」、ブラッドオレンジ側は「ハッ! ブラッドオレンジアームズ! 邪ノ道・オンステージ!」。


仮面ライダーデューク レモンアームズ

凌馬がプロトタイプ(「エナジーロックシードの」という意味であって、試作品ロックシードではない)として持っていた
「L.S.-99」のコードがなされたレモンロックシードと戦極ドライバーを用いて変身するデュークの新形態。
デュークのアームズとしては初の、そしておそらく唯一の戦極ドライバーによる形態である。
アームズウェポンはレイピア(名称不明)。
変身音は「レモンアームズ! インクレディブル・リョーマ!」。
凌馬の趣味が爆発している音声と言っても過言ではない。

今回はゲネシスドライバーが未完成だったためレモンアームズを使用したのだが、
かつては貴虎と凌馬の会話からヘルヘイムの調査の時によく使っており、貴虎曰く「よく2人で無茶をした」らしい。





以下更なるネタバレ










「いいだろう……これが最後の試練だ……」





突き止めた供界の居場所に凌馬と貴虎が行くと、その場所の一室ではヘルヘイムの果実の人工栽培が行われていた。
そしてその先で2人は供界と会う。そこで供界は「最後の試練」と称してセイヴァーに変身し、2人に襲い掛かる。
これに対して、2人は戦極ドライバーを装着する。

「あの頃の私は、君を心から尊敬していた」
「そして君もまた、私の研究に理解を示してくれた」
「いい関係だったと……今でも思うよ」
「何を言ってる……。これからもそれは変わらない」
「行くぞ……!」

斬月・デュークに変身した2人は、セイヴァーの強さに苦戦するが……。
「手強いな、だが…!」
「私以外の発明など認めるものか!」
「そうだ! 俺とお前で作り上げた、戦極ドライバーが負けるはずもない!」

2人は連携してセイヴァーを追い詰めていく。そして、凌馬がセイヴァーを怯ませた所に斬月が怒涛の連続攻撃を加え、セイヴァーの撃破に成功する。
「勿体ない……」
「凌馬…?」

「貴虎、君はやっぱり凄いや……」

変身解除後、凌馬は貴虎の強さを褒め称えるが、貴虎は、

「何を言う。お前の力があればこそだ」

と言って去っていく。その姿を見て凌馬は、

「君なら神になれたというのに……本当に勿体ない……」

と独りごちた。


それから数日後、凌馬の研究室には完成した4つのエナジーロックシードとゲネシスドライバーがあった。
彼はその中のレモンエナジーロックシードとゲネシスドライバーを持って、再び供界のいた場所を訪れた。

「やはり生きていたか……供界」
「いや……その表現は正しくないか。供界、君はもう人間ではないな」
「戦極凌馬、あなたが私を導いたのだ。更なる世界へと……」

そう、供界は禁断のリンゴロックシードの暴走事故で、確かに「人間としては」死に、肉体を失った。
しかし、それにより変幻自在に消えたり現れたりする事が出来るようになり、ある意味では死なない存在となった(本人曰く「より高位な存在になった」とのこと)。
そして自らが神になる事で世界を救おうと考え、「黒の菩提樹」を作り、戦極凌馬に自分に協力出来るだけの素質があるかどうかを見極めるべく、
「試練」を与えてきた。その上で彼は凌馬に自分の元に来ることを提案してくる。

「貴方の目的は“神を生み出すこと”だ……。私ならそれを叶える事が出来る」
「呉島貴虎には無理なことだ」

しかし凌馬は

「冗談はよしてくれ。三流の分際で……」

と一蹴。自分の作り出したものでないツールで人間を超え、その上で自分の研究によって神になろうとする供界に対してさらに罵倒をする。

「貴虎の事は残念だよ。彼は私の理解者ではなかった」
「今ではただの邪魔ものにしか過ぎない」
「それでも僕が認めた男だ。だが君は違う!」
「君には何の可能性も感じない!」
「貴様みたいなつまらない男が……神になどなれるものか!」
「戦極凌馬ァ!!!」

2人はそれぞれデューク・レモンエナジーアームズ、セイヴァーに変身して戦い始める。

「完成したばかりだ、ゲネシスドライバーの性能テストといこう!」
「私を滅ぼすことは出来ない! あなたなら理解出来る筈だ!」
「いいや理解出来ないね、三流の理屈なんて!」

デュークはセイヴァーに対して初めは互角に勝負を進めていたが……。

「何故君が私の発明を知っているのかは分からないが、こっちが本物だ。性能の違いを思い知らせてあげよう!」

と言って、彼のベルト目掛けて攻撃をする。すると、セイヴァーが苦しみ始めた。
そう、精神体となった彼の存在を繋ぎ止めていたのは凌馬曰く「奇妙な」ドライバーだったのだ(それなんてベルトさん?

「私は神に至り……世界を……救うのだァ……!!!」
「貴様のような存在は認めん!」
「神に至る道を切り拓くのは……私の作ったドライバーだけだ!!!」

デュークはセイヴァーに止めの1発を放ち、遂に勝利する。
こうしてセイヴァーはゲネシスドライバーの性能テストのモルモットとして散っていく事になるのだった。


そして場面は変わり、凌馬が暗い空間の中でデュークに変身する。

「そうだ……。私の研究が真理を導き出し、私の発明が神を作り出す」
「誰の力に頼ることもない」

そして、そこに斬月・真、シグルド、マリカを加え、次世代ライダー4人が揃う。そして凌馬はモノローグの中で

「私だけだ……。私の頭脳だけが唯一絶対のものだ……!」
「私は神の道へと至る……」
「貴虎……。君もその礎となってくれ」
「分かってくれるよね……」

ここでデュークとしての物語は終わるのだが、物語のラストに謎の空間で、
供界が第2章であるナックル編に登場するシュラにナンバリング無しのバナナロックシードを渡し、自分は消えていくというカットがあり、
ここから『ナックル』編、そして小説版へと繋がっていくようになっている。



なおラストの凌馬のモノローグの内容だが、皮肉にも礎にしようとした貴虎は(何度も死にかけたものの)最後まで生き残り、
凌馬の方は自身の考えを供界同様、自身の発明以外で人間を超えた駆紋戒斗に「つまらない」「机上の空論」と全否定されて敗北し、
そのまま死んでいくという悲惨な末路を辿っていった。

そして後にMOVIE大戦フルスロットルでメガへクスの尖兵として復活し、
その貴虎と勝負したわけだが、この時が2人が本作内ですれ違い始めてから、初めて面と向かい合い、互いの考えをぶつける事が出来た瞬間なのかもしれない。



Next Gaim's supplementary biography is... 『鎧武外伝 仮面ライダー斬月



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最終更新:2022年04月24日 19:30