インディ・ジョーンズ 最後の聖戦(映画)

登録日:2016/02/17 Wed 07:01:54
更新日:2024/09/17 Tue 21:14:02
所要時間:約 7 分で読めます




■インディ・ジョーンズ 最後の聖戦

『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦(原:INDIANA JONES and the LAST CRUSADE)』は89年に公開された米映画。
考古学者にしてトレジャーハンターのインディ・ジョーンズの活躍を描く冒険アクション第3彈。
失われた聖櫃』から続く、三部作の完結編として製作された。*1
ルーカスフィルム製作。
パラマウント映画配給。
二度の銀幕への登場により、TVシリーズも製作される等、ヒーローとして定着していたインディの最後の冒険に相応しく、アクション、謎解き要素、共に前2作よりもパワーアップ。
トレードマークの帽子と蛇嫌いのルーツが判明する最初の冒険では、夭逝した若手スター、リバー・フェニックスが少年時代のインディを好演。
そして、言わずもがなの最大のトピックスが名優ショーン・コネリーの演じるインディの父、ヘンリー・ジョーンズの登場で、実質的なハリソンとのダブル主演によるジョーンズ親子の活躍がこれでもかと描かれている。漫才にしか見えないけど。

【物語】

1938年。
例のごとく、冒険を終えてプリンストン大学に戻っていたインディに考古学趣味の大富豪ウォルター・ドノバンが接触してくる。
ウォルターはアンカラで鉱山技術者が見つけた《聖杯》の在処を示す砂岩石板の情報を元に《聖杯》の調査団を派遣していたが、その調査団の隊長が資料と共に行方不明となってしまい、改めてインディに《聖杯》の探索と隊長の行方を探してくれるように依頼して来たのだ。
《聖杯》と聞いて「ジョーンズ違い」として断ろうとしたインディだったが、ウォルターから行方不明になった隊長が、父親のヘンリーであると聞かされる。

慌てて実家へと向かうが、ヘンリーの書斎は何者かに荒らされていた。
ヘンリーから生涯を掛けた《聖杯》の調査を記した手帳が送られていた事も含め、父親の身に何か異変が起きている事を察知したインディは依頼を受けると、マーカスと共にヘンリーの失踪を報告して来た調査団での助手、エルザ・シュナイダー博士の待つベニスに向かう。

早速、調査を開始したインディらは手帳に従い十字軍の建てた教会を改修した図書館にて騎士の墓を発見。
内部に潜り込むが、そこを謎の男達=「十字剣の兄弟」なる一団に襲撃されるが撃退。
「《聖杯》を探すな」との警告を受けるも、目的は父親の行方だと理解して貰う事で、その内の一人であるカジムから、ヘンリーがドイツとオーストリア国境(ザルツブルク)のブルンワルド城に居るとの情報を得る。

エルザと共にブルンワルド城に向かったインディだが、実はブルンワルド城は因縁深いナチスの基地であった。
ヘンリーと再会出来たものの、まんまと罠に嵌まり目的の手帳を奪われてしまったジョーンズ親子だったが、互い(?)に機転を利かせて脱出。
エジプトのサラーも巻き込み、ナチスより先に《聖杯》に辿り着くべくインディらは奔走する。
果たして、《聖杯》伝説の真実と争奪戦の行方は……?

【登場人物】

■インディアナ・ジョーンズ
ヘンリー・ジョーンズJr.
演:ハリソン・フォード
お馴染み、著名な考古学者にして無類の冒険家。
最終作らしく、聖遺物への拘りの他にも前述の帽子や蛇嫌いの由来等の伏線がみるみる回収されていく。
確執を乗り越え、行方不明になった父親を探すべく立ち上がる。
完結編にして、まさかの「本名」が明らかになった。*2

■ヘンリー・ジョーンズ
演:ショーン・コネリー*3
インディの父親*4で《聖杯》研究の第一人者。アクティブな息子とは対照的な書斎派。
天才肌の学者らしく、ややエキセントリックな性格で、その行動が逆転を生む場面もある。
聖杯研究に没頭して家庭に無関心であったため、妻が重病であることに気づかず死なせてしまった過去がある。この事からインディは反感を持っていたが、冒険の中で父親を認めていく。
大学では中世文学の教授であったが、人気者の息子と違い、此方は堅物過ぎて不人気。
詳細な《聖杯》研究を自身の手帳に記録しており、ナチスに渡らぬよう、インディに手帳を送っていたが……。

■少年時代のインディ
演:リバー・フェニックス*5
そのまんま、若き日のインディ。ボーイスカウトの活動中に盗掘を目撃し、盗掘団と争う。
この頃は蛇嫌いでは無かったのだが……。

■サラー
演:ジョン・リス=デイヴィス
エジプトの発掘王。『失われた聖櫃』に続き、今作でもインディに協力する。
兄貴(フジテレビ版では義理の弟)から車を借りていたが、途中でナチスに破壊されてしまい、ナチスとの戦いの中でちゃっかりラクダを(車の弁償の為に)拝借した。

■マーカス・ブロディ
演:デンホルム・エリオット
プリンストン大学の副学部長で、インディの上司にして歳上の友人。ヘンリーとは学生時代からの旧友。
失われた聖櫃』では父親替わりとして威厳と優しさのある人物として描かれていたのだが、今作では暢気でどことなく間が抜けてる(ジョーンズ親子からも裏で「間抜けな男」呼ばわりされている)が憎めないおじさん。
その証拠として、博物館の館長だが、自分の博物館で迷うほどの方向音痴。

■エルザ・シュナイダー
演:アリソン・ドゥーディ
今作のヒロイン。シリーズでは初の悪女。
オーストリア人の考古学者で、ヘンリーの助手を務めていた。
スーツ姿の似合う知的なブロンド美女。
+ ...
聖杯を手にいれるためにナチスと手を結んでいる*6
が、ナチスのイデオロギーまでには共感せず、焚書運動には心を痛めていた。心情的にはジョーンズ親子に肩入れしているが最後は……。
ジョーンズ親子を食っている(性的な意味で)。

■ウォルター(ヴァルター)・ドノヴァン
演:ジュリアン・グローヴァー
博物館にも多額の寄付をしている実業家。
収集家として知られ、聖杯の調査団を組織してヘンリーを隊長として雇い入れていた。
行方不明となったヘンリーの捜索をインディに依頼するが……。
+ ...
正体はナチス党員。《聖杯》で「永遠の生命」を手に入れようとしていたが……。
本作の「天罰」要員。

■エルンスト・フォーゲル
演:マイケル・バーン
ナチス党親衛隊の大佐。《聖杯》探索隊を率いる。

■フェドーラ(ガース)
演:リチャード・ヤング
盗掘団のリーダー。無駄にイケメン
若きインディのガッツを褒め、(後にインディのトレードマークともなる)帽子をプレゼントする。
そのスタイルは、後にインディに引き継がれた。

■アドルフ・ヒトラー
演:マイケル・シェアード
ナチス・ドイツ総統。
シリーズではナチスはオカルトで永遠の生命と不死の軍団を手に入れ、世界征服を目論む組織として描かれている。
焚書の最中に手帳を取り戻すべく潜入したインディが偶然遭遇する。

※この他、歴代シリーズでインディとの一騎討ちを演じてきた大男役で有名なパット・ローチや『失なわれた聖櫃』でゲシュタポのトートを演じたロナルド・レイシーがハインリヒ・ヒムラー役で出演している。

【聖杯】

磔刑に処されたイエス・キリストの血を受けたと言われる聖遺物。
本作では十字軍が遠征の中で探し求めたと云う設定となっている。

【余談】

※『インディ・ジョーンズ』シリーズの完結編として製作された本作だが、元々は『失われた聖櫃』の製作を許可した時点でパラマウントは条件としてシリーズ5作品の製作を約束させており、スピルバーグとハリソンはその内の3作品での監督と主演を契約している。
残る2作品については9部作構想が語られながらも実現される気配が無かった(※当時)『STAR WARS』シリーズ同様に叶わないと思われていたが……。

※インディの過去の他にも、既に本物の《聖櫃》を見知っているインディが絵を見ただけで本物と見抜いたりと過去作品、特に『失われた聖櫃』を意識した演出がされている。
×印ならぬX印を掘ると宝(騎士の墓)が発見されたりと云ったジョーク的な細かい演出が盛り込まれており、これらの傾向はまさかの続編にも引き継がれた。


追記・修正は3つの試練を乗り越えてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 映画
  • 洋画
  • ハリソン・フォード
  • インディ・ジョーンズ
  • ジョージ・ルーカス
  • スティーブン・スピルバーグ
  • パラマウント映画
  • 冒険
  • アーク
  • 聖櫃
  • ナチス
  • ヒトラー
  • 聖杯
  • 完結編
  • 最後の聖戦
  • ショーン・コネリー
  • リバー・フェニックス
  • ヴェネチア
  • ベルリン
  • トルコ
  • 1989年
最終更新:2024年09月17日 21:14

*1 勿論、この時点での。

*2 このエピソードは実際にインディ・ジョーンズ=インデイアナの名前の元ネタ=ルーカスの飼い犬の名前から付けられた名前。

*3 『インディ・ジョーンズ』の企画の元ネタでもある『007』の初代ジェームズ・ボンドとして知られる。

*4 演者の実際の年齢差は12歳と親子ほど離れてるわけではないんだけどね。

*5スタンド・バイ・ミー(映画)』でも知られる俳優。本作公開から4年後に23歳で夭逝。

*6 媒体によってはナチ党員