登録日:2016/2/21 (日) 15:43:00
更新日:2021/01/07 Thu 23:46:22
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ぢべたぐらしとは、リブレ出版より発売されている、マツダユカによる漫画作品である。
2016年2月現在既刊4巻。
2013年4月よりNHKBSプレミアムで
アニメ化。
内容は、様々な種類の鳥達が住む架空の島を舞台に、アヒル・シナガチョウ・ダチョウといった「飛べない鳥」たちを主人公として繰り広げられる動物物語である。
「旅」がテーマになっている話も多いが、それほど派手な冒険などはなく、あくまで鳥たちの日常をゆったりと描写している。
マイナーな種類も含めて沢山の鳥が登場するため、鳥好き・野生動物好きな人ならとても楽しめる作品である。
以上の紹介を読んで、未読の人はおそらく「ほのぼの癒し系漫画か」と思っただろう。
いや別にそれは間違ってない。確かに基本はほのぼの癒し系漫画である。
が、同時にいろいろとそれに留まらない何かがある作品でもある。
本作の変な(注・ほめ言葉)点
ほのぼの弱肉強食世界
この作品、一見ほのぼのの絵柄でありながら、自然界における食物連鎖をしっかりと取り入れている。
そのため、わりとあっけなく登場キャラが死んだり、ほのぼの調で書かれた鳥たちが獲物の前でどんな風に食べたら美味いかを相談したりする。
マイペースすぎるキャラ
登場人物のほとんどが極度のマイペースで、他人(鳥)の話をほとんど聞いていない上に、他人に迷惑がかかろうがお構いなし。
主人公の一人であるあひるくんが特に顕著だが、他の登場キャラも似たり寄ったりである。
このため、全くかみ合っていない会話が延々続くシュールな場面も多い。
また、他人のプライバシーをばらすのが趣味のキジ、なぜかシャーマン口調のサイチョウなど、異様に濃いキャラも多い。
だがだからといって
サウスパークやハピツリなどほどブラックなわけではなく、あくまで基本はほのぼのである。
結果、ほのぼのともシュールともブラックともつかない、独特の世界観を形成している。
なお
がっこうぐらし!とは関係ない。
が、「一見ほのぼのに見えて実はサバイバル」という点は共通しているかもしれない。
主な登場キャラクター
あひるくん(CV:松野太紀)
あひるのオス。
一巻・二巻の主人公で、四巻にもメインとして登場する。
よく「のーん」という擬音と共に登場する。
何も考えていないかのような暢気そうな顔と言動が特徴。
登場キャラのほとんどが他人の話を聞いていない本作においても、最も話を聞いていない一羽。
というか実際何を考えているのかもよくわからない。
しょっちゅう狐やワニや猛禽に襲われているが、前述のようにわりとあっさりキャラが死ぬ本作で生き残っているのは
主人公補正らしい。
島に住む他の鳥からは
基本見下されているが、「意識高い系」の鳥からはその姿を「優雅」と評価されることもある。
換羽期には別人と見まがうほどの荒ぶるアヒルになる。
また、二巻ラストでとある冒険をして以降は、たまに顔つきがハードボイルド調になる。
他人には興味がないのか、他人の話を聞かないどころかロクに知り合いの顔すら覚えない。
卵から生まれてからずっと一緒にいた「なんかのヒナ」が故郷に旅立った時は、涙を流しながら別れを告げる「なんかのヒナ」を見送ったあとの第一声が
「これでやっと巣が広くなってゆっくり寝られる」(大意)だったり、結構ひどい。
「あ、ミサゴさんは帰りました」
コーチン
名古屋コーチンのオス。
三巻の主人公の一羽。
もともと人に飼われていたようだが、ある嵐の夜に島に漂着した。
過度な
擬人化はされていない本作では珍しく、やたら人間的な動作をする。
しばらくシナガと二羽で旅をしていたが、あまりの考えなしっぷりでさんざんシナガを振り回す。
四巻では
新興宗教の教祖になった。
シナガ
シナガチョウのオス。
三巻のもう一羽の主人公。
コーチンと同じく元は人に飼われていた。
主役キャラの中ではもっともまともな性格で、主に突っ込み役に回ることが多い。
顔のアップは正直怖い。
なんかのヒナ
四巻の主人公。
作中一貫して「なんかのヒナ」としか呼ばれないが、どう見ても世界最大の鳥類であるあの鳥のヒナである。
おそらくオス。
卵から生まれて最初に見たのがあひるくんだったため大いになつく。
生まれてすぐのころはまともな性格だったが、なぜか成長するにつれて本作の他の鳥と同じく話を聞かない男になっていった。
最後は故郷に旅立つ。
カラフトおじさん(CV:小杉十郎太)
カラフトフクロウ。
本作において読者に最初に弱肉強食を教えた存在。
(「昨日は何を食べたの」?と聞かれて)「きみのようなことりをたべたよ」
は、もはやホラー。
「きみがいつどこにいてもすぐにわかるよ」
ハゲコウおじさん(CV:木内秀信)
アフリカハゲコウ。主食は腐肉。
この時点でほのぼの漫画のキャラとしてはどうかと思う。
「腐っててよくわかんなかったけど、たぶんシカだね!!」
ササゴイ(CV:下崎紘史)
あひるくんの友人。
口と態度は悪いが、他の鳥たちがあひるくんを見下して軽くあしらったりしている中、
若干見下しつつも普通に付き合っているので、結構いい奴だと思われる。
妻子持ちの
リア充。
コマドリ(CV:菊池こころ)
獲物。油断していると食われる系。
だがなぜかカラフトおじさんと良く絡む。
「だからそんな大きい変な顔なんだ~」
「あれ、カラフトおじさん、どうして僕の家を知っているの!?」
ケープペンギン
一巻のラストとおまけ漫画に登場。
子孫を残すために他の島に移り住まないといけないのだが、毎日毎日理由をつけて行動を起こすのを翌日に伸ばしている
えらくリアルなダメニート。
「だめだ、カニの上にカニが乗っているのを見てしまった」←今日旅立つのをやめた理由
「ジャッカルにやられた父さん!!」
その他、かなりマイナーな種も含めて本当にたくさんの種類の鳥が登場するため、鳥が好きな人には純粋にお勧めできる作品である。
上述のように2013年から14年にかけて、NHKBSプレミアムの番組「おとうさんといっしょ」の番組内ミニコーナーとして
アニメ化された。
アニメ化されたのは単行本でいえば二巻まで。
番組タイトルからわかるように子供向け番組(対象年齢は3-6歳とのこと)なのだが、
上記のような
ブラックなネタ、シュールなネタもほぼ完全に再現されている。
追記・修正はきみのようなことりをたべてからお願いします。
- タイトルでがっこうぐらしのスピンオフかと… -- 名無しさん (2016-02-21 21:25:01)
- 未読だが、ブラックジョークのオンパレードのような印象を受けるな・・・w -- 名無しさん (2016-02-21 21:26:30)
- ↑本作の特徴的な部分を書き出すとこうなってしまうだけで、実際そこまでではなくあくまで基本ほのぼの……の筈w -- 名無しさん (2016-02-22 15:47:00)
- 始祖鳥ちゃんくらいマイルドな方が好きw -- 名無しさん (2016-02-22 19:05:25)
- 確かに同じ作者の始祖鳥ちゃんのほうが、テーマはシリアスなのにほのぼの度は上かもしれない… -- 名無しさん (2016-02-22 23:27:43)
- アニメ版はあひるくんが金田一一でカラフトおじさんが剣持警部だったりする -- 名無しさん (2016-04-06 20:38:07)
最終更新:2021年01月07日 23:46