断捨離

登録日:2016/03/18 Fri 21:07:01
更新日:2025/03/04 Tue 02:48:29
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  *     +  うそです
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 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

断捨離とはヨガの行法「断行」「捨行」「離行」を基にやましたひでこ氏が考案した造語であり、同氏によって商標登録されている。
残念ながら火を吹けるようになったり腕が伸びたりはしません。

  • 「断」=入ってくる要らない物を断つ
  • 「捨」=家にずっとある要らない物を捨てる
  • 「離」=物への執着から離れる(物ではなく物にこだわる執着心が対象となる)

以上の3つのプロセスからなり、モノに対する執着から離れ、要らない持たない夢も見ない身軽で快適に生きるための生活技術、とのこと。
宗教用語めいた響きにうさん臭さを感じてこの言葉に否定的なイメージを抱く人も少なくないが、
そもそも「邪魔」や「もったいない」など宗教用語に由来し日常的に使われる言葉は多い。

【「片付け」「整理整頓」との違い】


「いかに片付けるか」ではなく「そもそもどうして散らかるのか」という点にフォーカスし、
自分を中心とした物の流れをコントロールすることが最大の特徴といえる。

ただ物を捨てるだけではなく「タダであっても余計なものを持ち込まない=断」
「それが本当に自分にとって必要かどうか考え直す=離」の三本柱が揃っていないと思っていたような結果は得にくい。
」「」「」の3つのコアメダルが揃わなければコンボ形態は成立しないのだ。

日本の美徳の一つである「もったいない(MOTTAINAI)」の対極と思われがちだが、
  • 有効活用せず埃をかぶせておくほうがもったいない
  • ろくに使っていない物で埋め尽くされた部屋の家賃がもったいない
  • ガラクタの処分方法をくよくよ考えている時間がもったいない
と考えることもできる。
断捨離の対象はモノに限らず、生活習慣や人間関係も断捨離の対象となる。

「物を所有しない生活」そのものが目的化しているミニマリストとも目的を異にする。
ミニマリストはもともと海外の富裕層が提唱しはじめたライフスタイルであり、そこらの日本人が真似してみたところでかっこよく決まらないことが多い。
断捨離やミニマリズムはいわゆる意識高い系に特有の行動として敬遠されがちだが、断捨離に限って言えばむしろズボラな人間にこそお勧めしたい。
物を減らせばそれだけ管理する時間や物探しの時間の削減につながり、その分好きなことに使える時間が増えるためである。

メディアの偏った報道により「断捨離=とにかく捨てまくる」というイメージが先行してしまっているが、
本人にとって本当に大事なもの、希少なものを無理に捨てる必要はない。
過去にとらわれるでもなく、未来への不安から過剰にため込むでもなく、
」を生きる当人にとっての必需品であり心の支えならばとっておくべきだとされている。
ファッションに興味がなければあまり着ていない服を、学生時代にいい思い出がなければ教科書を、という具合に
本人にとってさほど重要でないものから手放していき、本当に好きなものに囲まれて気持ちよく過ごそう、というのが断捨離の到達点である。
もっと言えば「捨てる」のは時間がない時の最終手段であり、売却や寄付で物を減らすのは邪道でもなんでもない。

【断捨離の手法】


断捨離の具体的な手法について以下に述べる。

  • 大まかな流れ
とりあえずあるものをすべて床にぶちまけ(机の引き出し1個分、など細かく分けてもOK)
→いるもの/いらないもの/迷っているもの(保留)の3カテゴリに分ける
→いらないものは即処分し、いるものは元の場所へ。迷っているものは段ボール箱などにまとめておき時間を置いてもう一度仕分ける

減らすものがどうしても見つからないときは発想を逆転させ、「どうしても必要なものを棚から抜き取る」と自然と優先順位がわかってくる。

  • 何から手を付けるべきか
一般に
服→本類→書類→小物→思い出の品
あるいは
捨てやすいもの(ガラクタ、壊れた物、嫌いな物、嫌な思い出のあるもの)→紙類→服→家電・家具→思い出の品
の順で手を付けていくのが効率的とされている。
服はかさばるので最初に捨てると一気に広い面積を確保することができ、モチベーションの維持につながりやすいといわれている。
古着はリサイクルショップでもほとんど値が付かないが、市役所や公民館などに設置されている衣類リサイクルBOXに入れると心が痛まずに済む。
本類はリサイクルショップのほか図書館でも寄贈を受け付けている。作業中に読み始めてはいけない(戒め)
紙類は重要な書類や手紙(=思い出の品)が混ざっており、時間がかかる割に片付いた後に確保できる空きスペースが少ないので後回しにしても可。
思い出の品は最後に回し、かさばるものは写真に収めて現物は処分するなどして慎重に進めよう。

処分するなら、簡単に買い戻せそうなものから。
具体的に言うと服(特にユ○クロなどファストファッション)は捨てる踏ん切りがつきやすい。
二度と手に入らなさそうなレアものはとりあえず保留にしてもOK。
大事なものを捨ててしまった虚しさをまた別の物を買うことで満たす…でもそれって根本的な解決にはなりませんよね?

断捨離というと「ただ捨ててしまう」と考える人もいるだろうが、リサイクルショップやフリマアプリで売ったり、他人に譲渡しても構わない。
思わぬ物に価値がつく可能性もあるし、ただ捨てるよりも心が痛まずに済む。

ぬいぐるみや人形などを捨てにくいと考える場合は、人形供養*1を頼んだり、寄付を受け付けている団体などに送ってしまうのも手だろう。
お別れをするのであれば、悔いのないようにする方が心もスッキリする物である。

PCやスマホのブックマークを整理(数を減らしたりRSS購読に切り替え)したり、電話帳データを整理するデジタル断捨離もおすすめ。
デジタルデータならば手放したあとの再入手・復元が容易であり断捨離のとっかかりにするにはもってこいである。


【オタクと断捨離】


「コレクションしていた鉄道模型を妻に捨てられ抜け殻のようになってしまった夫」のコピペのように
他者(多くの場合は母親)に大事なものを捨てられてしまい「捨てる」行為そのものがトラウマになっているオタク諸兄も多いかもしれない。

だが「断捨離」と称して他人の所有物を勝手に捨てるのは、いくら家族であったとしても断捨離でもなんでもなくただの侵略行為である。
やました氏の著書や他の断捨離指南書に目を通してみても「どんなに邪魔臭くても他の家族のテリトリーを勝手に侵すのはご法度」とされている。
例えるなら「ヨガ」と称していきなり関節技を決めるようなものだ。

この手のタイプは悪質なことに自分の物は対象外としている。話は逸れるが夫の仕事に必要なものまで捨てるようなバカまで現実にはいるのだ。
暴力で報いを受けるならまだいい方で、夫の個人的なコレクションを勝手に捨てた妻の方が、夫から断捨離されるなんて笑えない話も現実にある。
それどころか夫が失踪して生活の当てが無くなったり、夫が仕事で借りた物を断捨離したことで所有者側に莫大な賠償金を支払う羽目になったりと、
なおさら悲惨な事態が待っている場合も。器物損壊罪で警察に通報されてもおかしくない。
5chのその手の板では「断捨離とは『断』りもなく『捨』てて『離』婚の略」とまでネタにされるほどである。

フォローしておくと専業主婦の場合一日の大半を家で過ごし、掃除や洗濯などで管理を担うことが多いために
「自分の家=自分のテリトリー」という意識が芽生えやすく、家族が家を散らかしている(ように見える)と
フラストレーションが溜まりやすいという背景がある。
「母ちゃんも服とかバッグとかいくつも買ってるだろ!」と反論したい人もいようが、
物をたくさん持っていることが悪いのではなく、物の量が適切に管理されておらず家族の共有スペースを侵害するような事態に奥様方はお怒りなのである。
自分のテリトリー内に収めてちゃんと片付けていればたいていのカーチャンは黙認してくれるはずだ。家族同士「お互いさま」の気持ちを忘れずに。
オタク趣味を矯正するために大事にしていたオタグッズを勝手に捨てる」というサイコパシーでどうしようもないケースもあるにはあるが…

DV(家庭内暴力)のひとつとして「相手の物を勝手に捨てる」というものがあり、何も女性だけが加害者になるわけではない。
逆に言えば性別を問わず家族の私物を勝手に処分し日常生活に支障をきたすようになればそれはDV、ということである。

自分のテリトリーに集中し、家族の意識が変わってくれるまで根気よく断捨離を続けることの大切さが説かれているため、
断捨離を騙るモラハラを受けそうになったら このページ あたりをつきつけて大人しく引き下がっていただこう。


たとえ自分の意志であっても、所有することに喜びを感じるオタクの性ゆえに断捨離への心理的抵抗は並々ならぬものとなるだろう。
物を捨てるときの「まだ使えそうなのにもったいない」という罪悪感、「有効に使ってあげられず申し訳ない」という後ろめたさは当然つきまとうが、
捨てる痛みを味わい、執着心から解放されることで無駄な出費を抑えられるようになる。

また「埃をかぶったグッズを放置しておくことは嫁を愛しているといえるのだろうか?」「買ったきり積んだゲームは活用しているといえるのだろうか?」
と一つ一つ判断していく作業は脳にとって大きなストレスとなり大量のカロリーを消費するらしく、
「断捨離したらやせた」などと謎のブレスレットのような効果を挙げる者も。

ここまで「捨」にのみ焦点を絞って書き殴ってきたが、「物のインプットを制限」するにせよ「執着心を手放す」にせよ
「いつか」は来ない。
これに尽きる。
とはいえ、「断捨離してしまったら災害があったときに備えられないのでは?」という意見はおおむね正しい。
「ものを持たない生活」は不測の事態への脆弱性と隣り合わせでもあり、防災への備えは断捨離とはまた別に考えたほうがよさそうである。
(部屋にあふれ返った物のせいで避難が遅れたり、防災グッズが汚部屋のどこにあるのかわからなくなったり、大量の物に押しつぶされて圧死したり、
災害に備える=物を溜め込むことでもないので悪しからず)

詳細は割愛するがオタクであっても断捨離自体はけして不可能ではないことを、某匿名掲示板のコテハン「ロリコン紳士」の
(やけにストイックな)諸発言から読み取ることができるだろう。

断捨離はあくまで生活技術の一つに過ぎず、誰かに強制されるものでも、「物を捨てられない人間はグズ」「家族を思いやれない強欲」とレッテル貼りするためのものでもけしてない。
自分を取り巻く物・生活習慣・人間関係を見つめ直すことで「変わりたい」と願う人間が教わりに来るのを、
この世のどこかでちゃんと待ってる実在のものである。


サブカルにおける断捨離

一昔前は「ゴミ屋敷の民間人の家に芸能人が押しかけて、ゴミ屋敷を片付けさせる」というものがそこそこ見られた。
特に「いきなり!黄金伝説。」というテレビ番組において、芸人濱口壁の塗装から住民のメンタルケアまでこなして汚部屋を完璧に片付けさせたのは有名な話である。
しかし、コンプライアンスの問題か、今では民間人から芸能人にターゲットを絞って行われている。
家をゴミで埋め尽くすほどのインパクトはないが、それでも世間一般から見たら相当なゴミ屋敷に住んでいる芸能人も決して少なくはない。

片付けさせても片付けさせてもその都度部屋を汚していくとある芸能人が、クズキャラとしてある意味知名度を上げている。




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最終更新:2025年03月04日 02:48

*1 ぬいぐるみやフィギュアなども対象となる。