登録日:2016/06/07 (火曜日) 11:00:00
更新日:2025/07/24 Thu 09:41:54
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性能
全長:196mm
重量:890g
使用弾:
9mmパラベラム弾(.40S&W、.357SIG)
装弾数:15+1(12+1)
作動方式:ティルトバレル式ショートリコイル
概要
SIG SAUER P226とは、スイスSIG社とドイツSauer&Shon社との提携ブランドとして製造されていた
拳銃である。
現在は米SIG Sauer社が引き継いで生産されている。
P220のダブルカラムモデルの立ち位置だったが、ダブルカラムマガジンが標準となった現代ではP22x系統のフラッグシップモデルといえる存在である。
前史
提携
SIG社では1948年よりスイス国内向けの拳銃としてP210を製造していた。しかし永世中立国である以上スイスの企業単体では海外への売り込みは難しく、デンマーク以外ではブローニング社などを介して細々と売るにとどまっていた。
そこでドイツのSauer&Shon社と提携して大規模な銃器販売を開始する。その「SIG SAUER」ブランドの第一号がP220(スイス陸軍ではP75)である。
P220
P220は従来どおりのティルトバレル式ショートリコイルを採用したダブルアクション拳銃である。
しかし異なる点として専用のロッキングラグではなく排莢口の形状を用いてロックする構造となっている。
これにより射撃時の銃身とスライドとのかみ合わせが強固となり精度が上がる。また、強固にせざるを得ないため排莢口が密閉され異物混入の確立低下につながる。
この方式は以後USPなど数多のショートリコイル自動拳銃で採用されるようになるほど革新的であった。
また、P220には手動の安全装置がない。デコッカーによるデコックにのみ対応しており、引き金の固定などの面での安全装置は設けられていなかった。デコッカーも左面のグリップ上部のかなりの面積を占めており、左手で持った際には操作できない。
危険だと思うかもしれないが、ダブルアクション機構のみでも安全装置としては十分であり、AFPBや別の2点の安全装置も完備されているため近現代の拳銃としてはむしろ安全といえる。
P226はP220の大容量マガジンバージョンといった位置づけであり、特別変更がなされている点はない。
特徴
P220の特徴である強固な耐久性は引き継がれている。
1983年のXM9米軍制式拳銃トライアルにて
ベレッタ92Fらと争い、基準を合格する2丁として残るほど。
しかしP220の弱点も引き継いでしまった。
それは高価であること。P210、P220からして高級路線の銃である。ベレッタ92Fよりもトライアルの結果は良好でこそあったものの、コストでは92Fのほうが圧倒しており、結局は92FがM9の座を得ることとなった。
手動安全装置がない点も難点とされたという。
M9の座こそ逃したものの、性能は十分以上なので特殊部隊(SEALs)ではMk25として採用された。また、派生モデルであるP228がM11として、P229がシークレットサービス向けに採用されている。
そのほかにもドイツの第9国境警備隊(GSG9)、イギリスのイギリス陸軍特殊空挺部隊(SAS)、スペインの国家警察特殊作戦グループ(GEO)など、世界幅広く採用されており、この銃の性能の良さを証明している。
バリエーション(一部)
アンダーフレームに20mmレールが付いているモデル。最近ではレールは標準装備。
現行モデル。今は単に「P226」と呼ばれている。
グリップの形状が改良されていて、もちろんレールも付いている。
P226の小型化したモデル。226よりも安価で、長さだけでなく幅も全体的に薄くなっている。
P229に吸収される形で廃版となっている。
P228を強力な弾丸が撃てるようにしたモデル。
スライドの製法がこれまでのプレス+溶接からNC工作機械による削り出しに変更され、形も違う(この製法はP22x系統全体に適用されている)。
遊戯銃
知名度が高いため、国内、国外メーカーから様々なバリエーションのエアガンが発売されている。
- P226 レール付き(東京マルイ、タナカ、KSC、WE(国外)(全てガスブローバック))
商品名はメーカーによって多少の違いがある。
東京マルイではフレームやスライドがシルバーのモデルも販売されていた。(限定品)
KSCではサイレンサーが装着できるバレル付きのモデルもある。
WEのモデルはスライドが金属製のため、そのままでは法律的に危ない。
先に書いた通りの現行のモデル。
上のモデルとの違いは細くなったグリップ、薄くなったトリガー等。
もちろん刻印も。
- P228(東京マルイ(エアコッキング)、タナカ(ガスブローバック))
東京マルイは低価格のシリーズのエアコッキングのみ。
タナカでは表面処理にこだわったモデルがある。
なお、モデルガンはタナカよりP226の初期型およびレール付きが発売されている。
余談
現在ではSIG Sauerブランドは米SIG Sauer社に移管されており、SIG社は銃器製造をしていない。
そして米国側でSIG Proなどポリマー拳銃へのアプローチが始まり、P250/P320へと繋がることとなる。
P320はM17として米軍制式採用の座を勝ち取るなど雪辱を果たした。しかしホルスターに入れての携行時に暴発を起こすなどの事例が報告されている。
こうしたSIG Sauerブランドのスイス企業時代からの
変貌っぷりに
脳が破壊されているガンマニアもいるとかいないとか。
追記・修正はコストを気にせずお願いします。
- ちなみに命中精度はM92のほうがやや上らしい -- 名無しさん (2016-06-09 18:48:43)
- 米陸軍はついにSIGを採用しました -- 名無しさん (2018-11-06 21:24:33)
- M9と同世代ということで旧式になりつつある銃だけど、特殊部隊のピストルってのが格好良いよね -- 名無しさん (2024-12-26 20:15:42)
- こちら情報量などの面からSIG社_SIGSAUER社(銃器会社)に統合しようと思います。7/30めどとしていますので何かあればコメントをお願いいたします。 -- 名無しさん (2025-07-24 09:41:54)
最終更新:2025年07月24日 09:41