パンデミック(ボードゲーム)

登録日:2016/12/28 (水) 14:34:00
更新日:2018/04/04 Wed 23:39:57
所要時間:約 3 分で読めます




パンデミックは、 協力型 ボードゲームである。
デザイナーはマット・リーコック。2008年に発売になるや、協力型ゲームの新たなスタンダードとなった。その後、2013年にはデザインを一新した新版が発売され(日本語版では「新たなる試練」という副題がついている。とは言え、基本的なルールは変わらない)、以降の拡張はこれを元に発売されている。

プレイヤーは世界中に蔓延している4種類の病気(赤、青、黄、黒のコマで表される)の治療薬を作成することが目的となる。しかしながら、治療薬の作成に勤しんでいる間にも徐々に病気は蔓延していくため、現地での対処療法的な治療も求められる。その辺りの行動バランスをどうとっていくかが鍵となる。

最初に「協力型」と書いたように、このゲームはプレイヤーは全て仲間として協力し、病気と言う脅威に立ち向かっていく。特定のプレイヤーが勝って他のプレイヤーが負ける、ということはこのゲームではない。全てのプレイヤーが勝利するか、全てのプレイヤーが敗北するかだ。
先ほども書いたようにこのゲームの勝利条件は「4種類の病気全てに対する治療薬を開発すること」だが、逆にプレイヤーの敗北条件は以下のようなものがある。
  • アウトブレイク(後述)が8回発生する。
  • 病原体コマ(各色24個)をボードに置かなければいけないのに、置けない
  • プレイヤーカードを引かなければいけないのに、引けない

大雑把に要約すれば、「病気が抑えきれなくなるほど蔓延することを防ぎつつ、時間切れとなる前に治療薬の作成を目指す」ゲームである。

ルール

ゲームは48の都市が書かれた世界地図状のボード上で行われる。都市は4色それぞれが12ずつ存在する。
最初に感染カードを引き、それによってある程度の病原体コマが置かれた状態でスタートする。プレイヤーは調査基地をアトランタ*1に置き、ランダムに役割カードを1枚と、プレイヤー人数に応じた枚数のプレイヤーカードを受け取って、プレイヤーのポーン(コマ)をアトランタに置く。
残りのプレイヤーカードは使用するエピデミックカードの枚数と同じ数の山に分け、各山にエピデミックカードを1枚ずつ入れてシャッフルした後、重ねておく。ちなみに、このエピデミックカードの枚数で難易度を調整することになる。標準的なゲームでは5枚で、推奨は4~6枚。(7枚使う超上級者向けルールもある)

プレイヤーは自分の手番ごとに以下の通りに進めていく。
  • アクションの実行(4回まで)
  • 手札補充
  • 感染の処理

アクションの実行

  • 移動
    • 車または船での移動:マップ上の赤ラインに沿って移動を行う。特にコストなどは必要としない。マップの端と端が繋がっていることは慣れないうちは見落としやすいので注意。
    • 直行便での移動:手札から都市カードを捨てることにより、その都市へと移動する。
    • チャーター便での移動:手札から自分がいるのと同じ都市カードを捨てることにより、好きな都市へと移動する。
    • シャトル便での移動:調査基地のある都市にいる場合、別の調査基地へある都市へと移動する。特にコストなどは必要としない。
  • 調査基地の設置:手札から自分がいるのと同じ都市カードを捨てることにより、今いる都市へ調査基地を設置する。
  • 感染者の治療:自分がいる都市から、病原体コマを1つ取り除く。それが治療薬を発見済みの病原体である場合、その都市にある同色の病原体コマを全て取り除く。
  • 治療薬の発見:調査基地のある都市にいる場合、手札から同色のカードを5枚捨てることによってその色の病原体に対する治療薬を発見できる。この時、調査基地のある都市の色は参照されない。(青の都市であるアトランタでも、赤や黄の治療薬の開発は可能)
  • 知識の共有:ある都市にプレイヤーが二人以上おり、その都市の都市カードを持っている場合、そのカードを渡す、或いは受け取ることができる。同色カード5枚というのは引き運に頼ってると中々つらいため、重要な行動である。

手札の補充

山札からカードを2枚引く。この時2枚引けない場合、その時点で敗北となる。(ジャストで山札がなくなるのはセーフ)また、手札が8枚以上になる場合は、即座に手札を捨てて7枚以下にしなければならない。
また、エピデミックカードを引いた場合は即座にエピデミック処理を行う。(エピデミックカード自体は捨て札にする)

エピデミック処理

  • 感染率マーカーを一つ右に進める。
  • 感染カードの山の「一番下」を引き、出た都市にその都市の色の病原体コマを 3個 置く。
  • その後、引いたカードを含む捨て札となっている感染カードをシャッフルし、感染カードの山の上に置く。

……文章にするとたったこれだけなのだが、これがどれだけヤバいのかは次の感染の処理で説明する。

感染の処理

恐怖の時間。
感染カードの山の上から現在の感染率(ゲーム開始時は2)と同じ枚数を引き、出た都市にその都市の色の病原体コマを1個置く。
この時、病原体コマを置くよう指示された都市に既に同色の病原体コマが3個あった場合、 アウトブレイク が発生する。
先述のエピデミック処理が恐怖なのは、「たった今3個の病原体コマを置いた都市がシャッフルされて感染カードの山の上にくる=運が悪ければ 即座にアウトブレイク発生 」だからである。それ以外にも既に病原体コマが置かれた都市がもう一回でてくるため、兎角アウトブレイクの恐怖が増えることとなる。

アウトブレイクの処理

  • アウトブレイクマーカーを1つ進める。8に到達した場合、その時点で敗北。
  • アウトブレイクが発生した都市と赤線で隣接している都市 全て に置こうとした病原体コマと同色のコマを1つずつ置く。この際都市の色は問わない。
    • アウトブレイクが発生した都市自体には追加の病原体コマは置かない。1つの都市に置かれる同色の病原体コマは常に最大3個である。
    • アウトブレイクの発生により、病原体コマを置こうとした都市にもその色の病原体コマが3個ある場合、 連鎖してアウトブレイクが発生する。
      • ただし、このアウトブレイクの連鎖の解決中、一度アウトブレイクが発生した都市において再度アウトブレイクが発生することはない。

アウトブレイクの発生それ自体が敗北へつながるのみならず、病気の感染拡大によって収集がつかなくなってくる様子がよくわかると思う。アウトブレイクの阻止はゲーム中でも重要な行動である。

役割(ロール)とスペシャルカード

さてさて。
基本的なルールだけだと実は結構鬼畜な難易度なのだが、それを覆すものが 役割 とスペシャルカードである。

役割は最初に各プレイヤーにランダムで配られ、役割ごとに様々な能力を持つ。基本的に変更は不可能だが、スペシャルカード「新たな課題」によって、ゲーム中に1プレイヤーのみ1度だけ変更が可能。
スペシャルカードはプレイヤーカードに含まれるカードで、ゲーム中で一連の処理の途中でなければ、いつでも使えるカード。感染の処理を丸々飛ばす「静かな夜」や感染カードの山札を上から6枚見て好きな順番に並べ替えられる「予測」など、強力な効果が並ぶ。

役割には、以下のようなものがある。
通信司令員
自分のアクションを使って、他のプレイヤーの移動ができる。また、通常の移動の他に「特定のプレイヤーがいる都市に他のプレイヤーを移動させる」こともできる。&br;一見大したことがないように見えるが、これの強烈さはゲームに慣れるほどに理解できる。
作戦エキスパート
カードを使わずに調査基地を設置できる。これだけでは弱いと判断されたか、後に「調査基地のある都市から、任意のカード1枚を捨てることで好きな都市へ移動できる」能力も追加された。この役割を担ったら序盤は積極的に基地の設置に動きたい。
科学者
治療薬の発見に必要なカードの枚数が4枚になる。問答無用の強力な能力。
衛生兵
感染者の治療で同じ都市にある同色のコマを全て取り除ける。衛生兵のいる都市にある病原体コマの治療薬が開発済みの場合、行動を消費せずに即座にそれを全て取り除く。勝利に近づくのが科学者なら、敗北を遠ざけるのが衛生兵の役割。というか能力の後半が割と頭おかしい。
研究員
知識の共有を行う際、自分がいる都市以外の都市カードを渡せる。科学者と組むと恐ろしく開発速度が上がる。

以下、「絶体絶命」/「迫りくる危機」追加分
標本管理者
手札の上限が8枚になり、また自分がいる都市の都市カードが捨て札になっている場合、1行動消費してそのカードを回収できる。単純に同色カードを揃えるのにも役立つが、よく考えると色々詐欺くさい動きができたりも。
防疫の専門家
同じ色の病原体が2個以上ある都市へ移動したとき、1個を取り除ける。衛生兵が一か所を徹底的に除去するなら、防疫の専門家は広く浅くといった感じ。
トラブルシューター
自分のターン開始時に、このターン感染の処理時にどの都市が出るか見ることができる。また、直行便で移動するときにカードの公開は必要になるが、カードを消費しない。自分のターン限定とはいえどこがヤバいか事前に知れるので、テクニカルな立ち回りができる。
現地調査員
自分の手番で1度だけ、「サンプルの採取」として自分のいる都市の病原体コマを1個自分のカードの上における。このサンプル3個と同色のカード3枚で治療薬の発見ができる……のだが、3ターンというのは想像以上に重く、4人プレイだとちょっと活躍は難しいか。人数が少ないほど役立ちやすい。
ゼネラリスト
自分のターンでアクションを5回行える。増えたアクションをどう使うか次第。
疫学者
同じ都市にいる他のプレイヤーから、自分がいる都市以外の都市カードを受け取れる。ただし、自分のターンに1回のみ。研究員に比べると限定的だが、自分がカードを受け取る、つまりすぐ使えるのでそこを利用して立ち回りを考えていきたい。

製品リスト

パンデミック/パンデミック:新たなる試練

旧版と新版の基本セット。スタンドアローン型の派生ゲームを遊ぶのでなければ、まずこれが必要になる。カードの裏面デザインが違う為、(わざわざ裏が非透過のスリーブを使うなどしない限り)新版と混ぜて遊ぶことはできない。今買うならわざわざ旧版を探して買う必要はないだろう。
また、新版には新たに「危機管理官」「検疫官」という役割カードが加わっている。

絶体絶命/迫りくる危機

拡張第一弾。エピデミックカードを7枚使った超上級ルールや紫のコマが入る変異種ルール、バイオテロリストルールなど、遊び方を拡張する様々な追加ルールが楽しめる。

科学の砦

拡張第二弾。ここから新版オンリーとなる。
研究所チャレンジやソロプレイルール、チーム戦などまた一風変わったルールが追加されている。もちろん恒例の新役割、新スペシャルカードも追加。

緊急事態宣言

拡張第三弾。検疫、遠隔地チャレンジ、緊急事態イベントチャレンジ、スーパーバグ・チャレンジなど難易度を上げる/下げる新しいルールが追加。

パンデミック:完全治療

近年のトレンドであるダイスゲームの形でリメイクされたパンデミック。元のボードゲームに比べるとやや運の要素が強い印象を受ける。

パンデミック:イベリア

19世紀半ばのイベリア半島を舞台に、実在の疫病を相手に阻止を試みる。
基本は同じだが役割が時代を反映した独特のものとなっており、また各色の病原体も独自の振る舞いを見せる。

パンデミック:クトゥルフの呼び声

今度の敵は邪教の信徒! パンデミックのルールを使って、探索者と旧神を復活させようとする邪教の信徒との戦いを描いている。パンデミックシリーズの異色作。

パンデミック:接触感染

吾輩は病原体である。治療法はまだない。
病原体の一種となっていかに人類にダメージを与えるかを競うカードゲーム。

パンデミック:レガシー シーズン1

基本的にはパンデミックのルール上で、ゲーム中の1年をプレイするキャンペーンゲームを行う専用コンポーネント。詳細は個別ページを参照。

追記・修正はエピデミックカード6枚のゲームをクリアしてからお願いします。

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