ノンケ娘×レズっ娘(シチュエーション)

登録日:2017/07/11 (火曜日) 23:00:00
更新日:2025/02/27 Thu 22:02:30
所要時間:約 6 分で読めます




/!\ CAUTION /!\

この項目では、女性同士の同性愛について書かれています。
苦手な方はブラウザバックを推奨します。
また、初版の編集者が熱を入れ過ぎてしまい、一部偏った内容が見られます。
「全てのオタクが百合好きなわけではない」ことにご留意いただき、
温かい目で閲覧していただけると幸いです。



「ノンケ娘×レズっ娘」とは、読んで字のごとくそういうシチュエーションのカップリングである。
なお、本項目では元来の百合の意味通り「明確な恋愛感情が存在する状態」を前提とする。

概要

今やある程度の市民権を得て、オタクにとってもポピュラーになったジャンルである「百合」。
Wiki籠り諸兄は「百合」と聞いてどんなカップリングを思い浮かべるだろうか。

最もポピュラーなお姉さま系。
全てが恋愛感情ではないため厳密には違う作品も多いが、10年代以降増え始めたきらら系列作品に代表されるソフトなイチャイチャ系。
観る者すべてに癒しを与えてくれる、甘えん坊×世話好きのカップリング。
変身ヒロイン系作品に多い、友情から百合に発展するパターン。
清楚で純粋かと思われていた娘が実は・・・という、背徳感の強い百合。

一口に百合といっても、そのシチュエーションは千差万別である。
そんな中、あまり日の目を浴びていない百合がある事をご存じだろうか?
それがノンケ娘×レズっ娘である。すこし詳しく説明すると

「スキンシップのつもりでイチャイチャしてくるノンケの娘に対し、どぎまぎするレズっ娘」

というカップリングである。


特徴

このカップリングの他の百合モノとの明確な違いを述べると以下の通り。

・理由1:あざとさが皆無

近年の作品では、百合人気に便乗しただけの、百合とは名ばかりの劣悪な作品も少なくない。

「お前ら、こういうのが好きなんだろ?女の子同士がキスしたり、お風呂でイチャイチャしてるのが観たいんだろう?」

という、制作者の思想が見え透いている作品群のことである。実に嘆かわしい。
これは何も百合に限った話ではないが、制作者が本気で情熱を注いでいない作品が、他者を喜ばせる事など出来るはずがない。
それに対し、ノンケ娘×レズっ娘ではそうした汚らわしさやあざとさが皆無なのだ。
そりゃそうだ。ノンケの娘はあくまで友人として接しているだけなのだから、そこにあざとさなど存在しないのだ。
これがもし通常の男女のカップリングなら、男に対し

「なんで気付かないんだよ、この朴念仁!」
「『ん?なんか言った?』じゃねぇよ、唐変木!」

と、読者や視聴者の怒りが爆発するところだろう。しかしこのカップリングの場合、そうした怒りは発生しない。

と、ここまで読んだ読者の中には、ひとつの疑問が浮かんだ方もいるかもしれない。
「女の子同士が仲良くイチャイチャしてるなら、よくあるソフト系百合じゃないの?」と。
ご心配なく。このカップリングが本領を発揮するのはここからなのだ。

・理由2:レズっ娘の困惑

ノンケ娘がレズっ娘に対するイチャイチャが、あくまで友人としてのスキンシップであることは先に述べた通りである。
では一方のレズっ娘の方はどうなのかというと、そりゃあもう心中穏やかではいられない。
彼女たちは常に葛藤し続けているのだ。

「〇〇ちゃん、もしかして私のこと好きなのかな?でも・・・」

今の気持ちをノンケに対して全て白状できたら、どんなに楽だろうか。
しかし、彼女たちはその一歩をなかなか踏み出せない。
なぜなら「女の子同士」という事に対して負い目を感じているからだ。
出来る事なら告白したい。しかし、告白して女の子同士であることを気持ち悪がられたら?
愛しの彼女から嫌われてしまうのでは?
今の関係が壊れてしまうくらいなら、いっそ友達のままの方がいいのでは?でも・・・
こんな風に葛藤する姿を見せられた日には「頑張れ!」と応援せずにはいられない。
さらに付け加えると、彼女たちが告白できないのは、百合に対して負い目だけではない。

・理由3:失う事への恐怖

※この理由3に関しては、全てのノンケ娘×レズっ娘のカップリングに当てはまるわけではありません。

さて、なぜレズっ娘たちはそこまで告白する事に臆病なのか?
そのもうひとつの理由は、彼女たちが女の子を・・・正確には意中の人を好きになった経緯に原因がある。
ここでは二つの百合作品のストーリーに照らし合わせながら、順に解説していこう。


安達としまむら
電撃文庫から発売されているライトノベル
主人公は女子高生の安達。彼女は昔から人付き合いが苦手で、高校のクラスメイトにも馴染めず、
毎日のように体育館の二階で授業をサボり続けていた。
そんなある日、いつものように体育館で授業をサボっていた安達の元に、一人の生徒が訪れた。
彼女の名は、しまむら。安達のクラスメイトである。話を聞けば、しまむらも安達と同様、授業をサボりに来たのだという。
授業をサボりながら雑談したり、卓球で遊ぶうちに、二人は友達になった。
そんな日常を過ごしているうちに、安達はしまむらに対し特別な感情を抱くようになる・・・

「先生! 休ませてください!」
コミックキューンで連載中の4コマ漫画
主人公は女子高生の水野さな。人と話すのが苦手で、
体育や音楽の授業でグループを作れず余る事を恐れた彼女は、事あるごとに保健室で授業をサボるようになる。
そんなある日、さな同様に保健室に一人の生徒がサボりにきた。彼女の名は東風谷ハル。
ハルは以前から、昼休みにいつも一人で読書しているさなが気になっており、友達になりたいと語る。
さなとハルは友達になった。
引っ込み思案でクラスから浮いている自分に対しても気兼ねなく、優しくフレンドリーに接してくれるハル。
さなは、そんなハルに対しだんだん心惹かれていくのだった。


と、ここまで書けは二人の主人公にある共通点がある事にお気づきだろう。
そう、さなも安達も、ハルやしまむらと出会うまでは、同性どころか異性に対しても恋愛感情は抱いたことはなかった点である。
それどころか、まともな友達すらいなかったのである。
今までろくに人付き合いをした事がない彼女たちは、恋人以前に友人との付き合い方すら知らないのだ。
そんな彼女たちが同性を好きになってしまった。それがどれだけ彼女たちを苦しめているのかは、言うまでもないだろう。
さなも安達も、女の子だからハルやしまむらを好きになったのではない。
初めての友達が、そして初恋の相手がたまたま女の子だった。それだけなのである。
だからこそ、「ここで嫌われたら二度と友達は出来ないのでは?」という恐怖が心を支配し、告白を思いとどませるのだ。
こんな健気な姿を見せられて、応援しない人間がいるだろうか?いや、いない。
それ故にノンケ娘×レズっ娘というカップリングは人々の心を捉えて離さないのだ。


いかがだっただろうか?この項目を読んで、本ジャンルの魅力が少しでも伝われば幸いである。

追記・修正はレズっ娘の恋が成就する事を願いながらお願いします。


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最終更新:2025年02月27日 22:02