Shantae(シャンティ)

登録日:2017/08/17 (木) 19:31:40
更新日:2023/07/13 Thu 18:49:20
所要時間:約 7 分で読めます




●概要

Shantaeとは、アメリカのゲームメーカーWayForwardが開発したアクションゲームのシリーズ。

ジーニー(いわゆるアラビア世界の魔神)の母と人間の父の間に生まれたハーフジーニーの少女・シャンティの冒険を描いた横スクロールアクションであり、
新しいアクションやアイテムを入手して進む場所を増やしていくというシステムは、日本でいうゼルダの伝説やメトロイドに近いフォーマットとなっている。

第1作「Shantae」が2002年にGBCで発売。
第2作「Shantae: Risky's Revenge(シャンティ リスキィ・ブーツの逆襲)」が2010年にDSで発売。
第3作「Shantae and the Pirate's Curse(シャンティ 海賊の呪い)」が2014年に3DSで発売。
第4作「Shantae: 1/2 Genie Hero(シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー)」が2016年にPC、PS4、XBOX ONEなどで同時発売。
第5作「Shantae and the Seven Sirens(シャンティと7人のセイレーン)」が2020年にiOS、XBOX ONE、PC、Switch、PS4で発売。

このうち2作目以降はSteam及びCS機向けの日本語版が存在し、最近知った日本人ゲーマーでも手を出しやすくなっている。
1作目についても海外ではVC配信されているので敷居が高いものの海外版3DS・ニンテンドープリカさえ入手できれば国内でもプレイ可能。

一方、長らく公式日本語版の翻訳が微妙で改善が求められていたが、『シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー アルティメットエディション』及びそれ以降の邦訳版(『海賊』のSwitch版及び七人のセイレーンのCS版)はかなり改善されており、今から買うのであればこれらをオススメする。

●登場人物
  • シャンティ(Shantae)
シリーズを通しての主人公で、上述の通りジーニーの母と人間の父の間に生まれたハーフジーニー。
褐色の肌にしなやかな体躯、腰まで届く紫のポニーテールがトレードマークであり、
同時にポニーテールは鞭のように叩きつける武器でもある。首痛くならないんだろうか。
このポニーテールは本来なジーニーの魔力とは別のシャンティ固有の能力であり、2作目ラストで魔力を封じられても3作目でそのまま使っている。
これに関しては日本未発売の初代Shantaeのモブキャラとの会話で「ハーフジーニーは変った力を持って生まれるらしい」とのセリフもある。

その他にも様々な魔法を扱う事も可能で、特に猿・象・蜘蛛・ハーピィ・人魚……等々への変身ダンスは彼女の最大の特技。
正義感と冒険心の旺盛な明るい少女だが、一度熱くなると周りが目に入らなくなる節があるのが玉に瑕。
ドットでもHDでも動くたびよく揺れるが、本作の女性キャラは軒並み巨乳揃いなので、これでも作中では小柄の貧乳扱いされる(実際他のキャラと並ぶと確かに…と思わせられる)。


  • リスキィ・ブーツ(Risky Boots)
ティンカーバッツ(Tinker Bats)という手下を率いる女海賊で、シャンティの宿敵。一言で言うとマリオに対するクッパポジションである。
血色が悪いというレベルじゃないほどの真っ青な肌だが、一応これでも純粋な人間…らしい。
財宝や兵器に目が無く、それを巡っては何かとシャンティと衝突しており、ハーフジーニーとしての魔力を持つ彼女に対して主に人質や騙し討ちなどの搦め手を用いる。
立ち振る舞いや言動は一見荒っぽいが、ミミックから奪った設計図を書き換えてメカを開発したり、策を弄してシャンティを何度となく完全に出し抜いてみせたりと、実際には極めて明晰な頭脳の持ち主。
一方で海賊らしく義理人情を重んじる…という事は全く無いが、3作目でシャンティと共闘した際は単に冷酷で狡猾なだけじゃない顔を見せた。
シャンティとは敵同士ながらも何処か認め合っている関係で、彼女からは改心するよう望まれつつも「私はあんたみたいな良い子ちゃんにはなれないよ」と突っぱねている。

なお、3作目のEDによるとシャンティの母親と面識があるようなので案外シャンティよりそこそこ年上のようである。
バンダナや帽子で隠れてることが多いが実はロングヘアーですっごい美人。作品によっては道中のイベントや終盤で髪を下した姿も見れる。
巨乳なのでシャンティが相対的貧乳になる原因の一人。


  • ミミック(Mimic)
シャンティの伯父で育ての親。
発明家にして遺跡探検家でもあり、2作目によると発掘してきた遺物を定期的にオークションに出品しているらしい。
シャンティの理解者ではあるものの、彼の発明品や発掘品にリスキィが目をつけ、街を襲撃された挙句奪われるのが殆どお約束となってしまっている。
そしてその後始末の冒険に姪が出かけるのもお約束である。

ちなみに1作目モブキャラとの会話では「古代の遺物の模倣品を作るのでミミックと呼ばれている」という会話があるのでもしかしたら本名ではなくあだ名なのかもしれないが、
親戚のシャンティもミミックおじさんと呼んでいるためどちらが正しいかは謎。
5作目ではミミック博士と赤の他人から呼ばれる場面もあるため現行設定では公式としても本名という扱いになっているのだろうか?


  • スカイ(Sky)
シャンティの親友である鷹匠の少女。やっぱり巨乳。
相棒の鳥・レンチ(Wrench)*1と共にシャンティをサポートし、特に4作目では彼女無しではまともにステージ移動も侭ならない。
2作目までは下半身はパンツと長い脚が丸見えの腰巻だけという大胆な恰好だったが
3作目以降は白いスキニーパンツになっている(こっちはこっちでエロいが)
3作目にて実は婚活に励んでいる事が判明し、それに伴って両親も登場。
しかし両親は娘の婚活を快く思っていない…というか、
何の躊躇いも無く娘のボーイフレンドを呪いで石化する父と、そんな夫の凶行を顔色一つ変えず見守る母の姿は何処とない狂気を感じさせる。


  • ボロ(Bolo)
シャンティの幼馴染であるフリーターの青年。
シャンティに体術を教えたのはどうやら彼であるようで、彼女が魔力を失った3作目ではそれが活きることになった。
女性陣ばかりが目立つ事を内心不満がっているが、
女性に対する免疫の無さからリスキィの色仕掛けに引っかかったり、シャンティの見ていないところで事件に巻き込まれていたりと何かと三枚目的な印象が目立つ。
他方で彼のケアレスミスや要領の悪さが周り周って敵を倒す要因になったりと妙なところで運は持っている。


  • ロッティトップス(Rotty Tops)
ゾンビの美少女で、名前を直訳すると「腐った頭」。あんまりだ。
生きた人間顔負けの陽気で能天気な性格で、1作目でシャンティと出会って以来、食べてしまいたいほど彼女に惚れこんでいる。
…ゾンビジョークなどではなく文字通りの意味で。

ただし、1・2作目こそガチでシャンティの身体を食事目的として狙っており、敵とも味方とも取れない立ち位置だったが
3作目以降は完全に味方になっており、当初は脳みそを食べたがっていたが現在では別の意味で食べたがっているともとれる描写もなくもない。
…が、4作目のDLC編では体力回復アイテムとして脳みそをがっつり食らうので、やっぱりゾンビはゾンビである…。
そういった理由もあってシャンティからの扱いは若干雑で、尚且つスカイとは犬猿の仲。
ついでにゾンビキャラバンの他のゾンビからも「あいつの言う事は信用するな」なんて言われていたり。

アブナー(Abner)とポー(Poe)という二人の兄がおり、彼らが言うには「理性を保つ決め手はコーヒー」との事。カフェインの刺激が腐った脳にガツンと来るのが重要なんだとか。
ドットでもHDでも魅惑的な腰と腋と胸の持ち主。


  • スカットルバット(Scuttlebutt)
シャンティ達が住む「スカットルタウン(Scuttle Town)」の市長。
一応街の責任者なのだが、第2作と第4作では「リスキィから街を守れなかった」として一時はシャンティを街の警備から解任してしまったり、
3作目では街の権利書をアモ・バロンに売り渡してしまったり(しかも権利書を売った金はチョコレートにつぎ込んでしまったらしい)、
終いには街外れの岬でシャンティに食べ物を集ったりと、正直あまり良い所が無い(そもそも街の名前に自分の名前を付ける時点で…)
というか1作目のオチは世界を救った代償として半魔人であることが露見したシャンティに向かって市長が「半魔人だから給料も半分で良いよね」というオチなので素で人格的に問題があると言わざるを得ないが
しかしそれでもシャンティ及び町民から見放されない。何故。


  • ホリー・リンガービーン(Holly Lingerbean)
第4作にて、スカットルバット市長がシャンティの代わりに連れて来たハーフジーニー。
シャンティよりも長身で、オレンジ色のツインテールが特徴。
父親はただの人間ではなく手品師だったとの事で、それゆえ自分のほうがシャンティよりも優秀だと言い張り、徹底して彼女を見下す。
しかしホリーが街に来てそう間を置かずに町民達が記憶喪失に陥り、共に原因を探ろうと協力を持ちかけるシャンティを「落ち目ジーニー」と一笑に付して何処かへ消えるが…?
「ライバルジーニー」として出資者デザインが募られたキャラだが、実際の劇中での扱いはかなり不遇だった。


  • スクイッド・バロン(Squid Barron)
シークィン・ランド(Sequin Land)の有力者・バロンズ(Barons)の一角。
ワープ能力を持つ種族・ワープスクイッド(Warp Squid)の親玉で、赤い体色と八本の足を持つ見た目はイカ(Squid)というよりタコ(Octopus)。
自分がボスキャラである事を誇りに思っていると同時に、ストーリーの中核に関われない1ボスキャラでしかない事を嘆いており、
登場するたびにシャンティをも巻き込んでのメタ発言を繰り返す。
しかし日本で初めてシャンティシリーズが発売されたのは、彼の二度目の出番である第3作の3DS版。初見の人はワケが分からなかったのでは?


  • アモ・バロン(Ammo Baron)
バロンズの一角。
サイクロプスの私設軍を束ねる単眼の大男で、シークィン・ランドの覇権を狙っている。
目的の為なら軍事力の行使も辞さない非情なかつ強権的な性格の一方、基本的には単細胞で詰めが甘い。ゆえにシャンティ達からは厄介者扱いされつつも舐められている節がある。
ちなみに母親からのプレゼントは戦車。第3作の冒頭でシャンティに破壊されるが。
5作目には登場しない代わりに兄のアーマー・バロン(Armor baron)が登場する。シャンティのために街の特産品であるビキニアーマーを作ってくれるが…。


  • トゥイッチ&ヴィネガー(Twitch & Vinegar)
3作目より登場する金髪美女コンビ。
眼鏡っ娘の方がトゥイッチでショートで男勝りな口調(ハーフジーニーヒーロー公式日本語版以降)方がヴィネガー。巨乳なのはどっちも同じ。
初登場時はバカンスに訪れた際にプールに水が無いと怒っており、「ある方法」でシャンティが水を満たすことになるのだが・・・。
4作目では中ボスとしてシャンティの前に立ちはだかることとなる。
スタッフのうっかりで初登場作である第3作ではゲーム中に名前が登場せず、後にSteamで配信されたおまけの壁紙で正式発表された。


  • ブランゾン(Bran-Son)
3作目に登場する専用BGMまで持つ一発ネタキャラ。
『HE-MAN』*2のパロキャラ……なのだが、日本での『HE-MAN』の知名度がいかせん低いため知らないとポカーンとするかただの変態にしか見えない。
本国のシャンティファンサイト曰く、『HE-MAN』自体ゲイっぽいシーンが多いためネット上で弄られやすく、『HE-MAN』本人よりもネット上でホモキャラ扱いされるミームとしての『HE-MAN』の方を意識したパロキャラ(意訳)とのこと。
なおさら日本人には分かりにくい。


  • ギガマーメイド:(Giga Mermaid)
4作目に登場するボスキャラ。
敵に洗脳されてシャンティと敵対することになる。
シナリオ上は特にセリフもないのだが、特筆すべきはその容姿。
でっかい美少女人魚というフェチズム要素満載の見た目をしており、たまたまネットで見た彼女のスクショやR-18絵を経由して本作に辿りついたというプレイヤーも少なくない。
巨乳過ぎてシャンティが貧乳枠になってしまう要員...ちゅーかサイズだけなら作中最大クラスのおっぱい。


  • パイレーツ・マスター(Pirate Master)
かつてジーニー達に封印された大海賊の亡霊。
リスキィの師であり雇い主でもあったが、ジーニーによる封印の場で「給料の払いが悪かったから」という理由で離反され、
彼女にティンカーバッツの支配権と自身の頭蓋骨を持ち去られた。
その後第2作のラストにてリスキィがシャンティの魔力を奪い、各地に飛散させたのに呼応して覚醒、第3作にて肉体と魔力を取り戻す為の暗躍を始める。
この共通の敵の存在を前にしてシャンティとリスキィは一時休戦、共闘する事態となった。


  • プリンク(Plink)
  • ヴェラ(Vera)
  • ザップル(Zapple)
  • ハーモニー(Harmony)
  • クウハク・ウメル(Fillin The Blank)
5作目にて登場するパラダイス島で行われるハーフジーニーの祭典に合わせ各地から集まったハーフジーニーたち。
各員シャンティと同様に固有の魔法能力を持っており、シャンティに一時的に魔力を貸す形で冒険をサポートする。
しかしクウハクだけ何か様子がおかしいようだが…?(ていうか過去作を遊んでいれば一目で正体モロバレだが
ちなみに全員シャンティより巨乳。一見小柄そうなプリンクも例外ではない。

  • スイレンセイレーン(Waterlily siren)
  • サンゴセイレーン(Coral siren)
  • ワームセイレーン(Tubeworm siren)
  • アンコウセイレーン(Anglarfish siren)
  • オクトセイレーン(Octo siren)
  • 女帝セイレーン(Empress siren)
5作目のキーパーソンであるボスキャラ群。
舞台であるパラダイスアイランド(Paradise island)に潜む海の魔物達で、かつて女帝を頂点として島を恐怖で支配していたが、ジーニー達によって海底都市に封印された。
その後海底都市とそこに眠る兵器の存在を知ったリスキィに封印を解かれる形で女帝以外が復活し、再び島を支配するべくハーフジーニーの力を狙う。
特筆すべきは全員が所謂モンスター娘である事。
特に一番手のスイレンセイレーンは体験版で真っ先に登場しており、巨大なアルラウネのような艶やかな容姿も相まってユーザー人気が高い。

当初台詞を喋るのが女帝だけだったため、美女の姿でも怪物である彼女らは基本人語を解しない…かと思われていたが、後のアップデートで立ち絵付きの会話シーンが実装され、各々かなり個性的な性格である事が判明。
実装してから発売すれば良かったのにとは言わないお約束。

  • ロブスターセイレーン(Robster siren)
上記6人から離反したセイレーン。
名前の通りロブスターの触角と尻尾を持ち、ボロからのあだ名もずばり「エビっ娘(Robster girl)」。
外骨格を軋らせるような音を発するのみで人間に分かる言葉は話さないが、唯一人間への敵意を持たなかった事と女帝セイレーンのやり口に反発を覚えた事が裏切りの動機だったとシャンティとハーモニーから語られる。
容姿からして「女帝の娘なのでは?」とファンに考察されているが、現時点では詳細不明。


●余談

画像や動画を検索して頂ければ分かると思うが、このゲーム、日本のサブカルからかなり影響を受けている。
特に第3作以降はかなり顕著であり、これは開発者曰く「日本の漫画やアニメに触れて育ってきたから」との事で、
さらに日本風のキャラデザインに近づける為、当時ファンアートを投稿していた日本人イラストレーター・矢部誠(KOU)をメイングラフィックに採用している。

またシャンティが変身するマーメイド(Mermaid)やアラクネ(Spider)、ハーピー(Harpy)、
敵として登場するマーメイドやその女王ギガマーメイド(Giga Mermaid)、ナーガ(Naga)、スライムギャル(Slime Gal)、ボーンレッグ(Bone legs)などそっち方面の需要にも応えた内容である。

上述した通り、幸い現在では第1作を除いて、日本国内でもかなりプレイしやすい状態になっている。
敵味方双方のセクシーな女性キャラ、カートゥーンめいたシュールでイカれたイベント、雰囲気から想像つかない正統派な探索アクションと非常に魅力のあるシリーズとなっているため、ご興味があればぜひ一度触れてみてはいかがだろうか。

ちなみに海外では、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズへの参戦要望が数多く寄せられている。
(「シャンティ」シリーズの版権は特に任天堂と絡んでいないのだが、海外では任天堂外からのゲスト参戦要望も多い傾向にある)
そんな期待に応えてか、2018年の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ではシャンティとリスキィがスピリットとしてまさかの登場を果たす。先述の通り任天堂の版権キャラクターではない為、ゲスト出演という形であった。

…と思いきや2021年6月30日にDLCにてMiiコスチュームの一つとして登場。
CERO:Aの関係上女性キャラで胸の谷間が露骨に出ているのは2Dイラストのみで対戦時の3DキャラではFEのチキくらいだったが、なんとMiiコスチュームではしっかり胸の谷間が表現されている

ナコルルティファと違い男性用の差分はない。あったところで誰も得しないだろうが

設定したMiiの肌色がコスチュームにちゃんと反映されるので、色白なシャンティも作ることができる。


追記・修正はベリーダンスをマスターし変身してからお願いします。

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最終更新:2023年07月13日 18:49

*1 名前の由来は初代で文字通りの活躍を見せるため

*2 80年代に北米で大ヒットしたファンタジーアニメ。今でも新作グッズが出るほど根強い人気がある。