胡麻豆腐

登録日:2012/03/23(金) 12:04:57
更新日:2025/01/13 Mon 23:37:52
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胡麻豆腐とは、スリゴマと吉野葛を原料とした豆腐状の食べ物である。
そう、厳密に言えば豆腐ではない。形状が豆腐に似ているからその名を冠しているが、大豆もニガリも使用はしない。
精進料理の定番で、お寺で食事をする際にはまず必ず出される。
奈良県和歌山県の郷土料理だが、福井県の永平寺のものも全国的に有名。


■作り方

炒ったゴマをよくすりつぶし、途中でダシ汁を加えながらペースト状にし、砂糖を好みの量加え、鍋に流しこみトロリとなるまで(約10分)煮る。
煮たったら吉野葛を混ぜて型に流し、自然に冷めるのを待てば完成。
吉野葛の代わりに片栗粉でも出来はする。
上記は永平寺式の手順で、出汁や調味料を使用しない高野山式も存在する。


■食べ方

「奴」にして小鉢で食べる。酢味噌やワサビ醤油、もしくはダシ醤油をかけても良い。
サイドメニューとしてお盆の隅っこにある場合が多い。
近年は甘めに調整されてデザート感覚で食べられるものも発売されている。
新感覚の和のスイーツはおすすめ。


■種類、派生品

◆白胡麻豆腐
スタンダードなのはこれ。
炒ったゴマの香ばしさと甘味がマッチしていている。

◆黒胡麻豆腐
黒胡麻を使った灰色の胡麻豆腐。
胡麻の香りはこちらの方が強めだが、風味そのものが少し違うので好みや気分で選ぼう。

◆ピーナッツ豆腐
胡麻でなくピーナッツの絞り汁を固めた逸品。通常は生のピーナッツから作る。
半日くらい水に浸漬させた生ピーナッツの薄皮を剥き、水を加えて磨砕したら、布で濾して強く絞る。
胡麻豆腐に則る場合は本葛粉、台湾の花生豆腐なら粳米粉、代用品で凝固させる場合は片栗粉(馬鈴薯澱粉)かタピオカ澱粉を絞り汁とともに鍋へ入れて、ダマが残らないようよく混ぜる。
沖縄県のジーマーミ豆腐は絞り汁を煮立てて生ピーナッツの臭いがしなくなったら、水で溶いて裏漉しした甘藷澱粉を注いで手早くかき混ぜて、粘りが出てきたら中火にする。
以降は共通の手順で、中火で加熱しながら20~30分間練り続けて艶が出てきたら火からおろし、型に流し込んで粗熱が取れるまで待ってから冷蔵庫に移して冷やし固める。
根本的に胡麻とは違う風味で甘味も強い。
ただしピーナッツアレルギー持ちは口にしないように。

◆餡掛け胡麻豆腐
東北のある県ではこれが胡麻豆腐の定番である。

◆ドングリ豆腐
ドングリのでんぷんを固めたもので韓国語で「ム」と呼ばれ、あちらの食卓や食堂でたまに見かける。
固めで甘味は一切なく、唐辛子などで辛めに調味されている場合が多い。
ドングリの他に緑豆やそばを使った物もある。
日本にもドングリの澱粉を固めた伝統食は複数の地域で存在したが、殆ど廃れてしまっている。


追記、修正は、自分で自分をすりつぶして吉野葛で固めて「俺豆腐」になってからお願いします。

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最終更新:2025年01月13日 23:37