徳川喜喜/一橋喜喜

登録日:2018/04/21 (土) 19:36:31
更新日:2024/04/20 Sat 12:28:32
所要時間:約 9 分で読めます








厠を貸してもらえるか




銀魂の登場人物。
CV:浪川大輔



●目次


◆概要

旧名「一橋喜喜」
将ちゃんこと徳川茂茂の後釜、つまりは新たな将軍にならんと暗躍を続けてきた人物。
金髪かりあげヘアーにスペル眉毛、派手な柄の着物の上に黒いコートを纏うという出で立ち。
黙っていれば寡黙なイケメンなのだが、本質は冷酷且つ外道であり、そして小物……だった。
これらの性格は幼き頃から自身を将軍にするために只管に権力争いに明け暮れていた一橋派の人物に囲まれ、
次期将軍という柵抜きに自分自身を見てくれる人間がほぼいなかったというところも大きい。

初登場時における行動とその佇まいから茂茂とはまるで正反対の典型的な悪役キャラでありながら、
本格的に作中の表舞台に出始めてからも銀時たちメインキャラたちに対してロクなことをしておらず、
その度に自業自得としか言いようの無い粛清を喰らう等々、目ぼしい活躍シーンは皆無であり、
高杉や神威らといった魅力的な悪役たちとは程遠い、典型的な小物キャラとして読者からの人気も高くなかったのだが……
モデルはもちろん江戸幕府最後の将軍「徳川慶喜」。


◆劇中での主な活躍


【死神篇】

エピソード中盤に名前が登場。一橋派に取り入ろうとしていた十八代目池田夜右衛門と結託していたのだが、
最終的に自分を裏切った夜右衛門を「ただの首」として粛清。一刀の下にその首を斬り飛ばすという衝撃的な初登場を果たす。
旧きを廃し新しきを打ち立てんとする自身のことを「この国の処刑人」と自称。
この際、同時に野望のために高杉とも繋がりがあることを示し、この時はまだ如何にもな冷酷な悪役としての空気を保っていた。


【将軍暗殺篇】

本格的に表舞台に現れたのはここから。
序盤から一橋派を動かして湯のみに毒を塗って茂茂暗殺を謀り、更にそれを妹のそよ姫の所為にしようとしたがそれに感づいたあやめの介入で失敗。
この行為には何ら疑問を抱くことは無く、「玉座に尚も居座る朽ちた骸を片付けようとしただけ」とぼやいていた。
そして自身の新たな手足となる者たちを呼び寄せるのだが……


「待っていたよ、君があの……」

ドゴォオオオオオ!!

……出会い頭早々に神威に力いっぱい顔面をぶん殴られて気絶。
挙句、一緒にいた高杉からは「壊れかけの神輿」「ただの道具(てあし)」などと、
喜喜自身も彼らを利用するだけの腹積もりだったとはいえ、ボロクソに言われてしまっていた。
(この行為は自分たちに何の連絡も無く、独断で茂茂暗殺を行おうとしたことに対する不満でもあるらしい)

すぐに一橋派らに治療のために搬送され一旦表舞台からフェードアウトするも、エピソード終盤で再登場。
この時は車椅子にまたがり全身に包帯を巻いた見る影も無いミイラ男同然の見た目となっていた。

そして今まで自分たちと共に行動していた一橋派、高杉や神威らをあっさりと裏切り、
正式に次期将軍の座を約束した天導衆の側に寝返り、正式に「徳川喜喜」へと改名。
この時の彼は神威に重傷を負わされたことで精神的にもかなり錯乱しており、
自分を愚弄した人間たちを殺せと喚き散らすだけの、文字通りの壊れた傀儡と化していた。

しかし飽くまでも己の信念を曲げず、喜喜や天導衆らと敵対することもいとわない茂茂の宣言を受けつつも、
高杉一派と茂茂一派を同時に相手取るのは分が悪いという天導衆の助言を受け一時撤退。

その後は正式に将軍の座を継いだ事を民衆に伝え、共に新たな時代を築いていこうと演説を行っていたが、
裏では茂茂を自由にしておくつもりなどなく、彼の幼馴染である友之助を誑かし茂茂を毒針で暗殺した。


【さらば真選組篇】

小物を通り越して外道と化し始めたエピソード。
将軍暗殺篇における茂茂の死に関する証拠を徹底的に隠滅した上で、
その罪を全て真撰組に被せると同時に局長の近藤とその上司である松平に斬首刑を言い渡すという外道っぷりを発揮。
後、新警察庁長官となった佐々木と共に、茂茂行き着けのスナックであったすまいるへと足を運ぶ。
「今宵は自分もただの喜喜」と言いながら、同席していた土方に挑発的な発言を重ねたり、
「あの男(茂茂)と同じ物では満足できない」などという超絶身勝手極まる理由で見廻組に店の女の子たちを平気で斬らせ重傷を負わせたりという外道行為を連発。
そして反発してきたお妙すらも「愚かな民などいらぬ」として自ら首を斬ろうとするも、
ここに来て怒り爆発した土方……を止めた銀時にまたも顔面をぶん殴られてしまいそのまま気絶。
「殴り返される覚悟もねえ奴が上から拳振るってんじゃねえ」と吐き捨てられる。
おまけに味方であるはずの佐々木にも、気絶中の痴態を写メられてしまうなど、自業自得とはいえ最早味方が誰もいないという体たらく。

その後はまたしてもエピソード終盤まで出番が無く、最終的に新警察庁長官に担ぎ上げた佐々木にまで裏切られる形になり激昂。
佐々木一人に責任を負わせて事態の終息を謀ろうとした周囲の意見を完全無視し、己の感情全開で佐々木旗下の警察機構そのものの一新を宣言。
この強引なやり方は幕府側人員の離反を次々と招いた挙句、その混乱を収めるべき警察機構も上記の宣言の所為でまともに機能せず、
更にはその隙を突いて離反した人員が松平率いる倒幕派に吸収されるなど、失態に失態を重ねるばかりとなる。


【烙陽決戦篇前半】

前エピソードにおいて登場したラスボス虚の秘密などが明かされ、いよいよクライマックスへと差し掛かっていた中懲りずに再登場。
宇宙へと上がった銀時たちを追う形で自ら艦隊を率いて彼らを追い込んだと思いきや、原作は僅か5ページ、アニメはリアルタイム13秒で形勢逆転。
銀時、桂、坂本らに包囲されてかりあげやらまゆげやらを散々馬鹿にされた末に、河上に顔面をぶん殴られて気絶。
最早登場するたびに顔面を殴られることがお約束と化した、将軍という肩書きには程遠いやられ役の小物キャラでしかなくなっていた。




とまあ、主人公組と敵対する悪役、銀魂屈指の人気キャラであった茂茂暗殺の黒幕、
ここまで積み重ねてきた外道行為によって稼いできたヘイト等もあり、
劇中キャラからも読者からも完全に見下されっぱなしのまま終わると、誰もが思っていたことだろう。


……しかし落ちるところまで落ち、底辺を突き抜けるだけ突き抜け続けた遥か先、
ようやく彼の転機が訪れたのである。




【烙陽決戦篇後半】

数々の蛮行によって自らの後ろ盾であった天導衆からも見放される形となり、坂本率いる快援隊と行動を共にすることに。
破天荒且つ型破りで自身の想像もつかないようなことばかりする坂本の言動に興味がわき始めた矢先、
春雨十二師団の三凶星が一角、第三師団団長「天王星・笵界」と敵対。その果てに肉体を乗っ取られてしまい、坂本殺害の道具として利用されかける。
しかし、戦いの最中で言われた「一度国を背負うと決めた君主が、簡単に死ねると思うな」という言葉と、
絶望的な状況に立たされながら尚も自分のことを助けようとする坂本の姿を見て遂に覚醒。

「次期将軍に」という周囲の期待に応えようと全てを利用し成り上がった結果、将軍という頂に信頼できる臣もなくたった一人取り残された、
その皮肉な事実と向き合った喜喜は、数多の屍の先で立った空っぽの頂で答えを見つけんと決意し、残された僅かな自我を振り絞って笵界の本体を引きちぎる事に成功。
勝利のために貢献した。


【最終章 銀ノ魂篇】

桂、坂本と共に虚の策略によって地球へと侵攻してきたアルタナ解放軍との交渉の場へと赴く。
直前の回想シーンでは銀時たちと同じ食事の場へと自ら足を運び、彼らと同じ食事を手にしながら、
「利用され続けてきたからこそ、最後の使われ方くらいは自分で選ぶ」と語り、
全てを背負った上で国と自分が起こした事の顛末を見届けると宣言。
今まで散々好き勝手やっておきながら何を都合のいいことを、と怒りをぶつけてきた神楽の言葉も真っ向から受け止め、
自分の食事に大量のタバスコやマヨネーズをぶちまけられても涼しい顔で完食する。
そこには将軍暗殺篇やさらば真撰組篇で見せたド外道で小物な面など一切無い、空っぽながらも将軍の二文字が相応しい堂々たる姿であった。

が、この時の食事が原因で腹を下してしまい、交渉の席に到着直後に厠へと駆け込む。
結局間に合わずに漏らしてしまいスウェットと下着を借りる、ついでにインディペンデンスデイとスターウォーズも借りて鑑賞&号泣。
後日の交渉の席でもまだ腹の調子が悪くて厠を貸してもらえるように頼もうとするも、桂と坂本の圧力を受けて失敗。
その際、敵の大将である紫雀との交渉で下半身のダム決壊が「地球側が何か秘策を用意している」と勘違いされる、
結局紫雀と共にダムが決壊してしまい、新八から交渉内容がウ○コだと呆れられる等といった面白行動を連発。

将軍という地位と共にいじられコメディキャラという立場すらも亡き茂茂から継承する形となった。

交渉が成功し一時的に地球への侵攻はストップするも、天導衆への憎しみから暴走する敵の提督圓翔の暴走により地球侵攻が再会。
それと同時に紫雀と共に囚われの身となってしまうも、正体を晒した紫雀やハタ皇子、エリザベスらと共に混乱の最中脱出。
脱出直後に地球との通信が回復し、茂茂の妹であるそよ姫と会話から「生きて帰らなければ許さない」という言葉を受ける。
その上で圓翔を止めるために桂、坂本、そして合流した高杉たちと共に宇宙で激戦を繰り広げる。


国に捨てられた者たちよ

この国は、もう二度とそなたらを裏切らぬ

もう二度とそなたらを見捨てぬ

そなたらが戦うならば、最後まで国も共に戦おう

そなたらがここで滅びるならば、国も共にここで滅ぼう


将軍徳川喜喜は……

錦の御旗はそなたらと共にここにあるぞ


嘗て国に捨てられ逆賊と汚名を着せられた者たちを前に、自らもまた同じ賊軍として武器を取り戦うその姿は、
一国の長、"将軍"の二文字に恥じない姿であった。

以下、更なるネタバレ注意




















多くの犠牲を払い、憎しみのままに己と兵諸共地球に自爆特攻しようとしていた圓翔を、遂に高杉が討ち取ることに成功。
倒れ伏す高杉と圓翔の周囲で尚も武器を構える両軍の前に立ち彼らを制す。
「復讐に復讐で応える憎しみの螺旋は終わらせなくてはいけない」とし、
敗北の末にその言葉を受けた圓翔もようやく止まり、宇宙での戦いは終わりを告げようとしていた……


ふ、ふざけるな……

お前の言うとおり戦い続け仲間を犠牲にしてきたのに……

和睦だとォォ!! ならば我らの仲間は、一体何のために死んだ!!


ここに来て態度を翻した圓翔の態度に激昂した解放軍の兵の一人が発砲。
頭部にその弾丸を受けた圓翔は即死し喜喜もまたその弾を受けて瀕死の重傷を負ってしまう。
それがきっかけとなり再び両軍の激突を招いてしまうかと思われたが、


やめぬかァァァ!!!

喜喜の一喝と言葉によって両軍は何とか思いとどまる。
戦を始めた責任は大将である自分たち2人にあるとし、憎いなら気が済むまで自分に撃てと宣言。
それでも尚、自分の民はその憎しみをこらえて戦いをやめるだろうと彼らへの信頼を明かす。

「自分を二度までも王を殺した愚かな民にするつもりか」という坂本の叫び。
「国を守らんと共に戦ったあの時、確かにそこに俺たちの王はいた」という桂の呟き。
既に虫の息でありながら自分を見捨てることなく共に居続けた忠臣2人の言葉を受けながら、
「たとえ一瞬でもそなたらの将軍であれたなら、自分の人生にも少しは意味があった」と呟く。

……そして迎えに来た茂茂を始めとする多くの歴代将軍たちと共に、最後の将軍たる徳川喜喜は旅立っていった。


最後の将軍として、私は彼らと共にゆかねばならない

王無き時代が、来る

だが、そなたらなら大丈夫だろう


あとは頼んだぞ

この国を継ぐ

数多の王たちよ








追記・修正は厠を貸してもらってからお願いします。

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