【大佐】(仮面ライダー1971-1973)

登録日:2012/07/04 Wed 17:13:14
更新日:2025/04/02 Wed 01:21:57
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「走れ、本郷猛」


仮面ライダー1971-1973の登場人物。

ショッカー》幹部の一人。
常にナチスドイツの軍服を身に纏った寡黙な男性で、物腰柔らかで冷静な性格。外国人だが日本語も完璧に話せる。
【大使】らと比べると常識的な人柄で、(親しい【博士】を除けば)人間の科学者である御子柴徹がマトモに接する事の出来る数少ない相手。

彼の王国とまで称される富士樹海基地の責任者であり、そこの防衛を任されているが、何故かアンチショッカー同盟に情報を横流しにする等の自軍の不利になる行為を以前から行っている。
その真意とは?


【基本設定】
本名、フランツ・フェルディナンド。
軍服から分かるように、かつてはナチスに属していた。
本人は純粋に国のために働きたかったが、裕福な生まれゆえ、労働党のナチスでは彼は蔑視の対象であった。

そんな時、ナチスが行った『人狼計画』に参加。
この計画はショッカーの技術提供を受けたナチスによる改造人間開発計画であった。

当時十代の少年だったフランツは、ショッカーと比べると御粗末な物とはいえ、常人を遙かに上回る絶大な力を得た事に歓喜するのだった。
ちなみに改造の影響故、1971年においても容姿端麗な少年の姿のままである。

やがてドイツは劣勢に陥る。フランツはヒトラーとエヴァ夫人の護衛に就き、彼らの自決を見守った……

が、自決したのは夫人のみで、彼の崇拝した総統は怯えた小男と化していた。

絶望した彼はヒトラーを殺害。ヒトデヒットラー?そりゃ別の世界線だ。
無気力のまま同盟国・日本に渡り、そのまま《ショッカー》幹部としての力と地位を手に入れたが、得体の知れない飢餓感は消える事は無かった。
自分の心を震わせる戦い。それを求めるが故、敢えて同盟に情報を横流ししていたのだ。

そんな中、緑川博士が手掛けたS.M.Rの成功体=ハヤトのスペックを見て、自分が満足出来る戦いが出来る存在が生まれたと喜ぶも、ハヤトの寿命が短い事を知り落胆する。

しかし直後に改造された本郷猛と10体の蜘蛛男の戦闘を見て、彼こそ自分が求めていた存在であると確信。
同時期に彼の情報漏洩がショッカーの容認できる限界を突破してしまい、樹海基地は放棄が決定し、9割の改造人間は【大使】の独断で施設の技術や情報を死守するために使われることが決定してしまう。
結果として【大佐】を見捨てた【大使】だが、あくまで組織として【大佐】の情報漏洩が見過ごせないレベルに達したための行動であり、
個人としては【大佐】が死に場所を求めるような行動を取っている事を心配し、「もし心変わりすることがあるのなら、本郷とは絶対に戦うな」と忠告までしている。
そしてアンチショッカー同盟の樹海基地への総攻撃の中、ついに本郷……仮面ライダーと対峙する。

《ショッカー》を『人間』の敵と見る彼に対して、《ショッカー》が世界各地で戦争回避に奔走していた事等を語り、『人類』の守護者である事実を伝える……無論、その過程の血腥い出来事も。
勿論、仮面ライダーはそれを一蹴した。

自律起動したサイクロンの不意打ちでのライダーブレイクを生身で食らうも、なんと無傷どころか車体を本郷に投げ飛ばすという怪物ぶりを発揮。
そして遂に自分の本性……狼男としての姿を見せる。


【狼男】
大佐の改造人間としての本性。
外見は美しい黄金色の体毛が目を引く人狼。
ショッカー参入後も再改造手術を繰り返し、ナチスドイツ時代とは比較にならない強化を遂げている。
一方で定期的に特殊な溶液に浸からねばならないという制限も存在し、ある意味【大佐】は基地に閉じ込られているとも言える。
(本人は神話のミノタウロスに自分を例えていた)

基本、2足歩行だが、よりスピードに特化した4足形態にも変身可能。こちらの外見は完全に巨大な狼。
ドイツを脱出し、ユーラシア大陸を横断して日本へ赴く際は野生動物への偽装も兼ねてこの形態を利用していたらしい。

スピードは尋常ではなく本郷ライダーですら当初は見切れない速度を誇り、4足形態時に至っては『雷速』と称される程で、時速500kmを越すサイクロンでさえ追随するのがやっと。
しかもこれでも全速力ではない。
「改造人間の真骨頂は火力ではなくスピード」と後の御子柴は語っている。この言葉を考えるなら、大佐はある意味、旧式でありながら最も完成された改造人間と言えるだろう。

スピードで本郷を圧倒し、一瞬とは言え意識を刈り取るが、本郷はハヤトの言葉を思い出し奮起。
そのまま瞬く間にS.M.Rの能力を把握し始め、今度は逆に大佐の攻撃を避けつつ確実に攻撃を命中させるようになる。

それでもかつて過去に置き去りにした『熱』を思い出し歓喜する大佐の人工心臓についにライダーキックが突き刺さる。
総統を殺してからずっと停滞していた彼に、本郷を倒せる筈もなかった。

好敵手の歩みが止まらぬ事を祈り、在りし日の自分を思い返しながら黄金の狼は炎の中に消え去った。


【戦闘力】
前述のように本作でも最強クラスの改造人間。
膨大な戦闘経験値に裏付けされた状況判断力に加え、近寄れば鋭利な爪と牙が猛威を振い、離れても雷速のタックルが待ち構える、と全く隙がない。
特に雷速のタックルは強化服で一番強固な部位であるコンバータラングで受けなければ手足が引き千切られると本郷が恐れた程の威力を誇る。
さらに4足のスピードと2足の格闘のバランスを取った半獣形態にも変身可能。




追記・修正は雷速でお願いします。

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最終更新:2025年04月02日 01:21