ヒトデヒットラー

登録日:2012/06/10 Sun 21:29:24
更新日:2025/06/24 Tue 10:55:51
所要時間:約 3 分で読めます





ようこそ、江川博士。我輩はGOD悪人軍団の一人、ヒトデヒットラーである!

出典:仮面ライダーX/東映/第28話「地獄の独裁者ヒトデヒットラー!!」/19754年8月10日放送

ヒトデヒットラーとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーX』第26話「地獄の独裁者 ヒトデヒットラー!!」に登場*1したGOD悪人軍団の一員の怪人。

概要

所属:GOD機関(GOD悪人軍団)
CV:辻村真人
スーツアクター:池田力也
モチーフ:ヒトデ、アドルフ・ヒトラー
身長:183cm
体重:91kg


人物像

残忍な性格で、口を割らせる方法はいくらでも持っていると豪語している。
アドルフ・ヒトラーの化身である事を誇りに思っているのか、名乗る時には「地獄の独裁者、ヒトデヒットラーだ!」と名乗る。

この怪人の回に登場したGOD戦闘工作員軍服を着用し、サブマシンガンを装備、自身を“総統”と呼ばせる、挨拶の言葉は「ヒトデ、ヒットラー!」である等、通常の工作員とは異なっている。


武器・能力

  • ステッキ
先端からヒトデロケットを発射した他、近接武器としても使用。

  • 渦巻き地獄
敵を水中に引きずり込む技。

  • 電気ヒトデ
敵に投げつけ付着させて電気ショックを与える。

  • 変身能力


活躍

事前にGODの秘密警察の情報網で南原博士の教え子だった江川孝夫博士がRS装置の設計図を持っている事を突き止める。
アメリカから帰国したユナイテッド工科大学教授・江川孝夫博士からRS装置の設計図を奪うために、新聞記者に化けた戦闘工作員を使い江川博士と博士の妻を拉致。
しかし、その拉致した夫妻は事前に神敬介が用意していた偽者だった為、改めてキングダークから本物の江川博士夫妻を拉致するように命じられる。
そして、偽者の2人を電気椅子で拷問
ヒッピーに変装していた本物の江川博士夫妻が真鶴の海岸にいる事を知る。

そこへ、神敬介が現れた為、神敬介を迎え撃つ。
Xライダーと戦うが、博士を探すため決着をつけずに途中撤退する。

その後、専用のUボートで捜索の末、本物の江川博士夫妻を発見。
ホテルで寛いでいる江川博士夫妻を襲撃。設計図を強奪する。
だが、神敬介と遭遇し、彼が変身したXライダーと戦闘に突入。
電気ヒトデや渦巻き地獄を駆使して海中で善戦するも、激闘の末、Xキックを受ける。
設計図がXライダーの手に渡る事を阻止するために設計図諸共自爆しようとするが、Xライダーに設計図を奪い返されて失敗。
自身だけが爆死する末路を遂げた。


その他媒体での活躍

すがやみつるの漫画版『仮面ライダーX』ではテレビマガジン連載分の最終話に再生怪人として登場。
徒党を組んでXライダーを襲うも、あっさり返り討ちにされた。

漫画仮面ライダーSPIRITS』では魂を持たぬ傀儡として復活山口県秋芳洞で他の悪人軍団と共にSPIRITS第5分隊を襲撃し皆殺しにした。
相変わらず外見がアウトな部下たちを引き連れており、キングダーク覚醒に伴い一時撤退。
ムカデヨウキヒサソリジェロニモ親子らと共に島根県沖まで向かい、得意の水中戦でXライダーと第五分隊生き残りのコンラッド・ゲーレンを襲撃したが、
最後はXライダーの真空地獄車で飛び石代わりにされ、脳天をしこたまジンギスカンコンドルにぶつけられ爆死した。


余談

再生怪人以外のGOD怪人では、マーキュリー回路を入れられる前のXライダーに倒された最後のGOD悪人軍団怪人である。
(※この回の次の回に登場したGOD怪人は全て再生怪人)

この怪人、アドルフ・ヒトラーの化身のため、胸部に堂々とナチスの紋章であるハーケンクロイツが印されており、
また、ヒトデヒットラーの顔もリアルにアドルフ・ヒトラーの顔が再現された顔である。
戦闘員との挨拶の言葉「ヒトデ、ヒットラー!」も、ナチスの挨拶「ハイル・ヒトラー」のオマージュである。
なお、名前については誤記ではなく、昔の日本では「ヒットラー」と訳されていたため。

もしも『仮面ライダーX』がリアルタイムで放送されていた頃にインターネットが普及していたら、大騒ぎになっていた可能性は十分に考えられるであろう。
実際、ナチス発祥の地であるドイツでは公の場でハーケンクロイツを展示したり、ナチスの挨拶をしたりする行為が禁止されており、軽い気持ちでやっただけでも民衆扇動罪で逮捕されてしまう。
しかし、本作が放送された昭和の時代、特に第二次世界大戦がまだ最近の頃で多くの人の記憶にも新しかった1950〜70年代頃はこうしたナチス・ドイツ関連の題材を振っても別におおらかに許されていた風潮があり、死神カメレオンが登場した『仮面ライダー』の第6話ではヒトラーが日本に密かに送ったとされる『ナチスの財宝』を巡る話となっており、他の特撮ものでもナチス式の敬礼や、『イナズマン』のファントム兵士のようにナチス風の軍服を施したりと悪の組織には必ずと言っていいほどナチスを感じさせる要素を取り入れていた。
特に同じく『仮面ライダー』のゾル大佐は元ナチス・ドイツ陸軍軍人、アニメ作品だが『マジンガーZ』のブロッケン伯爵が元ナチスの鬼将校という設定であったりなど、『過去にナチスに所属していたという設定を持つ悪役』が当たり前のように出てきたりする程。
少し時代は下るのだが、『ジョジョの奇妙な冒険』のシュトロハイムもある意味そうしたのがおおらかだったのだからこそ登場出来たのかもしれない。
また、特撮やアニメ・漫画等のフィクション作品以外では元ナチス・ドイツ出身というギミック(設定)の悪役プロレスラーというのもあった程で、とにかく第二次世界大戦の記憶がまだ新しかった当時に於いてはナチス関連のモチーフは、人々が思い浮かぶ分かりやすい悪役のイメージのテンプレとして多く用いられていたのである。
コンプライアンスが厳しい現代よりもおおらかだったからこそ、こうした怪人も生まれたのであり、鉄人28号が旧日本軍の決戦兵器だったり、ゴジラが水爆実験の影響で生まれたりと、戦後昭和に作られた創作物にはどこか第二次世界大戦に関連する要素を感じさせる点があるという事が伺える。
制作者達はある意味『もう二度とあの戦争と、それによる悲劇を繰り返してはいけない』というメッセージを、平和な戦後の時代に生まれた当時の子供達に伝えたかったのだろう。
この怪人もその時代の流れの中で生まれたキャラクターなのである。

そして2022年、日本から遠く離れたアメリカにて大の仮面ライダー・ウルトラマンなどの特撮好きで知られるジェームズ・ガン監督がTwitterにてザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の未公開シーンとしてこの回の一部を挙げた。


―――追記・修正を怠る者には死、あるのみ。

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最終更新:2025年06月24日 10:55
添付ファイル

*1 第25話「謎の怪盗 カブト虫ルパン!!」の最後の方のシーンにも少しだけ登場。