アーヴィン・メイソー

登録日:2019/09/17 (水曜日) 02:15:02
更新日:2019/09/18 Wed 02:15:02
所要時間:約 6 分で読めます




大魔導師が、鉄槌を下す!




ゲーム「ヒーローズファンタジア」の登場人物。異世界アドロアス・オークに存在するヤップ・ナー王国の大魔導師であり、実質的なヤップ・ナー王国の支配者。生体ジフトの使い手で、とても責任感が強い性格。
何故か「大魔導師アーヴィン」と呼ばれることを嫌っており、単に「大魔導師」、もしくは「アーヴィン」と呼ぶよう頼んでくる。

次元怪獣レインとそれが世界にもたらした赤い霧によって、全滅寸前となったアドロアスの住人(一万人しか残ってない)を救うべく、レインが開けた次元の扉=ゲートの先にあった地球を新天地として目をつけ、かの地への侵攻を目論む。
「移住」ではなく「地球の支配」を選んだのは、地球の人間の歴史を調べあげた結果、「移住では我々アドロアスの住人が管理され、不自由な生活を強いられる」と判断したため。

こうして主人公を含めたヒーローズと対立することになる。



■主な行動

本編開始前、ゲートをくぐって地球からアドロアスへやってきた主人公の父・英雄(ひでお)と交流を深め、彼やヤップ・ナーの兵士たちと共になんとかレインの捕獲に成功したアーヴィンは、レインが「生物の心臓が好物」であること、「一定の周期に食事を与えれば暴走しない」ことを突き止め、レインのコントロールに成功する。
しかし、レインが開けたゲートから流れ込む致死性の高い赤い霧はどうしようもなく、大波の度に結界ジフトの使い手たちが結界を張ってやり過ごすしかなかった。

そんな中、アーヴィンにとって最悪とも言うべき事件が起きる。
なんと、結界ジフトの素質を持っていた英雄が、ヤップ・ナーを襲う赤い霧の大波を防ぐべく一人で結界を張り、力尽きて死亡してしまったのである。

アドロアスには「ジフトこそがその人間の全てであり、自分の得意なジャンル以外に手を出すのは邪道」という文化・風習が強く根付いている。(劇中でセリッシュ姫が待ってるだけだったり、リュードックが口八丁手八丁を駆使する怪しいやつになってしまっているのもこれが原因)
異世界からやってきたとは言え、得意不得意を問わず、あらゆる手段を尽くし、人々を救う英雄の存在は、魔導兵士たちからは面白くない存在であった。
そこで魔導兵士たちは、大波の際に行動を起こさず、国の防衛を英雄に丸投げしたのである。
上記の文化・風習から結界ジフトを使うことのできないアーヴィンは、英雄の死を黙って受け入れることしかできなかった…。


そして本編、水面下で地球への侵攻を開始したアーヴィンは、レインやジフト、そして赤い霧をちらつかせることでホーリー(というか無常矜侍)、世界偉人軍団、シアーズ財団、ゴールドスミス・ホールディングスと手を組み、
アドロアスへ流れ込んできた異世界の住人を保護し、「元の世界へ戻る方法を探す」と約束して「アドロアスの住人を救う」という大義を語り協力を取り付ける。

しかし主人公たちの活躍によってシアーズ財団と無常は敗れ、世界偉人軍団とゴールドスミス・ホールディングスは見切りをつけて同盟から脱退。
保護したレナードたちは主人公たちとの戦いに敗れた後、リウイらの説得に応じ、同じく保護していたガルル小隊は独自の動きを見せるようになる。

更に少し目を放した隙にレインが暴走し、大波を防ぐことのできる結界ジフトの使い手たちが主人公を残して全滅するという事態まで発生。追い詰められたアーヴィンが取った行動とは…。



以下、最大のネタバレ。

















実は、次元怪獣レインはアーヴィンが生体ジフトによって造り出した生物兵器である。つまりアドロアス・オークを襲う全ての災厄はアーヴィンが原因だったのだ。
ただし、アーヴィンはこうなることを望んでレインを造ったのではない。当事、彼は大魔導師ではなく、それは生体ジフトの使い手である自分を認めさせたいという一心からくるものであった。(上記の文化・風習により、この世界で認められるには自分の得意なジャンルをとことん極めるしかない)

そして、上記した責任感の強さが災いし、自身が犯した罪の重圧に負けたアーヴィンは、ことの真相を自分の胸のうちに仕舞い込み、逃避を開始してしまう。
彼にとってアドロアスと異なる文化・風習を持つ地球は逃避先の一つであり、自分が創造したレインだけが心の拠り所であった。

レインさえも主人公たちに敗れ去り、最早打つ手なしと悟った彼は、更なる逃避として自分が敗れた場合、生き残ったアドロアスの住人と共に自爆するという本末転倒の決断を下す。
ダメもとで主人公たちに協力を求めるが、彼らは既にレインがアーヴィンの創造物であり、アーヴィンこそが全ての元凶であるという真相にたどり着いていた。
そのことを指摘されたアーヴィンは、逃避からくる見苦しい言い訳を展開。当然交渉は決裂し、アーヴィンは生体ジフトを自分の体に使って異形の姿となり、主人公たちを屈服させるべく戦いを挑む。

リナをして「それなりに手応えはあったかもね」、カズマをして「いい喧嘩だったぜ。最後はこうこなくっちゃな!」と言わしめる程の力を見せたアーヴィンだったが、最終的には主人公たちに敗北し致命傷を負う。
当初の予定通り自爆しようとしたが、スイッチは全てを見越したガルルが用意した偽物であった。

死にたく、ない…!

最期にそう言い残し、大魔導師と呼ばれた男はこの世を去る。
彼の生き様をは「欲望に負け、泥沼に沈んでいく……哀れな男だ」と評した。



■余談

上記の通り、アーヴィンは本作品における全ての元凶なのだが、アドロアスを滅亡一歩手前に追いやってしまったことや、生き残った人々を救わねばならないという責任からくる重圧に一人苦しむ描写がなされており、夢の中に現れた英雄の現影にそのことを吐露していた。
できることなら全てを捨て、地球でアーヴィン・メイソーという一人の人間としてやり直したい、と。
また、確実に主人公の精神を揺さぶれる「英雄の死の真相」を語らないなど彼なりの良心が伺える描写もある。(ちなみに、主人公は英雄が魔導兵士たちの職務放棄が原因で死亡したという真相を最後まで知らないままである。いいのか、それで。)
そのためプレイヤー視点から見ればアーヴィンにも同情の余地はある。

彼の最大の過ちは「自分がレインを造ったという事実を隠してしまったこと」であり、やり直すことはいつでもできたはずである。
しかし「唯一心情を吐露することができる親友、英雄を失い、レインだけが心の拠り所になってしまったこと」、「地球という、アーヴィンにとってあまりにも魅力的すぎる異世界が目の前にあったこと」が、
彼を「自らの罪を認め、それでもなお世界を救おうとするヒーロー」ではなく、「自らの罪から目を背け、地球を我が物にしようと企む悪党」にしてしまったのであった。

また、作中で「ジフトに頼りきった自分たちの世界は歪んでいる」と考えていたのはアーヴィン・メイソーただ一人であり(レッドも地球の文化・風習を学んだが、科学技術だけ認めて他は否定した)、その彼を失ったアドロアスが、アーヴィンと同じ過ちを繰り返さずにいられるのかは少し疑問なところである。



私はもう、追記・修正できない…。


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