SCP-4826

登録日:2019/10/02 (水曜日) 01:54:31
更新日:2025/05/15 Thu 12:02:56
所要時間:約 3 分で読めます




「アニヲタ博士、お疲れ様です。」

「おお、お疲れ。」

「…さて、私もメールとSCiPNETのアップデートチェックしたら帰ろうか…」

「ん?このサイトに新しいオブジェクトが収容されたのか。近くの研究室が担当だけど後学や収容違反の時とかの対策のためにもちょっと報告書見ておくかな…」



SCP-4826はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスEuclid

概要

SCP-4826はイーサン・エルラという名の31歳男性。
その異常性は死亡することができないこと。ただし現在これは状況証拠からの推量で、まだ直接観察は出来ていない。確認のための実験は2019/06/17に予定されている。

「いわゆる不死者か。GOCではタイプ・グレーとも呼ばれているそうだが…」

「まあ比較的よく見る部類だな。収容も他に異常性が特にないなら楽だろうし特に問題ないだろう。こっちも心配しなくてよさそうだな。半永久的な収容になるからあちらさんは面倒だろうが…」

「って実験今日なのか。ちょっとしたら結果追記されるかな…」

発見経緯

2019/06/12、SCP-4826はとあるアパートの住民から「他の部屋から銃声が聞こえた」との通報を受けた警察に潜入中のエージェントにより発見された。
部屋に入ってみるとそこら中に肉片やらモツやらが散らばっている惨憺たる有様で、SCP-4826は胸にナイフを突き刺し銃を傍らにして壁にもたれかかっていたという。

その後の調査で、SCP-4826の体中に刺し傷・切り傷・銃創の治った痕が見つかった。本人曰くこれらはごく新しいもので、また発見される際の事案は自傷行為だと認めている。

「なるほど、何かあって死にたくなって自殺しようとしたけど異常性のせいでできなくて、最終的にエスカレートして騒ぎになって発見されたということかな?」

「まだ5日しか経ってないけど収容されて何か変わればいいものだが…」

「あれ、そういえば報告書中の青字って新版での変更箇所って意味*1だったよな。とすると見始めてすぐに更新版ができたのか。リロードしてみよう」

[ファイルを更新しますか?]

(クリック。)

[ファイルは正常に更新されました: 2019年6月17日]

実験0

SCP-4826の異常性の確認のため、実験を行った。
塩化カリウム水溶液の致死量注射により致命的不整脈を誘発させ、異常性の直接観察を試みた。
SCP-4826は実験に協力的ではなく、注射器を見るとネガティブになり「針が怖い」と言っていたが、実験は通常通り行われた。

「塩化カリウムの注射というとアメリカでの薬殺死刑で使われるやつだな。しかし自分にナイフ突き立てて銃でハラワタをブチまけさせたのに針が怖いのか…」

「で、まあピンピンしてたのかな?」

投与後、SCP-4826は5時間の間無反応だった。

「え?」

現在、SCP-4826は自殺に対する耐性のみ持っていたという説が支持されている。
Neutralized分類は保留中。

「…」

「…」

「えぇ…」



とまあ、異常性をつかみ損ねたことにより無力化してしまったSCPオブジェクトであった。
財団世界じゃ「死なない人間」なんて「壊れない物体」並にはいると考えてもおかしくはないし、「あーはいはい不死者さんね。とりあえず実験しましょ」みたいな感じで注射してしまった可能性がある。
表に出てこないだけで、こういう末路を辿ったオブジェクトも割とある、かもしれない…。



SCP-4826


いつ死ぬかは俺が決める


追記・修正は慎重にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • SCP
  • SCP Foundation
  • SCP財団
  • Euclid
  • 不死
  • 蘇生
  • SCP-4826
  • イーサン・エルラ
  • 実験
  • 財団やらかし案件
  • 自殺
最終更新:2025年05月15日 12:02

*1 一般的にはSCP-2998やSCP-4338などのように「前版からの変更箇所」として使用されるが、ENの本記事のディスカッションでは「この記事では新しいテキストが追加されたことを示す」とされている。