ビッグドーザー

登録日:2020/01/05 Sun 22:31:13
更新日:2025/03/07 Fri 18:25:57
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緊急通報!

街で暴れる消防ロボットを、直ちに破壊せよ!

アイツはもう…俺達の知ってるビックじゃない!……サイマ獣だ。

よくそんな事が言えんな。


科学者ってのは……

そんなに冷たくなれんのかよ!!?


ショウとナガレに……今、決断の時が迫る!


救急戦隊ゴーゴーファイブ・第46話!


火を吹く消防ロボ










ビッグドーザーとは、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』第46話『火を吹く消防ロボ』に登場した人型ロボット。愛称は「ビック」で、本項でもこう呼称する。
また、彼の登場回がゴーゴーファイブ最後の通常回となった。


【概要】

レスキュー用として造られ、消防局に配備されているロボットで、人間では立ち入り困難な場所で消火活動を行うのが主要な役割である。

制御プログラムの開発や現場でのビックの操作は化学消防班の隊員だったナガレが関わっており、
航空ヘリ部隊の隊員だったショウはビックを現場まで空輸する任務に関わっていた。

その為2人ともビックには思い入れがあり、危険な場所で消火活動を行う任務を遂行し、瓦礫の倒壊の余波などを受けて煤だらけになりながらも無事に帰還をしたときは、ショウが「よくやった! ビック!」と「彼」を褒めて、汚れたボディを拭いて労っていた。


【性能】

ビックことビッグドーザーは頭部のカメラで消火対象を認識し、腕や胸部から消化剤を放出することで対象物を鎮火するように設計されている。
操作自体は小型のノートパソコンのような端末からコマンド入力しての操作で動くため、人間の立ち入り困難な場所で活動することができる。
被災現場の中で活動する為に造られた為ボディは頑丈で、瓦礫が落ちてきてもせいぜい汚れる程度という堅牢さを誇っていた。

内燃機関で動作する仕組みで、背中には燃料補給のチューブが備わっている。
任務完了のコマンドを入力すると電子音声を発して敬礼するが、ナガレのプログラムミスにより敬礼の際は右に身体を傾けるようになっていた。
ナガレ自身はさっさと直してしまえば良いと思っていたが、ショウを含む他の隊員は「任務に支障は無いし愛嬌がある」という理由から気に入っており、
これが「彼」の個性であるとして敢えて直さないまま運用されていた。

それ以外は特に欠点もなく、試運転を見に来たナガレとショウも文句なしに評価する仕事ぶりだった。

ピエールが使用したカードのうちの1枚、「能力反転のカード」の影響で「災害を食い止める消火能力」は「災害を引き起こす放火能力」へと変わり果て、両手からは火炎放射、胸部からは砲弾を放てるようになった。火炎放射の威力はそれだけでビルを破壊する程で、等身大時も威力に遜色は無い。

【顛末】


消防イベントに登場することがきっかけで新聞に掲載され、世間の注目を浴びることとなった。

ビックが消防イベントに登場するというニュースはゴーゴーファイブとして日々レスキューに勤しむ巽一家の中でも当然話題になった。
特にマトイ、ナガレ、ショウの3人は元々首都消防局の隊員だったため、非常に関わりが深い立場にあった。
と言ってもレスキュー隊だったマトイは現場で会ったことがないらしく、主に任務で関わっていたのはナガレとショウの2人だった。

しかしビックが新聞に掲載されたことはナガレとショウだけでなく、不幸をも引き寄せる結果となってしまった。
災魔パラディコでは呪士ピエールが手持ちのサイマ獣カードを使い切り*1、コボルダとディーナス不在の中どうやって侵略活動を行うか悩んでいるところだった。
そこに一体のインプスが例の新聞を持ってきたため、ビックはピエールに目をつけられてしまう。
ピエールは早速インプスを引き連れて消防防災資料会館を襲撃。ナガレとショウが場を外し、ビックの周囲が手薄になったところへ襲い掛かり、そのままビックを奪い去ってしまった。

災魔パラディコに戻ったピエールは魔術書を用意してサイマ獣として命を吹き込む儀式を開始の準備をしていた。
手持ちのデッキにあるどのカードを使えば最強最悪のサイマ獣に仕立てることができるか頭を捻っているところだった。
しかしビックを運んできたインプスがピエールにぶつかってしまい、ピエールはそのはずみで用意していたカードを全て悪魔像に放り込んでしまう。
キレたピエールはヤケクソになり、そのまま燃料補給チューブを悪魔像に投げ入れて呪文を唱え、魔術の力をチューブから機体へと送り込んだ。
それでも儀式は成功してしまい、"サイマ獣"ビッグドーザーとなったビックは街に現れ、巨大化して街で暴れ回る。

ビックの出現を知らされたゴーゴーファイブはビクトリーロボで出場するが、なんとか壊さず止められないものかと考え、格闘系の技で応戦する。
連続ラダーボンバーとウインドミルラダーを食らったビックは機器に何らかの異常を起こしたことで機能が低下し、等身大に戻って大人しくなった。
ビックはそのままゴーゴーファイブに回収され、ベイエリアへと搬送される。

これで一件落着かと思われたが、検査を行った結果その身は既にサイマ獣に作り替えられており、自分達の今の技術では修復不可能と判断された。
ビックは切れた燃料を補給する直前に襲撃を受けた上、その襲撃の際に制御装置の端末も破壊されていたため、本来なら動けるはずもないのに自律行動をしている状態だった。
このため暴走を再開する危険があるとして、消防局との協議のもとに解体されることになった。

ショウは解体を拒んだが、ナガレはそれを説得しようとした。

「分かるだろ。燃料もないのに動いてるんだ。普通じゃない」
「今のビックは、いつ暴走を始めてもおかしくないんだ。そうなったら、街が危険に晒される……!」
「…ビックは元々車やテレビと同じ…意思のない、ただの機械だ。安全のためには、解体するしか…」

ナガレの冷静かつ淡々とした態度に失望を覚えたショウは、ナガレの言葉を遮って殴り飛ばしてビックを連れ出してしまう。
もちろんナガレにとっても解体は不本意なことであり、共に活動してきた仲間を見捨てることは苦渋の決断だった。

外に連れ出されたビックは暫く大人しくしていたが、突然歩き出し、見かけた親子に火炎放射を行い、任務完了と言わんばかりにいつもの敬礼をする。
襲われた親子はショウが咄嗟に助け出すが、それを手始めに破壊活動を本格化する。

ビックが消火の要領で放火を行なって人を襲ったことはショウにとって大変なショックであり、暴走を止められなかったことを悔やみ1人打ちひしがれていた。
そこへナガレが現れ、言葉を絞り出すように自らの思いを語り出した。

「お前が、心が生まれるかもしれないって言ったとき、本当は俺もそう信じたいと思った」
「けど…都合よく奇跡は起きてくれないもんだな……」

「ナガレ兄……」

「行こう。ビックは俺たち消防の大事な仲間だ。これ以上、破壊をさせるわけには行かない」

ナガレの言葉を聞いたショウはビックと戦うことを心に決め、現場へ出場。マトイ、ダイモン、マツリと合流する。


暴走するビックは建物を壊して街を火の海へと変えていった。
更にピエールがインプスを率いて現れる。
ゴーゴーファイブの一同は着装して応戦するが、マトイは今回の一件をナガレとショウの問題であるとして、ビックの処理を二人に委ね、自分たちはインプスの掃討に力を入れた。

ビックはピエールの命を受けタンクローリーを攻撃せんと接近、ナガレとショウにしがみつかれ、一度止まるが二人が安心した瞬間振り払って歩き出す。
二人は覚悟を決めてVマシンガンをビックに向けて連射。集中攻撃を受けてビックは機能を停止し、最期は敬礼の声を上げながら倒れて爆発四散してしまった。
正規のサイマ獣でなかった為、再生カードによる巨大化は無く、巨大化戦闘→等身大戦闘でトドメを刺された珍しい『敵』となった。

救う事が出来なかった『仲間』にナガレは大声で謝り、ショウは敬礼した。


しかしその直後、マトイの首筋に災魔寄生獣パラサイトの雄が取り付き……


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最終更新:2025年03月07日 18:25

*1 ピエール自身は殆どサイマ獣カードを持っておらず、たまに災魔四兄弟からハズレを引き渡される程度。ただし無限連鎖カードを始めとする特殊な補助効果を持つカードをいくつか所有している