超魔界村

登録日:2020/03/05 Thu 15:21:10
更新日:2025/03/11 Tue 22:43:40
所要時間:約 10 分で読めます






潜んでいた魔界が遂に全貌を現した。




超魔界村は、カプコンが1991年に販売したスーパーファミコン用アクションゲーム。
魔界村』『大魔界村』に続く魔界村シリーズ3作目である。


全7ステージ、2周エンド(2周目のみ8面)


【本作の特徴】

魔界村、次いで大魔界村の正統続編。大魔界村から上下撃ちを廃し、新たなアクションとして二段ジャンプを採用した。
これにより、以前の作品では出来なかった高度な空中戦を繰り広げることができるようになるとともに、ステージ構成や戦闘バリエーションは比較にならないほど発展した。
また、鎧を3段階に分けるとともに「武器の強化」を導入したことで、単純な強化のみならず、強化の前後で武器自体がガラッと変化することも特徴。
単純に武器の種類も増加し、さらに魔法も扱いやすいものが多く用意されたことで、扱いづらい武器を取得してしまった際に魔法で耐えしのぐことでリカバリーがしやすくなっている。
スーパーファミコン初期作品ではあるが、美しいグラフィックとこれまでになかった重厚なBGMがビジュアル面を大きく引き立てていることも見逃せない。

難易度に関しては旧作よりも控えめにされている点は多いが、代わりにパターン化しづらくなった場面がさらに多くなった。
またステージの1つ1つが極めて長く取られており、加えて前二作よりも格段にゲームスピードとテンポが落ちた。
スムーズに進行できても1周あたり約30分、2周目クリアーとなれば1時間近くかかるため、非常に中だるみしやすい。その点は評価の分かれるところである。
これらの要因により、「初代魔界村や大魔界村よりも『本作の方が難しい/苦手』」と感じるプレイヤーも一定数存在する。
スーパーファミコン初期作を中心によく見られる処理落ちは本作にも広く存在していた。
1面の地形変化などのエフェクト以外にもアーサーの魔法発動や敵キャラクターが少し多く登場しただけでも処理落ちする。
処理落ち中はときにちらつきも発生する。



【STORY】

大魔王「ルシファー」を打ち倒し、囚われの人々やプリンセス(の魂)を救い出してから4年後…。
魔物の襲撃で荒れ果てた王国も復興を果たし、この日、ちょうど再建した城の竣工式で賑わう町にアーサーの姿もあった。
ルシファーは倒される直前、自分は必ず蘇ると言い残して消えた。その時に今度こそ完全に滅ぼす手段を探すべく、彼は王国を離れ旅に出ていたのだ。
ひとまず竣工式に駆けつけプリンセスとの再会を喜ぶアーサー。……その直後、城に突然魔物が現れ、警備の不意を突いてプリンセスを連れ去ってしまう。
「ルシファーが蘇るには早すぎる。奴に代わる魔界の後継者が現れたに違いない」。そう悟ったアーサーは、愛用のヤリと共に3度目の魔界に乗り込む。


+ これまでの詳しいお話(長いので格納)
魔界村』での戦いから3年後の満月の夜に、大魔王ルシファー率いる魔族の大群が現れ、地上を大混乱に陥れる。
そして騎士アーサーの目の前でプリンセスは命を絶たれ、ルシファーに魂を奪われてしまう。
プリンセスの魂を救い、世界に平和を取り戻すため、アーサーは再び武器を手に取り蘇った魔界へと向かっていった…(大魔界村)。

アーサーは、渾身の力を込めサイコキャノンを撃ち放った。その一撃は魔王ルシファーの顎を砕き頭を撃ち抜いた。
そして、その傷口から今まで取り込んでいた人々の魂が吹き出してきた。村人、兵士、子供、そしてプリンセスの魂も開放された。
今やルシファーは、紅蓮の炎に包まれ消滅しようとしていた。
もがき、喘ぎ、慈悲を乞うこともなく、魔王の名に相応しく、玉座にじっと座ったままであった。
やがて燃え盛る炎の中から断末魔の叫び声がした。

私は死ぬのではない、地に下るだけだ。そして三度蘇りこの地に君臨してやる」そう言いのこしルシファーは消滅した。

人々の魂は、ルシファーの体から開放され生き返ることができた。
アーサーは、プリンセスとの再会を喜んだ。

来てくれたのですね」プリンセスは言葉をつまらせながら言った。
アーサーは生きて再び会える事は出来ないと思っていたプリンセスをただ抱き締めるだけであった。

アーサーの頭の中にはルシファーの断末魔の叫び声が谺していた。
そして、アーサーは決意した。ルシファーが復活する前に、ルシファーを完全に消滅させる事のできる「最強の武器」を探す事を。

アーサーはルシファー復活の事は告げずに旅立っていった。なぜならサイコキャノンで消滅したルシファーが復活するには相当な時間を要するからだった。
復活出来たとしても何百年も先のことになる。ただ、いずれ復活するならば「最強の武器」を探しその日の為に伝承していかなければならないと思ったからだった。
プリンセスは、アーサーの後ろ姿を見送りながらいつの日かきっと帰ってくるアーサーの為にも、人々の為にも城・町の再建こそが急務と思った。
そして、4年の月日が流れようとしていた。

その日、城の竣工式が執り行われようとしていた。人々は酒を酌み交わし「これこそが平和の象徴である」と歓びあっていた。
アーサーも近隣の国でその話を聞き、かけつけていた。
プリンセスは、アーサーと再会でき二重の喜びだった。

最強の武器は見つかったのですか
いや、手がかりすら見つかっておりません。しかし、必ずやこの手に納めてみせます。この城とプリンセスの為にも

また、行かれるのですね」と、プリンセスは寂しそうに言った。
アーサーは軽くうなずくだけだった。

一国の王女がそんな寂しそうな顔をしていては民が不安がります、さぁ、笑って
……はい」と、寂しそうな笑顔で答えた。

と、その時、突如暗雲が垂れこめ日の光を遮った。「まさか!」アーサーの頭の中に不吉な予感がよぎった。
暗雲は全天を覆い城は漆黒の闇に包まれ、地の底からは咆哮と言うべき地響きがした。そして、暗雲の中から、魔族が急襲を掛けてきた。

ばかな!ルシファーが復活するにはまだ時間が……

その時アーサーは、実感した「ルシファーではない。別の何者かが魔界を復活させたのだ

兵を呼べ、ここでプリンセスをお守りしろ。その中でついてこれると思う奴はついてこい、打って出るぞ!
そこで向き直り、

プリンセス、お任せ下さい。」そう言い踵を返し敵に向かっていった。
プリンセスは、その後ろ姿をただ見守るだけであった。

アーサーは戦いながらあることに気づいた。

敵の動きが妙だ、間を取り過ぎている。攻撃する意志がないような……しまった、はかったな!

アーサーは、振り返り城を見た。魔族の大軍団が城を攻撃していた。アーサーは城へと取ってかえした。
アーサーは息も絶え絶えにプリンセスのもとにたどり着いた。しかし、時既に遅く、プリンセスは魔物の小脇に抱えられ連れ去られようとしていた。

今、攻撃すればプリンセスを傷つけてしまう」アーサーは、なす術もなく立ちつくしていた。
魔物は不気味な笑い声とともに暗雲の彼方へ飛び去っていった。
町は再び壊滅状態となった。アーサーは、その瓦礫の中に立ちすくんでいた。
そして、あることを実感した。新たなる魔界は、地上を支配する前にその最大の障害となるアーサーを抹殺しようとしているのだと。
そのためにプリンセスはさらわれてしまったのだ。アーサーをおびきよせる囮として。

アーサーは、三度ヤリをとり、単身魔界へ乗り込んでいった。
プリンセスを救う為、そして、今度こそ魔界を消滅させる為に!


(スーパーファミコン版取扱説明書より抜粋)




【操作とゲームの目的、ルール】

十字キーで主人公「ナイト・アーサー」の移動の操作を行う。下を入れるとしゃがみ、梯子のある場所では上下入力で昇降する。

ジャンプボタンでジャンプする。十字キー左右の組み合わせで入力方向へ飛ぶが、空中での軌道修正は基本的に不可能。
よって必ず一定の距離を飛ぶことになるが、ジャンプ中は左右の振り向きに限って制限は無い。
新システムとして、二段ジャンプが採用された。ジャンプ中にもう一度ジャンプボタンを押すことで空中でもう一段ジャンプできる。
方向の指定も出来、右にジャンプしてから左へ切り返してジャンプする…といったことも可能。
なお、歩いて段差から落下する際は、慣性も何もなく垂直に高速で落下する。この状態から二段ジャンプをすることはできない。

アタックボタンで装備している武器で攻撃を行う。
ただし前作では可能だった上下方向への撃ち分けはできなくなっている。

黄金の鎧を装備しているときにアタックボタンを一定時間押し続けてから離すことで、武器ごとに違う「魔法」が使用できる。
ただしゲージが満タンになるまでチャージしなければならないが、後述の盾を装備する事でチャージ速度が上がる。
魔法は発動中は完全無敵で、発動終了後も少しの間だけ点滅して無敵状態が続く。
本作では敵に無敵時間が存在しないため、一部を除き撃った魔法が敵に当たっている間中ダメージを与え続けるので非常に強力。

アーサーは鎧をまとっており、敵の攻撃を1度だけ耐えることができる。鎧の種類による防御力の変化はない。
攻撃を受けると鎧が弾け飛んで裸の状態になり、この状態で攻撃を受けると白骨化してミスとなる。
敵からの即死攻撃は存在しないが、落下した場合やステージタイムオーバー時は即ミス扱いとなる。


【アイテム解説】

◎宝箱

前作同様、ステージ中の特定の座標をアーサーが通過した際に出現する。
出現座標は二段ジャンプが必要な場所であることが多く、時には「崖に向かってジャンプし、戻ってくる」といった行動も必要になる。

ステージの前半後半で、おおむね4~6個ずつ配置されている。
例外的に4面の後半ではステージ構成の都合上一つも出現しない。

中身は鎧、武器、マジシャンに加え、トラップ(トラバサミ)が新たに登場。
これに触れるとダメージとなる上、一度出してしまうと消す手段がないので、進む先に出してしまうとダメージが確定してしまうことも。

なお、中身はランダムではなく「現在身に着けている鎧(と盾)が何か、ステージ中何個目に出した宝箱か*1」で決まっている。
ただし武器はそれ自体で一括りであり、どの武器が出るかはランダム。

マジシャンの魔法を受けると、一定時間アーサーの姿が変わり性能が低下する。アーサーが着ていた鎧に応じて若干の性能差があるが、共通して横移動とジャンプが可能で、攻撃と梯子の昇降は不可。
◯裸
赤ちゃんになる。移動速度低下、二段ジャンプ不可、しゃがみ不可*2と全ての能力低下の影響を受け、さらにジャンプ後の着地時に泣いてしまって1秒ほど動けなくなる。また、変身前同様ダメージを受けるとミスとなる。
◯鋼の鎧
アシカになる。かわいい。二段ジャンプが可能。
◯青銅の鎧
蜂になる。移動速度が低下せず、浮いていて足元の当たり判定がなくなるので比較的敵を避けやすい。溶岩の上も通れるようになるが、足場判定のない針山や穴にはしっかり落ちるので注意。
なお、この形態のみ垂直ジャンプが不可で、十字キーを入れずにジャンプしても勝手に向いてる方へジャンプしてしまう。
◯黄金の鎧*3
女の子になる。かわいい。しゃがみが可能。ダメージを受けても服が弾け飛んだりはせずに裸のアーサーになる。
黄金の鎧の1個目の宝箱にはマジシャンが入っているので、比較的安全なスタート地点でとりあえず女の子になってみるプレイヤーも多いのではなかろうか。

◎鎧(盾)

鎧は全三種類に増えたほか、新たに盾が登場。鎧は宝箱以外からは出現しない。

盾は一部の遠距離攻撃を一定回数だけ防ぐことができ、また魔法のチャージ速度をアップする効果もある。
ただし盾を構えているのは棒立ち時限定。何らかのアクション中(移動・ジャンプなど)は盾を構えていないため、この時に敵弾を食らうと、盾をすっ飛ばして鎧が弾け飛ぶ。

なお、上位の鎧が画面に出現している状態でダメージを受けて裸になり、上位の鎧を取得した場合は鋼の鎧になってしまう。

◯鋼の鎧
初期装備。攻撃を受けて裸になった場合にのみ出現する。

◯青銅の鎧
今作で追加された鎧。鋼の鎧を装備時に宝箱を開けると出現。扱う武器が一律で強化される。

◯黄金の鎧
青銅の鎧を装備時に宝箱を開けると出現。魔法が使えるようになる。
セットで月の盾が装備される。

◯月の盾
オレンジ色の盾。黄金の鎧装備時に盾を失うと宝箱より出現。敵弾を一発防ぐ。魔法のチャージ速度をサポートする。

◯太陽の盾
青い盾。月の盾装備時に宝箱より出現。敵弾を三発防ぐ。魔法のチャージ速度がさらに速くなる。


◎武器

武器は全七種類で一定の敵が持つツボから出現する他、宝箱からも出現する
武器名称は「(裸・鋼の鎧装備時)/(青銅・黄金の鎧装備時)」として表記する。


◯ヤリ/焔のヤリ

初期装備。水平に飛ぶランス。最大で2連射可能。
前作、前々作よりも弾速が落ちており、敵が多く出る場面だとこの欠点が響きやすい。
とは言え威力はそこそこあり、軌道も素直なので武器全体から見れば使い易い部類に入る。
強化後は焔のヤリとなる。攻撃力が1.5倍となり弾速も上がるが、連射不可の単発武器となるため、実質弱体化だったりする。

魔法は『サンダー』。真上からの落雷をアーサーが受け止め、そこから左右に電撃が走る。
単純な軌道ゆえに扱いやすく、複数ヒットが狙いやすいのでダメージの期待値も高い。
反面、斜め上方向に攻撃できないため、空中に浮いている相手に当てるには真下に潜り込む必要がある。
アーサーより低い位置の相手には攻撃できないので、意外と有効ではない場面もそこそこある。
ただし本作では前作よりも無敵時間が延びたので、敵に囲まれた際の緊急回避には有効。

◯ナイフ/光のナイフ

水平に飛ぶナイフ。最大で3連射可能。
威力はやや低いが弾速に優れ、撃つ度に座標がズレるため、少し高い(低い)位置の敵にも当たり、非常に扱いやすい。
強化後は光のナイフとなる。投げた直後に短剣がスクロール系STGのレーザーのような光線となりかなりのスピードですっとんでゆく。
攻撃力が強化されつつ連射性能は据え置きで、さらに貫通性能と地形通過効果が付与される。
魔界村には”貫通武器は連射が利かない分火力は劣ってしまう”というジンクスがあるが、光のナイフは3連射という弾幕と弾そのもののスピードでこれを克服してしまっている。
地形通過効果も4面や6面に登場する壁から現れて蛇行しながらアーサーに迫るバーグラーに対応できて便利。
文句なしに最強の武器であり、この武器を取ると難易度が大幅に低下する。なのであえてナイフを使わない縛りでプレイする人もいる。

魔法は『ファイヤードラゴン』。一度上昇した後に前進し、画面を沿うように折り返していく火竜を放つ。
軌道が独特なため使いこなすには慣れがいるが、クリーンヒット時のダメージ量は最高峰。
しかもその軌道はアーサーの真下や背後以外の画面内を幅広くカバーしてくれる。
空を飛ぶ敵が多い本作では、使いこなせるようになれば画面中の敵の大半を一度に薙ぎ払うことが可能。
さらに強敵レッドアリーマーやほとんどのボスにも有効な軌道をしているので、光のナイフ自体の高性能さも相まって隙の無い武器となっている。

◯ボウガン/追撃のボウガン

斜め上空に向けて二発一対の矢を放つ。最大で2連射可能。
近距離でないと水平方向の敵に対して戦いづらくなるが、高低差のあるステージや空を飛ぶ敵の多い本作では、連射性能や弾速の優秀さも相まってかなり扱いやすい。
ただし一発あたりの威力は全武器中最低。
強化後は追撃のボウガンとなる。攻撃力が強化され、三発一対の光の矢を放つ。連射は不可。ホーミング性能を持ち、画面外の敵に対してもサーチする。
旋回半径と角度に限界があり、標的を外すと消えずにぐるぐる回り続けてしまうことがある。その状態では次弾を撃つことが出来なくなってしまうのが欠点。
特筆すべきは、レッドアリーマーに対する切り札とも言える武器であること。
ノーマルのボウガンでも弾を同時発射するという性質上、片方を避けたところにもう片方が命中するということがザラにある。
よって連射しまくるだけで何もさせずに一方的に倒すこともできる。
追撃のボウガンになれば言わずもがな。このホーミング性能からはレッドアリーマーでも逃げられないので完封が可能。

魔法は『シーク』。特定の座標を通過しなくても、画面内に宝箱が隠れていれば強制的に出現させることができる。
特定のステージにはこの魔法を使わないと出現しない宝箱も存在する。が、黄金の鎧を取っている状態でそこまで宝箱が欲しいかと言うと……。
ただし無敵時間は全魔法の中で最長。ぶっちゃけ防御面ではシールドの魔法より信頼できる
基本的には後述する無敵時間や弾消しなどの副次効果のために利用される魔法である。

◯カマ/真空のカマ

水平に飛ぶ鎌を投げる。連射は不可。ヒットエフェクトは2発分だが、実際は単発分のダメージしか入っていない。
しゃがみながら投げることで地形に沿って飛ぶ特性がある。
強化すると真空のカマとなる。攻撃力が強化される以外は変更なし。
特徴が地味でいまいちパッとしない武器ではあるが、後述の武器で地獄を見たプレイヤーからすれば「水平にまっすぐ飛ぶ」というだけで有難味を感じることだろう。
ただし、武器の強化前後問わずヒット時のみ必ず発生する「敵を切り刻む」というヒットエフェクトが長い。(撃破した場合は発生しない)
このため、硬い敵に対して単発しか撃てない発射数を接近しての張り付き連射でカバーしようとしても限界がある。
この欠点は他の武器には発生しない。*4

魔法は『トルネード』。大きな竜巻を左右一対に発生させ、広範囲を巻き込みながら飛び去る。
とにかく範囲が広く、画面支配力が高いことからかなりの連続ヒットになるためダメージも凄まじいので、雑にぶっ放してるだけでほとんどの敵を倒せる。
もちろんボス戦でも非常に有効。
武器自体は残念な性能の反面、魔法の性能はぶっちぎりの最強であるため、カマの存在意義はこの魔法が全てと言ってもいいだろう。
その代わり黄金の鎧をはぎ取られると地獄を見ることに……

◯オノ/両断のオノ

弧を描いて回転しながら飛ぶ斧を投げる。連射は不可。地獄を見せてくれる武器その1。
回転時の攻撃判定がほぼ見た目通りなため、慣れるまでは直線状にいる敵に命中せずに抜けていってしまうケースが頻発する。
ただこれでも他の使いにくい武器よりはまだマシで、威力はまずまず。
問題は強化した時の両断のオノ。攻撃力が強化され、貫通能力が付与される。のだが……
軌道が大幅に変化し、一旦頭上に大きく飛んで降下した後、正面方向へ蛇行しながら飛んでいくようになる。
色んな意味でぶっ飛んだ軌道のせいで凄まじく使いにくい……というか天井が低かったりすると上昇時に消えてしまい文字通り使えない武器と化す。
しかも強そうな見た目とは裏腹に攻撃力自体も大して高くなく、連射性能の低さも相まってトータルの攻撃力はかなり低い。
そうでなくとも一旦頭上に大きく飛ぶ際の隙が非常に大きすぎる為、横からの敵に咄嗟に対応する事ができない*5
攻撃判定も微妙で、回転している斧の円に敵が接していてもダメージを与えず素通りする事も多い。
トドメになまじ貫通性能があるだけに至近距離で連射することもできないという残念すぎる性能。強化前の方がまだ扱いやすい。
せめて地形貫通とか高耐久の相手には多段ヒットして大ダメージ、みたいな性能があれば……

魔法は『ライトニング』。アーサーを中心に放射状に8本の低速レーザーを放つ。
例によって当たっている間中ダメージを与え続けるが、レーザーの一つ一つが小さいことから他の魔法に比べるとあまりヒット数は期待できず、結果的にダメージ量は小さくなりがち。
しかもレーザーとレーザーの間の隙間が結構広く、うまく当たらないことも少なくない。左右の直線方向に飛んでくれないというのも地味に痛い。
全く使えないというほどではないが、頼りにできるほどでもないなんとも微妙な性能。強いて言うなら下方向を攻撃できるというのが強みか。

◯タイマツ/火柱のタイマツ

たいまつを投げる。地獄を見せてくれる武器その2。
最大で2連射可能。軌道は放物線状で、射程は極めて短いが攻撃力は非常に高い。
また地面に落ちると火炎が地を這って前方に広がる。この火炎は貫通効果があり、耐久力のある敵には多段ヒットする。
強化すると火柱のタイマツとなる。攻撃力が強化され、着弾時の火炎が火柱に変化、上方向への攻撃範囲が広がる。
その特性上、空中ないし高所にいる敵には滅法弱いほか、地面がないステージでは超接近戦を強いられる。
しかもたいまつが地面に着弾する前に敵に当たってしまうと火柱が発生しないので攻撃力は大幅に低下してしまう。
そのため敵を上手く火柱に巻き込むには近付きすぎず離れすぎず、火柱発生までのタイムラグまで計算に入れた精密な間合い調節を強いられる。
それでいてステージ構成的に火柱が活躍できる状況はほぼない。
このように本作随一の扱いづらさを誇るトラップアイテムである。
魔法でもこれらの欠点はカバー不可能であり、特にステージ7をこの武器でクリアするのは縛りプレイの領域。
ただ一つ擁護するなら強化前・強化後ともに火力だけは本物である。
近距離で使いこなすと恐ろしい火力投射量になる。使いこなせればだが……その意味でも縛りプレイ向けか。

魔法は『シールド』。使用後約5秒間、アーサーを中心に3つの魔法弾が高速回転する。
敵弾を防ぐほか、威力は低いが攻撃判定も発生する。ただし魔法弾同士の隙間はわりと広いので、油断していると隙間を抜けた敵弾にやられることも。
これ自体の性能は悪くないのだが、タイマツの攻撃範囲の狭さをカバーできる性能ではないため、総じて使い勝手は良くない。
トルネードやファイヤードラゴンのように上方をカバーしてくれる魔法なら良かったのだが……
また防御主体の魔法にも拘わらず効果時間が5秒というのも微妙という他ない。

◯クロスソード/光輪のクロスソード

L字型の軌道を描いて手元に戻ってくる剣を投げる。地獄を見せてくれる武器その3。
最大2連射可能。1周目のステージ5から登場する。
両断のオノと同じく、一旦真上に飛ぶ軌道のせいで非常に扱いづらい。
強化すると光輪のクロスソードとなる。攻撃力が強化され、貫通能力が付与される。
とはいえ相変わらずの変態軌道が災いし、結局いらない子扱いされがちなのが痛い所。

魔法は『ニュークリアー』。アーサーの頭上で小規模の爆発が連続展開される。
この魔法のみ攻撃判定は見た目通りではなく、なんと画面全体を攻撃できる。
しかし多段ヒットの判定もなく、強化前の武器攻撃一発分相当のダメージを与えておしまい。
低耐久の雑魚の群れを一掃したい場面では有効だが、耐久力のある相手との戦いでは全く役に立たない。
余計な気を利かせずに、他の魔法同様エフェクト通りの攻撃をしてくれた方がよっぽどありがたかった。

+ 2周目には…

◯最強の武器(女神の腕輪/プリンセスの腕輪)

2周目専用の武器。プリンセスが愛用している腕輪。連射は不可。
波動弾を撃ちだし、一定距離を飛ぶと消失する。前作のサイコキャノンの下位互換的性能となっている。
弾の出始めほど攻撃力が高く、至近距離では火柱のタイマツを遥かに上回る威力を発揮する。
黄金の鎧を装着した状態では飛距離が伸び、敵弾を消す効果が付与される。前作同様魔法は使用できない。
2周目にて、黄金の鎧装着時のみ宝箱から出現する。この時、太陽の盾を装備していると多少出易くなる。

◎その他


  • 銅像
2種類の銅像があり、得点ボーナス。
アーサーの像は1UPアイテムだが、同一ステージ内で大量の銅像を取得する必要があるため普通にプレイしているとまずお目にかかれない。
いずれもツボからのみの出現となる。

  • ドル袋
色の違う2種類のドル袋がステージに点在し、得点ボーナス。
一定数取得することでコンティニュー時のクレジットが増加する。*6

  • ワナ
宝箱より出現。銀色のトラバサミが展開される。触れるとダメージ。


【ステージ解説】


◎1面 呪われた墓場~暗黒の密林


人骨で埋まった墓場を行く。地鳴りとともに頻繁に地形が変化する。主な敵はゾンビ、ワードッグ、スカルフラワー
特にゾンビは動きこそ緩慢なものの、地中・空中問わず棺桶とともに無限に出現し行く手を阻む。
燃える茎に髑髏の頭のスカルフラワー、凶暴化した野犬ワードッグを蹴散らし、降り注ぐ骸地帯を越えると海岸が見える。
特定のポイントに差し掛かると背景から大波が襲いかかってくる。
大波は二枚貝の化け物シェールを残し、貝殻を開いて目玉を飛ばしてくる。
海岸を抜けると不気味な魔界植物ローズバッドが多数出現する密林に入る。
再び地形の変化が起こり、魔界に漂う魂を運ぶ荷車ベリアルが斜面を滑車の要領で転がってくる。

ボスは魔界軍突撃部隊の指揮官、巨鳥・コッカトリス
空をゆったり飛び、時折首を伸ばしてつつき攻撃を仕掛けてくる。口から吐く卵からはミニウィングが出現し、体当たりをしてくる。
弱点は頭部。ボウガンならジャンプしなくても連打しているだけで倒せる。

◎2面 幽霊船~狂気の海


半壊して沈没しかけている幽霊船を進む。
無数の人魂が浮遊しており、回転を始めると元乗組員のゴーストに変化して襲いかかってくる。
帆けたにはギロチンが揺れ動いており、破壊は不可能であるためタイミングよく回避していかねばならない。
船の後部には宝箱に擬態しているミミックが数体おり、ニセ宝箱から飛び出してくる。
筏に乗ると強制スクロールステージの海上に出る。
トビウオの化け物フライングキラーが体当たりを仕掛けてくるほか、吸血珊瑚が進行の障害となる。
吸血珊瑚にはイソギンチャクの化け物ハンニバルが張り付いており、ヒトデ弾を吐いて攻撃してくる。
背景に半魚人セイレンが出現すると、次の荒波のタイミングで水中から現れる。弾を吐いて攻撃してくる。
筏をいくつか乗り継ぐと巨大な滝の水門に行き当たる。

ボスは魔界海底軍の将軍、フジツボの鎧と渦潮を纏った蟹の怪物・ストームチェザリス
脚を高速回転して発生させた渦潮で自在に浮遊しつつ不定期に巻き貝ミサイルを連射してくる。巻き貝の発射タイミングはほぼランダムであり、パターン化しづらい。
弱点は顔。高難易度だと避けきれないタイミングで襲ってくる事がある。

◎3面 溶鉱炉~溶鉱の塔


洞窟内に展開された溶鉱炉を下って進んでいく。溶鉱に触れるとダメージ。
溶鉱炉からは赤い小悪魔ファイヤーキラーが出現し、その向こうでは赤い魔熊グリリアンが炎を吐いて攻撃してくる。
足場を飛び移って進み、溶鉱の塔手前の中間地点でアリーマー族のエリート戦士レッドアリーマーエースが初登場。
溶鉱の塔では螺旋状の足場を進む。画面外から定期的にコウモリが出現し、溶鉱の塔側面部にはガーゴイルの像が飾られている。
終盤ではそれらが出現しなくなる代わりに、塔から小鬼プチゴブリンが出現するようになる。

ボスは魔界第一軍総司令である巨大なイモムシ・デスクローラー
アーサーの周りを高速回転しながら迫り、石つぶてを吐く。
吐いた石つぶては時間差を置いて画面外から飛来する。弱点は頭部。

◎4面 魔物の腹


巨大な魔物*7の体内を進行していくステージ。
壁面からは中途半端に消化された死に損ないの悪魔イーグラーが出現し、蛇行しながら飛ぶため、事故が起きやすい。
緑の炎をまとうスカルフラワーマルチが点在しており、1面よりも耐久力が高くなっている。
壁面が変化しだすと全域に棘が現れる。足場に乗って回避すると画面が回転して向きが変わり、進行方向が変化する。
後半部は生物的なリフトに乗って進行する場面に差し掛かる。
巨大な魔物の消滅細胞が浮遊し、青い小悪魔ブルーキラーも出現する。
前述のとおりこのエリアは宝箱が一つも出現しないため、ここでミスをすると鋼の鎧での攻略を余儀なくされる。
前半・後半共にぐりんぐりん画面が動くため、画面酔いでダウンするプレイヤーも意外と多い。

ボスは魔物心臓部の守護者、三つ首龍・ヒュードラ
火の玉を吐いたり竜人に変身・分裂して体当たり攻撃を仕掛けてくる。弱点はそれぞれの首(頭部)。

◎5面 永久凍土の森~雪原地帯


吹雪の吹きすさぶ樹氷を登っていく。
吹雪を吐くグリリアンの亜種ウーと魔界植物フラ・ワラワスが主な敵。
一部鋭くなった氷があり、ダメージを受けぬようジャンプして回避していく必要がある。
氷の洞窟内では急成長する氷柱状の触手アイシングと、初代以来のフライングナイトが出現。
ノンストップで進行するのはリスクが大きく、それぞれを的確に対処していくことが求められる。
洞窟の出口際にはレッドアリーマーエースが待ち構えている。
後半部は雪原地帯。魔界の狂犬マッドドッグはジャンプだけでなく高速突進も仕掛けてくる。
地鳴りのエフェクトが発生すると、坂の上の方から雪崩が降り注いでくる。
直接ダメージを受けるわけではないが、巻き込まれると行動不能になり、強制的に押し戻される。
穴の空いたポイントや鋭い氷の付近で雪崩に巻き込まれると連続してミスに結びつく可能性が甚大である。

ボスは魔帝城の門番、氷の魔人・ベールアロケン。氷の甲冑に身を包み、上半身だけで宙を浮遊する。
4本の腕をブーメランのように飛ばして攻撃してくるほか、アーサーを凍りつかせて一定時間行動不能にする氷の分裂弾を放ってくる。
弱点は頭部。ふわふわ浮いているので非常に狙いづらい。尚、凍ってしまった場合はボタン連打で早く解除できる。

◎6面 魔帝の居城


城の第1エリア。ステージこそ短いものの、レッドアリーマーエースが3体配置されており、連戦となる。
壁からコッカトリスの首が生えており、首伸ばしで攻撃してくる。壁面からはイーグラーも出現する。

ボスは魔界村でラスボスだった大魔王アスタロト
前作と同じく前座の再生怪人で腹部より火炎放射攻撃をしてくるほか、口からレーザーを放つようになった。
弱点は頭部。離れて攻撃と攻撃の合間を狙えば苦戦はしない。

◎7面 妖魔回廊


魔帝サマエルの部屋に続く回廊。梯子を登って進んでいく。
壁面からコッカトリスの首とブルーキラーが攻撃を仕掛けてくるが、足場が狭いため対処に時間がかかりやすい。
およそ中間となるポイントで最後のレッドアリーマーエースが鎮座しており、それを抜けて梯子を登ると小部屋。
前作5面のシールダーのように、両サイドの壁から生えた2体のコッカトリスを同時に相手する。ここのコッカトリスのみ弾を吐いて攻撃してくる。
コッカトリスを倒すと壁が崩れ去り、ゴーストとミミックの複合地帯を抜けるとボス。

ボスは大魔王アスタロトと、魔界軍参謀本部元帥の超魔王ネビロス
アスタロトは6面と同じだが、倒すとネビロスが出現して連戦となる。
ネビロスはアスタロトの色違いだが、射程と範囲が強化された火炎放射や、極太レーザーが武器。
ネビロスの炎は地面に触れるまでどこまでも伸びていくが、黄金の鎧による波動弾なら消せる。すぐに次の炎が伸びてくるので意味がないことも多いが。
弱点はアスタロト同様、頭部。
段差の下でしゃがんでいると、ネビロスの攻撃は一切届かないのでひとまず安全。ただし時間切れには注意。追撃のボウガンを持っていれば、ここで撃っているだけで一方的に倒せてしまう。

+ ネビロスを倒し、鍵を取得すると…
  • 1周目では、プリンセスから「魔帝サマエルを倒すには女神の腕輪が必要であり、さらわれてくる道中に腕輪を隠してきた」というメッセージを伝えられる。難易度の上昇した2周目1面から再スタートする。
  • 2周目では、腕輪を装備していないと「探してこい」と6面に戻される。腕輪を装備していれば8面へ。

  • ◎8面 魔帝サマエルの部屋

画面に収まりきらないほど巨大な魔帝サマエルと戦う。
口からは放射状にレーザーを乱射する。
腹部からは円盤状の氷を射出する。この氷は当たり判定はなく、ジャンプで飛び乗ることができる。
弱点は顔だがジャンプでは攻撃が届かないので、上記の氷を足場にして昇らなければならない。
ネビロスに比べると拍子抜けするくらい弱いのは内緒だ。
裏技のステージセレクトから直接8面に飛んだ場合、実は腕輪がなくても倒せるのはもっと内緒だ。


【テクニックやバグなど】

  • 二段ジャンプ撃ち
二段ジャンプしてからアタックボタンを押すと、アーサーが前方宙返りしながら武器を投げる。この時の武器は点滅しており威力が上昇している。
ただし一度の二段ジャンプで2回目以降に投げたものや、二段ジャンプの頂点を超えてから投げたものでは発動しない。
なお、火柱のタイマツのみ何故か威力が低下する(おそらくバグ)。

  • チャージ中に攻撃する
魔法のチャージが完了するまでの間は、もう一つのアタックボタンで攻撃ができる。
魔法をチャージしつつ攻撃するときに便利。

  • 宝箱の中身が無い
黄金の鎧+太陽の盾(最強装備)時に発生しやすい。
宝箱の中身を取得せずに次々に開けていくと、5個目の宝箱を開けても破壊エフェクトの後に何も出現しない。

  • 魔法の無敵時間
全ての魔法は発動した瞬間からアーサーの半透明グラフィックが消えるまで無敵時間が発生する。
前作よりも無敵時間は遥かに長く、行動可能な時間すら用意されている。

  • ボウガン弾消し
追撃のボウガン時、前述したように放った弾が飛び回ってしまい次の攻撃が出来ない時がある。
この場合、スクロールアウトさせるか魔法を使用すれば弾が消え、即座に次弾を放てるようになる。

  • NICE CATCH!
鍵を取得する際に方向キーを上に入力したままジャンプ等で取得すると「NICE CATCH!」と表示される。

  • 雪崩無敵バグ
5面後半でボウガンの魔法(シーク)を使いながら雪崩に巻き込まれると、アーサーの食らい判定が消失するバグがある。*8
具体的には2回目の雪崩が巻き込まれても穴に落とされたりしないので、ここで実行可能。
成功するとアーサーの移動速度が少し速くなるオマケ付き。

この手の無敵バグとしては条件が運次第なところがある上、ステージクリアで解除されてしまうため期間も限定的であり、ぶっちゃけ小ネタレベルのバグ。
とはいえ、5面以降は道中もボスも、ボウガンだとかなり楽に攻略できるので機会があれば狙ってみるといいだろう。


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最終更新:2025年03月11日 22:43

*1 ミスした場合カウントは1個目にリセットされる。

*2 体が小さいので常時しゃがんでいるようなものだが。

*3 盾の装備状況は問わない。

*4 貫通武器は地形や天井などの利用や、画面端のスクロール限界等を攻撃対象の背後に挟むことによって解消可能。たいまつに関しては地形への着弾前を当てることで画面内の発射判定が即消える。

*5 一応、出始めは至近距離なら横にも攻撃判定が出るが、自殺行為に近い。

*6 クレジット増加の判定はあくまで取得した数であるため、どちらのドル袋でも構わない。

*7 その魔物はゲーム内では何者なのか不明だが、説明書の挿絵によると肋骨がむき出しになったドラゴンのような魔物の死骸らしい。

*8 ただし、穴に落ちれば当然死ぬし、盾の敵弾を防ぐ判定は残っているため、ウーの吹雪やボスの分裂弾で盾だけ破壊される事がある。