フラッシュ/ジェイ・ギャリック

登録日:2020/05/09 Sat 17:26:19
更新日:2024/01/10 Wed 09:15:36
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「フラッシュ(Flash)/ジェイ・ギャリック(Jay Garrick)」はDCコミックスのキャラクターで1940年に初登場した。
初登場は『Flash Comics』#1。
羽の付いたヘルメットと赤いシャツが目を引くDCコミックス初のスピードスター。






【概要】

伝説的SFライターであるガードナー・フォックスが生み出したキャラクターの代表格にしてフラッシュの伝統の始まり。
当時のDCでは珍しく科学によって力を得たヒーローで、力がスピードになったのは会議で選ばれたからだという。
しかしそのスピードは無限に可能性を広げていき、フラッシュが人気になるのに一役買うことになった。

『Flash Comics』#1でデビューすると、当時は少なかった個人誌『All-Flash』を獲得しグリーンランタンと人気を争った。
また『All-Star Comics』にも出演し、ヒーローチーム『ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ/JSA』の一員として活躍した。
その後50年代に入ると多くのヒーローと同様に誌面から姿を消してしまい、その存在は過去のものになっていた。

しかし自分の名を継いだフラッシュ(バリー・アレン)の登場で、時代はコミック第2の全盛期シルバーエイジに突入。
そしてガードナーが手掛けた1961年の『The Flash Vol.1』#123でパラレルアースの住人として再登場を果たし、
『DCユニバース』のマルチバース化とゴールデンエイジのヒーローの再登場の先駆けとなった。
それからは再び『JSA』で活躍しつつ、バリーのサポート役を担うことになった。

クライシス』を経て設定が大きく変わると、若返りの方針から他の『JSA』メンバー共々再び誌面から姿を消すも、
1991年の『Armageddon 2001』で復活、新たなフラッシュ(ウォリー・ウェスト)のサポート役として活躍するようになった。
そして1999年からは『JSA』が完全復活し、ジェイもその中心メンバーとして活躍した。

フラッシュポイント』を経て再び設定が大きく変わると、リメイクされ『Earth-2』の人物とされていたが、
『DC Rebirth』から従来のジェイが再登場している。



【人物】

本名…ジェイ・ギャリック(Jay Garrick)

キーストーンシティ大学の学生だったジェイは、硬水もしくは重水の実験中に発生した気体を吸い込んだ。
目が覚めると超スピードを操れるようになっていた彼は、当初その力をフットボールに役立てていたが、
パルプマガジンのウィップ・ホイールウィンドの影響もあり、人助けをしようとフラッシュを名乗り活動を開始した。

コスチュームは羽の付いたヘルメットに稲妻マークの赤いシャツ、シンプルな青いスラックスというラフなもの。
ヘルメットは父親が大戦中に使用したもので、羽飾りはギリシャ神話の一柱ヘルメスを意識している。
このヘルメットを傾けたりして挨拶するのが決めポーズで、時に投げたり衝撃波を放つのに利用することもある。
活動初期から顔をさらしていたが、当初は超高速で顔や声帯を動かし正体をごまかしていた。
下半身周りのデザインはまちまちでスラックスにも稲妻マークが付くことがあれば、靴にも羽飾りが付くことがある。

超スピードを操ることが可能で、他のスピードスターと同様にスピードを利用して様々なパワーを発揮する。
最高速は音速程度だったが、後にマルチバースに渦巻くエネルギー『スピードフォース』とつながることでパワーアップした。
ただし寄る年波には勝てず、他のスピードスターと一緒に走ると1人遅れる姿が見受けられた。
その代わりに彼のスピードは元々彼自身の能力であるため、例え『スピードフォース』に異変があってもスピードを維持できる。

心優しく柔軟な人物で、初遭遇したバリーともすぐに打ち解け、マルチバースの存在もすぐに受け入れた。
また若い世代との向き合い方を理解しており、不幸に見舞われた若いヒーローを何度も支えている。

主にキーストーンシティで活動しており、私生活では大学時代の恋人ジョーン・ウィリアムズと結婚している。
科学者として職を得ており、その知識はヒーローとしても役立てている。
第二次世界大戦前の生まれだが、魔術師イアン・カークルの呪いとスピードの力で50~60代を保っている。



【主な活躍】

【ゴールデンエイジ】

1940年の『Flash Comics』#1で初登場。そのスピードを活かしてシェイドやフィドラー、シンカーといったヴィランと戦った。
またヒーローチーム『ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ/JSA』にも参加し、一時離脱するもメインとして活躍した。
その後『All-Star Comics』#57を最後に姿を消したが、後に赤狩りの時代で正体を公表するよう求められ引退したことになった。


【シルバーエイジ】

当初ゴールデンエイジの出来事は劇中劇だとされていたが、1961年の『The Flash Vol.1』#123で年を重ねた姿で再登場。
マルチバースの1つ『Earth-Two』の存在だったとされ、フラッシュ(バリー)との接触を機に再びを戦いを開始する。
復活した『JSA』で活躍しながら、バリーや後輩チーム『JLA』と共闘・交流を重ねた。
また第二次世界大戦中の出来事が保管され、細かな矛盾点の解消や『オールスター・スコードロン』での活躍が描かれた。


【ポストクライシス

『クライシス』によって『Earth-Two』は『Earth-One』の歴史に統合され、ジェイもその一部となった。
その直後ヒトラーが引き起こしたラグナロクを止めるため、他の『JSA』メンバーと共にアスガルドに旅立つことになった。

しばらくして『Armageddon 2001』の後日談で再登場を果たし、他の『JSA』メンバーと共に現代に帰還。
『JSA』としての活動を再開させつつ、フラッシュ(ウォリー・ウェスト)のサポート役として活躍する。
その後『Zero Hour』でメンバーが年老いるか命を落として『JSA』は解散したが、
スピードを操る能力のお陰で若さを保ちウォリーのサポートを続けた。また『JLA』にも協力した。

そしてサンドマン(ウェズリー・ドッズ)の死をきっかけに『JSA』が再結成し、中心メンバーとして様々な事件を乗り越えていった。
終盤にはMonument Pointという街で大きな被害を出したため、その責任と市民の頼みでMonument Pointの市長に就任し、
市長とヒーローの2つの顔で街を守り『フラッシュポイント』を迎えた。


【ポストフラッシュポイント

『DCユニバース』全体の歴史が変更され、ジェイは現代的にリメイクされ、マルチバースの1つ『Earth-2』の人物とされた。
その後『DCユニバース:リバース』で『JSA』の存在が示唆され、『バットマン/フラッシュ:ザ・ボタン』で一瞬再登場した。

+ 最新のネタバレ
『Doomsday Clock』において、Dr.マンハッタンの介入で他の『JSA』メンバーと共に存在を抹消されたことが明らかになった。
その後『ジャスティス・リーグ』と『リージョン・オブ・ドゥーム』の最終決戦で第二次世界大戦中の存在として再登場、
そして『Doomsday Clock』最終話、スーパーマンとの接触によって考えを改めたDr.マンハッタンの手で現代に復活した。



【関連人物】








【主なメディアミックス】

  • アニメ『バットマン:ブレイブ&ボールド』
声…アンディ・マイルダー 吹…檜山修之
バットマンと様々なヒーローのコンビ/チームの活躍を描いたアニメ作品。第15話アバンや第31話、第41話に登場。
第31話では『JSA』の一員として登場し、後輩のバットマンとブラックキャナリーを導いた。
第41話ではフラッシュ(バリー)が姿を消した街をキッド・フラッシュ(ウォリー)と守っていたが、
バットマンの協力でバリーを捕らえたリバース・フラッシュの存在を暴き、彼を倒してバリーを救うことに成功した。

  • ドラマ『THE FLASH/フラッシュ』
演…ジョン・ウェズリー・シップ 吹…江原正士
2014年から始まったフラッシュ(バリー・アレン)の活躍を描いたドラマ作品。『Arrowverse』の1つ。
2ndシーズン第1話からジェイを名乗る若い男性が登場したが、その正体はメインヴィランのズームの変装だった。
そして最終話で本物のジェイが登場、その顔は戦いの中で命を落としたバリーの父ヘンリーと瓜二つだった。
以降、出身地の『Earth-3』のフラッシュとして活躍しながら、バリーのサポートをしている。
演じるジョンは1990年のドラマ『超音速ヒーロー ザ・フラッシュ』でバリーを演じていた。



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最終更新:2024年01月10日 09:15