SCP-3693

登録日:2020/05/24 Sun 21:51:52
更新日:2024/05/14 Tue 08:37:41
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わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。
しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう。わたしの知るところは、今は一部分にすぎない。
しかしその時には、わたしが完全に知られているように、完全に知るであろう。
新約聖書 コリントの信徒への手紙一 第13章12節



SCP-3693は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト
収容クラスはEuclid。
撹乱クラスは1/DARK。
リスククラスは1/NOTICE。
命を脅かす危険性がないとされる安全なオブジェクトである。
項目名は『Postscript - Through A Glass, Darkly(後記 - 鏡によりて幽に)』。


説明

SCP-3693は、セラミック製で構成された、高さ1.6mの女性像。若い女性がモチーフとなっている。

このオブジェクトは、目を瞑った人間にのみ"視認される"という特異な異常性をもつ。どうやら目を瞑った人間だけにしか影響を与えられず、この状態でも他の壁や障害などは視認出来ない。あくまで女性像だけが視認できる。
監視カメラ等の視覚的記録機器にも写らず、そもそも普通に目を開けていてはこのセラミック像を確認出来ないので、収容プロトコルとして、



  • サイト-19の安全保管庫に収容する
  • 常に観察者1人が、収容庫に隣接する窓付き観察所から監視する
  • 何か異変があったら報告する



となっている。
SCP-3693自体が完全に自律しており、移動の際は地面から数cm浮遊して移動する。また観察すると、直ぐ様観察してる人に近づき顔を向けてくる。基本的にはこれだけである突然目を瞑って変な像が目の前に現れたら、それはそれでビビるけど

ちなみに観察者とSCP-3693との間に壁や障害物を挟むと、SCP-3693は障害となっているモノの前に移動し、観察者と最も近い位置で顔を向けてくる。

また、観察者はどうやらSCP-3693に見つめられているかのような圧迫感があるらしく、長期間の観察によってある程度の不安感も覚える。

こんな摩訶不思議な像だが、これまでの記録で財団職員に敵対的な行動をとったことは一度もない



補遺3693.1: 発見

SCP-3693は、1995年日本の端島に存在する廃倉庫の地下室にて、偶然発見された。
当初、"元恋人に殺害された女の幽霊"の噂を聞きつけた財団が、ガラスの間仕切りに押し付けられたような状態で発見されたが、初め財団エージェントは気にもせずに捜索を続行した。

すると目を閉じている時に後に付いてきたことからこのオブジェクトの異常性が判明したのだった異常性に気づいたエージェントの人、絶対ビビっただろうな

後の調査で、幾つか気になるものが回収された。


大量の砕けたコンクリート片と捻じれた鉄筋

血液と糞便で詰まった複数の床排水溝

首の折れた女性の死体



その後、SCP-3693をサイトへ移動させた後に財団エージェントが捜査を続けるために倉庫へ赴いたのだが、地下室が消えてしまっていた。
そもそも地下室があった痕跡すら消えてしまったため、財団は回収された死体の身元調査を進めている。

元ネタ

あからさまな文が並べられて、気づいていない人は流石にいないであろう。
このオブジェクトの元ネタはSCP-173である。しかしながら、その性質は見事に逆向きであり、SCP-3693にいたっては完全に無害であるSCP-173が文句無しの危険物なため益々際立って見える
また、あるようでなかった、SCP財団の始まりとも呼べるSCP-173をモチーフとした記事であることも注目すべき点であろう。


さすれば瞼を透かして視よ。其もまた汝を幽に視ている。


追記・修正はSCP財団の原点に立ち返ってからお願いします。


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最終更新:2024年05月14日 08:37