薬売り(モノノ怪)

登録日:2012/01/16 Mon 17:18:47
更新日:2025/03/17 Mon 18:00:37
所要時間:約 4 分で読めます




ただの薬売り ですよ


薬売りとは、アニメ作品『怪〜ayakashi〜』の1エピソード、『化猫』の主人公。
『モノノ怪』でも主人公を務める。

CV櫻井孝宏(テレビ版)/神谷浩史(劇場版)


【目次】


【概要】

物語の主人公であり、狂言回しである薬の行商人(いわゆる「越中富山の薬売り」)。
決して本名は名乗らず(項目冒頭のように「ただの薬売り」とだけ答えるのみ)、素性は謎めいている。

見た目は白面の美青年。灰色の長い髪、尖った耳に隈取りのような化粧、を意匠化した着物に薬箱を背負う、ごくごく普通の薬売りルックのお兄さん。
もう一つの顔として、退魔の剣を振るってモノノ怪を祓う退魔師のような事も行っている。
条件を揃え退魔の剣を抜くと、モノノ怪を討伐する戦闘モードへ変化、褐色の肌に金色の装束を纏い、肌には金色の模様、黒い白目に赤い瞳という姿になる(通称「ハイパー薬売り」)。


何故か作中の時間が経過していようと、彼が姿を変えることはなく、江戸時代頃から近代まで同様の姿で現れる。
(近代が舞台になる「化猫(モノノ怪)」では、その衣装からちんどん屋などと勘違いされることも)
え?「TVアニメと劇場版とで声とデザインが違う」? そんなことは管轄外だ








斬りに 来たんですよ

――モノノ怪を、ね


【装備】

  • 薬箱
背負った薬箱。多様な薬やモノノ怪退治に用いる道具を入れて運んでいる。
合法な品ばかりだが、媚薬やら春画やら怪しげな亀の置物(首が伸び縮みする)なども入っている。

簡単な結界を張ったりするために使われる。
中央に「閉じた目」が描かれており、効力を発揮する際には目が開く。

  • 天秤
薬の量を測る天秤。投扇興の的のような形が特徴的。
だがこの道具の本質はモノノ怪探知器。モノノ怪を感知するとそちらへ傾く。
薬売りが背負う箱から何体も出てくる。かわいい。

手のひらサイズの丸い。一見普通の鏡だが、巨大化する。


●退魔の剣


――よって皆々様の真と理、お聞かせ願いたく候


薬売りが携えている、モノノ怪を斬り祓うことのできる武器。
見た目は鞘に納められた短刀だが、言ってみれば「和風ライトセーバー」。
刃は相手の規模に合わせて自在に伸び縮みする。

ただし、鞘から剣を抜くにはモノノ怪の「形」「真」「理」の3つを揃え、その実体を解き明かさねばならない。
条件が満たされぬ状態だと大の男が本気で引っ張っても決して抜けない。
柄頭には「笑う(にっと歯を見せている)鬼」の意匠が施されていて、条件が1つ明かされるたびにカチンと歯を鳴らしている。

  • 形…妖怪の姿
今、モノノ怪騒ぎを起こしている存在が何か、妖怪の名前
  • 真…事のありさま
アヤカシがモノノ怪に転じ襲いかかる理由、過去の出来事
  • 理…心のありさま
アヤカシをモノノ怪へと転じさせた人の情念や怨念、縁などの強い感情


海坊主の第二幕(4話)にて、モノノ怪とは「人を()のように祟る荒ぶる神(モノ)」、「人ならざる異界のモノたち(アヤカシ)が激しい情念・怨念と結びついて生じる」と解説されている。
このため、モノノ怪は「形」「真」「理」の3つの要素で構築され、それらを解き明かすことで退治する条件が揃い、剣が抜けるというわけである。

なお、描写から察するに、「退魔の剣はモノノ怪特効であるが、アヤカシには意味をなさない」。
アヤカシは呪符の類で封印・退散させられるが、形・真・理が揃わないため剣は決して抜けないからだ。
現に、「海坊主」中盤に船上に現れたアヤカシ・海座頭に対し、彼は何も抵抗していない。




解き、放つ

― 解 キ 放 ツ ―

【薬売りの遭遇したモノノ怪】


●化猫(妖〜ayakashi〜)

化猫を参照。
このときはまだ、若干弱さを見せるようなキャラであった。
あと、割と口が悪い。


●座敷童子

一晩の宿を求めて宿にやってきた薬売り。
かつては遊廓だったその宿において、彼はモノノ怪の気配を感知する。
赤子の姿をしたモノノ怪に隠された真実。
悲しく重いその理を知り、彼は退魔の剣を抜く。


●海坊主

旅の途中、商人が持つ船に乗船した薬売り。
そこで彼は、化猫事件で出会った加世と再会する。
だが、その船を怪異が襲った。魚頭の妖怪が船客に問いかける。
「お前が本当に恐ろしいものは、何だ?」
その問いに答えると、答えに関する恐ろしい幻覚を見せられる。パニックになる乗客たち。
そして薬売りにも問いが突き付けられる―。
彼が見据える、真のモノノ怪とは?
乗客の一人に隠された暗い過去とは?
それが全て明らかになったとき、退魔の剣が抜かれる……。

●のっぺらぼう

売っていた薬にいちゃもんをつけられ、投獄されてしまった薬売り。
そこで彼は、嫁ぎ先の一家を惨殺した罪で死刑になるという女性に出会う。
真実を問う薬売りだが、彼女は口を開かない。
そんな時、狐面の男が現れた。
彼女を助けようとする謎の男に、薬売りは翻弄される。
退魔の剣が反応しない、この男の正体は?
そして、一家惨殺事件の真実とは?


●鵺

平安貴族の間で愛されたという、「東大寺」なるお宝。
それを巡る利き香勝負の場に、なぜか姿を現す薬売り。
優勝候補と目された男が姿を見せないまま、利き香勝負が始まる。
香にまったく興味のない素振りをする薬売り。
彼がこの場に現れた理由。
まったく顔を見せない、司会を務める女。
いつまでも現れない、優勝候補の男。
全ての謎が明らかになるとき、おぞましい化け物が姿を現す……!


●化猫(モノノ怪)

時代は移り変わり、文明開化の世。
開通した地下鉄の記念運行の場に、薬売りが現れる。
笹岡によく似た新聞記者や、加世によく似た少女らを乗せ、汽車は走り出す。
だが、乗客が異常に気づく。いつまでたってもトンネルから抜けないのだ。
やがて汽車は怪異に襲われる。
薬売りに聞かれるまま自らの罪を告白する乗客。
そして、彼はいつかのように呟いた。
「これは……化猫だ」



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最終更新:2025年03月17日 18:00