ライトセーバー

登録日:2014/06/16 Mon 01:45:23
更新日:2025/04/19 Sat 11:33:04
所要時間:約 35 分で読めます





「君のお父さんのライトセーバーだ。ジェダイの騎士の武器だよ。
ブラスターのような野蛮なものじゃない。洗練された武器だ……
……もっと進んだ時代のためのな……」

画像出典: スター・ウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望 1977年公開
製作会社:ルーカスフィルム 配給:20世紀フォックス
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ライトセーバーとは、映画スターウォーズシリーズに登場する作品の代名詞的武器である。
現在いろいろで登場している、刃部が光束で構成されている剣の草分け的な存在。



◇概要

スターウォーズの世界において銀河の平和を守るジェダイの騎士と、それに敵対するシスの暗黒卿、ダークジェダイが主に使用している。
無益な破壊や殺戮を好まないジェダイが、自身の手で制御できる武力として作り出した背景を持つ。

柄のスイッチを押すと光の刃が出力される。
刃部は高熱のプラズマ体が閉じ込められたアークウェーブの力場で、そのままでは熱もほとんど発しないが、固体に接触すると力場に穴が開いてプラズマが流れ出し、あらゆる物体を焼き切る。
その切れ味は絶大で、人体はもちろん大抵の金属製のドロイドや戦艦の壁をほとんど手応えなく切断、防爆隔壁でも融解させる。
また実体剣と違って刃の向きが無いものが一般的なので、基本どの方向にも斬る事ができる。
そのため、熟練者であれば「鍔迫り合いの状態から刃を捻って相手の腕を切断して無力化」といった芸当も可能。

正確には「斬る」のではなく「超高速で焼き溶かす」ものなので、生物を切断した場合、傷口を焼くため出血がほとんど無い*1のも特徴。
そのため斬られた相手が 失血死することだけは有り得ず *2、あえて傷口に光刃を押し付けて急場の止血にも使える。

クリスタルがプラズマを集め、エネルギー回路を通して作り出すビームエネルギーは整流されて光刃となる。
プラスに帯電した光刃は約1メートルほど伸びた後、光刃投射装置をリング状に囲む部分にあるマイナス極を通して
エネルギーがパワーセルに戻ることで回路が完成し、効率よくエネルギーが循環する仕組みになっている。
プラズマを光刃の形に集中させる装置が設計ミスや破壊工作などで逆向きに取り付けられていると、即座にエネルギーが暴走して爆発する。

光刃の威力は凄まじく、殆どの物質を斬れるが無論例外も存在する。
まず、光刃と同じくエネルギー力場で構成されるものは干渉・反発するため、斬れない。
光刃のアークウェーブ力場の強度は非常に高く、剣の達人同士が力いっぱいぶつけ合ってもプラズマ体が漏れた事はない。
そのためライトセーバー同士やエレクトロスタッフなどのエネルギーの武器で打ち合えばぶつかり合うし、鍔迫り合いも起きる。
希少ではあるが「コートシス鉱」や「フリク(惑星グラマス16で採掘)」のようなライトセーバーの光刃が効かない物質もある。エレクトロスタッフは後者を素材として、柄でも光刃を防げるようになっている。
巨大怪獣ジロ・ビーストに至っては、単純な硬さで光刃を跳ね返してしまった*3
近年のものではドラマ『マンダロリアン』に登場する「ベスカー鋼」がライトセーバーによる背後からの不意打ちすら防ぎきっている。

エネルギーシールドやブラスター(光線銃)の弾も切断出来ずに弾いてしまう。
しかしブラスターの弾は打ち返せるため、攻防一体の武器として活用することができる。
シスが使う「フォースライトニング」も刃で受け止める事が出来る。
フォースを極めていないジェダイにとっては対シス戦の大きな助けになる。

ヴェイダーと決闘したウィルハフ・ターキンの分析によると、ビームではない火薬式実体弾の銃や、火炎放射器なども有効とのこと。
ただし、実体銃弾は反射されないだけで光刃に当たれば蒸発する=普通に防げるし、火炎放射器はフォースの念動力で直接破壊する、または火炎そのものをフォースで押し返すことで対処されている。

原則近接白兵兵器だが、ライトセーバー自体を投擲し、その軌道をフォースブーメランのように操ることで遠距離攻撃も可能。
ただ、
  • ジェダイは「ライトセーバーを手放すな」と徹底的に躾けられるため、投げる=手放すことを忌避する傾向が強い
  • 安全装置の一環でスイッチを押しっぱなしにしないと光刃が出ないセーバーも多い*4
  • 投げている間は当然ながら自分が無防備になる
  • 敵が対処出来ないほどの超高速で投げつけるのはフォースを使っても難しい
  • そもそも遠距離攻撃がしたければ転がっているブラスターを拾うなり瓦礫をフォースで投げるなり効率的な手は他にもある*5
などの問題もあり、ジェダイもシスも
  • セーバー投げが得意な者*6
  • 複数のライトセーバーを備えている者*7
  • 反撃を考えなくて良い場合*8
などでなければ、この手の技は使わない。
といった次第で、作劇に支障を来さないように、使わない理由を色々と設けている*9

周囲の環境に左右されずに使用することができ、宇宙空間や水中でも問題なく起動する。
エピソード1の没シーンでは、ナブーに降りた直後のオビ=ワンがライトセーバーを水中に落として漏電・使用不可にしてしまうシーンがある*10が、物語の幅を狭めてしまうという理由で無かった事にされた*11
事実、TV版クローンウォーズでは水中で使用され、地上となんら変わらない切れ味を発揮している。
単にこの時のオビ=ワンの作りが雑だったんじゃない?とか言ってはいけない。

ライトセーバーはジェダイにとって象徴であり、単なる武器ではない重要な役割を持つ。
例えば、ジェダイは一人前になるための修行の過程でライトセーバーを自作することで知られており、その際に設計図などは用いず、フォースの導きに従って設計や部品の調達から組み立てまでを自分自身で行う。
フォースを如何に理解し親和したかで完成度が変わるので、ライトセーバーの出来栄えからそのジェダイの力量をある程度推し量ることも出来る。
正真正銘唯一無二のハンドメイド品であるが、フォースを学ぶにあたってフォースへのアプローチの仕方等で師の影響を否応なく受けるので、師弟である程度構造が似通うこともある。
そして弟子は自らの師匠に敬意を表し、ヒルトのデザインを師匠のものに似せる事が多い*12
ライトセーバーはいわばそのジェダイの人生の足跡でもあるので、製作した当人の思い入れも大抵強くなる。
しかし、製作者と言えどそれは私物ではなく、ジェダイとしての立場で製作と所有を許された平和の守護者としての身分証も兼ねており、誇りの象徴といった方が正しい。
ジェダイは自身のライトセーバーを肌身離さず持ち大切に扱うよう躾けられており、修行中の身で手放したり紛失したり、ブーメランのように投げつけて使おうものなら師匠から大目玉を喰らう事になる。
実際戦闘中にアナキンが落っことした際にはオビ=ワンに説教されている。
そう言う割に肝心のオビ=ワンがよく落としているとか言ってはいけない。

ちなみに作中の使い手がほとんどジェダイかシスのため、フォースを扱えないと使うことすら出来ないと勘違いされがちだが*13、基本的には普通の機械と同じなので、フォースを持たない者でも問題なく使用出来る*14*15
ただし、後述の理由から フォースを持たない者にとっては極めて扱い辛い 代物となっている。

具体例としては、EP5でハン・ソロがルークのものを借りて通常の刃物の代わりにした件、TV版クローンウォーズで賞金稼ぎがセーバーを奪って戦った件などがある。
ブラックマーケットでも高値で取引されている描写もある。
というか、「ユニバーサルカッティングツール」というそのまんまな通称がついてたりする。

コンセプトアートの段階ではストームトルーパーはじめこの時代の一般的な武器として描かれており、EP4の段階でも実際に使っているのはジェダイとシスだけだが、酒場の喧嘩でライトセーバーを振るってもジェダイだと気づかれる様子がなかったり、ハンからブラスターを使えば良いのにと呆れられたりという描写があるので、武器としてはイレギュラーなだけで存在自体は珍しくないというイメージだった。

ただ、純粋に武器としてみた場合には、使いにくいものであることは確か。
というのもライトセーバーは、通常の金属の刃の刀剣に比べて
  • 刃に実体が無く柄の分だけと非常に重量が軽いため、重心の感覚が大きく違う
  • 特殊な機構のため電磁場・放電・ジャイロスコープ効果といった現象による独特な振動と方向性があり握り難い
  • 『峰』や『鎬(剣腹)』がないため、身体・体幹を預けることができない
  • 剣身全体全方向が刃であるうえ、あまりにも切れ味が良過ぎるため、なまじ素人が扱うと周囲も自分もズタズタの惨状と化す危険性が大きい*16
など、白兵武器としても相当に癖が強く、専用訓練を行っていないと間違いなく自滅するほど。

前述の賞金稼ぎもライトセーバーを使いこなせていたとは言えず、まともに扱おうとするためにはフォースの補助が必要不可欠となっている。
作中でフォースに頼らずにライトセーバーを使いこなしたと言えるのは、グリーヴァス将軍プレ・ヴィズラなど、才能があり訓練も積んだ少数の達人に限られる。

そもそも、いくら切れ味抜群といってもしょせんは近接兵器であり、フォースの技を学んだジェダイですらブラスターの弾幕を凌ぎ続けることはさすがに困難を極めるという。
それを証明するように「ジオノーシスの戦い」では参戦したジェダイの九割が戦死したし、ドロイディカなど天敵のような相手もいる。
ほとんどのジェダイにとってあくまで「身を守るための備え」の域を出ないものだったのだ。
ましてブラスターが路地裏のケンカに持ち出されるほど普及した当時の環境で、剣一本を拾ったぐらいではどうにもならない。
そういう意味では、やはりジェダイ・シスなどのフォース使い御用達でしかない特殊兵装と言える。

なお、クローンウォーズに登場するザ・ワンズと言われるフォース使いの一家は、真にフォースを極め、宇宙のフォースを支配し均衡を保つという文字通り神の領域に到達した種族であり、「ライトセーバーの光刃を素手で掴んで強制的に刀身を仕舞う」「そもそも腕とかに当たってもまるで効かない」という、ライトセーバーを現実にあるようなプラスチック製のプロップ(演劇・映画撮影用の小道具)扱いに出来る。
一家の長ザ・ファーザー曰く、アナキンは、本来であればその領域を更に超えることが出来たという。


◇構造

構造は割とシンプルで、大まかには柄を覆う筒状の外装とその中にあるパワーセル(バッテリー)、そしてエネルギーを放射するクリスタルでできている。

  • 外装
基本的には金属製の通常の筒に起動の為にスイッチが付いているが、前述の通り使い手がフォースの導きに従って作るため、安全装置の有無を含め様々な個性がある。
TV版クローンウォーズではウーキーのジェダイ候補生が木製の外装を作っているが、当然、立派にライトセーバーとして機能する。

  • 起動方法
ボタン式、スライド式、ダイヤル式の他、柄自体を引っ張る、捻る等の方法もある。中には柄の内側にスイッチがありフォースでしか起動できない物も。
ライトセーバーは危険な武器なので、押し続けている間だけ剣身が現れるなど、起動スイッチが安全装置の役割も兼ねているものが多い。
一部のシーンは使用者の手から離れた状態でも起動しているが、これも実際にそういう仕様の場合もあればフォースによりスイッチをONの状態にしている場合もある。

  • パワーセル
いわゆるバッテリー。
大抵は下記のクリスタルと柄尻の間にあり、絶縁体や回路で囲われている。
物を斬らない限りエネルギーが常に循環している構造上、一度フル充電すれば数年は充電なしで使えるが、残量を気にする場面もたまに描かれる。
基本的に内蔵されているが、レジェンズ分類の作品ではでっかいバッテリーを背負った初期型モデルが登場している。

  • クリスタル
ライトセーバーの核とも言える部品。
この部品でパワーセルから発するエネルギー力場を制御し特徴的な光刃を形成する。
指先程のサイズの鉱石で、惑星イラム産の「イラム・クリスタル」や惑星オッサス産の「アデガン・クリスタル」などが有る。
クリスタルは1~3個使用されており、1つだけの場合発する光刃の長さは固定だが、複数搭載している場合はカメラレンズのフォーカス変更の要領で光刃の長さを調節出来る。

クリスタル絡みの設定は現在は「レジェンズ」となった作品が初出のものが多い。


◇色

ライトセーバーの刃には様々な色があり、ジェダイは主に緑と青。
シスなど暗黒面の使い手は赤い色の刃を放つライトセーバーを使う。

刃の色はクリスタルによって決まるが、シスの刃が赤いのはクリスタルにジェダイに対する憎しみを込めてあるからだと言われている。
シスが好む人工クリスタルだから刃が赤色になるというわけでもなく、エピソード6でルークが使用したライトセーバーは人工クリスタルだが緑色をしている。

変わった色としてはメイス・ウィンドゥの紫があり、これは親友から友情の証として受け取ったクリスタルを用いているため。結局、その親友のクリスタルがなぜ紫なのかは不明(メタ的に言えば演じたサミュエル・L・ジャクソンのリクエスト)
クローンウォーズでは白や黄色なども確認されている。

色によって性能が変わるといったことは無く、性能の違いはカスタマイズやクリスタルの質によって変わる。
また、シスだからといって必ず赤いライトセーバーを使うわけでもない(最初期のダース・ヴェイダーなど)。

ただ、ジェダイにとって「赤はシス/ダークサイドの色」と認識されているらしい描写はあり、TV版クローンウォーズで丸腰のオビ=ワンがアサージ・ヴェントレスのライトセーバーを借りた際には「赤は好きじゃない」「これは君のカラーだ」と発言している*19
逆にバリス・オフィーは、ヴェントレスから奪ったライトセーバーが自分に「似合うと思った」らしい*20
因みにフォースの暗黒面に堕ちた人間は暗黒面の色である黒や赤を好むようになるという裏設定がある。



なお、セーバーの色がどのようにして決まるのかについては実は設定の錯綜が激しい部分でもあり、現在の正史設定では2012年11月放映(日本では2013年10月放映)の『クローンウォーズ』シーズン5のエピソードにおける設定が正式採用されている。

◇ギャザリングの儀式

ジェダイが用いるカイバー・クリスタルは主に惑星イラムの寺院の奥にあるクリスタルの洞窟にて採れるものを使用しており、洞窟から自らのクリスタルを見つけ出しライトセーバーを作り上げるギャザリングという儀式を通過することが幼いジェダイ訓練生に与えられる試練となっている。
そのためイラムはジェダイオーダーにとって最も神聖な場所の一つであった。
なお、ロザルやジェダなど、イラム以外にもクリスタルを貯蔵している寺院は存在する。

ギャザリングには案内役のジェダイ一人(放映された回ではアソーカ・タノ)とグランド・マスターであるヨーダが同行し訓練生達を導くが、最終的には訓練生は一人で試練に向き合わなければならない。
というのも、カイバー・クリスタルにはライトサイドのフォースに感応する性質があるのだが、それも特定の一個人にのみ見えるという性質を持っており*21、イラムの洞窟に入った訓練生は必ずクリスタルの輝きに導かれることになるが、その輝きは他の訓練生には見えないため一人で突き進むことになる。
クリスタルの輝きに向かう中で、ジェダイは必ず各々が抱える恐怖や悩みに直面し、それを乗り越えて初めてジェダイの仲間入りとなるとされている。
これは「我々がクリスタルを選ぶのではなく、クリスタルが我々を選ぶ」と表現されている。
そうして手にしたクリスタルをフォースに反応させることで色がわり、ライトセーバーの製作へと移る。

ギャザリングの過程は以上であるが、特殊なケースを除けば、イラムからの帰路でそのままライトセーバーの組み立てが始まる。
組み立ては豊富なライトセーバー部品が積まれているパラディン級コルベット「クルーシブル」内で、マーク4・アーキテクト・ドロイドのヒュイヤン教授の指導のもと行う。
なお、クルーシブル号もヒュイヤン教授もクローン戦争時点で既に10000年以上に渡り運用されており、つまりヒュイヤン教授はドロイドでありながらヨーダ以上のベテランである。
実際、ヨーダもイニシエイト時代にヒュイヤンの世話になったとの事。
ゆえに本編時点での現役ジェダイほぼ全員がお世話になった存在でもあり、例外は彼らが一度壊滅した後のルーク・スカイウォーカーエズラ・ブリッジャーレイなど、オーダー育ちでない新世代のジェダイに限られる。

以上が、ジェダイのライトセーバーの製作過程である。

一方で、ダークサイドのフォースに感応しないクリスタルを、どうやってシス達はライトセーバーとして扱っているのかについては同エピソードでは描かれず、『クローンウォーズ』の時点ではレジェンズとなった先述の設定のまま宙に浮いた形となっていた。


◇ブリーディングの儀式

後に、2016年10月発売の正史小説「Ahsoka」(アソーカ、2019年現在未邦訳)にて大幅な設定追加が行われた。
曰く、クリスタルはダークサイドのフォースには感応しないため、シスはダークサイドのフォースを浴びせてクリスタルを支配する*22
そしてこれには多くの場合、ジェダイから奪ったライトセーバーのクリスタルが使われるので、選んだ持ち主との絆を断ち切られ、ダークサイドに捻じ曲げられて赤く染まるとされる。
この儀式を「血を流す」ことに擬えてブリーディングと呼ぶが、こちらはジェダイのギャザリングのような必ず通過する儀礼となっているのかは不明。
少なくとも、シスやダークジェダイがライトセーバーを作る場合は必ずやるようだ。

この設定変更に関しては、もともと科学的な理屈で説明出来ていたところに魔術的・オカルト的な要素を取り入れたことへの戸惑いが起きた(もっともその4年前から存在するギャザリングの時点でかなりオカルティックな設定ではあったので、どちらかというと長年定着していたレジェンズでの設定と正史化された現行設定との差異が大きかったと言った方が近いのかもしれない)。

また、ブリーディングを行う厳密な条件の一つとして、クリスタルに直接触れることがある模様。
そのため基本的には「奪ったライトセーバー(またはそれまで使っていたライトセーバー)分解し、取り出したクリスタルを自らのフォースで加工し、新たなライトセーバーを作って(または組み立て直して)赤いライトセーバーが出来る」という手順となっている。
すなわち、暗黒面の使い手が握っただけでは色は変わらず、クリスタルを取り出して直接触れてブリーディングを施して初めて赤に染まるということであり、奪ったセーバーをそのまま使っているグリーヴァスや、シスとなったがまだ作り直していないEP3クライマックスのアナキンのセーバーは元の色のままとなっている。
逆に言えば、クリスタルが外部に露出している構造の場合は分解せずにブリーディングが可能である。

前者は『ジェダイ:サバイバー』におけるダガン・ゲラ、後者は『アコライト』におけるある人物のブリーディングとして、それぞれ映像化された。


また先ほど少し触れた通り、ブリーディングは奪ったライトセーバーを使うか元から持っていたライトセーバーを使うかの2パターンが存在する。

  • 奪ったライトセーバーを使う場合
該当者:ダース・ヴェイダー、(おそらく)ダース・モール、他シス多数

ジェダイとしての経歴を持たない生粋のシスや、転向時にライトセーバーを失った者が該当。
オビ=ワンとの決戦でライトセーバーを失ったヴェイダーはジェダイの残党狩りの際に改めてライトセーバーを奪い、ムスタファーでブリーディングを行った。
なお、本体は短期間の間奪ったものをそのまま使用しており、それが破損したのを機にお馴染みの本体を制作している。

またダース・モールなどもこちらのパターンに該当すると思われる。
モールはEP1で初めてジェダイの前に表したとされるが、実際は修行の過程でそれ以前から裏社会に紛れ込んだジェダイを暗殺したりしていたとのことで、どこかでクリスタルを奪った可能性が高い。
あるいは、師弟の殺し合いにより殺害された先代以前のライトセーバーは遺されていて、そのクリスタルを流用しているとの考察もある*23
サヴァージに与えられたセーバーはドゥークーが用意したものと思しき描写があったりと、シスにとってみればクリスタルの用意自体は意外と難しくないのかも知れない。

  • 元から持っていたライトセーバーを使う場合
該当者:カイロ・レンドゥークー伯爵、ダガン・ゲラ、他ダークジェダイ多数

暗黒面に転向し、その際にライトセーバーを失っていない元ジェダイが該当。
カイロ・レンはジェダイ時代に所持していた自分のライトセーバーをブリーディングする際に、怒りのままクリスタルを握り潰したことで、そのままひび割れた赤いクリスタルとなっている(この結果エネルギー放射が不安定になり、セーバー自体も破損したため大幅な仕様変更を余儀なくされた)。
ドゥークーもジェダイ時代*24からお馴染みのセーバーを使用していたがブレードは青く、シス転向後に一度クリスタルを取り出して赤くした。
つまり上記二人は「他者から奪う」というプロセスを経ていない。

以上のように、クリスタル自体がライトサイドと繋がっているといえどもライトセーバーやデス・スターのスーパーレーザーなどカイバー・クリスタルを使用した兵器そのものは機械に過ぎないので、一度機械として完成してしまえばフォースを作用させるには一手間かけるだけで良い*25
また『ローグ・ワン』ではデス・スター用に大量のクリスタルを採掘している描写があったが、帝国兵にフォースの導きなどあるはずもないので、ギャザリングやブリーディングはあくまでジェダイやシスが修行の一環としてクリスタルの性質を利用しているだけ、ということだろう。

他方、メイスのライトセーバーが紫色であることにある程度の説明がつくようになったほか、「シスのテーマと合致している」という好意的な声もある。

なお、ブリーディングの逆の手順として一度赤くされたクリスタルをライトサイドのフォースによって『浄化』することも可能ではある。確認される限りでは、浄化されたクリスタルは白く輝く。
劇中ではライトセーバーを捨てて久しいアソーカが尋問官シックス・ブラザーを倒した後、彼のライトセーバーの残骸からクリスタルを取り出して浄化したものを新たなライトセーバーに組み込んでおり、これが『反乱者たち』以降アソーカが使っている白い二本のライトセーバーとなっている。

なお、ギャザリング・ブリーディング・浄化いずれも経ていないクリスタルを使用したセーバーがあるのか、作れるのかは今のところ不明(デス・スターなどの件を考えれば作ることはできそうだが)。


◇音

ライトセーバー最大の魅力と言っても過言ではない。
ピシューという音と共に起動し、振る度にブォンブォンと音がなり、ライトセーバー同士がぶつかるとバシィン!と弾ける様な音がする。
ライトセーバー同士の剣劇シーンでは、上記の色とこの音が戦いの激しさを演出し、シーンを盛り上げてくれる。
もちろんこの音は多くの玩具でも再現されている。
中には音を生かすためか「それ本当に実用性あるの?」と思わざるを得ないアクションを生み出す要因になることもある。


◇ライトセーバー色々

上記の色や外装の素材の他にも、設計図なしの完全ハンドメイドだけあってライトセーバーには使い手によって様々な個性がある。
本項ではそれらの大まかに大別し紹介する。

  • 単刃・直柄のライトセーバー(シングル=ブレード・ライトセーバー)
直線棒状のグリップの片端から一本の光刃を形成するライトセーバー。
数あるライトセーバーの中でもポピュラーなタイプで、ジェダイ・シスを問わず使用者が多く、一般的にもライトセーバーといえばまずこのタイプを指す。
最もシンプルな分長い歴史の中で構造・機能・使用法などが洗練されており、使い手の力量が最も反映されるタイプといえる。

  • 両刃のライトセーバー(ダブル=ブレード・ライトセーバー)
セーバー・スタッフとも。
正しくは双頭刃のライトセーバー。
柄の両端から刃が形成される。
構造は、通常のセーバーを単に連結したようなもので、そのぶん柄が長い。
光刃を片方だけ出して通常のセーバーのようにも使えるし、仮に柄を切断されても内部機構さえ無事なら引き続き光刃を発する。

柄を回転させたり自分自身が回転したりといった動きで全方位への反撃や攻撃ができ、通常のセーバーとはまた違った苛烈な攻撃が魅せられる。
反面、自分が切り刻まれる危険性が高い、柄が長くなるため死角が生じやすく密着させると弱い、間合いが取れる広い場所が良い、といった欠点や制約も多く、自滅を避けるために攻撃方法が限定され、太刀筋が単調になりやすいなどの問題もあり、使いこなすのは難しい。

もともと訓練用に開発されたものであるとされ、ジェダイも訓練の一環として製作・使用する。
しかし上記のように扱いにコツがいるせいもあってか単刃のシングル=ブレードほど実戦投入者は多くないのが実情。
主な使用者はダース・モールサヴァージ・オプレスダース・ザナー、4本腕のジェダイのポング・クレル。クレルのものは折り畳み式で、しかも二本同時に使っている。
また、ジェダイ聖堂の警備員(テンプル・ガード)は全員ダブル=ブレードの類似品であるライトセーバー・パイク(ライトセーバー・ランス)を標準装備している。
このテンプル・ガード仕様のものは刃が黄色い。
ちなみに、ルークは二本目を作る前の一時期において、破損していたテンプル・ガード仕様のパイクを回収・修復し、シングル化して使用していたことがある。

非正史スピンオフでは希少品という設定で、古代のシス卿が設計したという設定になっている。

  • スプリット・セーバー
ゲーム『SW ジェダイ』シリーズの主人公であるカル・ケスティスが『フォールン・オーダー』終盤で作った改造型ダブル=ブレード・ライトセーバー。
もとは亡き師であるジャロ・タパルのダブル=ブレード・ライトセーバーがダソミアの神殿で完全に破損したことを受け、帝国占領下のイラムに赴いて仲間であるシア・ジュンダがかつて使っていたライトセーバーのパーツを合体、そして新たに入手したカイバー・クリスタルの欠片を装着するという複雑な工程で完成した。
これ以前にもタイミングは不定だが、オーダー66時に破損してシングルブレード運用しか出来なくなったのを他のジェダイが遺したライトセーバーのパーツでダブルブレード運用が出来るように修復することにもなるため、結構キメラじみた構造。

元が複数のセーバーということもあってか、イラムで修復後は中央から分離させて二刀流にすることが出来る。
さらにゲームという媒体の都合もあってか、光刃の色や集めた柄のパーツでプレイヤーがカスタマイズ出来るという贅沢仕様。
加えてストーリー終盤は先述のギャザリングの過程をプレイヤーが追体験でき、クリスタルをフォースに感応させるところまで操作出来る。
薄赤いピンク(正確にはマゼンタ)の光刃も選べるが「どう見ても[[ダークジェダイ]]」ともっぱらの評判。さらにはアップデート後のクリア特典でダークサイド側そのものの赤色も追加されている。
続編『サバイバー』ではさらに改造され、片側のエミッターを組み替えることで後述のクロスガード・ライトセーバーとしても使えるようになった。クロスガード使用時は、シングル=ブレード時より刀身が伸びる。また、二刀流の際には片方は後述のショートー相当の短さになるようになった。

ドラマ『アコライト』でも、ある人物が似た仕組みのセーバーを使用する。
こちらは二つのセーバーが同じ向きで接続されているため、一刀流と二刀流はできるがダブル=ブレードとして使うことはできない形になっている。また、片方はショートー仕様である。

趣は少々異なるが『反乱者たち』に登場するジェダイの生き残りケイナン・ジャラスのライトセーバーも分割可能な作りになっている。
ただしこちらはあくまでシングル=ブレードのものであるため二刀流になったりは出来ず、あくまでも帝国のジェダイ捜索から免れるための偽装の一環である。

  • 湾曲したライトセーバー(カーブド=ヒルト・ライトセーバー)
柄が曲がっているライトセーバー。
( ←こんな感じ
フェンシング的な持ち方をする。
元々角度が付いているので直線の柄と比較して手首のスナップが効き易く、剣の軌道が変則的なものとなり、非常に捉え辛い斬撃を繰り出すことができる。
モデルは柄が湾曲したサーベルで、握った際は外側に向けて柄が湾曲している。
ライトセーバー同士の戦いに有利な性質上、マカシの達人等に好んで使用された。
しかしどうしたってクセが強いため、ブラスターを防御し辛い、使いこなせなければまともな攻撃にならない、自滅しかねない、という欠点もあり、シンプルではない分上級者向け
主な使用者はドゥークー伯爵コマリ・ヴォサダース・ベイン、「反乱者たち」におけるアソーカ・タノ。因みにアソーカのものは日本刀をモデルにデザインされたものなので、普通のシングルブレードと殆ど変わりない。

  • 上記の2つを合わせたライトセーバー
アサージ・ヴェントレスドゥークー伯爵から授けられたライトセーバー。
後にバリス・オフィーに奪われた。
通常時は上述の湾曲したライトセーバーが2本あって二刀流をするだけだが、2本の柄尻を合わせることでS字型のダブルブレード・ライトセーバーとする事が出来る。

  • セーバー・ケイン
テラ・シヌーベや晩年のダース・モールが所持していたライトセーバー。
柄の先端または末端に接続可能な棒状のパーツを取り付けることで平常時は杖として使用可能な「仕込み杖」のライトセーバー版である。
テラ・シヌーベは老齢ゆえにフォースの肉体強化を使わない時の補助として、モールはただの老人に見せかけるための偽装として用いている。
なお外した杖部分も、ライトセーバーを持つのとは別の手に持ってそのまま打撃武器として運用できる。

  • ライトセーバー・ショートー(ライトダガー)
単にショートーとも。
言ってしまえば柄含めて短いだけのセーバーだが、しばしば固有名詞付きで区別される。
ヨーダイーヴン・ピールなど体格が極端に小さい者が使う短いセーバーで、アソーカやソーラ・バルクのように二刀流の使い手が現実のそれさながらに片方をこちらにすることもある。
因みにShoto(小刀)でありShort(短い)ではない。

  • パワーセルを複数積んだライトセーバー
クワイ=ガン・ジン作のライトセーバー。
外見は他のものと変わらないが内部に複数のパワーセルを内蔵した結果、一般のものよりも出力が非常に高く「エピソード1」作中で宇宙戦艦の分厚い隔壁を破りかけたほどの熱量を発する*26
反面、内部構造は普通のものよりもかなり複雑化し、ジャイロスコープ効果等と言った起動時の負荷もより強い。
そんな代物を手にアタロというアクロバティックなフォームを中心に戦う辺り、いかに彼が優れたジェダイだったか窺える。

  • ダークセーバー
TV版クローンウォーズに登場した旧式の黒いライトセーバー。
マンダロリアン初のジェダイであるター・ヴィズラが作成したとされ、イメージ映像ではそのままターの墓標に捧げられたかのような描写がある。
通常のライトセーバーの刃が円筒状なのに対して、ダークセーバーの刃は平べったく先が尖っており、通常の刃物に近い形状をしている。また柄も円筒状が多い通常のセーバーと違い、日本刀を思わせる楕円形である。柄の材質はマンダロリアンが神聖視するベスカーであり、数あるライトセーバーの中でも柄の素材が明言されている数少ないセーバーでもある。
また、刃の色も通常は中心部が白く周囲が青や赤い色をしているのに対して、ダークセーバーは中心部が黒く周囲が白い。音も通常のライトセーバーとは異なり、金属の剣が空を切る音を電子化したような高い音を発する*27
昔の戦いでマンダロリアンのヴィズラ氏族の者がジェダイから盗難ないしは奪取し、デス・ウォッチと呼ばれるテロリスト集団の長にしてターの子孫であるプレ・ヴィズラが所有していたが、EP1の重傷から復活したダース・モールが決闘の末勝利。
戦利品として手に入れる。
クローン戦争末期に敗走し行方をくらます前にモールがダソミアに隠していたが、「反乱者たち」におけるダソミアの亡霊の件にて主人公一行の一人でマンダロリアンのサビーヌ・レンの手に渡り、さらにサビーヌからボ=カターン・クライズの手に返却されるが、ドラマ『マンダロリアン』以前のどこかのタイミングで帝国のモフ・ギデオンによって奪われており、以後彼が武器として用いている。
後にギデオンの手からマンドーことディン・ジャリンが奪還。
その後は紆余曲折あってボ=カターンの下に戻るが、ギデオンとの最終決戦において、パワードスーツを着用したギデオンの馬鹿力でねじ折られてしまい破損。永遠に失われる事になった。
なお、通常のライトセーバーと打ち合ったベスカー鋼の槍が特に異常は無かったのに対し、ダークセーバーと打ち合った際は槍が赤熱していたことから、ダークセーバーは通常のライトセーバーより出力が高いとする見解もある。
また、金属製の一般的な刀剣に形状が近い事から、後述するフォーム1に非常に向いているとされる(一部の考察では、ターが自身のセーバーをこの形状にしたのは、非フォースユーザーのマンダロリアンが使用する事を想定していた為とされている)。
そして最大の特徴として、このセーバーにはターの残留思念が今なお宿っており、その影響により「マンダロリアンの指導者、または指導者たらんとする者にしかまともに扱えない」という特性を持っている。
ダークセーバーから認められた=マンダロリアンの指導者たるに相応しいと見做された者が握って振るえば数多の敵を容易く斬り伏せる軽やかさを見せるが、逆に言えばただの武器として使用するとまともに振るう事すらままならないという事である*28

  • セーバー=ブラスター
「反乱者たち」の主人公エズラが使用していた最初のライトセーバー。
形状はナックルガード付きのセーバーだが、ブラスターピストルが内蔵されている。
オビ=ワンの感想を聞いてみたいものである。
ブラスターの攻撃は当たると相手を痺れさせて動けなくする程度の殺傷力が低い物になっている。
二つの武器を同時に使える程の出力はないので、ブラスターとして使うときはセーバーを消しておく必要がある。
しかし、このスタンブラスター弾はライトセーバーで反射されないという低リスクな特性があり、セーバーを手にしたケイナンは大尋問官に反撃を許さない二刀による怒涛の猛攻を仕掛けた。
ただしヴェイダーに一度破壊されて以降、エズラは一般的なジェダイ仕様のセーバーを持つようになった。

  • 回転式ダブル=ブレード・ライトセーバー(インクィジター・セーバー)
「反乱者たち」初出の尋問官たちが使用するライトセーバー。
ダブル=ブレードの派生型のようなもので、柄の周囲にリング状のパーツがあり、その円周上を二つの刃が移動し扇風機のように高速回転するというギミックを持つ。
これにより通常のダブル=ブレード以上に激しい攻撃を繰り出すことができ、正面に構えるだけでも高い威圧効果を発揮する。
当然回転させずシングル=ブレードやダブル=ブレードとして使うことも可能。
更に、頭上で水平に掲げた状態で回転させることで短距離飛行が出来る
もはやライトセーバーとは別種の武器になってる感が強い。
ぶっちゃけビームローター。

あまりにシュールすぎるからか、大尋問官やセカンド・シスターといった大ボス級の尋問官がこれで飛行する描写はない。
一方でこれはライトセーバーが単体で飛行出来るためセーバーを投擲した際の威力・射程・操作性に優れるという強みにもなっており、このセーバーの投擲は例外的に強力な一手として描写されることが多い。
やっぱり別モノの武器になっている気がする。
使用者毎に形状も微妙に異なり、リングを半円状に折り畳んでナックルガード状にしたり、リングの円周に実体のブレードを出して回転ノコギリのようにしたり、分離して二刀流にできたりするものまである。

一方、グリップの実体部分が大きくなったせいで被弾率がやや上がっている。
作中ではリングの内側にセーバーを滑り込まされあっさり破壊されてしまったり、戦闘で損傷し飛行して逃走しようと起動させた回転ギミックのせいでリングが益々損傷して飛行中にセーバー自体が空中分解を起こして高所から転落死したり、大型化・複雑化したことによる弱点も垣間見える。
また、隔絶した実力の持ち主ならばフォースにより力づくで回転を止める芸当すら出来る。

  • クロスガード・ライトセーバー
EP7~9に登場するカイロ・レンが使うライトセーバー。
柄がT字型になっており、使用時には通常の刃に加えて鍔の両端から短い2本の光刃を形成し十字架のようなシルエットとなる。
どうやら、ひび割れたカイバー・クリスタルを使用しているため出力が不安定で刃から火花が漏れていたりするが、この構造によって余剰エネルギーを逃しているようだ。
ちなみに、一部の西洋剣には鍔の先端部分がスパイク状になっていて攻撃用途に転用可能なものが実在している。
古代シスの設計法に基づいて作られたらしく、内部回路が露出していたりと登場する時代に反して全体的に古めかしく、実際映画本編の時代における使用者はレンと先述のカルくらいしかいない。
一方で、映画本編から数百年前の高共和国時代にはジェダイの使用者もそれなりにいた模様。
当時は割と一般的な構造だったようで、側面の光刃が短いのみならず細くなっていたりその角度を調節可能だったり手を保護するパーツが付いていたりと、クラシカルながら洗練されたデザインとなっている。
カルのものも高共和国時代の当時品から取り出したパーツを使っているためこちらの仕様に近い。
また、『反乱者たち』で描かれたマラコアのシス・テンプルの古代戦場跡にはさらに昔の時代のジェダイのもの(刃が緑色)が登場している。
エズラが拾って起動したものの、経年劣化により数秒で故障して電源が落ちた。

基本的には通常のライトセーバーに近い使用法だが、鍔迫り合いの際には強引に押し込み鍔の刃でダメージを与えることが出来るなど攻撃的な仕様。
レンのもののみ他のライトセーバーとはまた違った独特な音(テレビの砂嵐みたいなザザザザという音が含まれている)をしており、ブレードが不安定で炎のように見えることから、ライトセーバー=フランバージ(フランベルジェ)と呼ばれる事もある。

  • ガードショートー(セーバー・トンファー)
現在ではレジェンズに分類される外伝ゲームフォースアンリーシュドで登場した、トンファー型のライトセーバー。
現実のトンファーよろしく2本ワンセットで使用され、柄の素材はライトセーバーの斬撃にも耐えるフリクやコートシスが用いられる事が多い。
そのため、カーブド=ヒルトと同じくセーバーコンバット向けのセーバーと言える。

  • ライトフォイル
ショートーと同等の短い柄から通常のセーバー並の長さを持つ刀身を発振するライトセーバー。
片手で操作する為、セーバーコンバットに特化したマカシ専用と思われる。
未翻訳のレジェンズ作品に登場。
劇中登場したものはタパニ宙域に属する惑星で構成された国家において、非フォースユーザーである貴族階級の者が自らの武器として使っているライトセーバーもどきである。
威力は本物のライトセーバーとは比べるまでもなく低いが、非フォースユーザーが得物にしているのでライトセーバー特有の扱いにくさは改善されている模様。
オリジナルは無論、普通のライトセーバーだが、ジェダイのものではなくシスのものだった。
因みにフォイルとはフェンシングの競技で用いられる剣の一種であるフルーレの英語読み。
正史では「フォールン・オーダー」に登場したタロン・マリコスのライトセーバーがこのタイプに近い。

  • ライトウィップ
レジェンズにおいてダークジェダイの一人ルミヤやシスの暗黒卿ギサニーが使用した、鞭状のフレキシブルな光刃を発する特殊なライトセーバー。
ジェダイやシスですら時には自傷してしまう程扱いに苦慮する癖の強い武器であった為、使用者はほぼいなかった。
非正史短編集『ヴィジョンズ』の1エピソード「The Twins」にはセーバーとウィップが切り替え可能なタイプも登場。しかもアーマーに仕込まれた機械の腕も使っての6刀流での使用となかなかブッ飛んでいる。
このように、長らくカノン(正史)では存在するかさえ不明な代物だったが、ドラマ『アコライト』にて当時のジェダイマスター・ヴァーネストラが使用し、正史での存在も確定した。

  • ブロードセーバー
レジェンズに登場したブロードソードめいた幅広薄身のブレードを発振するライトセーバー。

◆例外

  • エナジー・ソード
レジェンズのみに登場した光の剣。
古代シス帝国の影響下にあった惑星にライトサイド帰還後も伝わる名残。
帝国派の摂政と反乱同盟軍派が内紛を起こしており、フォースを使えない、王位簒奪を企む摂政が使いこなし、素人を装って試合をしたルークももしや既に正体がバレていて殺されるのではないかと疑ったが、本気のルークには通じなかった。

  • テイジ・プロトブレード
銀河帝国時代、大手食品会社であるテイジ・コーポレーションがジェダイのライトセーバーを再現しようとして作り出した試作武器。
だが当時はライトセーバーの製法など帝国によって徹底的に秘匿されて久しく*29、テイジ・コーポの開発陣は胡散臭い逸話や信憑性の低い寓話などから情報を得て、何とか開発に漕ぎ着けた。しかしその出来は本物と比べるまでもなく悪く、純粋プラズマで構成されたブレードや、本体に内蔵されたバッテリーすらなく、それぞれ起動するとプラズマを纏うコートシス製ブレードや、外部電源で代替している。
しかも形状は大型で手甲剣のような姿をしており取り回しも悪い。
しかし劣化コピーとはいえ腐ってもライトセーバーなので、威力は金属製の刀剣やエレクトロソードといった実体剣とは比べものにならない程高かった。
テイジ・コーポはこれを量産して帝国に売り込むつもりだったが、使用する素材が希少だった為生産性に難ありで、結局試作品一つ作られただけでプロジェクトは凍結された。

◆番外

スターウォーズのパロディ映画であるスペースボールには、ライトセーバーのパロディであるシュワルツの剣が登場する。
こちらは光の剣のエフェクトは同じだが、専用の指輪から放射される。
また、コメディ映画なのでユニークな特徴が色々あり、指輪からエネルギーをブラスターのように飛ばしたり、剣同士がぶつかるとゴムのように絡まったり、エネルギーの部分をマジックハンドのように伸ばして股間を握りつぶしたりといろいろ多芸。
ただし何でも切れる本家ほどの威力はないらしく、ダークヘルメットの兜には直撃しても傷一つつけられなかった。

◆撮影用プロップ

旧三部作当時のものはカメラのフラッシュやグレネードをベースに蛇口の部品など様々な部品を組み込んだもので、刀身はEP4では光を反射する素材でできており周囲をある程度照らしていたのだが、あまりにも壊れやすかったためEP5以降ただの棒に手書きで発光を表現する形になった*30
新三部作ではヒルトが専用に誂えたワンオフ品になり刀身の合成がデジタル化された以外はほぼ同じだったが、続三部作以降は技術の進歩によって刀身が透明樹脂製になり、LEDを内蔵したグリップが実装され、刀身そのものが光るようになった。
他にも、ネオピクセルLEDというバンド状LEDを仕込んだ刀身とそれに対応したグリップも登場しており、刀身の展開や収納の表現が可能。こちらは剣戟ではなく対ブラスター戦に主に使われている模様。
なお、上記のプロップはライトセーバー専門店でそれぞれ「RGB"Base lit"」「Neo Pixel」として発売されている。


◇型

実態の刃を持つ刀剣類との違いから、ライトセーバーを用いた剣術も独自の進化を遂げていった。
とくにジェダイやシスのライトセーバー剣術はフォースとの併用を前提としており、特異な剣術を構築するに到っている。

こちらの詳細はライトセーバーの剣術フォームを参照。


◇余談

  • 柔軟なポリカーボネート製の刃と、ライトとスピーカーを備えた柄からなる(USB端子から充電可能)ライトセーバーを用いた殺陣やスポーツチャンバラのような新スポーツ Ludosport が欧米では誕生したらしい……。
    • ちなみに、パダワンまでは服装はTシャツで刃の色は青だが昇段につれてお馴染みの道着に刃の色は自由に選べるようになるとのこと。
  • 日本で公開されて間もない時期には『電光剣』や『光線剣』というダサい訳がついたこともある。
  • 現在の公式日本語訳は「ライトセーバー」で落ち着いているが、旧三部作では「ライトサーベル」とも呼ばれている。セーバー(saber)とサーベル(sabel)は同じ意味であり、セーバーが英語発音、サーベルはオランダ語発音の違いぐらいのためどちらでも間違いではないが。




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最終更新:2025年04月19日 11:33
添付ファイル

*1 正確にはEP4でルークが酒場でゴロツキに絡まれている所をオビワンが助けるシーンのみ、切られた相手の腕が流血していた。

*2 スターウォーズは対象年齢幅が広いためグロ表現を論理的に抑える意味もある。

*3 アナキンもこれには驚いており、有機物が弾くのは余程の事らしい。

*4 もしそれを投げるとするなら「フォースでスイッチを押しながらセーバー本体も遠隔操作する」となり、手間がかかり過ぎる。

*5 なんならブラスターの照準をフォースで補助した方がよっぽど早い

*6 ゲーム版「エピソードⅢ シスの復讐」のジェダイ聖堂襲撃ステージにいる「ジェダイ・スナイパー」など、もっぱらゲーム上が主な出番。

*7 「フォールン・オーダー」に登場するカル・ケスティスやタロン・マリコスは二刀流のうち片方を投擲出来る

*8 逃げる相手への最後の追い打ち、抵抗しない相手への攻撃(例:EP6で戦わないといったルーク、セブンスシスターにとどめを刺すモールなど)、など。

*9 メタ的には、セーバー投げの利便性を抑制するためである。「AT-ATやドロイディなど等の「肉薄すればライトセーバー自体は通用するがそのための接近が困難な兵器」が作中では多数存在する。だが、物陰に潜んだり相方に防御を委ねたジェダイが、ライトセーバーを念力で自在に遠隔操作すれば、こうした兵器を実質無力化でき、あらゆる局面で有効な万能兵器と化してしまう。空飛ぶライトセーバーがドロイド軍団やスターファイターを一方的に蹂躙する絵面に沸き立つ観客は少ないであろう。

*10 映画本編でも、オビ=ワンがライトセーバーを抜かずバトルドロイドから逃げまくっているシーンが残っている。

*11 レジェンズ準拠になるが、キット・フィストーが自身のセーバーに施した防水機能が標準化されたというのが設定的な理由らしい。

*12 パダワン時代のオビ=ワンのセーバーや、ルークのセーバーが典型例。逆にアナキンは自己顕示欲と反骨精神の強さからヒルトは独自のデザイン。

*13 パロディ作品に「フォース(っぽいもの)の光の刃」が出て来ることが多いのも原因だろうか?

*14 フォースを用いなければ組み立てられないとか、人工クリスタルの作成は炉の中を操作しなければならないためフォースが要るとか、またブラスター発明前のジェダイは実体剣にフォースを纏わせて使っていたという文献もある。

*15 スイッチが内部にあってフォースでなければ起動出来ない場合はもちろん一般人には使えない。

*16 現実の武器操術でも、自分の得物の扱いを誤って自分が怪我をする自傷事故は珍しくないが、ライトセーバーはその危険性が極端に高い

*17 恐らく付帯的にクリスタルの鉱石としての産出なども制限されたのであろう。

*18 「カイバー・クリスタル」の名は、「レンズマンシリーズ」でいう「レンズ」のような存在としてEP4の検討稿に初出している。

*19 因みに実写でオビ=ワンを演じたユアン・マクレガーも「自分のセーバーの色は絶対青」と言っている。

*20 正確にはアナキンから「どうして捨てなかった!?」と問われた際に「似合うと思った」と返している。

*21 無論一人につき反応するクリスタルが一つというわけではなく、紛失・破損により再びイラムを訪れたジェダイに対し再び別のクリスタルが輝きを示した例もある。

*22 ヴェイダーに対しシディアス曰く「自分の痛みをクリスタルに教えてやるのだ」

*23 この場合、モールのクリスタルの由来はシディアスに暗殺されたプレイガスのものとも考えられるが、カノン作品にも引用されるレジェンズ小説『ダース・プレイガス』によればプレイガス卿はモールがシディアスの弟子となった時点で存命中で、この作品に準ずるならプレイガスのものではない。一方、同作でプレイガスは自らが暗殺した師父ダース・テネブラスのライトセーバーをしっかり回収する場面があり、テネブラス卿の遺品から回収した、という可能性はある。

*24 訓練生の頃に作ったものから乗り換えた時期について、ナイトの頃とする資料とマスターになってからとする資料があり確定していない。

*25 もしフォースが機械としての完成後も影響するならばフォース感応者でないハン・ソロやグリーヴァスがライトセーバーを扱えるはずがないと思える。

*26 とある学術論文によると、その熱量は摂氏5万度らしい

*27 メタ的にはジェダイではないヴィズラ総督がレーザーブレード(特撮)的な武器でライトセーバーと対戦するという絵を作っていたのを急遽ライトセーバーに設定変更したらしい

*28 事実、マンダロリアンの指導者になる気など毛頭なかったディン・ジャリンは、ダークセーバーを使用した際、終始ダークセーバーに振り回されており、他の使い手と比べて非常に危なっかしかった。なお、使い手がジェダイとして振るうとどうなるのかは不明。

*29 ジェダイの技術なので、帝国の政治指針からして存在を許されるものではなかったのは勿論、シスの技術でもあるため、独占状態を維持したかったのであろう。

*30 このため、あるはずのない刀身の影が映ってしまっているシーンがある。