ダオロス

登録日:2020/07/26(日曜日) 05:53:40
更新日:2023/06/26 Mon 00:32:39
所要時間:約 3 分で読めます






うすごす ぷらむふ だおろす あすぐい……

来たれ おお 汝視界のヴェールを払い除け、彼方の実在を見せる者よ……



ダオロス(Daoloth)はイギリスの作家、ラムジー・キャンベルによって創出されたクトゥルフ神話の神性。
TRPG『クトゥルフの呼び声』では外なる神に分類。

初出は"The Render of the Veils"。
日本では『クトゥルフ神話への招待~遊星からの物体X』に「ヴェールを破るもの」の題で収録されている。
TRPGサプリメント『マレウス・モンストロルム』にも外見に関する部分のみ訳が記載されている。


■概要

ユゴスやトンド、高次元の世界で崇められており、地球でもアトランティスにて占星術の神として信仰された事例がある。

外見

ダオロスの姿を正確に直視すると破滅(発狂)するとされており、不正確に再現された模型でのみ外見が描写されている。
これはあくまで三次元状の姿を模したもので、本来ダオロスが潜む次元では全く別の姿とのこと。

半球*1と金属が、バラバラながらも突き出たシリンダーのように固まって見える幾つもの平たい灰色のプラスチックのような棒で連結された複雑怪奇で認識しきれない原子模型のような形状をしている。
模型でありながらサイズも変動し続けているように見え、何もない棒の隙間からは生き物の目が覗いているような雰囲気を漂わせている。

原著にて高次元の世界に現れたダオロスは膨張しており、その描写と五芒星の中に召喚しなければならない設定をあわせてか『マレウス・モンストロルム』では、三次元上でも際限なく膨張し続けると設定されている。
ダオロスを閉じこめるなにか魔術的な対策ができなければ膨張を阻むことはできず、膨れ上がるダオロスに呑み込まれたものは遠い異次元へと運ばれ、悲惨な結末を迎えることになるといわれている。
シナリオ*2によっては膨張し続けるダオロスを制御できず術者が異次元に運ばれ、膨れ上がるダオロスにより東京全域がクレーターに変わってしまうものもある。


権能

物事の真の姿を見せる。異名〈ヴェールを剥がすもの〉の元にもなっている。
眼球や触感など認識を歪める要因の影響を取り払い、直接物事を認識させる。「グラーキの黙示録」に、ダオロスからこの力を借りる方法が書かれている。

アトランティスの司祭はダオロスから過去と未来を見通す力を授かり、物質が最後の次元に到達する瞬間をも視ることが可能だった。


新熊昇氏の『ウマル皇子の天球儀』では、遠く離れた場所を幻視する呪文にダオロスの名が含まれている。

『マレウス・モンストロルム』ではKP裁量で異次元に関する如何なる呪文をも知っていることにしてよいとしている。
また、ダオロスの膨張に巻き込まれると異次元に飛ばされるとされた。


召喚・儀式

プラスチックの棒で作った五芒星の中に、顎がない人外の存在の頭蓋骨を加工した蝋燭立てを置き、ほとんど光を発しない蝋燭を灯す。
蝋燭以外の光源を除いてから呪文を唱えると、蝋燭を目印にダオロスが五芒星の内部に現れる。

召喚されたダオロスの三次元の実体は五芒星から出ることはできないが、二次元に変化させた体の一部は外部まで伸び召喚者と接触、少量の血を吸うことで望みを把握し叶える。


■"The Render of the Veils"のあらすじ

神秘主義者が帰宅途中タクシーで相乗りになった魔術師と意気投合。
儀式に参加することを快諾し、招待された彼の自宅でダオロスの模型を見せられ入手した経緯を聞いた後に儀式を実行。
ヴェールを剥がされた人間の真の姿は、そしてそれを視てしまった二人は……。


■その他の作品での描写

『ウマル皇子の天球儀』では宇宙の混沌の起源とされており、神々でさえも理解の及ばない宇宙の真理に通じる存在として描かれている。


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最終更新:2023年06月26日 00:32

*1 個数は『クトゥルフ神話への招待』では「2つ」、『マレウス・モンストロルム』では「いくつも」と訳されている

*2 ホビージャパンの『RPGマガジン』1992年6月号(No.26)にリプレイ『WHO ARE YOU?』