SCP-1344-JP

登録日:2020/07/28 Tue 10:00:22
更新日:2025/04/27 Sun 08:38:00
所要時間:約 3 分で読めます




SCP-1344-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は「羨ましい」。JPのコードが示す通り日本支部の管轄にある。
オブジェクトクラスは収容が非常に困難なことを示す「Keter」。

概要

SCP-1344-JPとは、睡眠中の人間の足元に約20%の確率で突然出現する謎の死体である。
DNA検査により、その睡眠中の人間当人であることが確認されている。
なお、その人の足元に1メートル以上のスペースがない場合は出現できない(寝具はあっても出現する)。

「睡眠中の人間のところに現れる」以外に出現に法則性が一切ないため、収容はできていないが、危険性自体はほとんどない。
コイツは、出現すると同時に最も手近な筆記具……もしくは自分の血液で、未来の日付とメッセージを記す。
そのメッセージの内容は概して「あなたはこの日付に死にます」と言うものである。
書き記している間はインタビューできるが、書き終える、もしくはメッセージの記入を妨害するとそのまま活動停止し、ただの死体になる。

読んだ当人は「自分はこの日付に死ぬ」と確信を持つが、今のところ該当する日付に死亡した実例はない。
また、以降布団から足を出して寝ることに強い恐怖を抱くようになる。

とりあえず、「寝なきゃいい」ので、財団は睡眠薬を回収して回っている。
































え?なんか隠された特性があると思った?



SCP-1344-JPの報告書はマジでこれだけです


本家を見に行くとわかるが、本当に短いし、補遺なども一切存在しない。

このオブジェクト、「寝ている人の足元にいきなり出現して、実際には死ぬことのない命日を宣告する」だけの存在であり、他に何一つ異常性はないのである。


死の終焉ハブ

ぶっちゃけ、これ単体だとヤマもオチも意味もない、何を言いたいのかさっぱりわからないオブジェクトなのだが、タグを見るとようやくわかる。

「end-of-death」……つまりこのオブジェクト、「死の終焉」世界に属するオブジェクトなのである。

この世界では何かしらの理由により、全ての生命から「死」が奪われている。 しかし不老ではないので身体機能は普通に低下していく
そのため、ほぼ全ての人類は「死」を求めている。 全人類が自殺志願者世界 と思えばいいだろうか。
おまけに「睡眠」までもが奪われており、人々は特殊な睡眠薬なしでは眠ることすらできなくなっている(だから睡眠薬の回収がプロトコルに含まれているのである)。

このオブジェクトは、単に「自分の死体が出現する」というところではなく、このような特殊な世界観を前提にしてようやく怖さ(というか気持ち悪さ)が理解できるものになっている。

死ぬはずのない自分が「死んでいる」こと。
その死んだ自分から、自分の「命日」……それはこの世界の人にとって唯一の希望と言ってもいいだろうが……を教えられること。
実際にその日付になっても、相変わらずくそったれな生命は存続し続けていること

これらが複合的に絡み合った時、対象の口から漏れ出る言葉はただ一つなのだろう。



「羨ましい」








追記・修正は死体を羨ましがらずにお願いします。





CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1344-JP - 羨ましい
by AMADAI
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1344-jp

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最終更新:2025年04月27日 08:38