宮田司郎(SIREN)

登録日:2011/05/11(水) 17:10:33
更新日:2023/12/29 Fri 00:20:52
所要時間:約 6 分で読めます




画像:SIRENオフィシャルサイトより。

ゲーム『SIREN』に登場する人物。

声:満田伸明

年齢/27歳
誕生日/1976年6月13日
職業/医者


羽生蛇村にある宮田医院の院長。
名字が違うが牧野慶は双子の兄にあたる。
また、同じ病院の看護師・恩田美奈とは恋人である。

性格は冷静で兄に比べ落ち着いているものの、感情の変化が乏しく冷めた反応も多い。
喋り方にも抑揚がなく、無気力を通り越して無感覚な印象を受ける。

イケメンである。双子かつ中の人も一緒な牧野よりもずっとイケメンである。




※以下ネタバレ



蛇ノ首谷で穴掘りしていた際に突然起こった異変に巻き込まれたらしく、そこで目を覚ます。

蛇ノ首谷を脱出後、大字粗戸にたどり着いた時に美奈の妹の恩田理沙と会い、彼女と行動を共にしながら宮田医院(ただし27年前のもの)に到着する。
院内で休憩中、同じく病院にたどり着いた双子の兄である牧野慶と話し込んでいたが、屍人と化した恩田美奈の襲撃に遭う。
そして美奈と意識が同調し、精神に異常をきたした理沙を絞殺するが、その直後にサイレンが鳴ったために理沙は屍人化して復活。
なお、理沙を絞め殺した際に「流石双子だな、死に顔もよく似ているよ」と呟いたことで、美奈を殺害したのも彼だと判明する。

宮田は屍人化して襲ってくる恩田姉妹を撃退しつつ、病院の地下に向かう。そこには、生前に椅子に目隠しをされて拘束されていたと思しきミイラがあった。
訝しみながらも近付いた宮田に向かって、ミイラはひとりでに手を持ち上げ、その手に握っていたものを差し出すかのような姿勢を取る。
それを「自分に受け取れと言っている」と解釈した宮田は、ミイラが握っていた宇理炎を受け取った。
※ちなみにこのミイラは公式HPで閲覧出来る「羽生蛇村異聞録」に登場する、先代の神代美耶子。
 とある事情から27年前に拘束され、身体は既に朽ち果てているが、神代の呪いで精神だけ生き残っていた。


その後、橋の下で瀕死になっていた須田恭也と安野依子を偶然発見。
宮田医院まで連れて行って輸血などの応急処置を施し、2人の意識が戻ったのを見届けてから立ち去った。


そして宮田は、儀式が失敗に終わってしまい、失意の内に屍人の巣をさ迷っていた牧野の前に姿を現す。
双子でありながらまったく異なる道を歩んだ彼ら。
牧野を光とするなら影の人生を歩んできた宮田は、求導師として生きることの辛さや重圧を牧野から聞いてなお、
「それでも私は、牧野さんになりたかった」と長年抱いてきた思いを吐露した後、
「これでこの舞台から退場する」
「さよなら、兄さん」
と言い銃を自分のこめかみに当て、発砲した。
後に、この場所を訪れた竹内多聞が宮田の名札付の白衣の燃えカスを発見している。



※以下さらにネタバレ










先のイベントで自殺したように演出された宮田だったが、実は自殺しておらず、牧野を射殺していた。
宮田は射殺した牧野の求導師の服を奪い、宮田司郎の名を捨てて「求導師」牧野慶として行動を始めていたのだ。
(名前は牧野慶になるが、モーション、声、装備、そしてかっこ良すぎるリロードでバレバレ)

「牧野」となった宮田は、「自分に出来る事」を探しつつ、屍人の巣でさ迷っていた須田に「受け取れ、お前の役目だ」と宇理炎の片割れを渡す。
そして、耶辺部落で爆弾を入手した宮田は、姉妹共々頭脳屍人となりつつもなおも自分に追いすがってくる恩田姉妹を退け、ダムを爆破した。
※これによりこの水が屍人の巣に流れ込んで日光を遮っていた違法建築を破壊したため、堕辰子は直射日光を受けて瀕死となった。


その後、宮田は水が無くなったダムの底で、半屍人となりつつも自ら水底へと身を沈めてサイレンの音に抗い続けていた、かつての異変に巻き込まれた村人たちを発見。
屍人になっていない村人たちを守るべく「永遠に生きる苦しみ」に耐えていた彼らを哀れんだ宮田は、「求導師」として彼らを救うため、自身の命を代償に宇理炎を使用する。
屍人ですら消滅させる「煉獄の炎」へ自ら飛び込んでようやく死という安息を得る彼らを見ながら、宇理炎を使った代償で一気に衰弱していく宮田。
意識が朦朧とする中、地面を割って立ち上る蒼い火柱の中で、自分を呼ぶ恩田姉妹の幻影を見た彼は、微笑みながら彼女たちの元に向かうように歩き、火柱が立ち上る大穴へ落ちて行った。



※以下さらにさらにネタバレ













実は宮田家には養子で入っており、旧名は吉村克明

生まれたばかりの27年前に起きた儀式失敗による異変に家族共々巻き込まれるが、
因果律に基づいて"必然的"に現世に戻ってきた。
※両親は現世に戻ってきたものの、父親は即死。
 母親も即死こそしなかったが、そこに通りかかった牧野の父と宮田の母に息子達を託した後、譫言を漏らしてすぐに事切れている。


克明は異変による災害で息子の司郎を失った宮田家に養子として引き取られる。
しかし宮田医院の跡取りとなるべく異常な愛情と熱意を注ぐ養母と、
そんな彼女を狂気じみていると感じながらも干渉せず、むしろ彼女の愛情を一心に受ける自分を疎ましく思う養父との間で歪んだ育ち方をすることになる。

さらに宮田医院は、村の暗部を知る者や知れると都合の悪い存在を始末する裏の姿を持っていた。
村の求導師とされる牧野家に引き取られ、何もしなくてもいずれは期待、尊敬される立場になる自身の半身たる兄とはまさしく対照的な立場にあった。
ただ、引き取り先が違ったというだけで日陰に追いやられ、自分とほとんど同じ顔に頭を下げて働くことを余儀なくされた宮田は、兄への羨望と嫉妬の念を募らせながら育った。

これで牧野がまだ自分より有能であれば諦めもついたかもしれないが、ご存知の通り牧野が、
無能!ヘタレ!八尾コン!
であったのもフラストレーションを溜める一因となったに違いない。
※ただし、牧野が八尾コンになったのは儀式の失敗を苦に早々と養父が自殺して八尾しか頼れる人がいなかったことや、八尾自身が牧野を意図的にそう育てたせいでもあり、
 一概に彼だけが悪いというのはやや酷な話でもある。

そして成長し院長の座を継いだ彼は、異変当日に何らかの理由で(宮田のコンプレックスを傷つけるような発言をしたというのが有力)恋人の美奈を衝動的に殺害。
事実を隠蔽するために死体を埋めていた時に異変に巻き込まれた。
ちなみに理沙が遭遇し助けを求めたのは、彼女がまさに探していた姉を殺し、その遺体を埋めた直後の宮田だったりする。
あまり感情を表に出さない宮田が彼女の顔を見て「美奈…!?」と一瞬驚きを露わにしたのも、殺したはずの人間(と同じ顔)と出くわすという状況のせいであろう。
一方の美奈はというとサイレンと共に屍人として復活し穴から這い出ているが、すぐ近くにいた宮田を発見できずに明後日の方角へ行ってしまっていた。

また宮田は27年前の異変の生還者として、物心つく前に儀式を阻止しようとして失敗し異界に取り残された先代の神代美耶子から、
“夢”という形で八尾の目論見を阻止しようとする彼女の指示を受けていたが、得体の知れない夢にどうするべきか分からずにずっと悩んでいた。
本編後半、つまり「牧野」はその指示に従うことを決意したため、宇理炎を受け取ったり、瀕死の須田&安野を助けたりと本来の宮田らしくない行動を取ったとされる。
※なお牧野も同じ夢を見ていたが、ヘタレな上に八尾が無視するよう教えていたため、目を必死に背けていた。


彼は最終的に"殺人者・宮田司郎"を捨て、"真の求導師"として苦しむ人を救い、
堕辰子を滅するきっかけをも作った後、かつての恋人とその妹と幻影を見ながら、安らかな顔で逝った。


正直視点を変えれば自分勝手な生き方を送ったマッドドクターだが、
コンプレックスを克服し、最期は自らの命を賭して多くの人を救った宮田はまさにSIRENの裏主人公的存在であり、ファンも多い。


名前の元ネタは白い巨塔の田宮二郎。
本名の方の元ネタはピーコ。


ちなみに恩田姉妹のその後だが、第2日目に医院の地下で宮田により二人揃って解剖された後、
最後には理沙は宮田に杭を打ち込まれ、美奈は坑道内に生き埋め(?)にされている。
屍人の行動理由を考えれば美奈(と姉の意識と同調した理沙)が宮田に執着するのはそれだけ彼を愛していたためとも取れるが、
そこまでの責め苦を味わわせた張本人がいまわの際とはいえ笑顔の彼女たちに呼ばれる幻影を見ながら逝くというのは些か都合が良すぎやしないだろうか…



◆主な装備


  • ラチェットスパナ
宮田の車に乗っていた工具。
最後まで所持しているが、1日目の7時にもうネイルハンマーを手に入れてしまうため、
よほどのマニア以外は最初のステージくらいでしか使わない。
ぶっちゃけいらない子。求導師になった後も持ってるが


  • ネイルハンマー
宮田を代表する武器。
大字粗戸のゴミ箱に捨てられていた。
その辺に捨てられていたゴミなのに拳銃1発と同等という、恐ろしく強い武器で、
打撃武器では神の武器である焔薙を除けば最強。 なにそれこわい。スパナがゴミのようだ!
ちなみに2、NTでもネイルハンマーは出てくるが、なぜか恐ろしく弱い。
やはり宮田でないと使いこなせない武器なのかもしれない。いや、本来は工具なんだけども。 ( 三)<ふむ?工具だと何か問題でも?
なお、宮田がこの武器を使って屍人を無双していく姿や、そこから転じて宮田自身を撲殺天使宮田と呼ぶファンも。
ちなみに求導師になった後も持っていた。3日で美奈や理沙を倒すための拳銃の弾を温存するために道端の雑魚を倒す武器としてはかなり役立つ。


  • 38口径短銃
コルト・ディテクティブ・スペシャル。
元は竹内が所持していた拳銃だが、なぜか牧野になりきった宮田が持っている。
気絶していた時に盗…借りたのだろうか。



◆リブート版『SIREN ReBIRTH』

基本的に原作と同じだが、リブート版における(須田恭也と立場が入れ替わった)事実上のメイン主人公として扱われていることもあり、
完全に牧野慶とは対照的な人物」かつ「(義理の息子に躾の度を越えた虐待を行っていた養母・宮田涼子と同じく)加害者にして被害者にあたる人物」として描かれるため、
悲惨な生い立ちがより克明に描写されている。

その他にも
  • 恩田美奈との恋愛関係が掘り下げられたこともあり、美奈殺害の経緯が改変されている
  • 宮田涼子との関係が改変されると同時に、彼女と共に築いた歪な親子関係(共依存)の描写が追加されている
  • 宮田涼子・恩田美奈・恩田理沙に思うところがある節を見せている
…などと原作ゲームとは対照的に良くも悪くも人間味のある(人間臭さを持つ)ダークヒーローとなっている。



中の人は昼ドラの脇役や舞台やCMなどマルチで活躍する俳優。
ここ最近ではヘルシア緑茶のCMに出演していた。
またラーメンチェーン七鐘屋も経営している。




追記、修正は真の求導師になってからお願いします。

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  • 歪んだ愛情(愛憎)の産物
  • 因習と因果の犠牲者
  • SIREN ReBIRTH←真の主人公
  • 意外といい人
  • アダルトチルドレン

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最終更新:2023年12月29日 00:20
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