SCP-4975

登録日:2020/10/27 Tue 12:48:38
更新日:2024/11/22 Fri 18:41:04
所要時間:約 5 分で読めます





音が止んだらさようなら。



SCP-4975とは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」において登録されたオブジェクトの一つ。
オブジェクトクラスは「Euclid」だが、「Keter」への格上げが検討されている。



説明

SCP-4975は、長身の身体に細長い手足と自在に動かすことの出来る首、さらに鳥類の頭部によく似た嘴をもつ肉食生物である。
皮膚は厚く硬化しており、全身に加えて嘴まで包まれている。

腕の先は鎌のようになっており、これで獲物を殴打・裂傷を負わせた後に捕食する。
勿論主食は人間である。一般成人男性の死体で約三ヶ月ほど生存できる模様。

注目して欲しいのはコイツの首。どうやら頸椎と完全に連結していないせいか、中の椎骨を自在に動かすことが可能。この部分をSCP-4975は常に回している。動きを止めるのは攻撃の時だけ。

また、この首を曲げ伸ばしするときに鳴る音が、ちょうど時計の針のように「チクタク」「チクタク」とリズミカル。


で、SCP-4975の狩りだが、これが相当悪質である。

コイツは獲物をストーキングする際、最長で10ヶ月以上も身を潜み続け、例の「チクタク」音を獲物に聞かせ続ける。
この際、コイツの姿は被害者以外には見えないようだ。

そうして時間を掛けて獲物を精神的に衰弱させた後に姿を現し、付属肢で獲物を殺害・捕食するのだ。


ぶっちゃけ只の化け物じゃねーかと笑ってる方々もいるとは思うが、現実はそうそう甘くはない。コイツは既に収容されている
"収容プロトコル"

SCP-4975は標準的な鋼鉄製の収容室に収容されます。人間によるSCP-4975への接触は禁止されます。

収容違反が発生した場合、リズミカルなクラッキング音が持続的に聞こえている財団職員は、他の人々から自身を隔離し、SCP-4975が収容室に戻されるか、クラッキング音が停止するまで根気強く待機してください。


だというのに、SCP-4975が収容されている中で、ドイツ国内ではSCP-4975が関わったと思われる被害が発生し続けている


同族でもいるのではないかとも思われるが、確認はされていない。確認する前に、唐突にSCP-4975についての調査が無期限に打ち切られてしまったのだから。

................とにかくヤバいということだけは分かってもらえるだろうか?



発見

SCP-4975が初めて確認されたと思われるのは、1538年だと推測されている。ドイツの各地でコイツとよく似た姿の怪物についての民話が数多く残されており、如何に恐れられていたかが伺える。


奇妙な行動

ある日、財団工作員たちはドイツ国内で4ヶ月以上にわたってストーカー被害を受けていた男性を保護した。

その男性曰く、「シュバルツバルト(黒い森)に行ってから変な幻覚を見る」「化け物が四六時中、奇妙なチクタク音を鳴らしながら自分を監視している」。

その後、複数の武装した工作員を伴って、例の森に踏み入れたとたん、突然男性が発狂。

指を何もない場所に向けて、「怪物がいる」と言うが工作員たちには何も見えない。カメラも確認したが何も写っていなかった。



注記: 監視映像によると、正確にこの時刻、SCP-4975は首を回転させるのを止めて、収容室の南東の壁を身動きせずに見つめていた


次の瞬間、男性がおもいっきり吹き飛ばされ、暴行を受けているような状態に陥った。工作員たちが例の場所に発砲するが何も起こらず、とうとう男性の体が引き裂かれ始めた。

やむなく工作員たちは男性を終了したが、残った遺体は少しずつ引きちぎられて、徐々に消失。最終的に遺体は跡形もなくなってしまった。



注記: この時、餌を与えられていなかったSCP-4975は、何かを食べているように見受けられた



化け物の食事

このオブジェクトの本家ページの最後を確認してもらうと、念力幻覚瞬間移動等のタグ付けがなされている。

これから推測してみると、SCP-4975は自らの身体と"連動している幻覚"に加え、念力で実際に痛め付けるようにダメージを与え、獲物の肉のみを"口の中に瞬間移動"させて食らうことが出来ると思われる。


収容中に何かを捕食しているような動きも、これで説明がつく。
そもそも実際に捕食していたのだ。自らの念力でぼろ雑巾にした後にゆっくりとご馳走にありついていたのだ。


なぜコイツの実験が中止とされたか、もうお分かりだろう?
コイツは視認するだけで相手を自由になぶり殺し、自由に捕食することが出来る。しかも距離なんてものは関係無し。
こんなん文句無しの「Keter」だわ。



補遺4975-B:

最後に、SCP-4975をモデルとしたドイツの民謡を記して、解説を終えようと思いたい。



“チクタク”、カッコウ時計は刻む。
“カッコー”、中では鳥が鳴く。
チクタク、チクタク、チクタク、チクタク。

時の刻みは、ハートの刻み。
歌が聴こえるほど、長生きできる。
チクタク、チクタク、チクタク、チクタク。

よくお聞き、それが止まる時
雛鳥が家から飛び出してくる。
チクタク、チクタク、チクタク、チクタク —





聞こえたかい? 止まったかい?






坊や、それは








SCP-4975


時間切れ(Time's Up)






という意味さ







余談

本オブジェクトは、クリシェコンテスト2019の応募作品の一つである。
本コンテストのテーマの一つ「不気味でおぞましい殺人モンスター!」を地で行く、シンプルかつ本格的な記事であるといえよう。

また、アップロードされているファイルやソースを確認すればわかるのだが、
ページには1つの音声ファイルがアップロードされており、動作する環境であれば、一定時間経過後に音声が流れるようになっている。
気になったら下にあるリンクから実際のページに飛んでみることをお勧めする。

追記・修正をお願いします。


SCP-4975 - Time's Up
by Scented_Shadow
http://scp-wiki.wikidot.com/scp-4975
http://scp-jp.wikidot.com/scp-4975(翻訳)
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最終更新:2024年11月22日 18:41