マキシム・G

登録日:2020/11/25 (水曜日) 00:37:14
更新日:2020/11/26 Thu 16:14:08
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マキシム・G(マキシム・ゴーリキー)とは、ブギーポップシリーズに登場する統和機構の合成人間。
もっぱら同一世界観の別シリーズにばかり出ていたが「オルタナティブ・エゴの乱逆」でめでたくブギーポップ本編にも出演した。

姿はしばしば天使のように美しいと称される短髪の少年。ボーイソプラノの声をしている。
実験的に造られた特別製の合成人間で、他の合成人間と最も異なる特徴としては脳にチップが埋め込まれている。
このためネットワークに接続してあらゆる情報を計算しながら判断が可能なほか、合成人間としては桁違いの規模の能力の精密制御及び大規模での展開を行う。

反面人間的な情動が喪失してしまっているようで、行動原理は任務や統和機構の効率的な運用のためと、組織の歯車じみた在り様をしている。
言動の全てが無感情で合理的な計算以外で物事に全く頓着せず、
行動不能なほど負傷した時でさえ「スリープモードに移行する」と言い放って固まるなど、
会話でも人間と言うよりパソコンのメッセージをぶっきらぼうにしたような感じの回答しか出さない。

そのあまりに無機質な言動と能力の強大さから畏怖も込みで周囲からは『ロボット将軍』とも呼ばれている。
彼自身は統和機構でも相当な上の方にあたる権力者なのだが、そういう意味でも周囲の反応には少し複雑なものがあり、
備品のように本当に全く感情が無い存在が上司と言うケースは統和機構でも流石に稀だからこその彼特有の距離感とも言える。

  • 能力:「ジェントル・ジャイアント」衝撃波によって周辺の空気を固め、自在に操る。
似たようなことができる合成人間はそれなりに存在するが、なにより他の合成人間と違う性質は規模と精密性。
瞬間的に数百もの衝撃波のオンオフを操作することにより空気を硬化。
自分の何十倍何百倍(時には山より巨大とすら形容される)もの巨大さを誇る半透明(時に黒い不透明とも形容される)の巨人を作りだすことができる。。
この時マキシムG自身は胡坐をかいたような姿勢で頭部の中に収まっている。

強力な頑強さを誇る一方であくまで「衝撃波の制御により固められた空気」なので重さは空気のまま変わらず、なおかつ衝撃波と同じ速度で高速機動をさせられる。
また物理的な組成としては単なる空気なのでレーダー等に一切映らないという特性を持っている。
その破壊力はビルを拳の一撃で粉砕し、防御力は例え対艦ミサイルなどの兵器をぶつけられても構成する空気が流動するだけで中のマキシム・Gを傷つけたり巨人を破壊することはできない。
ただの空気ではなく衝撃によって形成されているため熱や敵からの衝撃波攻撃などはシャットアウト、あるいは拡散してしまう。
更には仮に破壊されようとも空気さえあれば容易く再形成が可能。
形状が概ね人型の巨人なのは単純にその方が手足を操るように運用しやすいからで、状況に応じて形状を粘土細工のようにいくらでも変化させられる。

実際にやった変化としては
  • 巨大な鋏を持った拘束用のクワガタ
  • 相手の動きを空回りさせ留めるベルトコンベア
  • トゲを生やす、腕を増やす
  • 拳だけ出して殴る
  • 一定の形を作らず周囲全体の大気を不透明にして視界遮断、そのまま圧力をかけ押しつぶす
  • 土砂を巻き上げて混ざることで拘束した対象を地中深くに生き埋め
など万能じみた変形を誇る。
元が合成人間によくある衝撃波を放つ能力の一種なため、他の合成人間のように衝撃波の砲撃もできる。。
衝撃を運動エネルギーとして放出すれば反動で自分自身を飛ばすこともでき、大陸間弾道弾並の速度で巨人を纏いながら飛行して建造物を着地だけで破壊したことも。

とまあ、単純な破壊力としてはリセットフォルテッシモと言った統和機構の頂点クラスには劣るものの、
国家規模の軍隊などを蹴散らすために作られた「掃討用」「虐殺用」とすら言われる強力な能力である。
弱点としては空気の対流するタイミングや動きに完全に同調して合わせればある程度はいなしたりに内部に侵入が可能なこと。
しかしそれはランダムに動く嵐や激流の流れを完全に読み切って受け流し続けるようなものであり、それこそコンピューターでも不可能なレベルの行為……やってのける存在も居るには居るのだが。


初登場時は次代の統和機構の中枢(アクシズ)にならんと参戦する形で登場。
さぞ野心家と思いきやその方が効率的と判断したからやっているだけの淡々とした機械的挙動で既存の合成人間とすら次元の違う冷徹さを見せつけ続ける。
そのまま様々なエピソードで事あるごとに大量破壊兵器じみた戦力として戦局に介入、様々な状況で破壊や不穏分子の処分を行うが、
スペックで負ける事例はほぼ無いものの行動原理がロボットじみている部分を利用される点が多く、
また意地や拘りなども無いので計算から導く合理的選択として戦闘をいきなり中止したりすることも。
ただチップの影響を除去さえすれば元々普通の子供のような部分が僅かに残っているようで、ほんの少しだけそれを思わせる顔を見せたことも……




  • ミニマム
マキシム・Gの実妹。
ベルトの多い服をした、市松人形のような前髪に、後ろ髪は長髪の愛らしい少女。
冷徹な言動と決断力を持つが兄と違いチップを埋め込まれてはおらず、激情を見せたり焦ることもあるなど情動の類は喪失していない。
名称の「ミニマム」とはマキシム・Gとの対比として周囲から呼称された言わばニックネームで、本来のコードネームは「ブルー・ダリア」
が、作中の誰もほとんど彼女をそっちの名前で呼んでいない。
部下や敵対勢力はおろか私情を一切挟まない(と言うより持たない)マキシム・Gでさえ「ミニマム」としか呼ばないため、半ばそちらの方がコードネームと化してる始末である。
兄がチップを埋め込まれ豊かな感情を失ってしまった事実と『ロボット将軍』の異名を嫌悪しており、合成人間として動きながらも兄を元に戻す方法を探し奔走している。
その行動から改革派とも評される権力者の一角で、兄に比べあらゆる意味で規模が下回るながらも統和機構に強力な影響力を持っている。


能力はジェントル・ジャイアントと全く同種(固有の能力名があるかどうかは不明)なのだが、チップを埋め込んでいないせいかほぼ下位互換と明言されている。
特に精密性の恩恵が無いためか兄のように空気で巨大な構造物を作成せず、
もっぱら戦闘手段は周囲の空気を無形の念動力のように操るか衝撃波による砲撃を使っている。

しかしそれでもその強さは他の合成人間と明確に懸絶したトップクラスで、
敵対した合成人間の衝撃波攻撃を容易く散らしたり、建築物が瞬時に消失するほどの爆炎からも無傷で生還している。
また防戦一方だがそれこそ兄が放つジェントル・ジャイアントの手加減抜き、本気で全開の一撃もなんとか傍に居る人間を庇いつつ防御しきるなど、
あくまで下位互換なのは精密性や展開規模であり、局所的な攻撃力や防御力はそこまで劣ってはないのではと思われる描写がある。
兄と同じく特別製(スーパービルド)のカテゴリに入るかは不明。



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最終更新:2020年11月26日 16:14