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SCP-1426-JP

登録日:2020/12/29 Tue 09:25:47
更新日:2026/08/08 Sat 16:31:45
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いくら想いを届けても、最後に帰ってくるのは悲しみだけ。


SCP-1426-JPは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)。

オブジェクトクラスKeterからのEuclid


概要

こいつはなにかというと、紙製のレターセットである。SCP-1426-JPは軽度に装飾された封筒、便箋を一式として配送されており、包装紙には下記のキャッチコピーがついている。


あなたの気持ちを大切な人の胸に "直接" 届けましょう。


こいつの異常性は、このレターセットを使って誰かへの手紙を書いた時に発生する。書き上げると、5~6時間後に書いた人物の視界から外れる形で消失し、「誰か」の胸に硬化した状態で出現するのだ。
突き刺さると引き抜くことは出来ず、すべての事例に於いて外科的処置も意味を成さないまま死亡してしまう。

特別収容プロトコルによると、SCP-1426-JPの被害者は全員奇病により死体が回収されることになり、被害者の遺族にはカバーストーリーおよび記憶処理が施されるという。
なお、このSCiPに関しては倫理的な事情により実験が停止されている。それらは後述の事情によるものである。


以下、SCP-1426-JPの被害事例である。

最初の事例。とある元会社役員であり、書いたのはその妻だった。

綺麗な形で辞めたわけではないけれど、今までお疲れさま。
あなたが仕事のことで悩んでたのはわかってたし、ああいうことをしてしまったのは私たち家族を養うためだったんでしょ?
仕方ないとは言えないけど、私はこれからもあなたと一緒にいたい。
また一から家族みんなでやりなおしましょう。
私はお金を稼ぐよりも、そうすることが出来れば幸せです。

SCP-1426-JPによる会社役員の死後、手紙を書いた妻が殺人事件により逮捕され、「書いた手紙が凶器になり突き刺さる」現象オブジェクトとしてKeter認定された。その後、上述のレターセットが発見され、オブジェクトクラスの再分類が行われた。

二つ目の事例、被害者はとある警察官であり、手紙を書いたのはやはり妻である。

アンタ、若いころはもっと燃えてたよね。
なんか抽象的だけど。「悪は見逃せない」みたいなことよく言ってて暑苦しかった。
「何もかも理想通りに行くもんじゃないよ」言っても聞かなかった。
実際、"悪い人たち" のお陰で社会が成り立ってる面もあるのに、何にも考えてなかったよね。ほんとバカだったと思う。

またそんなふうに戻ってほしいけど。

三つ目の事例。手紙を書いたのは今回は娘である。

おとうさん、もっとあそびたい

SCP-1426-JPとなった手紙の内容はいたたまれない思いになるものばかりである。
まさか、自らの書いた手紙がその思いを伝えたい相手を殺めてしまうとは全く思わなかっただろう。
このレターセットは、よりにもよって愛する者に「手紙を書かせる」という手段で(配布者の手を汚さず)殺害させるというとんでもなく邪悪な代物であった。

一体、誰がこんな厄介なものを寄越したのだろうか。


流通者へのインタビュー


その後、SCP-1426-JP流通を指揮していた指定暴力団有村組の黒井氏が財団に確保された。

有村組とは準要注意団体のひとつであり、複数のアノマリーを運用するヤクザ集団である。抗争や金儲けのために使うという性質から、アノマリーの多くは非人道的かつえげつない物が多く(例、SCP-1220-JP)、今回も「手紙を書かせるという手段で異常性を発揮し、ターゲットを妻や子供に殺害させる暗殺兵器」で、自分の手すら汚さず非道なことをやってのけた。

黒井氏曰く、有村組はSCP-1426-JPを組の関係者を暗殺するために使っていたらしい。しかも、敵や裏切り者の類ではなく、単に「殺さないと面倒」というそれだけの輩をである。

黒井氏はそれに関して(罪の意識といえないまでも)思うところはあったようだ。彼は最後にこんなことを口走った。

作ったやつ曰く、これで死ぬと、手紙に書かれてる内容、いや書いてる奴の気持ちまで伝わるらしいんだ。

確証はないが、殺す時にこれを使うのは、そういうやつらへの最後の慈悲ってところだと思う。
もっとも、やってることが邪悪であることには変わりないが。

黒井氏が言うことが本当だとしたら、家族の気持ちを文字通り胸に抱きながら息絶えるSCP-1426-JPの犠牲者達は、一体最期に何を思ったのだろうか。
黒井氏の言う通りせめてもの救いとしたかもしれないし、むしろかつての幸せを永遠に得られないことを深く悔い絶望したかも知れない。

しかしどちらにせよ、有村組全体としてはそんなことは知ったことじゃないだろう。
なぜなら彼らにとっては、この手紙も家族の想いも所詮は...…


SCP-1426-JP

ただのチャカ


に過ぎないのだから。


追記・修正は、家族の想いを無駄にしないようにお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1426-JP - ただのチャカ
by EFU
http://ja.scp-wiki.net/scp-1426-jp

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最終更新:2026年08月08日 16:31