ジョシュ・コラレス

登録日:2021/04/08 (木) 22:29:22
更新日:2023/11/02 Thu 18:56:27
所要時間:約 7 分で読めます






Koboパーク宮城はとても綺麗なスタジアムですし、ここで投げられると思うとワクワクします。




ジョシュ・コラレスとは、東北楽天ゴールデンイーグルスに所属していたプロ野球選手である。正式な名前はジョシュア・J・コラレス。

解説

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校

カリフォルニア州立大学ドミンゲスヒルズ校

三菱日立パワーシステムズ横浜

富山GRNサンダーバーズ(2016~2017)

東北楽天ゴールデンイーグルス(2017~2018)

キンタナロー・タイガース(2019)

1990年5月25日にアメリカ合衆国のカリフォルニア州ロサンゼルス郡サンタクラリタにて生まれる。
野球ではポジションは投手を務めており、マイナー時代は主にリリーフで登板していた。
メジャーのマウンドに立てずに日本に来日した苦労人なのだが、「コラレスショック」なる騒動を起こして運悪く伝説のネタ外人と化してしまった不憫な選手。

選手としての特徴

150kmを超える球速が持ち味。独立リーグの成績を見る限りではコントロールに不安な面がある代わりに奪三振率が高めの投手。
しかし、NPBの打者相手にはその力強い速球は通用しなかった。

経歴

プロ入り前

学生時代はカリフォルニア州立大学ロングビーチ校やカリフォルニア州立大学ドミンゲスヒルズ校で過ごした。
2011年のMLBドラフトにおいて44巡目で指名を受けてシアトル・マリナーズに入団。

シアトル・マリナーズ時代

マリナーズに入団したコラレスだったが、メジャーの枠に上がることは出来ずに2Aに留まる。
最終的には僅か1年程度で米国の地から去る形になってしまった。

社会人野球・独立リーグ時代

コラレスは来日の道を選択し、社会人チームの三菱日立パワーシステムズに入部。
2016年には独立リーグのBCリーグの球団である富山GRNサンダーバーズに入団してリリーフとして稼働していたが、後に先発に転向。
2017年は6勝1敗、防御率1.06というリーグトップの成績を挙げたことが評価され、東北楽天ゴールデンイーグルスへの入団が決まった。

楽天時代

楽天では外国人枠の選手ではあるが、独立産という事もあって年俸は600万円と格安。
二軍ではあまり優れた成績は残せず、2017年8月15日に西武戦で先発として一軍デビューをするが3回5失点で降板してチームの敗因となる。
この試合以降は2017年に一軍で投げる事は無く、独立の助っ人外人という事もあってクビ濃厚と見られたが、育成落ちもなく何故か残留した。
「格安だからキープしておこうと思った」「独立との関係性を重視した楽天フロントの意向」等の説があるが、実際の真意は不明。
だが、翌年も結局一度も一軍で試されることはなく自由契約となった。

トライアウトにも参加したが、何故か楽天のユニフォームではなくTシャツ1枚で投げるという謎の姿を見せた。
それでもトライアウトでは三者連続三振を記録し、トライアウトを中継していた実況解説からも高く評価された。

キンタナロー・タイガース時代

トライアウトではNPBの獲得球団がなかったが、2019年にはメキシカンリーグの球団であるキンタナロー・タイガースに所属。

コラレスショック

◇経緯

2017年8月15日に行われた埼玉西武ライオンズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの試合の事を指す。
コラレスが楽天においてある意味伝説の外人として名前を残すきっかけになった出来事として知られる。

当時の楽天投手陣は3本柱である則本昂大、岸孝之、美馬学以外の先発投手を中10日で回していた。
日程的にはファンの間では美馬のスライド登板か、もしくは古川侑利や安樂智大辺りの投手をカード3連戦に入れるのだろうと読まれていた。

ところが、予想に反して先発投手に選ばれたのはコラレスであった。

二軍でも優れた成績を残せているとは言えず、未知数の外人を当時パ・リーグ最強レベルの打線の西武にぶつける戦略に疑問の声は出た。
しかし、二軍では先発になってからはそれなりの防御率を出していた事や相手からしたら初見故に分析不足で打ち損ねる可能性などのポジティブに捉えられる要素はあり、理解する声もあった。
新外国人なのでいつかはどこかで試す必要はあったし、何よりもファンよりも余程現場に詳しい首脳陣の采配なのだし、何か深い考えがあるのだろうと思うファンもいた。そして登板の結果は…。


  • スコアボード
1 2 3 4 5 6 7 8 9
楽天 0 1 0 4 2 0 0 0 1 8
西武 4 1 0 2 0 4 1 5 × 17

  • コラレスの投球内容
被安打5、与四球6、与死球1、失点5、自責点5、投球回3


案の定西武打線の餌食となってコラレスを始めとした楽天投手陣は大炎上、両リーグ最多失点タイの17失点を献上した。
楽天打線は何とか西武投手陣をそれなりに炎上させて一時的に同点になった事でコラレスの負けは消えたが、コラレスが降板してもなお続く味方の投手の大炎上をフォローすることは到底不可能であった。
元々楽天自体がこのシーズンの対西武戦を苦手としていたが、連敗を更に増やす事態に陥る。

この試合に投げた楽天投手陣は殆どが2軍に送り込まれてしまった。

◇影響

この試合以降、楽天はとんでもない勢いで敗戦を重ねていくことになった。

  • この試合を含む対西武戦3連戦を3連敗、その後の対ソフトバンク戦も3連敗をして上位争いのライバルに合計6連敗
  • 連敗の影響で首位ソフトバンクと1ゲーム差だったゲーム差が6.5ゲーム差まで広がり、首位の可能性が限りなく低くなる。シーズン終了時は10.5ゲーム差だった
  • 5.5ゲーム差もあった3位西武とのゲーム差が1.5ゲーム差に縮まり、後に2位からも陥落して3位でシーズンが終わる
  • あまり完封されていなかった打線が敗戦を機に急降下、貧打による敗戦と完封負けを重ねる
  • 6連敗が止まった後に今度は引き分けを挟んで7連敗し、1勝13敗1分という成績を叩き出す

首位争いどころか3位死守までに落ち込んだ球団史に残る転落劇は、以後もファンの記憶に残り続けた。
この転落劇の起点となった西武戦は「コラレスショック」とファンから命名され、マスメディアの間でも使われるようになった。
2017年の楽天について振り返るファンは、まずコラレスという選手を思い出すことが多い。

コラレスはこの試合以降は1軍に登板することはなかったのだが、ファンから強い怒りを買ってしまい、前年に強烈なインパクトを残したエリック・コーディエの蔑称からウンコラレスという蔑称までつけられてしまった。
上述したようにシーズン終了後に戦力外候補と見られていたコラレスは翌年も奇跡的に球団に残留したのだが、結局1軍に登板することはなく汚名返上は出来なかった。
入団前の知名度もない1試合投げただけの助っ人選手が、ここまでのネタ外人となってしまった例はなかなか見られないだろう。

◇擁護論

当時のショックが落ち着いた現在では「コラレスはここまで語り継がれるほど悪くないのでは?」「ぽっと出の外人選手で八つ当たりし易かっただけ」という擁護意見も存在する。

コラレスの後続で投げた投手陣はいずれも炎上したばかりかイニングイーターとしての役割も果たせず、数字で言えば全員コラレス以下の内容となっている。
これらの投手陣の失態を差し置いて、どうしてもコラレスのインパクトが強くなっているという点は否定できない。
それでもコラレスが炎上した事実には変わりないし、後続の投手もコラレスがイニングを食えなかったが故に炎上したという部分もあるのでやはりコラレスの責任は重いのだが。

抑えられなかったコラレスも悪いが、「何故期待値の低かった彼をいきなり1軍で先発させたのか?」という首脳陣の起用を疑問視する声も多い。
実際にコラレスの一軍先発までの経緯は何かしらの介入があったのではないかと見る邪推・陰謀論も出ている。

また、印象はともかくコラレスは総合的な結果だけを見ると本来は今なお語り継がれるレベルのハズレ助っ人という領域ではない。
1軍では1試合負けに繋がる試合を作っただけで、ネタに残るような発言や行動があった訳でもなく(退団後のTシャツ姿登板くらいか)、年俸の面でも独立出身という事もあってかなり安い出費である。
成績の割には2シーズン在籍して選手枠を消費していたという疑問点も存在するが、上述の年俸が安いからキープした説などで説明は可能な編成ではあるだろう。

そもそもコラレスショック以降にチームの選手が低迷したこと自体はコラレスが原因という訳ではない。各選手や首脳陣の問題である。
コラレスの炎上で投手陣や野手陣に負担はあった可能性は否定できないが、それを確実に証明する手段はない。
2017年シーズンの楽天は夏頃から主力の離脱などが続出しており、仮にコラレスが投げておらずともチームが大失速するのは時間の問題だったとも言える。

コラレスショックとして語り継がれることになったのは自身の投球が最大の原因ではあるが、外部的要因も悉く最悪の状況だったという部分はあるか。





追記・修正はTシャツ1枚でトライアウトに参加してからお願いします。

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最終更新:2023年11月02日 18:56