登録日:2018/06/19 Tue 02:47:00
更新日:2025/05/02 Fri 19:22:45
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<この白紙の建て逃げ項目は一体何なんだ…!?
そうか、この建て逃げ項目は…
意味のない
荒らし項目で一帯を埋め尽くし、
最後はそれを建前にした
全消しによってアニヲタWikiの排除を目論んだ…
もしあなたが十分に大きな嘘を頻繁に繰り返せば、人々は最後にはその嘘を信じるだろう。
嘘によって生じる政治的、経済的、軍事的な結果から人々を保護する国家を維持している限り、
あなたは嘘を使える。
よって、国家のために全ての力を反対意見の抑圧に用いることは極めて重要だ。
真実は嘘の不倶戴天の敵であり、したがって、真実は国家の最大の敵だ。
――――パウル・ヨーゼフ・ゲッベルス(1897~1945)
陰謀論とは、事件や身の回りの出来事を何者かの陰謀によるものであると主張する論説である。
つまり、偶然にしか見えない出来事でも「もし誰かが狙って起こしたことだとしたら…」とつい他人の仕業を疑いたくなる、或いは「何も起きないのは誰かが隠しているからだ」「人々は恐ろしい何者かに裏で管理されている」とか考えてしまう論説。
『陰謀の日本中世史』では
- 最終的な勝者が最初から全てを操っていたと考える
- 事件で最も得をした者が犯人と考える
- 批判者側に挙証責任を転嫁する
のような特徴が挙げられている。
■最初に
恐怖とは一体どのようなものなのか。
生物にとって何より恐ろしいものは「
死」である。
恐怖とはその「
死」を齎すかもしれないような脅威から逃れようとする生理的な感覚の発露だと言える。
そして「
死」を恐れるがゆえに、人はその「
死」、あるいは死んだも同然のような致命的な被害をもたらすかもしれない「
未知」を恐れるのだという。
人は恐怖にさらされ続けることで強いストレスを感じる。そのため人々はそのストレスから逃れるために太古の昔から「
未知」に対し合理的な説明を与えることでその正体を明らかにしようと躍起になってきたのだ。
その最たるものこそ宗教・スピリチュアル・オカルトである。
原因不明の不思議な現象が起こる。誰それがかくかくしかじかの被害を受けた。
そのような噂が広まると人々は「自分も被害を受けるんじゃないのか」という恐怖に駆られる。それは自分たちを襲っている怪現象の正体がわからないからである。
そんなとき人々はその現象にこんな説明を与えるのだ。「妖怪の仕業に違いない」。
そうして原因のわからない怪現象に当時の人々が何とか合理的な説明を与えようとしてきた結果、
それら怪現象には「妖怪」「神様」という「正体」が与えられ「実態が明らかになった」ことで人々は心の安息を得たのである。
つまり昔から「妖怪のせい」という考え方は存在したわけである。それが「あくまで創作物の中だけ」なのか「本当に信じられている」かの違いはあるけど。
時代は下り、科学が発達すると人々は物事を科学によって解明し、
「この世の理」という人類にとって最大の「未知」を明らかにすることで「恐怖」そのものを駆逐しにかかった。
情報技術が発達し、今まで不正確な伝聞や噂話に頼るしかなかった情報収集は合理化、高速化され、
今やインターネットを通じて正確な情報が地球のどこにいてもリアルタイムで手に入るようになった。
が、それでも人間は「未知」を駆逐することはできなかった。
発達した科学をもってしても、どれほど考察を重ねようとも、説明のつかないことは度々起こるものだ。
情報化が進み、求めている情報が迅速かつピンポイントで手に入りやすくなったが故に、目的の情報以外の情報に目を向けられなくなり視野狭窄に陥りがちなのが我々現代人の性なのだ。
故にその視野の外に新たな未知が生まれる可能性は常に存在し続けている。
未知の領域には未知の「危険」が潜む。
それらに合理的な説明を与え、対処の方法を得たという安心感を得ようとして生まれてきたものこそが「陰謀論」なのである。
■陰謀論ってなんだよ(哲学)
「最近何やってもうまくいかないな…宝くじは外れるし就活はどこ回ってもお祈りされるばっかりだ…」
「こんなに失敗ばっか続くなんて不自然だ! きっと俺を恨んでる誰かが邪魔してるに違いない! これは陰謀だ!」
「「「「な、なんだってー!?」」」」」
このように身の回りの出来事を「誰かの陰謀である」とみなして説明する考え方を「陰謀史観」と呼ぶ。
陰謀論とはこの陰謀史観に基づき、
「強権を持つ存在が何らかの動機によって意図的に権力を振るい、裏で事象を操ったり真実を隠蔽したりしている」
と主張する論説のことである。またこれらを主張する者を陰謀論者と呼ぶ。
古今東西、世界では様々な陰謀・策謀が張り巡らされてきた。
その中には歴史的に有名なものもあるし、そういった陰謀が世に残るような大事件を幾度となく引き起こしてきたのは言うまでもない。
つまり人々の意識の片隅には世界の何処かで今日も陰謀が起こっているかもしれないという漠然とした疑念・認識が偏在しているのだと言える。
そうした認識がある中で説明のつかない奇妙な(と当事者が主観的に感じるような)事態に遭遇したとき、ある人は「果たして偶然なのだろうか」という疑問を抱くかもしれない。偶然に偶然が重なって奇跡が起きたらもう偶然とは思えない。
「実は誰かが裏で糸を引いているんじゃないか?」「実はイカサマなんじゃないか?」という考えに至るのも当然だろう。
それは「偶然」という「未知」から来る「恐怖」から逃避するためだ。
この「『未知』から逃避するためにそれに合理的な説明を与えて『正体』を明らかにする」というプロセスは先述した妖怪誕生のプロセスと共通している。
科学で今まで超自然的存在の仕業とされてきたものの大半が科学現象として説明できるようになってきた今、
その「説明できない怪現象」を引き起こしているのが「超自然的存在ではなく何者かの陰謀だった」という方向にシフトしつつある。
つまり陰謀論は「『妖怪』という単語をまるっと『陰謀』という単語に置き換えた怪談のようなもの」だと言えよう。
■陰謀論が広まる理由
冒頭の言葉は、かつてナチスドイツでプロパガンダを担当していた宣伝相、ヨーゼフ・ゲッベルスの語った言葉だとされている。
いかにもバカバカしい、見え見えの嘘と捏造ででっち上げられた陰謀論を吹聴して回る者がいたとしよう。
「嘘に決まってる、信じるわけ無いだろう」
外部から鼻で笑うのは簡単かもれない。
だが、人間には「信じたいものだけを信じ、信じたくないものを信じない」という心理(確証バイアス)があることを認めなければならない。
そうした「信じたいもの」にその陰謀論がぴったり当てはまると話が一気に厄介になる。
陰謀論の大半は「一見しただけでは本当かどうかよく分からない」「一見それらしき根拠がある」ものが多い。
しかし、根拠と言っても、
- (金儲けなどを目的とした)捏造
- 妄想や単なる思い込み
- 斜め読み読解力不足による事実誤認
- 曲解
- 外国語の誤訳
- 個人の体験や感覚、スピリチュアルなど不可視な概念が根拠で、根拠の真偽が検証困難な物
- 事実なのは確かだが、例外的に注目を集めた事件(ごく僅かな例)だけをピックアップしてそれを一般化している
- 危険性があるのは確かだが、大量摂取など常軌を逸した使い方をしなければ問題にならない物
- 相関関係と因果関係を誤用する(疑似科学の項目を参照)など、事実は正しくとも陰謀論の真偽とは論理的に繋がらない
等が典型例であり、学会や査読論文に持ち出せば「根拠になっていない」と一笑に付されてしまうものである。
だが、一般人がその「根拠」の質を検証するのは難しい。そのときに、「信じたい情報に根拠がある」時点で本物だと即断することを人間は起こしがちだ。
更に、現代の検索では、閲覧履歴などからアルゴリズムによる予測検索などで、検索者にとって親和的な情報を発見しやすい状況になっている。
本人がたとえ「これ本当なのかな?」と疑うことがあったとしても、検索して皆が検索者の欲しい情報を支持していれば、それを支持する情報ばかりが提示されてしまうのである(エコーチェンバー現象)。
そうして膨れ上がった人々は、周囲の指摘を聞かずネットという開かれた環境の中で閉鎖的なコミュニティを形成して極端な意見に集中してしまい、
「開かれた環境の中でこんなに皆が陰謀論を信じているんだ」という発想から皆が陰謀論を信じ込み始めると言う事態が起きる。(サイバーカスケード)
バカッターなどで生じる「炎上」と発生している結果は異なるが、「広まっていく過程」はこれに非常に近い。
そして最後は勝手に「黙った=反論できなくなった=真実だと認めた」と解釈して「真実である」と主張し始める。
もっと凄いことになると、「信じてしまう」以前に「信じなければならない」という事態になることもある。
人々が一斉に陰謀論を信じ込み、まるで雪崩のように一斉に行動し始める。
一斉に陰謀論を信じない人々を陰謀に加担する犯罪者だと攻撃し始めたら?
そしてそういった後先を考えない行動が冷静な人たちをも被害に巻き込みながら取り返しのつかない結果を引き起こしてしまうのだとしたら?
半ば嘘だと認めつつも、「自分も攻撃されたくないから」という理由で同調する人が出てくるかもしれない。いや、同調しない輩は敵だと見做されて殺されるとなったら、もう同調しないわけには行かない。
陰謀論が事実なのかどうかなどもうどうでもいい。信じなければ殺されるので信じなければならない。
こうして周囲の人間が皆「事実だ」と唱え、異を唱えた者が排除されるようになると、それはもはやその集団内における「真実」と化してしまうのである。
そうして作られたのがナチスであり、ソ連であり、ひいてはそれらの根幹にある全体主義思想なのだから。
そして、陰謀論は、「信者」とされる人々にとって
- 周囲、時には専門家も知らない陰謀を自分や仲間だけが知っており、自分はそれを周囲に教えているという優越感を与えてくれる。
- 陰謀論に基づいて思い込んだ「悪」を批判・攻撃することによる使命感・正義感や高揚感を与えてくれる。
- 社会や生活への不満が「陰謀のせい」と攻撃対象が示されることで不満感を打ち消してくれる。
- 陰謀論コミュニティーという「開かれたコミュニティー」に属し、そこで認められることで承認欲求が確保される。
といった具合に、個人の持つ心理的欲求にこれ以上ないほど寄り添ってくれる優しい存在である。
もちろん、そうした感覚を求め、真っ当な方法で満たすこと自体は否定されるべきではない。
実際きちんと学問を収めて検証した上で主張するといった、真っ当な方法でそれらの感覚を得ている人もいる。
だが、陰謀論は多少の知識を得れば、反論されても「陰謀だ!!」と再反論すればよいので非常にお手軽にこれらの欲求を満たしてくれる。
そうした欲求を持っている人々にとって陰謀論ほど甘い誘惑はなく、広まりやすいのである。
■陰謀論対策がうまくいかない理由
既に結論の出ている事項であっても、検討過程が膨大すぎて結論だけ伝えざるを得ないということはよくあることである。
長々と専門的で細かい説明が始まったときに、「もういいから結論だけ教えてよ!」って思ったこと、あるいはもう途中からついて行けず上の空になって「あーそういうことね完全に理解した(棒)」となっていたこと、諸氏にも経験があるのではあるまいか?
エビデンスに基づいた合理的な判断というのはその面倒くさい過程の中にあるのである。
そうした面倒くさい過程を人に強いるのは、現実的に非常に難しい。
まして、信じようとしている陰謀論を攻撃されるとなれば、なおのことそういう指摘は面白くなく、本当に届けるべき人々は聞いてくれないのである。
残念ながら、たとえ全ての証拠や検討過程を並べられたとしても、何を信じるかは取捨選択できる。
また、その証拠や検討過程にも人の手が入っている以上その人の手について「事実だと周囲が認めようとしないのも陰謀だ!」とでも攻撃してしまえば簡単に無力化されてしまう。
証拠がないと追及したとしても「証拠がないということは、黒幕によって隠蔽されたことの証拠に違いない!」という詭弁でいくらでもかわされてしまうという問題がある。
加えて現代社会ではプライバシーや守秘義務の問題がある以上、たとえ簡単に説明できることでも、真相を伝えること自体難しい場合が多い。
人間、他の人より自分が詳しい、と言う快感は大きい。
偉そうに振舞う権力者から、知恵や工夫や努力で一般人が一本取る、というのは古今東西溜飲の下がる物語として定番である。
何十年も知識を積み重ね、権威をひけらかし、自分たちを従えるように振舞う専門家が「無学な一般人」にその専門分野で論破される…と言うのも、まさにそんな構図なのである。
もちろん、一般人が専門家にまともに知識勝負して勝てるはずはないが、陰謀論は「ほら、君にあの生意気で偉そうな専門家にレスバトルで勝てる武器をあげるよ」と、模造刀を伝説の武器のように吹聴して信じ込ませてしまう。
陰謀論は専門家の権威では論破できない、と言うよりも陰謀論は専門家の権威を攻撃するウイルスだと思っていた方が良い。
これには情報の伝播速度の問題が立ちはだかる。
残念ながら真実よりデマが広がる速度のほうが圧倒的に早い。
なぜならデマは反証可能な根拠や証拠がなくても勝手に広まってゆくのに対し、正しい情報はそれが正しいとされる根拠を一つ一つ明示して解説する必要があるからである。
またデマは簡潔かつ刺激的な文面の場合が多いためより拡散されやすい。
専門家の正確だが小難しい場合分けなどを伴う説明より、エセ専門家の要点の検討をすっ飛ばした分かりやすく断定的な説明に飛びついてしまう人々、というのは専門家の悩みの種である。
そうしてデマの拡散速度に訂正の速度が追いつかなくなると、それらは
「訂正されないのだから真実に違いない」という薄弱な根拠で既成事実化され、あたかもそれが真実であるかのような論説となるのである。
Wikipediaも設立当初は「さまざまな人々が情報を持ちよる集合知によって自然と正しい内容が作り上げられるだろう」というスタンスだったが、その分野を専門に研究している大学教授が時間をかけて検証や推敲して記述するよりも、24時間いつでも書き込める暇な素人の方が編集合戦に勝つ仕様だったせいで、現在まで続く出典重視主義に変化していった。
こんな具合に、いくら事実を列挙してしようが、根本となる議論そのものが破綻してしまっているためにそれ以上追求することが不可能になってしまうのだ。
どんなに理路整然と語っても、大人が言葉も分からない赤ん坊を説得することは不可能であるのと同様、
共通の議論土台を持たない者との議論は徒労に終わることが多いのである。
無論こういった陰謀論のすべてが根拠のないデマや妄想のたぐいだと言い切ることはできない。
中にはきちんと検証や議論を重ねた上で信用に足るような証拠や論拠の提示されたものもあるし(後述)、また中には事実であるにもかかわらず「根拠のない陰謀説だ」と黙殺されそうになった例だって存在する。
過去にそのような事実があった以上、陰謀論の全てを嘘として切って捨ててしまう訳にはいかない。
だからこそ、陰謀論は今日まで根強いのである。
仮説と陰謀論は「可能性を論じるのか、結論を断定するのか」「何に基づいて取り上げるのか」などで差別化されるが、
歴史学において仮説を立てて検証していくとなれば、仮説段階の歴史上の説は根拠のない陰謀論と区別がつけにくい。
発案者としてはあくまでもこれから検証していくべき仮説として扱っていたのに、周囲の支持者がヒートアップして陰謀論と化し、
発案者がなまじ高名な学者だったために
「この話には権威ある学者による裏付けがある!」とされてしまうことも考えられる。
日本…というかたいていの近代国家には言論や学問の自由がある以上、明らかな犯罪行為でもない限り、陰謀説であると言うことの一事を持って取り締まることは原則としてできないのである。
+
|
…ホントにそうか? |
とはいうものの、後述のユダヤ人支配論を明確に「 支持していることを明言した時点で違法」としている国が存在する。ドイツである。
(さらに市民感覚・世論としては「支持しているだけで口に出さなくてもアウト」に近い模様)
これはもちろんこの陰謀論を「正しい」としてユダヤ人の民族浄化=虐殺に法的なお墨付きを与え、また実行したナチスの過ちを繰り返さないためのもの。 偽書項でもこのへんの解説がある。
…が、現状やはり もうすぐ終戦80年になるのに解決されていない課題も多く、
- そもそも「陰謀論を信じてる・口に出した」の定義が難しい。
カギ十字はこの反ナチ法で明確にデザイン類に使うのが違法となっているが、明らかに反ユダヤ思想無関係・ナチスより先に使っていた・大手宗教である以上本来なら最大限の配慮が求められる 仏教のまんじマークも巻き添えで全部禁止とせざるを得なくなっている。
- 他のほとんどの国は「法規上アウト」とはしていない。外交上は擦り合わせが必要。
いわゆる戦勝国を中心に、反ユダヤ思想に強い反感・忌避感を持っている人が多い国は十分多いのだが、明確に刑事罰が科される国はドイツ以外だと実は皆無。
そのため他国に対して「反ユダヤ思想を持っているように見える」ケースに対して国民が勝手に攻撃してしまうケースが出てしまっている(本邦だとゲーム『ペルソナ2』が実際に反ナチ団体からの抗議を受けた)。そして往々にしてこういうケースは誤解のことも多い。
結果的に「陰謀論に見える」というだけで無制限に攻撃してもよいとするケースを出してしまっているわけである。これでは陰謀論者が反論に対して不合理な攻撃をしているのと変わらない。
また近年ではミリタリー界隈のコンテンツの発達により、プラモデルやゲームなど「ナチスや武装親衛隊、カギ十字のシンボルマークを扱わない方が(本来の反ナチ法で禁止されている)誤った史実解釈となる」ケースも登場しており、そもそも反・陰謀論としての法規で想定していなかった事態への対処がなされていないのも問題点と言える。
黒人ゲーリングとかヒトデヒットラーみたいな「他国の表現の自由」のもある意味ではこれである
おそらく反ナチ法成立以降のドイツ最大の社会問題。
現在でも普通にナチ信奉団体、いわゆるネオナチは活動しており、結局法でアウトにしたところで根絶はできなかった。反ナチ法はかなり重い刑事罰が科されうるのにこれである。
上で触れた「ナチス無関係の団体」「そもそも法規の趣旨からして想定していなかったような「ナチスが出てくる」作品」に対応するための法改定ができない理由もこれで、例外措置を設けると本物の陰謀論者が隠れ蓑に仏教や軍事ゲームの制作チームを使ってしまうからというものである。
- 本当に「陰謀論」で述べられているような事態が存在しているようになった時にはどうするかを想定しようがない。
現状ユダヤ人コミュニティ、つまりイスラエルはガザ地区において民族浄化や不当な軍事侵攻を行っていると解釈されており、また実際にドイツ国内でも若年層を中心に「少なくともイスラエルは許せないだろう」という意見や政治的なスタンスは広まっているが、ドイツ政府公式や高年齢層はこの反ナチ法、あるいはその制定趣旨からイスラエルのYesマンにならざるを得なくなっている。
つまり「ナチスと同じことを繰り返さない」ためのはずの法律や国民感情のせいで、「ナチスと同じことをやってしまっている」のに対して制止を出せなくなってしまっているわけだ。
もちろん制定時点でこういうことが起きるのを想定するのは不可能に近かっただろうが、それでも反ナチ法に対してむしろ他国から反感を抱かれる結果になっているのは否めない。
|
結局の所本当に信用できるかどうかに関しては究極的には自分の目で確かめてみる他ないのだ。
…が、歴史の彼方で史料不足だったり、国家のような大組織であれば全貌が見えず、当事者ですら全貌が分からなかったりで目で確かめることはほぼ不可能なジャンルも多い。
陰謀論を根絶するにはそれこそ全知の神にでもなるしかないのである。
■陰謀論の害
陰謀論と言っても、界隈で話のネタとして盛り上がっているだけならばさほどの害はない場合も多い。
例えば本能寺の変が誰かの陰謀だったとしても、歴史学者でもない現代の一般市民にとっては単なる話のネタで済ませることができる。
しかし、こうした陰謀論の中には、「真実だとすれば」現代の政治や重大事件、個人の権利に関わる重大なものも多い。
こうした陰謀論を信じた者たちは見えない陰謀を排除しようとして、陰謀関係者とされる人物や組織を攻撃・差別・迫害することがある。
陰謀は大概の場合「悪」が絡むので、こうした悪への攻撃という体裁になってしまうと、人々の自制心も弱まってしまいがちである。
もちろん政治は陰謀論に基づいた加害者も犯罪者として取り締まり、また被害者に償わせることが責務である。
しかし、実体のない陰謀論においてはこうした政治による正当な取り締まりをも「政治も陰謀に取り込まれている!」と言う形で陰謀論に取り込んでしまい、国家に対しての国民の信頼をも奪っていく。
政府を国民が信頼しなくなるということは、人々は自分で自分を守ろうとして攻撃的にならざるを得なくなり、社会の治安を大いに乱すことになる。
また、加害が起こる前に何とかしようとして陰謀論自体を取り締まろうとすると、今度は学問の自由や言論の自由を侵害し、真実だった陰謀論が隠蔽されるなどの大きな副作用も生まれてしまうのである。
なぜ学問の自由や言論の自由を認めない国が多かったのかと言えば、こうした根拠のない陰謀論が蔓延することで、取り返しのつかない事態が起きることを恐れざるをえなかったという面がある。
そうした危険は、現代に至っても消えるものではない。むしろインターネットの普及で拡散するスピードは桁違いになったという点では危険は増したのだ。
また、あまりにもこうした陰謀論に染まり切ってしまった人の周囲では、人間関係が崩壊してしまったケースもある。
友人だけでなく家庭内でも話が通じないばかりか、陰謀論を熱心に布教しはじめてしまう。
結果、SNSでの陰謀論仲間以外の家族や友人と言った人付き合いが全て崩壊し、一人ぼっちになってしまう人も報告されるようになってきた。
特に最近は新型コロナウイルスで多くの人が家にこもってネットを見るようになったため、陰謀論にはまる人が増えたとも言われる。
更に、陰謀論を信じ込んで「真実を知る自分が動かなければ!」などと現実の活動に移そうとし、犯罪や不法行為と言う形で法的責任を問われてしまうケースさえもある。
一度陰謀論にはまってしまった人の目を覚まさせるのは公的機関の力をもってしても容易なことではなく、ヒートアップする本人と裏腹に周囲は疲弊する一方なのだ。
■陰謀論にはまりやすい人
人間誰しも陰謀論絡みの騒ぎを見る度に「自分は知識や教養があるから大丈夫」「陰謀論は知識の乏しい情弱や落ちこぼれの類が嵌まるもの」とついつい考えがちではないだろうか。
無知な人ほどはまりやすいタイプの陰謀論も多いが、教養や知識があれば陰謀論にはまらないということはない。
もっと正確に言えば、陰謀論を正確に見抜けるほどの教養や知識を持っている人はほとんどいない。
学界の最先端研究ですら毎年のように更新され、小中学校の教科書も20年前と今では内容が大分違う。
新しい知識が単なる陰謀論か学界で注目される最先端研究の成果かなんて、研究者ではない一般人が市販の本を読んで得た教養や知識で簡単に区別できるものではない。
しかも学問において「ジャンル」はいくつもあり、ありとあらゆるジャンルについて最先端の知識を得るのは研究者であっても不可能である。
それどころか、知識や教養のある人というのはえてして知的好奇心旺盛で常に新しい知識の刺激を求めていることが多い。
そういう人ほど、新しい視点を提供してくれる陰謀論は既存の知識と比べて刺激的なため、陰謀論にはまりやすいともいわれているのだ。
実際に医者・政治家・実業家といった、一般的にはエリート扱いされる層でも陰謀論にのめり込んでいる人は少なくない。
そうすると、はまりやすいはまりにくいの問題ではなく陰謀論にはまる危険性は誰にでもあると思うべきだろう。
むろん、この項目の読者であるあなたも例外ではない。
■知り合いが陰謀論にはまってしまったら
家族や知り合いが陰謀論者になって布教をはじめ、周囲を辟易させるようになってしまった場合、何とかしたいと考える者も多い。
だが、実の所こうした陰謀論から他人を脱却させる特効薬的な方法は見つかっていない。
脱却させるには陰謀論者自身に間違いに気づいてもらわなければならないが、外部から気付かせることは至難だ。
陰謀論者を「正しい知識や論理で説得する」のは正攻法に見えて、余計に頑なになって逆効果になることが少なくない。
陰謀論はそうした知識や論理を攻撃することで注目を集めるものが多く、説得のための知識や論理など既に陰謀論者の中では潰されていて今更効果がない場合が多いのだ。
また、薄々誤りに気付いても人間誰しも「誤っている自分を認めたくない」という心理もあり、もっと頑なになれば周りを敵視した挙句結局「自分の支持する考えを認めてくれる」陰謀論コミュニティに引きこもってしまうことになる。
陰謀論コミュニティはインターネットを通じている。今の時代、インターネットから切り離すのはほぼ不可能だ。
周囲としては、あえて陰謀論を否定せず受容の態度を示しながら話す…要は相手の主張にその場だけ乗るのが比較的効果があると言われている。
ただ、陰謀論を否定せず話を聞きつづけるというのは非常に根気がいるし、効果が出るのが5年先10年先となってしまうこともある。
問題行為を起こした場合、家族が「お前の家族だろう!」と責められることもある。
効果があるかも分からない根気のいる作業を何年も続けて、それでも維持すべき人間関係などそうある物ではない。
辛いかもしれないが、「陰謀論者を見放す」という選択肢は常に頭の隅にとどめておこう。
面倒な人との関係を切ることは、別に悪でも何でもない。
でないと自分が疲れ果てるか、最悪自分まで陰謀論に取り込まれかねないのだ。
■有名な陰謀論
かなり古いタイプの陰謀論。
「悪魔と契約した魔女が人々の間に紛れ込み災いをもたらしている」とする説で、最も歴史の古い陰謀論の1つ。
ペストやコレラといった伝染病の正体がよくわかっていなかった当時
「大規模な疫病は魔女の仕業だ!」とする陰謀論はキリスト教社会で爆発的に拡散。
最終的には原因の分からない災害や怪現象なども深く検証されないまま
「全部魔女の仕業に違いない」と決めつけられてしまい、結果有効な対処も取られずに被害を広げたばかりか関係ない人間まで巻き込んで殺されるような事態まで発生した。
その歪みが最悪の形で爆発した典型的な例こそが
セイラム魔女裁判である。
日本でいうと「犬神憑き」や「管狐」といった伝承がそれに当たる。
妖怪や神様といった超自然的な存在への信仰と陰謀論が実は同じものを根源としていることが如実に現れた例だと言えるだろう。
魔法といういくらでも想像の余地がある要素もあいまって創作のネタにされる機会がこれまた多い。
あの
おジャ魔女どれみシリーズの基本設定も魔女の陰謀論説を如実に描いた『魔女がいっぱい』という『夢のチョコレート工場』の作者ロアルド・ダールの小説が基になっている。
なおピンと来ない人は
「魔女」という単語を「敵国の工作員」という言葉に置き換えてみよう。現代的な陰謀論の出来上がりである。
宇宙人陰謀説
「宇宙人はすでに地球にやってきているが政府はそれを隠蔽しており、各地で起きている怪事件にも宇宙人が関与している」、あるいは
「邪悪な宇宙人の陰謀によって世界は裏から支配されている」とする陰謀論。
有名なのはロズウェル事件だろう。アメリカに墜落した
UFOを政府は極秘で回収しており、その超技術を独占するために
宇宙人の存在を隠蔽しているという説である。またこれに絡んで正体不明の黒ずくめのエージェント(メン・イン・ブラック)が暗躍して事件の隠蔽や目撃者に対する口封じの脅迫、抹殺などを行っているとする説も唱えられている。
逆に
「宇宙人という虚構の存在を演出することで恐怖と不安を煽り団結を呼びかけるという手法で人々を洗脳しようとしている」という陰謀説が唱えられることも。
これもそのわかりやすい「体制組織の抱える歴史の暗部」という構図からSFなどの創作作品で古くから用いられてきた題材。
またメン・イン・ブラックはいわゆる
サングラスと黒いスーツを纏った黒ずくめスタイルが
創作における典型的な秘密結社の工作員の姿として一般化するきっかけとなった存在であり、今日における創作への影響は非常に大きいと言える。
アポロ陰謀論
上述した宇宙人陰謀説の一部に当たるパターンと、月着陸が完全な捏造とするパターンがある。
後者は月面に立てたアメリカ国旗が空気も無いのにはためく、月面で撮った写真に星が映っていない、そもそも写真の大部分が非公開だったりと怪しむに充分。
……と言いたいが実態は、「空気が無くとも慣性は存在する」「カメラの露出の問題」「持ってったカメラにファインダーが無いので撮りそこないまくり」とつまらない現実が立ちはだかる。まあ現在のNASAはポンコツカメラ以前に月にもう一回行く予算自体とても取れないってぶっちゃけてるんだが。
前者にしたって元ネタは「生還したことへの喜びをジョークを交えて語った一言」だったりする。
バン・アレン帯からキューブリックまでバリエーションも豊か。
単体では(あまり)害が無いので、トンデモとしての陰謀論入門にはお勧めな素材。
新世界秩序陰謀説
特定の権力者や秘密結社によって世界は裏から操られているとする説。
陰謀論に詳しくない者でも、「フリーメイソン陰謀論」や「イルミナティ陰謀論」、「ビルダーバーグ会議陰謀論」などは一度は耳にしたことがあるだろう。
ロックフェラー財団やロスチャイルド家といった実在の権力者・大富豪・ユダヤ人・フリーメイソンやイルミナティなどの秘密結社、ビルダーバーグ会議、
極端な例になると、存在が確認されていない
300人委員会といった組織・宇宙人・
人型爬虫類・悪魔などが影で糸を引いているとされる。
さらには彼らの下には、実在する大企業や公的機関などがおり、民衆をコントロールしているというものもある。
「大量殺戮で人口を削減しようしている」「人類の奴隷化を企んでいる」「悪魔を崇拝している」など、他の陰謀論と絡められることも多い。
わかりやすい「陰謀を巡らせる悪の組織」と「支配される弱者」という構図から創作のネタとして古くから用いられており、稀ながら
実在する組織に了承を得てそこの実名をこういうのに使っている創作物もある。
レプティリアン陰謀説
人型爬虫類であるレプティリアンが実在しており、世界で暗躍しているとする説。
レプティリアンの正体は、爬虫類が進化した知的生命体もしくは宇宙人や霊的な存在とされる。
同時に「人間に擬態して活動している」「人間を喰らう」「人間の奴隷(または家畜)化を目論んでいる」「人間の霊的な進化を妨害するために活動する」といった内容がよく語られる。
ユダヤ陰謀論
多分「陰謀論」としては現代において世界一有名なもの。
大きく2パターンあり、「ユダヤ人が○○を企んでいる」とするものと、「△△(犯罪者、嫌いな相手など)はユダヤ人と繋がっている」という主張に分かれる。
ユダヤ人は宗教的、経済的、地理的理由などここにはとても書ききれない複雑な経緯で差別されてきたが、それを正当化するために生み出されたのが前者。
反ユダヤ主義自体は紀元前から現代まで、様々な文化圏に存在するが、ユダヤ陰謀論という場合は中近世から現代のヨーロッパにおけるものを差すことが多い。最たる例がナチスドイツ。
その経緯の複雑から陰謀論も一筋縄では語れないが、例を挙げると、
- 「自分たちキリスト教徒が貧乏なのはユダヤ人移民がキリスト教の規範を無視してあくどく儲けているから」
- 「ユダヤ人は紙とペンで金を巻き上げる詐欺師」
- 「我々ドイツ人はユダヤ人に支配されている」
- 「ユダヤ人は日々、イエスの御身において神を侮辱し冒涜し、イエスを罪人、魔術師、首吊り人と呼び、キリスト教徒を愚かな異教徒と見下している」(16世紀のヘブライ語学者の言葉)
- 「ユダヤ人による財閥が世界経済を牛耳っており、(主張者が敵視する相手)にはそこから金が流れている」
といったもの。
先述の新世界秩序陰謀説と一緒に語られる場合も多い。
ただ2024年現在では、ガザ紛争(ガザ侵攻)という形で実際にユダヤ人コミュニティたるイスラエルがかなりガチ目の人道的にアウトなことをやってしまっており、こういった「明らかな真実」との切り分けが求められる状態にもなっている。というか実際に「すべてパレスチナなどイスラム世界側のでっち上げ」という逆パターンの陰謀論が流れてしまっているようだ。
(当然ではあるが、だからと言って「ユダヤ人『すべて』に戦争責任を問うべき」「やはり皆殺しにしておくべきであった」という主張が許容される理由はないことに留意)
ジョン・F・ケネディ暗殺陰謀説
陰謀説という言葉が世に広まるきっかけとなった大事件。
主犯とされるリー・ハーヴェイ・オズワルド容疑者の動機が不明だったことや、ケネディの大統領という立場、そしてオズワルド自身も直後に暗殺されたことなどから、「様々な組織や人物による陰謀によってケネディは暗殺された」とする言説が流れた。
死の一年ほど前にケネディとの不倫関係で騒ぎを起こしたマリリン・モンローが不審な死を遂げており、当時シカゴマフィアとの関係も噂されていたこともあって様々な憶測が飛び交うこととなった。
ケネディ自身もトンキン湾事件やカストロ暗殺計画などの暗部に関わっていたとされ、未だに暗殺事件の真相に関する議論が絶えない。
キング牧師暗殺陰謀説
こちらも著名な陰謀説。
キング牧師ことマーチン・ルーサー・キングJrは非暴力不服従を合言葉に活動していた当時の黒人公民権運動の中心人物とでも言うべきカリスマ的な活動家だったが、1968年、脱獄囚として追われていた凶悪犯罪者のジェームズ・アール・レイに狙撃され死亡した。しかしFBIによる全力の捜査網をすり抜けて国外逃亡に成功していることやロンドンでレイ容疑者が逮捕されるまで何者かが資金提供や偽造パスポートの用意など支援を行ったらしい形跡があること、キング牧師と面識すらなかったレイ容疑者が何故脱獄して逃走中という時に突然キング牧師の暗殺を思い立ったのかなど多くの謎を残したままレイ容疑者も1998年に獄中で死亡。真相は闇に葬られた。
絶大な影響力を持った黒人の公民権運動家というだけでKKKといった危険な組織だけでなく一般白人からも目の敵にされる立場であったことや、晩年は活動に対する意見のすれ違いからマルコムX率いる急進左派やネーション・オブ・イスラム等の過激派反白人集団との対立も深まっていた事、
さらには活動監視のためにCIAやFBIも暗躍していた事実などから死後は様々な陰謀説が飛び交った。
このように対立する組織や政敵が多数考えられる人物が殺害されたり急死したりすると「敵対勢力に暗殺されたのでは」とする陰謀説が広まりやすい。
本能寺の変陰謀説
実は首謀者は
明智光秀ではなく、
織田を追い落として権力奪取を図った
徳川や
豊臣勢力、朝廷など真の黒幕による陰謀だったのではないかとする説。
主犯とされた光秀の謀反の動機が明らかになっておらず、また関係者の動向にも不自然な点があるとの指摘から根強く主張されており、歴史小説などでも度々題材にされる。
1970年代に五島勉の著書をきっかけに一大オカルトブームを引き起こした陰謀論。
ノストラダムスの予言によって今まで起こった事件はすでに予言されていたとする主張をベースに、「ノストラダムスはこう予言している」という形で展開される陰謀論。
マヤ文明の遺跡に世界滅亡の日が予言されているとか、
ヨハネの黙示録に書かれた神と悪魔の戦いとは核戦争のメタファーだったといった類似の論説も多数存在する、ある種のテンプレ形式となっている。
在日陰謀説
「韓国や北朝鮮を擁護する言説、韓流ブームのゴリ押し、日本内の反日活動やリベラル活動を、在日韓国人や北朝鮮のフロント組織である朝鮮総連が扇動している」とする陰謀論。ここでの「在日」とはこの界隈では中国・韓国・北朝鮮にルーツを持つ人のみを指す。
特に朝鮮総連に関しては実際に祖国防衛隊の起こした各事件や文世光事件といった凶悪事件やテロ活動に構成員が関与していたことが明らかになっており、現在破壊活動防止法に基づいて公安調査庁にマークされていることもブラックな陰謀論が広まる一因となっている。
そもそも破壊活動防止法が制定されたのはこれらのテロ事件が切っ掛け。
関東大震災の頃にも「朝鮮人が井戸に毒を流した」「朝鮮人が各地で強盗、略奪、放火を行っている」とするデマで集団虐殺事件が発生するなど、朝鮮半島出身者を見下したり差別したりする風潮・思想はかなり昔から日本人に存在していると言える。
もっとも現代では、単に自分の気に食わないものを叩く口実にされている場合も多い。
デリケートな話題なので詳しい言及は避けるが、日本では「反日的」な態度だとされた組織や人物を北朝鮮や韓国などと結びつけたり、あるいは「韓国系である」というだけで特に何もやっていない人物・組織をあたかもテロ組織や思想洗脳組織であるかのように扱うなどの陰謀説が展開されることがある。
一例として、朝鮮学校等に好意的な主張をした弁護士や、在日コリアンの弁護士に対して懲戒請求をする運動が起こった。
しかし、第一に彼の発言とされるものは言論・表現の自由の域を出るものではなく、その上当の弁護士はそもそもその主張自体をしていなかった。訳の分からない懲戒請求をされて対処に追われる羽目になった弁護士が懲戒請求者を提訴し、懲戒請求者が裁判所で敗訴する事態にもなった。
これは陰謀論が個人に対する加害行為と、信じた者への責任追及として現れた日本の例として悪い意味で模範的な例の一つ。
…しかしこれはまだ根拠のあるマシな陰謀論で、ネット上などでは朝鮮の「ち」も出ていない相手に対して、「あいつは在日コリアンだ」などと主張して非難する例も多々見られる。
要はユダヤ陰謀論の日本版である。
似たような例では新興宗教団体などがやり玉に上げられることもあるが、こちらも事実関係が不明な物も多く注意が必要。
江戸時代には現代には伝わっていないマナーが存在し、それが失伝している理由は新政府が江戸人を殺戮したためという陰謀論。
だが、江戸時代の生活様式にそぐわないマナーが多く、後世での創作という説が有力である。
陰謀というかトンデモの類か。
詳細は個別記事参照。
「和多志」陰謀論
日本人の
一人称である「私」に関する陰謀論。
本来「私」は、
「和多志」という
暴走族の当て字のような美しい意味を持つ漢字で書かれていたのだが、GHQが「私」という字に置き換えさせたと言う陰謀論。
戦前の文献から、直筆のものも含めて一人称「和多志」と書かれたものがまるで見当たらないことから一笑に付されている(「私」は簡単に見つかる)。
「和多志」と言う言葉は存在するが、それは
古代日本の山神である大山津見神の別名「和多志大神」であり、一人称ではない。
また、GHQが日本人の国語教育について「漢字はややこしく覚え辛いので識字率の向上=民主化の障害になる。アルファベットだけで表記できるローマ字にしよう」という意見があったのは確かだが、日本人の識字率は元々高く前提が間違っていることが分かり、取りやめになっている。
アメリカ同時多発テロ事件陰謀説
9.11テロの発生は事前に察知していたが故意に見逃した、もしくはアメリカの自作自演であるとする陰謀論。
- 「設計上、航空機の突入では世界貿易センタービルは崩壊しないはずである」
- 「崩壊するまでの時間が早すぎる。これは内部に仕掛けられた爆薬によるものである」
等々、数多くの『根拠』が挙げられているが、
- 「火災による耐久度の低下など、複数要因によって崩壊した」
- 「実際の崩壊速度は自然であり、そもそも『陰謀』程度に収まるまで周囲に知られず大量の爆薬を設置するのは不可能」
などの再反論も多く、当然ながら実際に詳細な分析なども報告されている(陰謀論者はそれも陰謀の一環だとはねつけるが)。
また細部の『疑惑』をまとめてひとつの陰謀があったとすると、
「世界貿易センタービルでは爆薬を仕掛けながらハイジャックも装い、ペンタンゴンには
ミサイルを撃ち込みながらこちらも架空の犯人と被害者まで用意してハイジャックを持ち出し、わざわざ無駄に関係者を増やすことで露呈のリスクを跳ね上がらせる」
……など、無理のある展開になりがちなことも指摘されている。
そもそもこの手の国家規模の陰謀論に共通することだが、本当に陰謀がおこなわれていた場合、
『政府上層部から末端の人間に至るまで三桁四桁、下手すればそれ以上の数の人間が悲惨な事態を引き起こす陰謀に加担し、計画中も計画後もかたくなに秘密を守っている。
そしてまことしやかに「真実」が語られるのみという程度にはカバーストーリーのための証拠が完璧に揃えられ、それらが破綻もせず何十年も世界を騙し続けている』
ということになってしまう。
特定政府機関や宗教団体や民族などが陰謀の主体となるわけだが、当の彼らからすれば「実際にそんな権力がありゃ苦労しないよ……」という話ではないだろうか。
真珠湾攻撃は戦術的にはアメリカ太平洋艦隊に大打撃を与えて日本の成功裏に終わったが、反面アメリカ世論を激怒させ、アメリカの本格参戦を招いた。
このことから、
「真珠湾攻撃は日本軍の攻撃を察知したアメリカがわざと攻撃させ、アメリカ参戦の大義名分を作った」自作自演だったというもの。
攻撃は日本が勝手にやったのに自作自演というのもアレだけど
攻撃の大義名分を作るためだったという外にも、「日本軍の暗号を解読していることをバレる方を恐れた」等というバリエーションがある。
記録は多いのだが、関与者が非常に多く、各人に思惑があり得るためややこしい。
攻撃時に真珠湾に滞留していたのが殆ど戦艦でアメリカ側の空母が出払っており、それが後に対日反攻のきっかけとなるなど根拠も多いのだが、そもそも空母が現代戦の主力となるきっかけとなったのはこの真珠湾攻撃自体であるなどこれもかなり無理があると言える。
ちなみに後にアメリカ軍は
ベトナム戦争の時に「トンキン湾事件」という
マッチポンプ(後述)を実際にしでかしており、またCIAに絡んだブラックな反共の陰謀を多数繰り広げていたことも分かっている。こちらで本当に陰謀があったことが確かめられたのも多少はあるのだろう。
「背後の一突き」陰謀説
第一次世界大戦でのドイツの敗因を共産党などの左派政党・勢力やユダヤ人に帰した陰謀論。
具体的には「前線で将兵は果敢に戦っていたが、左派やユダヤ人に扇動された政府が軍を裏切り、背後から突き刺したのだ」というもの。
匕首伝説などとも。
ドイツやオーストリアでは大衆は経済的に苦痛を強いられ末期にはデモやストライキが頻発した一方で国内が戦場とならず、(国内の大衆にとっては)軍事的な敗北の兆候を感じられないまま唐突な革命騒動で政治体制が激変し講和条約を結ばれた。
そのため
- 革命に主導的であった陣営・政治家への攻撃
- 敗戦の責任転嫁
- 戦後の政治不信
などを理由に大戦後に広く唱えられ受容された。
ナチス台頭の下地の一つとなった陰謀論であり、また第二次世界大戦では「背後の一突きとか二度と言わせない、今度こそ正面から殴り倒す」という空気が連合国にあったとか。
「タイタニック号を所有していたホワイト・スター・ライン社が当時財政難に陥っていたため、保険金目当てでわざと事故を起こした」
「沈没したのは実は姉妹船オリンピック号で、以前に何度か事故を起こし損傷していたオリンピック号を廃棄するついでにタイタニック号とすり替えられていた」
といった説が唱えられている。
- 「WSL社に深く関係している者が出港直前に乗船をキャンセルしている」
- 「タイタニック号とされる写真をよく見るとオリンピック号の特徴と一致する」
- 「事前に周囲の船から氷山警報を何度も受けていたにもかかわらず、進路変更も減速もしなかった」
- 「双眼鏡が本来あるべき所に無かったせいで氷山発見が遅れた」
等といった状況証拠はあるが、反論も多く存在している。
普通に考えても『保険金が出たところで遺族への見舞金と大事故による信用低下でトントンではないか』『オリンピック号とタイタニック号は外見上だけでも結構差異があり、またタイタニック号遭難の2ヵ月前にも事故を起こしているため、そんな短時間で外見をタイタニック号に合わせる工事などできるのか』といった点があり、
現実的には
都市伝説の域を出ていない。
イタビア航空870便墜落事故、他
- 「パイロットに『異常発生』などの発言・通信がなく、機体にトラブルが起きたとは考えにくい」
- 「事故の瞬間の直前~直後にレーダーに別の飛行物体が映った」
- 「機体の残骸を回収・再組立しての調査を行ったところ、『機体の外側から致命的な破壊が起きた』ことが推定される知見が得られた」
などの点から
「軍による空対空ミサイルの誤射により、機体にミサイルが直撃。致命的な構造破壊が発生して墜落」と推測されたものの、証拠不十分などで確定はしなかったため
「イタリア軍による隠蔽工作が行われた」「そもそもイタリア軍とは別に『870便を撃墜した』軍事組織ないし団体がいる」などの陰謀論が飛び交った。
経緯上、航空事故に関するものでは珍しく、ちゃんと知識がある人からも「報告書がある以上強くは言わないが、『
イタリア軍による誤射』はわかっている情報からなら正直ありえない話ではない」とされることはまあまあある。
本件以外にも「旅客機の大事故」は陰謀論と相性が良いらしく、
- 「日航123便事故の自衛隊誤射説・米軍誤射説」
- 「TWA800便(映画『ファイナル・デスティネーション』のモチーフになった事故)のミサイル撃墜説」
- 「ダグ・ハマーショルド国連事務総長の死(公務で乗ったチャーター便が墜落して死去)はパイロットエラーによる墜落ではなく、事務総長暗殺事件」
- 「カチンの森事件の慰霊式典に参加予定だったポーランド大統領夫妻及び政府要人の搭乗した航空機が突如墜落したポーランド空軍Tu-154墜落事故」
など枚挙にいとまがない。
リアルの「国家による民間機撃墜」であった
大韓航空機撃墜事件や
大韓航空機爆破事件の経緯を見ると「航空機関係、ガチの破壊工作はすぐバレるし誤魔化せない」ということがわかるのである。
赤十字の献血の闇
「赤十字社が献血で無料で集めた血液を病院に高値で売っており、その権益を守るために実は既に本物の血液の代わりになる代替液を発明済みなのだが赤十字がそれを闇に葬っている…どころか薄めた海水が輸血の代わりになることを伏せさせている」というもの。
医療不信系の陰謀論の1つ。
仮に大量に失血した人間に対して輸血の代わりに純粋な水を投与すると、浸透圧の原理で体液の成分が細胞から抜き取られて死に至るが、血液と同等の塩分濃度であれば釣り合うため、確かに血管内で循環する分には問題はない。
ただしその塩水はあくまで塩分濃度が同じだけで、血小板や赤血球のような体内に酸素や栄養分を行き渡らせる成分はないので、低下した血圧を補って脱水や血流循環だけは確保するものの、無いよりマシなだけで限度を超えると死ぬ。
第二次大戦中に輸血が確保できないので調整した生理食塩水を投与して兵士を助けた事例はあるし、それを元ネタに『ゴルゴ13』でゴルゴが食塩と水で自分の失血を補う話もあるが、あくまで非常時のその場しのぎで血液の代替にはならない。
まして海水なんて危険な雑菌や有害物質が含まれることも珍しくないためこんなもんを輸血したら結果はお察しである。
赤十字社が集めた血液を売っているのも事実だが、そこまでにかかる経費や運営費を考えれば暴利という価格でもない。
有名人死亡説・影武者説
とある人物は既に死亡しており、
影武者にすり替わっているという物。
政治家や実業家などのいわゆる権力者や芸能人など社会的な影響力を持つ人物が噂の対象になりやすい。
昭和天皇に代表される皇族替玉説、金正恩影武者説、
ウラジーミル・プーチン影武者説等が有名。
危険性隠蔽論
ある物品に対して、危険性が明らかであるにもかかわらず当該物品の流通を停止させられる事による既得権益の喪失を恐れた企業や権力者が組織ぐるみでその事実の隠蔽を図っているとする説。
食品や添加物、薬品(麻薬なども含む)、医療行為、生活必需品、嗜好品、娯楽など、ありとあらゆる物がこの陰謀論の対象となる。
例えば遺伝子組み換え食品や人工甘味料に発ガン性があるという主張は耳にする機会も多いだろう。
陰謀論では「発ガン性があるという研究結果を政府と癒着した企業が隠蔽して揉み消し、既得権益を守ろうとしている」と主張されるのだ。
このタイプで近年目立つのは、「新型コロナワクチンは有害物質の塊なのに政府と企業は利益のために真実を隠蔽して接種を行わせている」といった反ワクチン運動であろうか。
また、最近では「昆虫食危険論」が界隈を賑やかしている。
有効性隠蔽論
上記とは真逆のパターンだが、ある物品に対して、有効性が明らかであるにもかかわらず自らが権益を持つ製品との競合や政治的な面子を潰されることによる既得権益の喪失を恐れた企業や権力者が組織ぐるみでその事実の隠蔽を図っているとする説。
ある意味上記の危険性隠蔽論と表裏一体とも言え、「危険性を隠蔽しつつ安全な代替手段の存在を握り潰して既得権益を守ろうとしている」という形の主張も多い。
こちらも食品や添加物、薬品(麻薬なども含む)、医療行為、生活必需品、嗜好品、娯楽など、ありとあらゆる物がこの陰謀論の対象にできる。
特にエビデンスが認められていない代替医療や麻薬など規制が厳しい物が挙げられることが多い。
近年では反ワクチン陰謀論とのセットで流布される「イベルメクチンがコロナウイルス感染症に有効であるという事実を政府が製薬会社と癒着して握り潰し、治療薬承認を妨害している」などとする主張が該当する。
捜査機関特定人優遇論
警察や検察などが一定の理由で罪を犯したと報道された人物を逮捕しなかったり、不起訴としたり、軽い処罰をしたと報じられた場合に、「○○だから不当に優遇されたのだ」というタイプの陰謀論。
日本では、「○○だから不当に処罰された」というタイプの陰謀論よりも、こちらの方が目立つようになってきている。
特に、逮捕しない理由や不起訴とした理由については、検察庁などが報道に具体的な理由を言わない場合が多いため、陰謀論がしばしば巻き起こる。
実際には、具体的な内容を明示した場合には関係者の名誉を毀損するようなことも起こりえるため、具体的な事情を話すわけにはいかないというケースもある。
ただ、こうした陰謀論が巻き起こる背景には、刑事訴訟法に対する世間的な知識が十分普及していないと言うことがある。
刑事訴訟法は刑法を前提で勉強しないと理解困難で、こうした問題について正確に考えられるまでに刑事訴訟法の知識を得るというのは楽ではない。
実際、このへんの分野に詳しいユーザーが法律・法学関係の項目で「(批判する意味じゃないほうで)詳しくないwiki読者」にもわかるように書こうと四苦八苦したらしき表現はちょくちょく見られる。
そのため、世間に正確な刑事訴訟法の知識が伝わっておらず(最たる例が「逮捕された時点では『有罪になった犯人』ではない」)、思い込みで批判されることが増えがちである。
一部の弁護士などがこうした知識を普及すべく発信もしているが、こうした批判の方向性を変えるほどの力はない。
また、
- 「ストーカー被害の被害者の訴えを警察官が全く取り合わなかった末、被害者がストーカーに殺害された」
- 「被害届や告訴状を警察に持ち込んでも、何かれと理由をつけて不受理にされてしまう」
と言った、警察の問題ある事件対応が発覚した事件も決して少なくない。
そのため、「警察・検察などの捜査機関がきちんと仕事をしていないのではないか、その理由は一部の人間を優遇するためではないのか」という不信感が生じてしまう場合があることは確かである。
しかし、警察が信用出来ないケースがあるからと言って、報道で事件について触れただけの人間の「優遇されてる!」という主張が警察より信用出来るはずもない。
上級国民不逮捕特権説
おそらくこのタイプの陰謀論でもっとも有名なもの。
社会的に高い地位にある人物(または親族)が罪を犯しても中々逮捕されないことを理由に、「上級国民だから公権力と癒着していて逮捕されない、処罰を不当に免れている」という言説。
創作などでは権力者の計らいで犯罪が揉み消される話がしばしばあるが、現実でもとある事件をきっかけに劇的に広まり、「上級国民」は流行語大賞にノミネートされるに至った。
法律上、犯罪の捜査は逮捕や勾留をせずに行われるのが原則であり、逮捕や勾留はあくまで被疑者が逃亡や証拠隠滅をするリスクを防ぐために行う。
そうした恐れがないと判断すれば、捜査機関も逮捕令状を要求したりしないし、したとしても裁判所に却下されてしまうのである。
特に飲酒・薬物使用の形跡がなく、ひき逃げでもない交通事故は死亡者が出ていても在宅起訴になることが非常に多い。
加えて、逮捕・勾留は期限が23日しかなく、23日で起訴まで終えるのは捜査機関にも非常に負担が大きくなる。逮捕・勾留しなければ23日という期間制限はなくなるので、捜査機関も余裕を持って綿密に捜査ができるという面もあるのだ。
また、逮捕と量刑に相関関係は無いが、「即時逮捕されず重罪に処されない=罪が軽んじられている」という誤った認識があることが最大の原因と言える。
社会的地位の高い人物は、基本的に住処がハッキリしているし、周囲の人間に注視されやすく、高齢者が多いため移送のリスクも高くなりやすい。
何より社会的地位が高いほど、逃亡することで失うものは多いため逃亡が割に合わない=逃亡のリスクは小さいと判断される。
つまり、「社会的地位の高い上級国民だから逮捕されない」というのはある種の事実だが、合理的な理由でその傾向が生じているだけである。
もちろん一概に逮捕されないわけではなく、住所がはっきりしない、家族の監視がない、あるいは家族との仲が悪く監視が出来そうにない、逃亡が割に合うほどの重大事件などで証拠隠滅や逃亡が考えられる事案であれば、逮捕されることも普通にある。
外国人不起訴陰謀論
逮捕された外国人が不起訴処分となったことが報じられた際に、外国人を殊更優遇している!!と主張するタイプの陰謀論。
統計上、外国人と日本人の不起訴の率に目立った差は見られない。(入管法違反のように、性質上外国人でないとできない犯罪は別)
また、外国人の場合、
- 「強制送還&日本への入国不可が見込まれるので、日本で処罰するための経費ももったいない。軽犯罪なら不起訴にして入管に強制送還してもらった方が税金の無駄が抑えられる」
- 「日本語を話せない外国人の取調べや裁判には通訳が必要で、被疑者自身だけでなく事件関係者への事情聴取も通訳が必要になる場合が多い。通訳の準備が十分に出来ないし、母国への照会も難しいので、証拠が十分に整わない」
といった、外国人ならではの捜査が難しい事情や、処罰しないことがむしろ社会的利益になる事情もある。
そもそも、犯罪の嫌疑は逮捕→勾留→起訴→判決と順番に深まっていくので、逮捕段階より起訴段階の方が遙かにチェックとして厳しくなっている。
起訴段階で不起訴にするのがおかしいのなら、その前の逮捕の段階で「逮捕自体おかしかったのでは?」と見る方が遙かに自然であり、「逮捕は正しく、起訴が間違い」という前提が出来ている時点で、こうした陰謀論が破綻していることが理解出来るだろう。
障害者無罪放免論
「陰謀が存在する」という論における理由付けは異なるが、「精神・知能系の障害者は重犯罪を犯しても『責任能力無し』として無罪放免されるか、そもそも警察側の判断で立件されない(から不当な裁判や捜査が行われている)」も類似のものであろう。
こちらは「法の保護下にないことを裁判所が認めているから殺処分が許されるはずだ」などかなり過激なヘイトにもつながってしまっていること、実際に障害者による犯行だった場合の通報が虚偽と解釈されかねない事態を引き起こしうることから、こちらはこちらで問題視されている。
番外・人質司法
痴漢冤罪などでは逃亡の恐れが安易に認められ、逮捕・勾留され過ぎているのではないかという「人質司法」の問題もしばしば指摘されているが、こちらは弁護士などの専門家から問題提起がされている所である。
これに関してはそもそも逮捕=罰であるという誤解が浸透してしまっている現状にも問題がある(本来は「被疑者」の時点では犯罪者とはみなされないのだが、一般的な認識として「被疑者」と「犯人」がイコールになってしまっている)。
集団ストーカー
「自分はとある組織の工作員等による集団ストーカーに付きまとわれている」とする主張。
著名人を加害者として名指ししたり、電磁波兵器や思考盗聴などによって攻撃を受けているという内容が同時に主張されることも。
お分かりだろうがこんな支離滅裂な内容が実際にあるわけがなく、これらは重度の統合失調症患者に起こる典型的な被害妄想症状としてよく報告されるものである。
ブログやSNSなどで大真面目にこんな夢物語を真実だと思い込んで主張している者もおり、また同じように被害妄想に取り憑かれた者と合流して更なる主張や活動に発展するケースも確認されている。
ただ、「近所の人の悪口が聞こえる」「誰かに盗撮・盗聴されている」等という被害妄想に悩まされて弁護士や精神科医などの専門家に調査してもらったところ本当に悪口を言われていた、実際に盗撮されていた、というケースも実在するので、「妄想」と切って捨てるには難しいところ。
仮に「集団ストーカー」が事実でなくとも、家族から虐めを受ける等、被害妄想に取り憑かれる条件が揃っている場合もある。
ひどい場合だと、集団ストーカーにまつわる主張をインターネットに投稿した結果ネット掲示板を利用する
DQNまがいの連中に目をつけられ、面白半分で時に違法行為すらも伴った嫌がらせやいたずらを繰り返され、
妄想だったはずの集団ストーカー行為が現実のものになってしまう事態にまで発展してしまった例もある。
なお後述する「桶川ストーカー殺人事件」が、本物の集団ストーカーだった例として主に集団ストーカーの実在を確信する人間から主張されることがある。
環境問題に関する陰謀論
ある環境問題の原因が特定の国家、企業等によるものだったり、逆に実在しない環境問題がでっち上げられていると主張する陰謀論。
前者の例としてはかつての公害問題が挙げられ、元凶とされた企業の一部が陰謀を主張していた。
後者の例としては地球温暖化が捏造である、あるいは温暖化は事実だが人類の活動とは無関係とする温暖化陰謀論が有名どころだろう。これに至っては支持者が米国大統領となったことでかなり勢いを得ている。
環境問題の特徴としては、問題の原因が発生してから実際に影響が出るまでに数年、場合によっては数十年以上もかかる場合があること、原因が単一であることは少なく、様々な要素が複合的に作用して発生する場合が多いことだろう。
因果関係が証明されるまでに時間を要するうえ、実は原因は他にある、という主張も展開しやすいため、陰謀論が主張されやすい分野であると言える。
環境問題対策として行われる政策に、生活の不便を強いるものが含まれることも反発を呼びやすい理由であると思われる。
また、近年では環境問題の提起と称して美術品や観光名所の汚損を行うなど、完全に手段と目的を取り違えた(自称)環境活動家による迷惑行為も問題となっており、彼らに対する反発も陰謀論を助長する一因となっているようである。
エネルギー陰謀論
環境問題と密接に関わるエネルギーにも陰謀論は存在する。
最も有名なものは、「石油はあと●●年で枯渇する」という予測が、原油価格を吊り上げたい中東の産油国、中東諸国の力を削ぎたい欧米の陰謀によるでっち上げだというものだろう。
1970年代のオイルショック時にあと30~40年程度で枯渇すると言われた石油が、約50年経過した現在でも豊富に存在することが根拠とされることが多い。
しかし年数の元データとなっている採掘可能な埋蔵量とは、「発見されている」原油のうち、「その時点の技術」で「経済的に採算が取れる」原油であり、新たな資源の発見や技術革新、価格の上昇による採算ラインの変動によって増加していくもので、いつ原油が枯渇するか、を求めるうえでは参考程度にしかならない数値なのである。それを説明しないまま単純に石油の消費量で割った年数ばかりが独り歩きしたことで、でっち上げ説が広まってしまったのであった。
半世紀も前から存在する陰謀論だが、日本においては東日本大震災による原発事故、それに端を発するエネルギー政策の大幅な転換が発生しており、その際に怪しげな情報も大量に流布されたため、原子力産業と結びつくなど形を変えて今なお語られ続けている。
実は既に常温核融合や
永久機関が実現されているが、既存のエネルギー産業が利権を維持するために隠匿されている、などというものも。
科学兵器・生物兵器テロ説
異臭騒ぎや危険な感染症が流行ると高確率で唱えられる陰謀説。
「あの異臭騒ぎは化学兵器による毒ガステロだ」「今流行している感染症は某国がバラ蒔いた細菌兵器だ」などとする言説である。
過去には鳥インフルエンザからSARS、果てはHIVウイルスに至るまで生物兵器テロ説が唱えられたことがあり、2019年末の新型コロナウイルスも
「新型コロナは中国が作っていたウイルス兵器」とする陰謀論が早期から流布した。
日本では実際に
オウム真理教によって「亀戸異臭事件」や「地下鉄サリン事件」など化学・生物兵器テロが実行されており、日本人は特にこういった陰謀説には敏感だと言える。
ケムトレイル陰謀論
アメリカを中心に1990年代後半から世界中で発生し始めた、アメリカでは現在も大規模な信奉者を抱える陰謀論。
具体的には「空に長時間残留している飛行機雲は政府や軍の邪悪な陰謀によって飛行機から空中に散布される有害な化学物質、または生物兵器の影響である」とする言説。
「chemical」+「contrail」で「chemtrail」。
主に目的として、太陽光の管理や気象制御、心理操作、人口抑制、人体実験などがよく挙げられる。
1996年にアメリカ空軍大学で起草された論文によってケムトレイルの考え方は過熱し、1999年からのインターネット普及に伴いケムトレイル陰謀論は浸透。
ラジオ放送でも拡散されてしまい
実際にアメリカ国民から抗議の電話や手紙が殺到した結果、連邦政府はクレーム対応に追われたという逸話が残っている。
この陰謀論は世界中の科学者や科学界、政府機関が今も「普通の飛行機雲だよ!」と繰り返し説明を行っているが、ケムトレイル陰謀論に染まった人間は
「嘘だっ!」と拒絶しているため根絶できていないのが実情。
なお、日本では
花粉症をケムトレイルと思い込む事例も超定番で、2023年のCOVID-19(新型コロナウイルス)の対策緩和のほぼ同時期に強烈なスギ花粉の発生による花粉症患者の増加があったため、反マスクの陰謀論者アカウントの間で「どう見ても花粉症の症状なのに、ケムトレイルの仕業だと仲間同士で盛り上がる」光景が見られた。
HAARP、及び類似の地震兵器・気象兵器
HAARPとは「High Frequency Active Auroral Research Program(高周波活性オーロラ調査プログラム)」の名前が示す通り、
本来は地球の大気圏上層やその周辺で発生する自然現象のデータ収集を行う事を目的としたアメリカの軍と大学の共同プログラムである。
しかし軍が絡み、かつ電離層をどうこうするという性質からか「実は無線通信の妨害を目的とした軍事目的の研究ではないのか」という批判があった。
更に、一部の陰謀論者からはどういう訳か
大地震を引き起こす能力を持つ
とされる事もある。
電離層にレーダー照射する装置で地殻プレートの歪みによって発生する地震をどうやって起こすかは謎である。
また1995年の阪神淡路大震災や、2011年の東北地震などもまた人為的に起こされた地震(人工地震)であったとする説も唱えられている。
これには上述のHAARPの他、地中での核爆弾の起爆によるともされる。
その根拠は
「核爆弾による人工地震はその性質上P波が発生しない。東北地震はP波が観測されていないため人工地震に違いない」というものである。
一応、地中で核爆弾を起爆すると衝撃波によって地震のようなものが発生するのは間違いない。
しかし上記の例では、実の所『地震波を全体で見るとP波が短過ぎて見掛け上P波が無いように見える事がある』などといった事情があり、P波が観測されていないという事実は無い。
しかし提唱側も意地になっているのか、その後に発生した熊本地震、大阪北部地震、
北海道胆振地震など、
大地震の際には毎回欠かさず「此度の地震は人工地震である」
と主張している。
ここまで来ると陰謀論を通り越して与太話の域に達しており、まさしく「陰謀論」と見られているのは阪神大震災と東北地震程度である。
ちなみに、「人工的に地震を起こす」こと自体は現在の技術でも可能であり、石油採掘のための地盤への水や二酸化炭素の注入や、逆に地下水を大量に汲み上げることでも地震の発生が報告されている。
というか極論適当に爆発を起こすだけでも震度1~2くらいの揺れは起きるし、地盤の緩い地域などでは大型のトラックが通るだけでも振動が起きることがある。
といっても天然の地震とは規模も性質もまったく違うので、ばれずに大規模な被害を起こすことなど不可能なのだが、これらも陰謀論者によって地震兵器の一種として扱われることがある。
これも不謹慎なネタとしても有名らしく、ほぼウソなのがわかりきっているネットミームとして楽しまれている「筑波大学はこっそり地下で核実験を行っている」「茨城周辺の地震の大半はそれによる振動」というパターンまで存在する。もちろんキャンパス付近でガイガーカウンターが異常値を示したなど、実際に行っていると推測できる材料はない。
というか信じている人々は『地震計が揺れを感知した』ことと『地震が起きた』ことを混同するといった傾向がよく見られる。
じゃあ
日本ハムの応援の稲葉ジャンプは人工地震だったとでも言うのか。
ワクチン危険説
集団ワクチン接種の話題が持ち上がるといつの時代でもほぼ確実に現れ始める陰謀論。
「ワクチンは人体に害であるため人間はワクチン接種はしないほうがいい」という論が基本だが、中には「あのワクチンは人類選別のための大量殺戮のために行っている」などの過激なものまで存在。
2023年現在では最もメジャーな陰謀論の1つと言っても過言ではなく、日本国内でも新型コロナワクチンに関する陰謀論はかなり多い(マスク着用に関するものを含めなくとも)。
なお、陰謀の主体はワクチン接種を積極的に進めているビル・ゲイツ氏になることが多く、彼が「ワクチンによって世界の人口削減を目指している」と発言したことが根拠に挙げられることがある。
それに近い発言自体は事実であるが、これは当然ながらワクチンで人々を殺戮するような物騒なものではない。
「ワクチンによって特に途上国における子供の死亡率が下がれば、現在の先進国のほぼすべてが辿ってきた道と同じように人は自然と多産を避けるようになり、結果として世界の人口増加に歯止めがかかり資源問題の解決に向かう」……という内容である。正直これはこれで言い方はあまり良くないんだが。
そもそも、本当にワクチンによる大量殺戮なんて物騒なことをゲイツ氏が考えているなら、公でそんなことは言わずそれこそ静かに「陰謀」を進めるだろう、というのは少し考えればわかる話。
わざわざ凄まじい手間と費用をかけてワクチンを打たせるより、重症化リスクのあるまま罹患させて放置する方がよほど効率的に人口を削減できるだろう。
「政府などによる人間の選別・間引き行為である」という趣旨で語られる事もあるが、
その場合政府の指示に素直に従う者が死に絶え、政府の言う事を信じない疑り深い者が生き残るという、
政府にとって都合が悪過ぎる結果となるため一行でロジックが破綻している。
近年では、このロジックの辻褄を合わせるために、ワクチン接種者と接触したワクチン非接種者が有害な影響を受けるという「シェディング」という概念が提唱されているが、これも当然ながら医学的に証明された物ではない。
また陰謀の主体が製薬会社や医師たちになり、彼らは金儲けのためにワクチン接種を推しているのだという主張も存在するが、これも「金儲けをしたいなら病気を抑制するワクチンではなく、その都度患者が必要とする薬などの医療のほうが効率的だ」と反論がある。
その上、人口を削減させたら製薬会社にとっても客が減ってしまい損しかしないのである。
仮にパンデミック等が陰謀によって引き起こされたのであればむしろその疑い深い者たちがワクチンを打たないことを見越したと考える方が自然なのである。
ワクチンを打つことはあくまでも任意であり、肝心の人口爆発が著しいアフリカ等でも接種が強制的に押し進められているような事実も存在しない。
実際のところ、ワクチンは多くの命を救った称賛に値する発明ではあるものの、歴史的に見て問題点がゼロ
というわけではない。
実際戦後、集団
予防接種の副作用によって死亡や重篤な障害が生じた例は存在しており、そういった被害者に対してもなかなか救済がなかったという苦い歴史があるのは確かである。
また現代のワクチン不信の一部は、例えばアメリカ政府が黒人に対して人体実験的な梅毒治療を何十年にわたって繰り返していた過去などからきているなど、単に無知な愚か者が陰謀論に振り回されていると切り捨てられない側面もある。
他のあらゆる医療と同様、ワクチンも慎重な
テストを経たきちんとしたエビデンスを元に用いられるべきであり、その過程・結果を監視するのは我々市民の義務と言える。
逆に、きちんとエビデンスさえ揃えば多くの命を救う福音となるワクチンに対して、度を越えた忌避感を植え付ける陰謀論ははっきり
危険であるとも言えるかもしれない。
医学・医療に関する陰謀論
先述してきた内容に限らず、人々の健康や生死に関わるためか、医学・医療に関する陰謀論は非常に多い。
極端な物になると「疾病・細菌・ウイルスは存在しない」などという物もある。
性質上広まってしまうと人命に直結するレベルで関わるため、批判派内でも「どこまでの言論統制・思想統制が『人命が失われうる誤情報だから』で許容されるのか」など、強権的な対処を要する事態になってしまうのではないかとする心配も出ているようだ。
Qアノン
海外の匿名掲示板に「Q」というHNで書き込まれた内容から広まった新手の陰謀論。
正確にはQアノンとはオリジナルの投稿者のことであり、その「支持者」「信者」がいるという構図になるのだが、彼らも含めて一連の陰謀論を唱える人々全体がQアノンと呼ばれることも多い。
基本的にはQおよびその信奉者たちの姿勢はドナルド・トランプ元アメリカ大統領を支持するものであり、
- 「通称ディープ・ステートやカバールなどと呼ばれる闇の政府が背後で暗躍して、アメリカを支配している」
- 「バイデン氏や複数メディア、米民主党は実は闇の政府あるいは中国の尖兵で、アメリカを闇の政府や中国にとって都合のいいものに変えようとしている」
そして、「トランプ大統領はそれに対抗する光の存在である」というような世界観が基盤となっている。
なおQの書き込みは先行する
「ピザ・ゲート」と呼ばれる別の陰謀論を取り入れているなど、ちょっとした
陰謀論よくばりセットとなっており、本記事にもある別の主張も複数展開していた。
実のところQアノン陰謀論ムーヴメントが拡散するにつれて、同じ
トランプ支持の陰謀論を唱える人の間でもメインとなる主張が変質している場合もある。
例えば前述した主張のなかでも中国の関与はオリジナルのQの書き込みにはなく、おそらくは「『敵』としての中国」というのは本邦の陰謀論者にはなじみがあり通りがよかったからだろうが、日本で広まるなかで付け加えられた部分である。
結果としてQの書き込みから3年後、2020年に大統領選挙がおこなわれトランプ氏はバイデン民主党大統領候補に敗北した(現在は復帰済み)わけだが、当然ながらQアノン支持者の面々が納得するわけはなく、当のトランプ氏やその周りからも含めて「民主党側の不正選挙疑惑」が大量に発せられた。
現在では、これらの現象も含めて「Qアノン陰謀論」の一環として包括的に語られることも多い。
また本邦でもこのころを境にQアノン的な言動が主にトランプ支持者を中心に広まり、彼らを指して「Jアノン」、あるいは実際の指導者名を取って「~アノン」などと呼ぶ向きもある。
なお不正選挙疑惑のほうは陰謀論の常として非常に無理のある主張も多く、そのほとんどが米法廷でも撥ねられており、少なくとも選挙結果を覆すような規模の大陰謀をバイデン氏および民主党候補がおこなったという蓋然性は極めて低い。
……もっともこれも陰謀論の常として、「『闇の政府』ディープ・ステートの超権力がこれらの露呈を防いでいる」という反証不可能なタイプの反論が支持者からはなされているのだが。
Qの書き込みから展開された一連の陰謀論は、2021年に犠牲者を複数出した議事堂襲撃という最悪の結末にも影響を与えたとされており、web上で拡散した陰謀論が実際の事件の引き金(の一端)を担うという、極めて現代的な問題にも発展してしまった。
だがカルト的な様相を見せている先鋭化された陰謀論者はそのようなことで目を覚ますはずもなく、後述する「世界緊急放送システム」陰謀論を2022年現在でも展開している。
世界緊急放送システム
災害時に、政府から情報を通知するためのシステム。
それ自体は、どこの国にもある(日本にもJアラートというものがある)のだが、アメリカのそれは「実は全世界に発信することができるもので、アメリカのトランプ大統領が、バイデン新政権やメディアなどの悪行を、それを使って全世界に知らしめようとしている」というもの。
トランプ氏の弁護士が、『トランプ氏が上記のことをしようとしている』と、トランプ氏寄りのSNSを通して発表したことで、たちまち広まり、さらにそこで『ライフラインが止まるかもしれないから、食料や水の備蓄を』と呼びかけたことから、たちまち日本で大騒ぎになった。
当初それを発表するという日からかなり経っているが、信奉者たちは『先延ばしになった』『準備中』とか言って引き延ばしている。
当時の読者に浸透した陰謀論。
流石に途中からはギャグと見なされるようになってきたが
秘密結社NNN
日本を含めた世界各地で活動しており、ターゲットに定めた人間の元に次々に構成員を送り込んでくるとされる秘密結社。
動物に関する都市伝説も参照。
ハジケリストによる支配論
通称「陰ボーボボ論」。
「
展開当時『ボボボーボ・ボーボボ』で育った子供たちが成人し、大人になったことで国内各所の要職に就いている」「
その結果近年急にボーボボコラボを行う企業や省庁が増えた」というもの。
正直言って当時ハジケリストやってた人たちが一番荒唐無稽なのをわかっているのだが、農水省公式広報がところてんの日に天の助ネタを擦る、舞台版が文化庁の『子供舞台芸術鑑賞体験支援事業』…要するに補助金あげるから子供たちに文化体験をさせてあげてねという企画に選ばれてしまうなど、国家省庁がある程度ボーボボに理解を示していること自体は事実であるため「
荒唐無稽であってくれ」「
陰謀論で終わってくれ」というニュアンスで扱われることがままある。
文化体験どころかテイのいい澤井2号や浦沢2号養成プログラムでは。おふたりとも普通に弟子育ててただろ
このあたりは「陰謀論に過ぎないことはわかってても、ファクトチェックを行えるとは限らない」という意味では重要なケースと言えるだろう。なんせ農水省や文化庁の人に片っ端からボーボボ読んでました?と聞いて回るのは現実としては不可能なのだから。
一応反論すると、少なくとも農水省についてはどちらかというと「不条理・あたおかギャグは全般的に好きな人がいて、その人が積極的にそれ系の作品とのコラボ企画を提案している」の方が実態に即しているだろう。
なんせ魚食文化の宣伝広報のために
平成期スーパー戦隊でも屈指の狂気回を毎年擦っているんだから。
■本当に陰謀だった陰謀論
カチンの森事件
1940年にポーランド郊外の森であったポーランド人捕虜に対する虐殺事件。黒幕はソ連側の秘密警察NKVD。当時の長官はあの悪名高いラヴレンチー=ベリヤだった。
ソ連によって抑留されていたポーランド人兵士らが釈放され輸送される途中で消息を断ったが、実はNKVDの指示によってポーランド郊外の森で虐殺され、その遺体は穴に埋められて隠蔽されたことが発覚した事件である。
当初ソ連はポーランドに侵攻したナチスドイツによって虐殺されたと主張していたが、ポーランド政府に対してナチスドイツがやったと発表しろと脅迫までしていたことが明らかになった。
しかし一時期はロシアもプーチンすらも公式にソ連による犯行だと認めていたのだが、現在はウクライナ侵略における世論形成のために手のひらを返してナチスの仕業だと主張している。
これとかの前例があるせいでロシアに関するものは「根拠がない」自体ではなく「根拠がない以上双方の可能性がある。今から断定しない方がいい」というニュアンスで陰謀論が否定されることも多い。
張作霖爆殺事件
満州こと中国東北部の南満州鉄道権益の保護を目的に展開していた関東軍が、満州の権益拡大を狙って引き起こした暗殺事件。
社会科の授業でも満州事変に関連した事件としてほぼ間違いなく習う重大事件である。
当時の満州の支配者であった軍閥の領袖、張作霖は後ろ盾を日本から欧米に鞍替えしつつある一方で満州での支持を失いつつあり、また蒋介石率いる国民党軍にも敗北し、関東軍との関係が悪化していた。
その為に関東軍は満州のより直接的な支配を求めたが軍や政府中央からは拒否され、独断で暗殺を行った……というもの。
日本側は「蒋介石軍の便衣兵による犯行だ」と主張していたが、張作霖は死に際に「日本軍にやられた」と言い遺しており、また満州の権益を巡って関東軍と対立関係にあった事から関東軍の関与が強く疑われていた。
後の日本の調査で関東軍大佐の河本大作及びその指揮下の兵による犯行だと確認されている。ただし発案は当時の関東軍司令官であるとされる。
なお事件の対応を巡り時の田中義一政権も吹き飛んでおり、また張作霖の息子の張学良は早くから日本主犯を確信していて、父の跡を継ぐと早々に蒋介石に下ったため、陰謀としても逆効果に終わっている。
……ちなみに2000年になって実は真の黒幕は中国東北鉄道条約を巡って対立していたソ連であり、同国の諜報機関が派遣した工作員ナウム・エイチンゴンによる犯行であるとの陰謀説も唱えられはじめた。
また張学良はやがて蒋介石とも対立し、50年も監禁される羽目となる。
坂本堤弁護士一家殺害事件
オウム真理教が引き起こした事件の中でも殊に有名な事件の一つ。
オウム信者の脱会を支援していた坂本堤弁護士とその一家をオウム真理教信者が襲撃して殺害、遺体を遺棄した。
犯行現場からオウム真理教のバッジが発見されたため教団による陰謀であるという説が濃厚だったが、神奈川県警は「事件性に関しては不明」との説明を行った。
またこの事件に対し、教団側は当初「オウム真理教排除を狙った日本政府や横浜弁護士事務所の陰謀、狂言だ」と主張していた。
その後実行犯の一人である岡崎一明が犯行を自供した事でオウム真理教による犯行であることが確認された。
またこれに関係して初動段階で既にオウム真理教の関与を直ちに疑って然るべきだったにもかかわらず「事件性に関しては不明」との説明を行ったことから、神奈川県警は以前から左派の労働運動に関わっていた坂本弁護士を目障りだと考えており、オウム真理教による犯行だと感づいていながら見殺しにしたとする説も唱えられた。
日本人拉致問題
北朝鮮工作員によって複数人の日本人が北朝鮮に拉致された事件。
当初北朝鮮側は拉致の事実を否定していたが後に事実であったことを認めた。
今となっては信じられないが金正日が声明を発表するまでは「日本海沿岸で多発する謎の人攫い」といった都市伝説のような扱いであり、真偽不明の与太話として見られていたのである。
これも今となっては信じられないが第二次世界大戦後、植民地時代に朝鮮半島北部に築かれたダムや工業インフラ、豊富な地下資源を丸ごと手に入れ、共産圏からのバックアップも受けた北朝鮮は当時アジア有数の工業大国であり、本格的に凋落の気配を見せ始める1980年代頃までは地上の楽園とすら宣伝されていた。そんな国がよもやそんなブラックな陰謀に手を染めていようなど、当時の一般人には想像もつかなかったのだ。
親北路線をとっていた政党や人物は事件が明るみに出ると批判にさらされることとなった。
なおその際に拉致問題を否定するホームページを突如削除した件をきっかけに
ウェブ魚拓が開発されたともいわれている。
CIA麻薬ビジネス事件
CIAが中華民国と組んで黄金の三角地帯で麻薬を生産し、獲得した金を反共団体に供与しつつ共産圏に麻薬を流して体制の混乱を企てていた。
ロナルド・レーガン政権の頃まで続いていたという。
CIAはこれ以外にも(主に冷戦に絡んだ)犯罪スレスレのブラックな活動を行っていたことが後年の資料開示で明らかになっており、秘密諜報組織というダークなイメージと合わせて創作における題材として頻繁に用いられる。
MKウルトラ計画
こちらもCIAが関与した陰謀事件。
なんと薬物や様々な機械を用いて民衆を洗脳する技術を開発しようと試みていた。
アメリカが第二次世界大戦終結直後に実施したペーパークリップ作戦で集めた、ちょっとやばそうな内容の研究をしていた科学者たちの協力の下、LSDを使った自白強要や洗脳の実験を行っていた。
しかも被験者への同意なしにである。
もしこの事実が露見すれば第二次世界大戦の戦勝国であり、またナチスを始めとする独裁国家での非人道的な人体実験を非難する立場にあるアメリカの威信が大きく傷つけられることは必至であり、1973年に時のCIA長官によって関連資料の隠蔽が図られたが、
かろうじて持ち出された数枚の資料によってその存在が明るみに出ることとなった。
トンキン湾事件
ベトナム戦争真っ只中の1964年8月2日、北ベトナム軍の哨戒艇が、トンキン湾で哨戒任務中のアメリカ軍駆逐艦マドックスを、南ベトナム軍の艦艇と誤認して魚雷を発射する事件が発生。
続く8月4日、駆逐艦ターナー・ジョイが接近してくる北ベトナム軍の艦艇とおぼしきレーダー目標に対し
機関銃による射撃を行う。
以上の事件を「北ベトナム軍による公海での攻撃」であると主張したアメリカ政府はこれを口実に「トンキン湾決議」を採択。ベトナム戦争に介入し北爆を開始する。
…が、誤認とはいえ実際に魚雷を撃ち込まれている2日の事件はともかく、4日の事件に関してはレーダーの誤認によるものの可能性が高い。おまけにこの時アメリカ軍は両日とも
思いっきりベトナムの領海を侵犯していたので「公海で攻撃された」という主張は
完全に捏造。よしんば本当に攻撃されたとしても正当な領海防衛行為であり
アメリカに文句を言う権利など無かった。国内世論をベトナム主戦論に傾けるためにケネディ大統領と後任のジョンソン大統領が仕組んだ事だったらしい。
北ベトナム政府は「領海を侵犯していた艦艇を追い払っただけ」「4日に関しては攻撃自体が捏造」と主張しており、国内でも4日の事件に関しては懐疑論が唱えられるなどアメリカ政府による陰謀説が囁かれていた。
後にこの事実は「ペンタゴン・ペーパーズ」としてすっぱ抜かれ、アメリカ政界を揺るがす大事件を巻き起こすこととなる。
桶川ストーカー殺人事件
埼玉県桶川市の女子大生が元交際相手の男を含む数名の集団に嫌がらせを受け続けた挙げ句刺殺された事件。
妄想ではない本物の集団ストーカーだったが相談にあたった埼玉県警上尾署の担当警官は再三の告訴の要請に対してまともに取り合わず、
しかもいざ殺人事件が起こると調書や記録を改竄して保身を図ったため、3人の逮捕者を含む15人もの処分者を出す最悪の警察不祥事となった。
またストーカー規制法成立の契機ともなった。
集団ストーカーを訴える人々の中にはこのような悲惨な事件をもとに、自分の集団ストーカー被害も妄想ではないと主張する場合もある。
が、本件は集団ストーカー被害を訴える人々の典型例の
「身に覚えがないのに、特定集団に属する多くの人間から、婉曲な嫌がらせを受けている」
というパターンと違って、こちらの事件は
「発端となった犯人グループの一味は実際に被害者と交際しており、嫌がらせの前には直接的暴力も振るっている」
「実際に嫌がらせに加担したのは、元交際相手の兄などを含むたった5名」
「嫌がらせの内容は、無言電話やビラ巻きなど誰がどう見ても問題であると認定できる行為」
など、明確な違いも多い。
言うまでもなくこんな事件は繰り返してはならず、ストーカー被害にあわれている被害者の方々の声に真摯に耳を傾けなければならないという教訓は尊重するべきだが、「集団ストーカー被害にあっている」というある種の陰謀論を唱える人間の言っていることがそれぞれ本当に事実であるかは別問題。
「桶川ストーカー事件」のようにマジでストーカーされているケースも確かにあるが、ただの被害妄想でしかないケースも多いことは念頭に入れておきたい。
エプスタイン島事件
アメリカの富豪で慈善家でもあったジェフリー・エプスタインが、個人所有の島(バージン諸島のリトルセントジェームズ島)で未成年の少女による売春を行っていた事件。
最年少で12歳の子どもが買春の被害に遭っており、ビル・クリントン大統領に「献身的な慈善家」と讃えられた人物の犯罪行為には全米に衝撃が走った。
また、エプスタインは2019年に独房内で遺体で発見された。首吊りによる自殺と発表されたが、その死にある不可解な点から暗殺されたという陰謀論がある。
これは少女売春に著名人や有力者が関わっており、それをエプスタインが証言することを恐れたためという説である。
エリザベス女王の次男アンドルー王子を筆頭にそうそうたる顔ぶれが告発を受けているのは事実で、王子はこの一件により王室を追放され、英国王室から未成年者性的虐待事件の賠償金が支払われる非常に不名誉な事態を招いた。
また、欧州最大手銀行のドイツ銀行やアメリカ最大手銀行のJPモルガンは再三の口座凍結要請を無視していた事を認め、これらの銀行が被害者グループに数百億円規模の解決金を支払っている。
2022年にはイーロン・マスクがエプスタイン事件について、マスコミ各社に極めて強固な報道統制が敷かれている事を匂わせるツイートを行った。これがただのネタツイートなのか暗に告発したのかは不明である。
「上級国民」「特権階級」といった陰謀論者が好むワード、現実がフィクションを超えたとも言われる王族・政治家・大企業に広がったエプスタインの関係、果ては中心人物の死による幕引きなど、不謹慎な言い方をすれば「面白い」要素がこれでもかと詰まった事件であり、これらをパズルのピースのように組み合わせるだけで憶測に基づいたもっともらしいストーリーを誰でも組み立てられてしまう。事件のスケールの大きさからしばしば世界規模の陰謀論までもが流布されている。
■創作における陰謀論
現実世界では「○○の陰謀だったんだよ!」「な、なんだってー!!」という話はほとんどが根も葉もない噂だが、
漫画とかアニメとか特撮とかで主人公サイドが「これは○○の陰謀だ!」等と言った場合、極めて高い確率でそれは的中する。
完全に的中とまでは行かなくとも、「元になっている何らかの事件」がほぼ確実に存在すると言っていい。
言い出したキャラクターが中二病とか陰謀論者であるという設定がない限りはほぼ確実と考えて良い。
中二病の陰謀論者が本物の陰謀に巻き込まれてしまうという
Steins;Gateのような作品もある。
「○○の陰謀」を唱える人の代表例として挙げられるのが、仮面ライダーBLACKの主人公
南光太郎。
時間が巻き戻る、川が逆流するなどの明らかな超常現象はもちろん、
- 地震
- 大量誘拐
- 暴走族が街で暴れている
- 知人のレーサーの成績が急に良くなった
- ある少年が突然勉強するようになった
- 病気が流行っている
- 変なバスとすれ違った
などのありとあらゆる事項を「もしや
ゴルゴム!?」「
ゴルゴムの仕業か!」と断定。
調査に乗り出すと
100%の確率でそれは実際ゴルゴムの仕業である。
30分番組の尺は限られている、という事実を否応にも実感させてくれる陰謀論ともいえる。
考えてみれば「偶然」という「未知」から来る「恐怖」が陰謀論を生むのだから、
創作において真相を「偶然」にしておく必要はなく、陰謀が真実であってよいのである。
陰謀に巻き込まれるキャラクターについて
陰謀に巻き込まれるキャラクターは、一昔前は「社会的地位が高くて正義感が強く、他の人物から疎まれている」というキャラクターが圧倒的に多かった。
今現在も陰謀論のネタになるケネディ大統領が聖人君子のような人柄だったことも大きいだろう。
そんな優秀な人間が、元より積み上げてきた人柄や信頼を駆使して、陰謀に立ち向かう…というのが王道である。
しかし、最近では「財産も社会的後ろ盾もないただの一般人」が陰謀に巻き込まれるという作品が増えている。
作品を楽しむ読者・視聴者目線で共感しやすいからという理由だろうか?
ただの一般人なので、
- 実名報道や指名手配などで社会的に孤立させられると詰む。
- 仕事がなくなるとお金がなくなり、生活できない。そのせいで窃盗やカツアゲなどの「陰謀よりはマシな」犯罪に手を出してしまう
- 日頃の行いが
なんでもかんでも陰謀のせいにしているため悪い、または陰謀の元凶が評判固めをしっかり行っている関係で、親兄弟や妻などの親しい人から信頼してもらえない
- 国や組織への復讐から、国家転覆を測る革命軍に所属するなどといった形で物腰入れて陰謀に関わってしまう。
という絶望的な状況から物語が始まる。
…もっとも、それでは話が展開しずらいので、
- 主人公が国や警察に囲い込まれても平気な、隠遁・逃走スキルを持っている
- 主人公がハッキングスキル持ち、またはインフルエンサーなどで、情報を収集、発散できる手段を持っている。
- 新聞記者やジャーナリストなどの都合の良い協力者が現れる。
そのジャーナリストが嘘八百書いたことが主人公が巻き込まれた元凶だった、なんて作品もある
という救済を与える作品も多い。
…なお、「自分にとって都合の悪いことをなんでも陰謀のせいにしたり、自分の悪事を正当化する、どうしようもない人たち」という陰謀論者をネタにしたホラー作品、風刺作品なんてものもないわけではない。
モンスター映画、災害映画、ゾンビ映画などで「これは政府の陰謀だ!」と叫び散らすキャラクターに限って、「自分が逃げること生き残ること」がおなざりになって無様に殺されるというのかお約束である。
逆に、ただ生き延びるために逃げているだけの主人公が真相に近づいていく…という展開もお約束である。
また、現実の陰謀論を題材・ネタにした作品もあり、作品独自の解釈を持ち込むことも多い。
この項目でも多用されている「○○の陰謀だったんだよ!」「な、なんだってー!!」という構文を生み出した
MMR マガジンミステリー調査班が代表例で、これはオカルト話や陰謀論をいかにもな現実味をもって紹介する実録(風)漫画である。
追記修正されないのも全て…
さて、この項目を最後まで読んでくれた諸兄には、
冒頭で述べたヨーゼフ・ゲッベルスの言葉についてある事実をお伝えしなければならない。
・特定の人物や団体に対する誹謗中傷や愚痴
・名誉棄損や批判
・迷惑行為の正当化
以上の様なコメントはIP規制やコメント欄撤去の原因となりますので絶対に止めましょう。
- 異論が無かったため、コメント欄をリセットしました。 -- 名無しさん (2023-07-27 20:11:49)
- 警告無視の違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2023-08-03 16:21:17)
- ラウンドアップとラウンドアップレディのことをマッチポンプというのは公平な表現なんだろうか? -- 名無しさん (2023-09-07 21:46:48)
- 久し振りにこのページ来たら最後の折り畳みでびっくらこいた。騙された奴が言うのもなんだけどいいねこういうの -- 名無しさん (2024-01-11 15:24:55)
- "疑わしい例"としての記載すら独語版wikipediaにはないのよね。別な発言(しかも割と陰謀論ネタにフィットする)はある。ところでGoebbelsだ(懐かしネタ -- 名無しさん (2024-01-12 21:12:59)
- 男なら陰謀論よりも淫棒論を語れ! -- 名無しさん (2024-01-12 21:36:26)
- 「ヨーゼフ・ゲッベルスの言葉について」の話、実は言ってない台詞で済ませるくらいでいいんじゃないかな。それに関する話がちょっと説教臭くなってるような気が… -- 名無しさん (2024-01-16 17:26:00)
- 世界情勢が不安定だったり政府が信用されてないと割と頻繁に起きるイメージ -- 名無しさん (2024-04-26 12:53:51)
- 陰謀諭そのものがゴルゴムの仕業 -- 名無しさん (2024-05-31 21:09:45)
- 女の子説 -- 名無しさん (2024-06-28 06:57:01)
- 昔は笑えるオカルトだったのに、どうしてこうなってしまった -- 名無しさん (2024-07-03 14:06:05)
- ↑魔女狩りが示すように、昔も有害性はあった。 -- 名無しさん (2024-07-03 17:13:38)
- 言論や表現の自由を制限する国が多かったのも、陰謀論対策という面もあったと思う。権力者がむがーとなるだけが理由だとは思えない。 -- 名無しさん (2024-07-03 17:16:53)
- 陰謀論対策というかもっとシンプルに「住民をコントロールしたい」だと思うぞ。統治者の考えるとおりに考え行動し結果を出そうとする住民が一番好ましく、個々の発言や表現ひいては思想の自由なんぞない方がコントロールしやすい。悪い言い方をすれば「駒に自我なんてない方が楽」であるな -- 名無しさん (2024-07-03 17:33:19)
- ↑だからこそいつの時代も有害なデマを取り締まろうとすると「権力が真実を隠蔽しようとしている!!」という陰謀論が唱えられるわけでもある -- 名無しさん (2024-07-08 14:12:14)
- これ自体が陰謀論と言われそうだけど陰謀論は社会を混乱させるための敵国のプロパガンダじゃないかと -- 名無しさん (2024-08-06 07:26:20)
- ↑離間計なんかまさにそれよ。疑心暗鬼による分断工作は情報戦の基本だからね。全部がそうとは言わないけど政治的な意図を持って作為的に流されるデマもある -- 名無しさん (2024-08-08 23:49:51)
- ↑2思うだけならいいけど、その「かもしれない」が何百回も繰り返されるうちに「に違いない」にならないように気をつけないといけない -- 名無しさん (2024-08-08 23:58:09)
- 陰謀論の恐ろしい所は明らかに矛盾してたり陰謀論言ってる本人が陰謀を否定してるような事漏らしてても信者が信じ続けるという事だし -- 名無しさん (2024-09-03 11:10:44)
- 今一番ホットな陰謀論は2025年7月にフィリピン沖に隕石着弾らしいな。3.11を予知夢で当てた人の書籍がソースらしい -- 名無しさん (2024-09-03 11:19:08)
- 「自ら制作した番組で人工地震の実在を告発したが、放送日に怪死したNHK局員」の話をこないだ見かけたが、実際調べてみると、「死亡した人物は当時博物館の案内員、現役時代もアナウンサーで番組制作を主導する立場ではない」「スタッフロールにも名前は載っていない」「『NHKは圧力により件の番組の存在を抹消した』とされているが今でもアーカイブで普通に観られる」「添付されている番組の切り抜き動画はあたかも『人工地震の告発』であるかのように意図的に編集されている」って感じで、なんというかまあ… -- 名無しさん (2024-09-05 21:47:03)
- ↑2陰謀っていうか予言というか…というか地球に接近する危険性のある隕石は100年先くらいまで予測されてるんだったと思う。 -- 名無しさん (2024-09-05 22:33:52)
- Qアノン辺りから一気に巨悪化したような 陰謀論が巨悪って皮肉にもそれ自体が陰謀論っぽく聞こえてしまうが -- 名無しさん (2024-09-12 19:38:06)
- ↑旧来の陰謀論が「巨大な敵に立ち向かう」構図、Qアノンとかは「巨大な味方の後ろ盾」な構図だからだいぶ捩れてる。そのせいかもね -- 名無しさん (2024-09-12 20:21:19)
- 「ボーボボ読んで育った世代が官僚になって若人をボーボボ汚染しようとしている」という陰ボー論が広まってるの、毛が、は、生えますよ -- 名無しさん (2024-10-01 20:53:36)
- 陰謀諭はゴルゴムの仕業 -- 名無しさん (2024-10-30 17:58:12)
- 銀行員貸金庫窃盗は「本当に陰謀だった陰謀論」に入れても良いかもなあ。被害を訴えている人はいたけど、統失か認知症の物盗られ妄想扱いされてたし。 -- 名無しさん (2024-11-29 20:00:30)
- 太田竜の話とか読んでると「こんなに学力があるのになんでこんな陰謀論者になるんだ…」と凹んでしょうがない(太田竜は70年代日本における極端な反日思想のインフルエンサー) -- 名無しさん (2025-01-01 23:01:19)
- 他責思想が強くなるとそれを正当化してしまう陰謀論から抜け出せなくなる -- 名無しさん (2025-01-12 16:16:23)
- ↑2 「学力があれば情報を精査し論理的な思考ができ陰謀論にはまりづらい」傾向にあるけど、だからといって「学力がある人は陰謀論にはまらない」ではないからな。何なら学力がある人がその能力を陰謀論や疑似科学に広めるために使うこともある。 -- 名無しさん (2025-01-13 13:13:12)
- ↑そこまで行かなくても経済的・健康的に行き詰まって陰謀論にのめり込むこともある。陰謀論の拡散を防ぐためには科学教育もそうだけど社会支援も重要である。 -- 名無しさん (2025-01-13 13:14:56)
- 田布施システム陰謀論も追記してよくないかなと思う今日この頃 まぁ在日云々の陰謀論の類なんだけど -- 名無しさん (2025-02-26 23:00:11)
- 財務省陰謀論はないのか… -- 名無しさん (2025-03-17 08:07:22)
- あんまり描いてもキリがなくなるしな、あと記事の最後のオチは秀逸 -- 名無しさん (2025-03-17 08:39:27)
- とりあえず利権や洗脳と結び付けておけばよいというイメージ 近年の熊関連の騒動で、ハンター利権なるものをでっち上げる奴がいて笑ってしまった -- 名無しさん (2025-04-05 02:23:14)
- ↑たいがいの論者でその「利権」をまともに説明されることはほとんどないですね。コロナワクチン陰謀論で「奴隷となる人間が減るから困るのは黒幕だろう」というコメントに「綺麗な環境で自給自足する」という反論があったという…。 -- 名無しさん (2025-04-05 07:22:20)
- 陰謀論をぶち上げるタイプの利権があるというと無限循環しそう… -- 名無しさん (2025-04-05 12:54:00)
- というかディープステートなんて存在してんなら、そこの総統閣下がテレビに出ると国民から逆に支持されそうでなんとも -- 名無しさん (2025-05-02 19:22:45)
最終更新:2025年05月02日 19:22