エナジーオーガズム

登録日:2021/04/19 Mon 17:27:11
更新日:2024/12/27 Fri 03:58:31
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本項目では、18歳未満の方に相応しくない性的描写や表現を記述しています。

18歳以上の方のみ読み進めてください。




















エナジーオーガズム(Energy Orgasms)とは、性器などを触らずにオーガズムに至ること、およびそのための技法である。

【概要】

性器や乳頭といった一般的な性感帯を直接刺激する代わりに、骨盤底筋(以下PC筋)の動作と呼吸法を組み合わせ、性感に意識を集中し増幅することでオーガズムを目指す技法である。
当項目は、元ポルノ女優のアニー・スプリンクル(Annie Sprinkle)氏が提唱した方法をベースに記載する。*1
なお、当該ページでは女性向けに記事が書かれている印象がある*2が、エナジーオーガズムの実践は性別を問わず可能であることをあらかじめ記しておく。
男性の場合、この技法でオーガズムに達しても基本的に射精に至ることはない。


【チャクラについて】

エナジーオーガズムの技法はヨーガの理論に立脚しており、その中でも人体におけるエネルギー循環の要所であるチャクラに意識を向けることを重視する。
ここでは、エナジーオーガズムの理解と実践の一助とできるよう、ヨーガにおいて広く知られている7つのチャクラについて簡単に解説する。

  • 第一のチャクラ: ムーラーダーラ
会陰(肛門と性器の真ん中あたり)にあり、近傍の臓器である生殖器などの機能にも関係する。
生きることの基盤全般を司る。
部位からして性機能や性的な事柄に関係が深いため、資料によってはぼかした書き方をしていることがある。

  • 第二のチャクラ: スワーディシュターナ
丹田(おへそから指3本ぶんくらい下あたり)にあり、近傍の臓器である腎臓などの機能にも関係する。
情熱や活力などを司る。

  • 第三のチャクラ: マニプーラ
みぞおちのあたりにあり、近傍の臓器である胃などの機能にも関係する。
意欲や自信などを司る。

  • 第四のチャクラ: アナーハタ
横隔膜の上あたりにあり、近傍の臓器である心臓などの機能にも関係する。
愛や調和性などを司る。

  • 第五のチャクラ: ヴィシュッダ
のどのあたりにあり、近傍の臓器である咽頭などの機能にも関係する。
感情の発露や表現などを司る。

  • 第六のチャクラ: アージュニャー
眉間にあり、近傍の臓器である眼などの機能にも関係する。
意識や理性などを司る。

このチャクラは人体内には存在せず、頭頂部の少し上のあたりにある。
俯瞰的な視座や、個を超越した世界とのつながりなどを司る。



【やりかた】

準備

  • 場所
以下の条件を満たしていることが望ましい。

■暑すぎたり寒すぎたりせず快適な温度である
■外部からの音や振動の影響が少なく静かである
■明るすぎずリラックスできる光量である
■声を出してもよい
■ほかの人に邪魔されない

  • 服装
服は着ないのが望ましい。
着ていてもできなくはないが、身体を締め付ける服装は望ましくない。

  • コンディション
以下の条件を満たしていることが望ましい。

■極端に空腹や満腹でない
■極端に疲れていない
■アルコールなどを過剰に摂取していない

また、エナジーオーガズムの実践を始める前に、入浴したり簡単なストレッチやマッサージを行ったりして身体をリラックスさせておくとよい。

実行

  • 姿勢
スタンダードな姿勢は、平らでしっかりした場所(室内ならベッドやお布団がよい)に仰向けに寝転がり、膝を立てる。
慣れれば他の姿勢でもできるようになる。

  • 呼吸と筋肉の動作
呼吸は腹式呼吸で深くゆっくりと行う。
鼻から息を吸い、口を細めてろうそくを吹き消すようにして息を吐く。

仰向けに寝ているのであれば、骨盤を動かして息を吸うときには腰が浮くように、吐くときにはベッドにぴったりとつくようにする。
息を吐くとき、PC筋を力を入れて絞り、生殖器を刺激する。
これは、おしっこを途中で止めるような動きである。

呼吸とPC筋の動作は、エロい気分になれるような動きで行えるのが望ましい。

  • エネルギー循環の意識
息を吸うときに、会陰から空気を吸い込むようなイメージで性感が会陰から上昇することを意識する。
息を吐くときは、PC筋を絞りながら性感が会陰に向かって下降することを意識する。

呼吸やPC筋の動作にあわせて、以下のようにして全身に性感をみなぎらせ、オーガズムに達することを目指す。
  1. まず、リラックスできるようにゆっくり呼吸し、頭をからっぽにして緊張や自意識を解放する。
  2. 第一チャクラ(会陰)と第二チャクラ(丹田)の間で上記のように意識を集中し、性的なエネルギーを循環させる。性的なエネルギーが高まってくると、会陰から丹田にかけて暖かくなってくる。
  3. 十分に暖まったら、今度は意識を腹部にもっていき、第二チャクラ(丹田)~第三チャクラ(腹部)の間でエネルギーを循環させる。
  4. エネルギーが高まったら、意識を胸にもっていき第三チャクラ(腹部)~第四チャクラ(胸部)の間でエネルギーを循環させる。
  5. 次に第四チャクラ(胸部)~第五チャクラ(のど)の間でエネルギーを循環させる。声を出してもよい。
  6. 第五チャクラ(のど)~第六チャクラ(眉間)の間でエネルギーを循環させる。引き続き、声を出してもよい。
  7. 第六チャクラ(眉間)~第七チャクラ(頭頂部)の間でエネルギーを循環させる。性感が十分に高まれば、エネルギーが頭頂部から抜けていくような感覚とともに全身のオーガズムに突入する。


  • 備考
実践中に性的なエネルギーのレベルが低下してきたら、会陰から丹田に意識を集中し、PC筋を絞って性感を引き出すようにする。
もしPC筋が不調だったり痛んだりするようなら、強く絞らないようにするか、毎回の呼吸ではなく3~4回に1回の割合で絞るようにするとよい。



【長所と短所】

長所

  • 性的快感が深く長い
時間をかけて性感を高めるぶん、オーガズムに達したときの快感はとても力強く、かつ長く持続する。
特に男性の場合、射精によるオーガズムに伴う不応期(いわゆる賢者タイム)に入らずに性的快感を長く楽しめる利点がある。

  • 直接的な愛撫との相互作用がある
エナジーオーガズムの実践を減ることで性器周辺の性感を高めることができ、直接触れたときにも性的快感を得ることが容易になる。
逆に、他の方法で性感が開発されていれば、エナジーオーガズムの実践において性的なエネルギーを感じたり高めたりすることがやりやすくなる。

  • 負傷しない
性器などを直接刺激する方法の場合、強すぎる刺激や長時間の刺激で痛みを感じたり出血したりすることがある。
PC筋を介して間接的に刺激するエナジーオーガズムの技法では怪我をするリスクは少ない(一応、PC筋などの筋肉痛が起こる可能性あり)。

  • 道具を必要としない
エナジーオーガズムでは特別な道具を使用しないため、収納に難があったり同居人の目が気になったりといった事情があっても安心である。
興奮を高めるためのネタを別途使うというのならその限りではないが…。

  • 心身を整える効果がある
リラックスできる場所でゆっくり呼吸して身体を意識するエナジーオーガズムの技法は、エロ目的であることを除けば瞑想のやり方と共通点が多い。
よって、心が落ち着いたり頭がスッキリしたりするなど、瞑想によって得られる効果の多くはエナジーオーガズムの実践でも得ることができる。

  • 泌尿器および性機能の改善が見込める
エナジーオーガズムにおいてPC筋を絞る動作を行うことでPC筋が鍛えられる。
そのため、エナジーオーガズムの実践はケーゲル運動(ケーゲル体操、ケーゲルエクササイズとも)の一種であるという側面をも持つ。
PC筋を鍛えると、尿漏れの改善だったり、アソコの締まりがよくなったりアレの固さや持続力が向上したりといったメリットがある。


短所

  • 熟練するのに時間がかかる
エナジーオーガズムの技法で実際にオーガズムに到達するまでの期間は個人差が大きく、すぐにオーガズムを達成できる人もいれば、何か月も何年もかかる人もいる。

  • 適した場所を見つけられない可能性がある
静かで快適で声を出してもよい場所を得るのにはハードルが高い場合もある。
住環境が劣悪だったり、家族と同居していたりといった理由で自宅に落ち着いて実践できる環境がなく、コストをかけて別の場所を確保しなければならないケースも考えられる。

  • 時間と体力を使う
上でエナジーオーガズムの快感は力強く長時間持続すると書いたが、そのためには時間をかけて性的なエネルギーを循環、増幅させなければならない。
また、オーガズムが強力である分、事後の体力の消耗も大きい。

  • 健康であることが求められる
エナジーオーガズムの技法では各チャクラに意識を向けることを求められるため、集中の妨げになる要素は環境の要因であれ行為者自身の要因であれ大敵である。
すなわち、病気や怪我、心配事やストレス、肩こりや腰痛、寝不足や二日酔いといった集中を乱しうる不健康な要因はできる限り持っていないことが望ましい。
オナニーの方法は数あれど、そのためだけに求道者めいた節制を要求してくる方法はそうそうないのではないだろうか。

  • 寝てしまう可能性がある
エナジーオーガズムの技法は快適な場所で横になってゆっくり呼吸して身体を意識するものであるため、寝落ちの可能性が常に付きまとう。
寝てしまうだけなら本人の健康面では悪くないだろうが、同居の家族などがいたら恥ずかしいシーンを発見されてしまうかもしれない。
また、リラックス目的でアロマキャンドルなどを併用する場合、寝落ちしても火災にならないようにしなければならない。


【さらなる高みへ】

  • 場所を自分好みにする
好みの音楽やアロマグッズなどがあれば、意識の集中を妨げない範囲で使用してもかまわない。

  • エネルギーの循環を意識して身体に触れる
手で身体にそっと触れることで、暖かくなってくる感覚や性的なエネルギーの循環を感じられやすくなる。
また、手で腹部や胸部に風を送るような感じで上下に動かす(てのひらは身体から1~2cm離す)動作も、性的なエネルギーの循環を感覚として捉えられる助けになる。

  • 画像や音声などと組み合わせる
好みのエロ画像や映像や音声などがあれば、意識の集中を妨げない範囲で使用してもかまわない。
エナジーオーガズムの実践のために作られた音声作品も存在する。

  • パートナーと実践してみる
パートナーがいれば、手をつないだり抱きしめあったりつながったりしながら実践するのもよいだろう。


【創作におけるエナジーオーガズム】

アニヲタ諸氏が好みそうな絵柄でエナジーオーガズムをテーマにした作品は非常に少ない。
ぶっちゃけエロマンガやエロアニメよりも、一般的な商業出版のルートで流通している真面目な書籍*3のほうが多いんじゃないかって思えるくらいには少ない。
傍から見ているかぎりじゃ寝転がって悶えているだけにしか見えないから仕方ないね
一応、エナジーオーガズムを実践するときのガイドとして使うような作品は少数だがある。
ビジュアルこそ地味だが、エナジーオーガズムにおける感情や感覚の盛り上がりは非常にダイナミックなものがあるので、内面の描写にすぐれた作品が世に出てくれることを期待したい。



追記・修正は、エナジーオーガズムに開眼してからお願いします。

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最終更新:2024年12月27日 03:58

*1 原文は、項目作成日の時点で http://anniesprinkle.org/energy-orgasms/ から参照できる。

*2 女性にしかない器官の名称が使われている、挿絵の人物が女性であるなど

*3 これにはいわゆるハウツー本だけではなく、文化史の観点から性を論じたものなども含まれる。