クリード チャンプを継ぐ男(映画)

登録日:2021/05/08 (土) 12:39:05
更新日:2021/05/08 Sat 21:32:01
所要時間:約 20 分で読めます







俺は“過ち”じゃない。(I'm not a mistake.)



『クリード チャンプを継ぐ男(原:CREED)』は、2015年11月25日に公開された米国映画。配給はワーナー・ブラザース映画。

ロッキーシリーズ(映画)の7作目で、シリーズでは初の“ロッキー以外の人物を主人公とする”外伝(スピンオフ)作品でもある。

日本での公開は2015年12月23日。

原案、監督は『フルートベール駅で』で注目された新鋭(当時)で、アカデミー賞6部門を受賞した「ブラックパンサー」を手掛けるライアン・クーグラー。
脚本はライアン・クーグラーとアーロン・コヴィントン。
主演はマイケル・B・ジョーダンとシルヴェスター・スタローン。
主演二人に続くポジションとなるヒロインをテッサ・トンプソンが演じている。

原題の『CREED』は、ロッキー最大のライバルであるアポロ・クリードのファミリーネームであると同時に、英語で信念、信条を意味する単語でもある……として、紹介されている。


【概要と評価】

老齢に差し掛かったロッキー最後の戦いを描いた『ファイナル』から、更に9年の後に帰って来た、まさかの『ロッキー』シリーズの続編にして、初のスピンオフ作品。

これまでのシリーズが、何れもスタローン自身の企画、原案、脚本により製作されてきたのに対し、本作では初めて製作会社であるメトロ・ゴールドウィン・メイヤーの主導によるスピンオフ企画としてスタートさせられ、新鋭のライアン・クーグラーを監督に、クーグラーとアーロン・コヴィントンを脚本に起用すると発表され、その後に順にメインキャストの起用と出演の決定が報じられていった。

作品としては、前作『ファイナル』の路線を継続してリアリティーを追及する方向に舵が取られ、撮影開始前から現役プロボクサーであるトニー・ベリューとアンドレ・ウォードの出演が報じられたことからも伺えた。
また、現役チャンピオン達は勿論、主演のマイケル・B・ジョーダンを初めとした役者陣も本物のトレーナーの指導の下で実際のボクシングのトレーニングを積んでから撮影に臨んでおり、その成果もあって鍛え上げられた“本物”の肉体にも注目である。

そうして公開された本作は、多くの批評家、観客から高い評価を受けた。
批評家の意見を要約すると、ロッキーシリーズ脅威の7ラウンド目とまで讃えられている。

シリーズでも最長となる上映時間でありながら、それを隙なく埋めて、それでいて本筋以外に話が飛んでも無駄と感じさせない濃密な人間ドラマと、本作に於いては段階を踏みながら描かれていく丹念なトレーニングシーン、リアリティーを意識した長回しによる白熱した試合映像……と、何れの要素でも手を抜かれていないという、シリーズ全体で見ても屈指の完成度を誇る作品となった。
前作『ファイナル』同様に、完全に過去作と齟齬が無い作りになっているとは言えないものの*1、新主人公を迎えるに辺り、オマージュ的な展開も多分に含まれているのも特徴。
また、シリーズでは結婚以前のロッキーとエイドリアン以来とも言える、アドニスとビアンカによる恋愛要素も主題の一つとして取り入れられており、更にそこに若い二人を見守る目として、やっぱり視聴者が最も注目する存在であろう、老境のロッキーの姿が重ねられていく。

前作『ファイナル』に続き、本作でも素晴らしい演技を見せたスタローンは、第73回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞、第88回アカデミー賞でも助演男優賞のノミネートを受けた。
そして、正に『ファイナル』以降の晩年に入ってからの目覚ましい活躍も含めて評価されたのか、かつての常連であり、過去には1980年代最低男優賞、及び20世紀最低男優賞を獲得したこともある第36回ゴールデンラズベリー賞にて、名誉挽回賞を受賞することになった。
……2014年に創設されたばかりだった同賞は、スタローン以外にもラジー賞常連の面々が獲得している賞……ではあるものの、ラジー賞創設以来、最も扱き下ろされてきた俳優(断言)であったスタローンに贈られたのは快挙と呼べる。
実際、選評理由において挙げられた、回復された過去の不名誉の内容も“全期間を通してラジー賞におけるチャンピオン”であり、他の歴代受賞者とは文字通り格が違っていた中での受賞であった。

この他、名だたる映画賞にてスタローンの他にもジョーダン、トンプソンが受賞やノミネートの栄誉を受けている。

興行的にも大成功を収め、週末興行収入ランキング初登場第3位を記録。
『タイム』誌は、2015年度の映画トップ10の8位に本作を選出している。

これ等の好評を受け、2018年に続編となる『クリード 炎の宿敵』が製作、公開されている。

【物語】

とある施設にて、子供達による派手な喧嘩が起きた。
騒動の中心となってしまったアドニスは、最初は相手に馬乗りになられて殴られていた……と思いきや、巧みに相手のパンチをかわすと瞬く間に体勢を入れ替えて反撃。
滅多打ちにしていた所を職員達に抱えられて引き剥がされると、そのまま独房送りにされしまうのだった。

……それから少し後のこと。
アドニスを訪ねて施設にやって来た、上品な身形の中年女性の姿があった。
独房にて、鉄格子を挟んでアドニスと面会した彼女の名はメアリー・アン。
メアリー・アンに問われ、喧嘩の原因が死別した母親をバカにされたことだったと話すアドニス。
それを聞いたメアリー・アンはアドニスの怒りの理由が孤独な環境にあると見抜くが、一方でアドニスが亡き母より父親の名を知らされていなかったことにも驚くのだった。
「自分の父親を知っているのか?」と聞いてくるアドニスに対し、彼の父親が自分の夫であった人だったと告白すると共に、自分に引き取られて「一緒に暮らさないか?」と提案するメアリー・アン。

父親の名を訪ねるアドニス。

アドニスの父…そして、メアリー・アンの夫の名は……。


それから、二十数年後のメキシコシティ。
控室で、たった一人でバンデージを巻くアドニスの姿があった。
今日の対戦相手と、そのマネージャーがアドニスを奇異な物でも見るように見ている。

リングでは対戦相手を素早いパンチで秒殺したアドニスだったが……その動きは重く、固い。

──翌日、瀟洒なオフィスで仕事をしているネクタイ姿のアドニス。
拳を気にする素振りを見せつつもデスクに向かっていた彼だったが、意を決して上司の部屋へと向かうと一枚のメモを差し出す。

「出世したばかりなのに本気か?」

呆れたように見つめる上司に、気まずそうながらも「自分には向いていなかった」と答えるアドニス。

帰宅したアドニスを迎えたメアリー・アンは、夕食の支度をしながら、ついこの間の昇進を喜んでいる。
その様子を見たアドニスは、仕事を辞めてきてしまった事実を喜ぶ“母”に伝えられなくなってしまう。

夜、一人になったアドニスはYouTubeにアップされている、何度も見てきた古いボクシングの試合を再生する。

──アポロ・クリードvsロッキー・バルボアの二度目のタイトルマッチ。
……“父”が王座から陥落した試合を見ながら、堪らずにシャドーを始めるアドニス。

時は来たと確信し、地元(カリフォルニア州サンフランシスコ)にある顔馴染みのリトル・デュークがトレーナーを務める、アポロ・クリードの出身ジムであることを喧伝する名門デルフォイジムへと赴くアドニス。
リトル・デュークに自分と組んで王座を目指そう、実績は作ってきたと語るアドニスだったが、リトル・デュークは「メキシコで幾ら野良試合をやって来ても無意味」と言い放ち、アポロの息子であることを知っていても尚「お坊ちゃん育ちのお前には何も教えない」として拒否されてしまうのだった。

頑なに乗ってこようとしないリトル・デュークの態度に我慢が出来なくなったアドニスはリングに乱入すると、自らの所有する高級車のキーを賭けて挑戦してくる者は居ないのか?と煽る。
最初の挑戦者をヘビー級世界6位の実力者ながら得意のコンビネーションで沈めたアドニスは調子に乗って更に挑発を重ねるも、お灸を据える目的でリングに上がってきたジムの看板選手であるライトヘビー級世界1位のダニー・ウィーラーには、自身が持っていない“本物のボクシングの技術”で翻弄された上に、あっという間にKOされてしまうのだった。

こうして大恥をかかされたアドニスだったが、同時に現実を実感。
しかし、それでも挑まねばならない目標の為に、家に居られないと悟ったアドニスは、遂に“母”メアリー・アンに、自分が反対されていたボクサーとしての道を歩み始めていたことを報告しようとするが、アドニスがサングラスをかけていただけで、その下に殴られた跡があることを察したメアリー・アンは、まるで見知っていたかのように、これ迄のアドニスの行動を言い当て、その上で「自分が殴り殺してやりたい、アポロはそれで死んだのよ」と訴えるのだった。

それでも、自分の成すべきことの為に家を出るという“息子”に対し、母は「出ていくなら二度と連絡しないで」と言い放つのだった。

……そして、アドニスが向かったのは合衆国を遥か横断した、ペンシルベニア州フィラデルフィア。

そして、アドニスは自ら“彼”の経営するレストランの閉店後に会いに行く。
“父”の名を知ると同時にその名を知り、そして“父”の背中と同じく、その背中を追い続けてきた伝説のチャンピオンにして“英雄”……ロッキー・バルボアに自らを鍛えてくれるように頼むために。


【主な登場人物】


  • アドニス(ドニー)・ジョンソン(クリード)
演:マイケル・B・ジョーダン
本作の主人公。キル・モンガーじゃないよ。
愛称はドニー。
あの、アポロ・クリードがドラゴとの戦いの直前に遺していた愛人との子供で、アポロの死の後に誕生した。
そうした事情もあってか、実母はドニーに父親がどういった人物なのかといった情報を全く伝えていなかった模様。
早くに母親を亡くしたこともあり孤独に苛まれていたのか、施設の職員から根はいい子と評されつつも母を貶されたとして大暴れする等、精神的に未熟な面があり、これは引き取られた後にエリートと呼べる人生を歩み、大人になってからも完全には克服出来ていなかった。
メアリー・アンに引き取られてからは、愛人の子である自分を探し出してまで受け入れると申し出てくれた彼女に感謝し、育ての親として心の底から“母”と呼んで深い敬意と愛情を捧げている。
……一方、習い覚える以前より自分に非凡な殴り合いのセンスがあるのを自覚していたのか喧嘩に強く、メアリー・アンとの出会いにより自分が“伝説的なチャンプ”であるアポロ・クリードの息子と知ってからは自然と父親の影を追うようになっていた。
表向きはアポロの死にトラウマを抱えるメアリー・アンに従い、ボクシングには関わっていないように見せつつも、一流企業に務める裏で国境を越えてはメキシコ入りして実績作りの為に試合を重ねていた。
……しかし、いよいよ行動を起こす時と思い立って尋ねたデルフォイジムでは、大恥をかくと共にメキシコでの実績と自己流の技術だけでは本場では全く通じないと痛感。
これを機に、家を出て遠くフィラデルフィアで暮らす覚悟までして、父アポロの姿と共に映像の中で戦っているのを繰り返し見てきた、父の宿敵にして親友であったロッキーを訪ねることになる。
当初はロッキーからもコーチをすることを断られたものの、練習を見てもらえるようになったことで、渇望していた本物のボクシングの技術を習得していけるようになった。
更に、孤独に耐えつつ初めての一人暮らしを始めたアパートにて、当初は騒音被害を訴えるという妙な構図だったにも関わらず、ミュージシャン志望のビアンカと出会い、同じく夢に生きる彼女に急速に惹かれていくことになる。
……尚、日常生活、そしてボクシングの試合では名前が先行しないように“クリード”姓は名乗らず、実母の姓である“ジョンソン”を名乗り目立たないようにしていたのだが、フィラデルフィアでは長年に渡り多くの選手が憧れると共に、コーチングを希望してきたが断り続けていたロッキーをコーチに付けたことで嫉妬され、それが米国でのデビュー戦後に素性がバラされることに繋がってしまった。
“ビッグネーム”に目を付けられた結果、確かに世界ランカーを倒したとはいえ新人も同然なのに、客寄せの為に収監を前にした世界王者リッキー・コンランとのタイトルマッチが組まれることになるが、それによって自分が予測していた以上の“クリード”の名のプレッシャーに直面していくことになり、更にはタイミング悪く“家族”として接していたつもりだったロッキーやビアンカとの行き違いまでが重なってしまい、遂には傷害事件まで起こしてしまう。
しかし、ロッキーとの“親子喧嘩”を経て和解すると二人三脚でタイトルマッチに向かう。
しかし、流石に無敗のチャンピオンは強く、食らい付いてはいくものの最終ラウンド前に限界を見てとったロッキーから「もう止めよう」と言われるが……。


  • ロッキー・バルボア
演:シルヴェスター・スタローン
言わずと知れた『ロッキー』シリーズの主人公であり、ボクシング界の伝説的な英雄として若い世代にまで名前を知られている存在。ラヴェンジャーズ言ってた人じゃないよ。
一方で、本人はというと『ファイナル』より10年近くが経過した本作では遂に老境を越えた姿となり、エイドリアンに続いて、義兄にして長年に渡りつるんできた悪友であるポーリーにも先立たれていた。
前作で息子ロバートとは和解を果たしているものの、ロバートの自主性を重んじて送り出した後は、相変わらずフィラデルフィアで寂しい一人暮らしを続けていた。
現在でも多くの人々から愛されている存在ではあるものの、ロッキー自身は相変わらずのシャイで奥手な性格ということもあってか、本当の意味で親しい友人も居ないという状況。
過去の苦い経験が原因かまでは明言されていないものの、自分の一度だけの復帰を除いては長年に渡りボクシング界……殊に後進の育成にはどんなに乞われても関わってこなかったらしく、自身のルーツである筈のミッキーのジムにも殆ど寄り付いていないという有り様であった。
予想外の出会いとなったアポロの息子であるドニーの願いであっても当初はトレーナーとなることを固辞していたものの、ミッキーのジムに通ったはいいが練習を見て貰えないという彼に対して練習メニューを作ってやったのを切欠として、本来の人情家と面倒見の良い性分、何よりも亡きアポロへの想いからか、反対に自らトレーナーとなることを申し出ることに。
因みに、ドニーからは「叔父貴」と呼ばれている。*2
しかし、このことが思わぬ周囲からの注目と嫉妬を生むことになり、ロッキー自身は細心の注意を払っていたものの、レオ戦を前にドニーの素性を疑ったピートにバレると共に、試合後には何処からかメディアにリークされてしまうことに。
上記の様に暫く一人ぼっちで居たこともあってか、若いドニーとビアンカと知り合えたことを心の底から喜んでいたものの、ドニーに押し切られる形で受けたコンランとのタイトルマッチ決定の直後に突然の不調に襲われ、かつて最愛の妻エイドリアンの命を奪った癌に自らも冒されていることを知らされる。
それを知り、自分が支えるとまで言ってくれたドニーを一度は拒絶してしまうが、傷害事件を起こしてしまい留置所に入れられたドニーに会いに行って自分の非を認めると、ドニーが帰ってきてくれた後は自らも癌と戦うことを伝え、術後で化学療法を受けている動けない体でもトレーニングを見守った。
そして、遂に迎えたコンランとの試合の終盤、ドニーもまた自らの存在を証明するために戦っていたことを知り、最後のラウンドを激励と共に送り出す。


  • ビアンカ
演:テッサ・トンプソン
本作のヒロイン。ヴァルキリーじゃないよ。
フィラデルフィアでドニーが引っ越してきたアパートの下の階に住んでいた、プロ志望の若手ミュージシャン。
自宅に居る時には殆どの時間を作曲に当てているようで、夜明け前にはある理由もあってか大音量で音楽を鳴らしていた。
たまらず苦情を言いに行ったドニーを非を認めつつも追い返す気の強さを持つが、傍若無人な訳ではなく、進行性の難聴を患っており目標の実現を焦っているため。
実力が認め始められたばかりの新鋭のようで、その事実を知ったドニーから歩み寄る形で急速に親しくなっていく。
敢えて余裕の無い環境に自分を追い込もうとしていたビアンカにとってもドニーとの出会いはいい息抜きと刺激になったらしく、レオ戦までには試合に招きリングに上げる迄の仲になっていた。
一方で性格的に嘘が許せないらしく、ドニーが銅像が立つ程の有名人であるロッキーと親しいと知った時には驚きながらも流していたが、アポロ・クリードの息子であることをニュースで知るまで秘密にされていたことには腹を立てた。
ドニーの謝罪と過去の告白により、この件は理解すると共に許したものの、ドニーがロッキーとの蟠りを抱えた直後のタイミングとはいえ、自分を大きなハコに読んでくれた大物ミュージシャンと“クリード”の名前のことで殴り倒してしまった時には呆れ果て、謝罪に来たドニーからロッキーの病気の話を聞いても尚、閉め出したものの、ロッキーの計らいによりドニーの元へと戻る。


  • “プリティ”・リッキー・コンラン
演:アンソニー(トニー)・ベリュー
英国リヴァプール出身の、現在まで無敗の世界ライトヘビー級チャンピオンにして、札付きのワルでもあるという問題児。
ボクシングでの輝かしいキャリアの反面、絶頂期に在りながら銃の不法所持により7年の実刑判決を受けて収監予定となっており、最後に稼いでおきたいマネージャーのトミー・ホリデイ(演:グレアム・マクタヴィッシュ)からも収監前のビッグマッチを急かされているという状況。
ダニーとのタイトルマッチが決定していたが、会見の場で口論の末にダニーを素手で殴り顔面骨折に追い込んで試合を潰してしまっていた所に、トミーから新人同然ながら“クリード”の名が注目されロッキーと組んでいるドニーを挑戦者に迎えることを薦められ、渋々ながら受けることに。
大柄で口が悪く尊大だが、会見ではトミーからアイディアを聞かされた段階では「過去の人間」と罵っていたロッキー(やアポロ)のことを口が悪いながらも過去の業績を讃えている等、粗暴なだけの人物ではない。
実際、地元では今回のスキャンダルがありつつも英雄扱いであり、コンラン最後の試合になるかもしれないドニーとのタイトルマッチにも多くの観客が詰めかけていた。
当初はキャリアと体格差もありドニーを圧倒していたかに見えたが、アポロ譲りの才能と、ロッキー譲りの肉を斬らせて内に入り骨を断つ戦法により互角の攻防に持ち込まれていく。
苦しみつつも、終盤にダウンを奪った時には勝利を確信していたのだが……。
演じるトニー・ベリューは公開当時、本当に世界ライトヘビー級のタイトル圏内にいた程の現役プロボクサーにして、キックボクシングの経験もあった本物のファイターである。

  • ダニー・“スタントマン”・ウィーラー
演:アンドレ・ウォード
ドニーが最初に国内デビューを決意して赴いた、地元にして父アポロの出身ジムにして、現在はリトル・デュークが主導しているデルフォイジムの看板選手で、ライトヘビー級世界1位の実力者。
乱入で調子に乗るドニーを諌めるべく2人目の挑戦者として名乗りを上げると、本物のプロの実力を見せつけてあっという間にKOした。
実刑判決が確定したコンランとの無敗同士による頂上対決が行われる運びとなっていたが、舌戦の末にコンランに殴られ負傷し中止になってしまうことに。
演じるアンドレ・ウォードも、公開当時の世界トップクラスのライトヘビー級の選手であり、幼少期の頃からボクシングの英才教育を施され、アテネ五輪で金メダル、プロに転向してからも無敗で現役を終え、パウンド・フォー・パウンドにも選出されている程の名選手である。


  • リトル・デューク
演:ウッド・ハリス
アポロ・クリードのパートナー兼、専属トレーナーとして知られ、ミッキー亡き後のロッキーの指導も行い、ロッキー最後の戦いにも招聘された名トレーナーであったデュークの息子で、現在のデルフォイジムの代表。
そうした関係もあってか、以前よりドニーの素性を知っていた人物であり親しく話す仲でもあったものの、それ(アポロの最期を知る)故にか、ドニーが“お坊ちゃん”育ちをしていたとして、正式に組むこともジムで学ぼうとすることにも拒絶の意思を示した。


  • ピート・スポリーノ
演:リッチー・コスター
現在のミッキーのジム*3を任されているトレーナーで、ロッキーとも幼馴染みであり、親しいと自称する。
実際に、ロッキーもジムを代表するトレーナーとして名を挙げていることから信頼を置いている人物なのだろうが、現在は息子のレオにかかりっきりで練習を見てくれないことでドニーに不満をもたれてしまう。
悪気があった訳では無いものの、皮肉にもそれを伝え聞いたロッキーが自分はなかなか承諾して貰えなかったドニーのコーチに付く後押しをしてしまうことに。
口では平静を装いつつもロッキーが地元と縁もゆかりも無く、人種も違うのにロッキーを“叔父貴”と呼ぶドニーのコーチに付いたことを訝しんでおり、それがドニーとレオとの試合、更にはドニーの素性を知ることに繋がった。
ハッキリと描かれている訳ではないものの、レオ戦後にドニーがアポロの息子であることをリークしたのはピートだと思われる。


  • レオ・“ザ・ライオン”・スポリーノ
演:ガブリエル・ロサド
ピートの実の息子で、世界ライトヘビー級4位の実績を誇る看板選手。
売り込みが大事な時期ということもあってか、ピートは現在でもジムの名声を支える存在であるロッキーに再三に渡りレオのコーチやマネージメントをしてくれることを要望していたが断られ続けてしまっていた所で後から来たドニーにその栄誉を奪われてしまうことに。
ピートの嫉妬もあってか、ドニーの国内デビュー戦の対戦相手となるも、反対にロッキーの指導の下で本物のプロボクシングの技術を身につけたドニーに2Rで強烈なコンビネーションを浴びせられてKO負けを喫してしまう。


  • メアリー・アン・クリード
演:フィリシア・ラシャド
アポロ・クリードの妻で、ドラゴ戦で夫を失ってから数年の後に、アポロが別の女性との間に“息子”アドニスを遺していたことを知って、自ら赴いてまで手元に引き取る。
ロッキーとはアポロの葬儀の後には会う機会は無かったようだが、ロッキーはドニーから「いい弔辞だった」とメアリー・アンが言っていたと聞いてホッとしたような顔を見せていた。
騙されて財産を奪われたロッキーに対してアポロは相当な資産を遺したようで、超豪邸住みでドニーにも高等教育を施したようだが料理等は自分で用意する拘りも。
ドニーが既に物心ついてからの関係であったにも関わらず親子の情愛は本物で、ドニーも表だってメアリー・アンに反抗したのは今回が初めてであったと思われる。
母親としての慈しみも厳しさも備えた賢い女性であり、薄々でも気づいていたのかは不明だが、ドニーが「仕事のこと」を切り出してきた瞬間にドニーが隠れて何をしてきたのかを看破した。
アポロのリング禍は勿論、それ以前より戦いの裏でどれ程にアポロが傷ついてきたのかを知っていることからもドニーがボクシングをやりたいと告白した時には全く賛同せずに突き放し、フィラデルフィアに行ってからも電話に出ることもしなかった。
一方、国内デビューの後にドニーが“アポロの愛人の息子”であることがメディアを通じてセンセーショナルに広まり、ドニーがそのプレッシャーに晒されて悩んでいるであろうことを理解していても尚も沈黙を続けていたが、ロッキーにも黙ってコンランとのタイトル戦を前に“CREED”と“JOHNSON”の両方の名前を入れたアポロのトレードマークであった星条旗柄のトランクスに「あなたの伝説を作って」のメッセージを添えて贈り、TVを通じて“自慢の息子”の勝利を願う。
観戦中には、あれだけボクシングを恐れていたにも関わらず、ドニーの活躍に全身で喜びを見せるお茶目な一面も。





追記修正は胸を張って自己証明してからお願いします。


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最終更新:2021年05月08日 21:32

*1 この為『ファイナル』以降を過去シリーズとは別の世界線となる“リブート”と見なす意見もある。

*2 OG=オールドギャングという呼び方も提案されたが、ロッキー自身が断った。

*3 『5』ではジュニア名義で相続されたロッキーの所有物件となっていたが、本作での扱いは不明。