ブラックパンサー(映画)

登録日:2018/03/10 (土) 00:01:25
更新日:2019/09/14 Sat 00:40:20
所要時間:約 11 分で読めます



◆ブラックパンサー



国王として守るか?


ヒーローとして戦うか?






『ブラックパンサー(BLACK PANTHER)』は18年製作の米映画。
MARVEL社のコミックヒーロー「ブラックパンサー」の実写化作品。
MARVELコミックヒーロー映画化シリーズのマーベル・シネマティック・ユニバースの映画通算18作目にあたり、フェイズ3の第6弾。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初登場し、同作で重要な役割を担ったヒーロー、ブラックパンサーの単独作品であり、オリジンではなく『シビル・ウォー』の続編として位置づけられている。
元々ブラックパンサーはMARVELコミックの中で、初の黒人主役ヒーローとしてデビューし、かつアフリカ辺境の地の国王という独特の立ち位置を築いていた。
そして今日、新しいヒーローが次々と生み出されるMCUに満を持して登場し、ヴィブラニウムの産地として鍵を握る秘密の国ワカンダと共に、シリーズ内でも重要なポジションに就く。
今作では、ワカンダの国としての実態や、ティ・チャラの国王としての真価が試される戦いを、「民族」「国家」「技術」「分断」といった今まさに国際的に問題となっているテーマをもとに息を呑むアクションと合わせて存分に描いている。作中にどんでん返し的な要素を盛り込む等、スパイ映画仕立てになっている点も特徴的。

監督は、『フルートベール駅で』『クリード チャンプを継ぐ者』といった、等身大の黒人青年の人間描写を得意とするライアン・クーグラー。
主演は『シビル・ウォー』に引き続き、チャドウィック・ボーズマンがティ・チャラ/ブラックパンサーを担当。
ヴィランであるキルモンガー役は『クリード』の主演を務めたマイケル・B・ジョーダンが演じた。
ジョーダンは『ファンタスティック・フォー(2015年版)』でマーベル映画に出演経験があり、
結果的に短いスパンでマーベルの別作品に抜擢された。

現代のアメリカに直結したテーマに即した今作は、公開されるや否や凄まじいヒットを飛ばし、MCUの全米オープニング成績歴代2位、さらには映画全米オープニング成績の歴代5位という歴史的な大ヒットを記録し、『ジャスティス・リーグ』の興行収入を一気に抜いたとか。

そして、米国内において史上No.3の興収を成し遂げ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を抜きMCU最大のヒット作となった。同時に、全世界の映画界史上No.9となる快挙を成し遂げた。





ストーリー


中央アフリカの山間に位置する発展途上国、ワカンダ。しかしその国には秘密がある。
遥か昔、宇宙より飛来した超硬の金属ヴィブラニウムの恩恵で、急発達した技術による超大国を密かに形成していたのだ。
だが、技術を巡る戦争を避けるため、古来よりワカンダは世界から隔絶しながら安寧を保ってきた。
そして、ワカンダには代々「守護神」がいた。王族が代々継いできた女神パンサーの力を持つ超人、ブラックパンサー。

現代、ワカンダの第53代目国王ティ・チャカの息子にして同国の王子ティ・チャラは、ブラックパンサーとして秘密裏に世界中で活躍する中で、父の暗殺とそれを巡るアベンジャーズとの事件を機に、早めの次期国王の即位が決定する。
王としての風格、泰然自若の心、洗練された闘志。それらを兼ね備えているチャラだが、偉大な父の後継者という重荷に内心不安を抱いていた。

そんな折、ヴィブラニウムの流通を目論む武器商人、ユリシーズ・クロウがイギリスの美術館からヴィブラニウム製の斧を盗む事件が発生。
直ちにティ・チャラは部下とともに、クロウの取引現場である釜山へと潜入。取引相手のCIAエージェント、エヴェレット・ロスと協力しながらの戦いの末、クロウの拘束に成功した。
しかし、尋問中にクロウは仲間によって奪還されてしまう。その中の一人がワカンダ王族の証である指輪を持っているのをチャラは見てしまった。

テロリストが何故ワカンダ王族の証を持っていたのか?王家に深い疑念を抱いたチャラは、父の側近だった家臣ズリに真相を問いただし、
チャカが隠していた許されざる真実を知る。
やがてワカンダに、その例のテロリストであるキルモンガーが現れる。そして彼は、チャラに次期国王の座を賭けた勝負を挑むのだった。

果たして、二人の「王」の戦いの末に待ち受けるワカンダの運命は?








登場人物

  • ティ・チャラ/ブラックパンサー
演:チャドウィック・ボーズマン/吹き替え:田村真
ワカンダの現王子にして次期国王。
性格は忍耐力に富み冷静沈着。家族や部下、国民を気にかける心優しい王子だが、反面味方が傷つけられた時に激昂しやすい熱い心の持ち主でもある。
致命傷を負ったロスを治療する為にワカンダへ連れて行ったり、王族と距離を置いたジャバリ族に協力を頼む等、大胆さも秘めている。
『シビル・ウォー』では父を殺された怒りで復讐に身を落としかけたが、当初の容疑者と思われていたバッキー・バーンズの無実に加え、ソコヴィア協定に対する意見の相違からバッキーの処遇を巡る泥沼の争いに発展したスティーブ・ロジャースとトニー・スタークの対立、ヘルムート・ジモのやりきれない憎悪を目の当たりにした事で本来の性格に戻り、恨みの連鎖を断ち切る決意を固めた。ジモの逮捕に際して、自身の介入をロスに秘匿してもらっていた事が判明した。
王家に代々伝わる薬草「ハーブ」の力で超人的な身体能力を得て、それに加えてヴィブラニウム製の超硬スーツを身に纏った戦士「ブラックパンサー」として秘密裏に、難民を中心とした世界の人々を守っている。
偉大な国王である父を誇りに思い、その後を継ぐことにプレッシャーまで抱いていたが、キルモンガーの出現で父の隠していた真実が発覚。そのために心を乱され、ワカンダに対する疑念、王としての在り方が揺らいでしまい…?


  • エリック・スティーブンス/キルモンガー
演:マイケル・B・ジョーダン/吹き替え:津田健次郎
本作のメインヴィラン。ユリシーズ・クロウと手を組んだアフリカ系アメリカ人のCIA工作員。
ニューオリンズの最底辺層で育ち、独力で米軍の特殊部隊に入隊後、各地の戦場を転々と渡り歩き大勢の人間を殺してきた傭兵となる。
その戦歴を畏怖され、「キルモンガー(死の商人)」と呼ばれるようになった。
クロウの密輸業に協力する一方で、ワカンダやヴィブラニウムそのものに執着を抱いており、遂にはワカンダに直接出向き、
手土産を利用してウカビを取り込み、国王の椅子を巡ってチャラと戦うこととなる。
別の世界では炎を操る超能力者(打ち切り)だった。


  • ナキア
演:ルピタ・ニョンゴ/吹き替え:皆川純子
世界各地を飛び回っているワカンダ人の女スパイ。
かつてはドーラ・ミラージュの一員でティ・チャラの恋人だったが世界で虐げられる弱者を見過ごすことが出来ず、彼らを救うために国外でスパイ活動に身を捧げるようになる。
そのためチャラとは破局したものの今もなお彼からは想いを寄せられており、かつ彼女も未練を断ち切れないでいる。
父を失い傷心となっているチャラの手を握る優しさを見せたりクロウを追う任務に同行する等、
新国王となったチャラをサポートする一方で、ワカンダの技術を世界に広めるべきだと勧めるも受け入れられずに不満を募らせるが…


  • オコエ
演:ダナイ・グリラ/吹き替え:斎賀みつき
国王親衛隊ドーラ・ミラージュの隊長。スキンヘッドが凛々しい男顔負けの女性で、槍の名手。
ワカンダ王族に絶対の忠実を誓っており、ティ・チャラをサポートしつつも未熟な彼の成長を見守っている。
ボーダー族の出身で、族長のウカビとは恋人同士。
ワカンダでは隊長として威厳ある振る舞いをしているが、外の世界に関しては懐疑的で外の武器を時代遅れと罵り、怪しまれたら真っ先に仕掛けたりと少々野蛮気味になる。その為ティ・チャラが逆に諫める時も。
キルモンガーの起こした革命に、当初は王族に忠実な立場ゆえに何も出来ずにいたが…。



  • アヨ
演:フローレンス・カサンバ/吹き替え:織部ゆかり
ドーラ・ミラージュの副官。
『シビル・ウォー』でチャラの護衛についていたのはこの人。


  • シュリ
演:レティーシャ・ライト/吹き替え:百田夏菜子
ティ・チャラの妹でワカンダ王女。年相応の生意気真っ盛りで現代っ子な一面がある少女。
故郷ワカンダの事は兄と同じく大事に思っているが、儀式と言った古い習慣には飽き飽きしており、外の世界に興味がある様子。
ヴィブラニウム工学の天才的発明家であり、ワカンダ最大の技術開発研究室を率いている。
ブラックパンサーのスーツや武器、メカも彼女の発明品であり、外に出れない分よく兄を実験台にして楽しんでいる様子。


  • ラモンダ
演:アンジェラ・バセット/吹き替え:幸田直子
ワカンダ王妃でティ・チャラの母。
慈悲深き性格で悩める息子を優しく励ます。


  • ズリ
演:フォレスト・ウィテカー/吹き替え:玄田哲章
ワカンダ王家に仕える僧侶であり、先代国王ティ・チャカの側近。
ティ・チャラの教育係でもあり、彼に王の心得を叩き込んだ。
しかし、実はチャカのある秘密を共有しており、チャラとキルモンガーの邂逅によりそれが露呈してしまうこととなる。


  • ウカビ
演:ダニエル・カルーヤ/吹き替え:中井和哉
ワカンダ国境を警護するボーダー族の族長。
気性荒い性格で、国を脅かし両親の仇でもあるクロウに対しては憎悪を抱き、
捕まえるどころか彼をワカンダに連行して自らの手で処刑することを望んでいた。
甘さの目立つティ・チャラに従う事や、ワカンダの世界に対する閉鎖的な姿勢に疑問を持った折、
国境に現れたキルモンガーの手土産を見て彼の支持者となり、チャラに見切りをつける。
オコエとは恋人同士だったが、キルモンガーに対する考え方の違いで袂を分かつこととなる。
族で飼っているサイの乗り手であり、戦闘ではサイの群れを操り敵を蹴散らす。

別の世界ではキチガイ白人一家に監禁されていた。


  • エムバク
演:ウィンストン・デューク/吹き替え:木村昴
ワカンダの雪山に住むジャバリ族の族長。決してジャパリ族ではない。
「偉大なるゴリラ」の異名を持つ根っからの戦闘民族である。吹き替えでは声優の影響もあってガキ大将のような存在。
古来より他の部族から不当に扱われたことから王族を嫌悪しており、ティ・チャラの即位に唯一反対し、即位式の決闘で彼と打ち合うが敗北する。
その後、窮地に追いやられたチャラを助け、援護を求められるも…?


  • ティ・チャカ
演:ジョン・カニ/吹き替え:佐々木敏
ワカンダの先代国王でティ・チャラの父。
思慮深く民から愛されるチャラの憧れの存在であり、ベルリンの国連会議でジモにより爆殺された。
国王の儀式の中でチャラの前に現れ、国王としてうまくやれるか不安になっている息子に激励の言葉を贈る。
だが、1992年のオークランドで起こったある事件を「国のため」に隠蔽し、それが取り返しのつかない事態を引き起こしてしまう…。


  • ウンジョブ
演:スターリング・K・ブラウン/吹き替え:遠藤大智
ティ・チャカの弟。
スパイ活動のためアメリカの特殊部隊に加入していたが、アメリカをはじめとする世界で移民や浮浪者といった弱者が不当に虐げられる現実に我慢ならず、
支配者や有力者への反逆のためにヴィブラニウムを横流しにしようとしていた。
それをズリの報告で兄に見抜かれ1992年に兄が自身の元へ訪問。国へと連行されることとなったが…。


  • エヴェレット・ロス
演:マーティン・フリーマン/吹き替え:森川智之
CIA所属の捜査官で、対テロ対策本部の副指令。元空軍パイロットで操縦の腕もある。
『シビル・ウォー』での国連爆破事件を担当し、ジモ逮捕の件でティ・チャラの介入を秘匿したことで彼に貸しを作っていた。
相変わらずの上から目線で高圧的な態度だが、国際治安と市民を守る想いは強く根は優しい。
今作の真のヒロインであり屈指の萌えキャラ。
クロウとヴィブラニウムの囮取引を結ぶ最中にワカンダ王族の乱入で戦闘に巻き込まれ、さらに逮捕したクロウからワカンダの秘密を暴露された上に、キルモンガーの攻撃からナキアを庇い脊椎に重傷を負うが…


  • ユリシーズ・クロウ
演:アンディ・サーキス/吹き替え:広田みのる
世界中で悪名を轟かせる、武器専門の密売商人。金儲けだけでなく殺戮を心から愉しむ生粋の狂人。キルモンガーとは協力関係にある。
初登場作である『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では、ヨハネスブルクにてヴィブラニウムを奪い取ったウルトロンにより左腕を切断されたが、本作までの間にキャノン砲を内蔵した鋼鉄の義手を開発して左腕に装備している。
かつてワカンダに侵入し囚われの身だったが、破壊工作によりヴィブラニウムを強奪し脱走、その後ヴィブラニウムの密売に執着するようになる。
ワカンダに侵入している間にウカビの両親を殺しており、そのため彼から激しく憎まれている。


  • スタン・リー
…また出てるよ!カジノでエンジョイしてるよ!






用語集

  • ワカンダ
中央アフリカに位置する小さな国。
表向きは農牧業が盛んな発展途上国だが、実は光学迷彩により急発達した大都市を秘匿している超先進国。
太古の昔飛来した隕石により運ばれたヴィブラニウムとハーブの技術により文明を急発達させており、現時点で地球上でもっとも発展した都市を形成している。
地下には大量のヴィブラニウムが埋蔵されており、特殊な鉱山と輸送列車により徹底管理されている。
あまりにも高い技術を持つゆえに世界の争いを避けるため、技術をはじめとした国の秘密を厳重に秘匿しており、侵入者がいようものなら決して生かしては帰さない、厳格な鎖国状態にある。
六つの異なる部族が集まって建国されている。部族はそれぞれ、王族、川(リバー)族、国境(ボーダー)族、商人(マーチャント)族、鉱山(マイニング)族、ジャバリ族の六つ。
うちジャバリ族は、気性荒くワカンダの鎖国に反対したため人里離れた山奥に集落を築いた。

  • ヴィブラニウム
宇宙で最も高い強度と硬度を持つ金属。キャプテン・アメリカの盾やヴィジョンのボディの素材など、極めて強力な武器として利用される。
太古の時代、アフリカ大陸に隕石に乗って地球に飛来し、地中深くに巨大な鉱山を形成した。
のちにワカンダ国が形成し、世界から隔絶されるようになり、現状ではワカンダが独占している状態にある。
なお、ワカンダ国が誕生した頃から大量のヴィブラニウムが採掘されているが、クロウ曰く「表面に引っかき傷を作った程度」の量でしかなく、現在でも膨大な量のヴィブラニウムが地中に存在している模様。

  • ハーブ
ヴィブラニウムと一緒に地球に漂着した宇宙の植物。
この植物を摂取すると精神を不可思議な空間に飛ばし、死者との対話が可能となり、さらに凄まじい身体能力を得る。
古代ワカンダ人はこの力をパンサー女神の授けた守護神「ブラックパンサー」の力と称し、ブラックパンサーの座を継ぐ者に飲ませる風習が伝わった。
『シビル・ウォー』の時点でチャラがハーブを摂取していたのかは触れられなかった。

  • キモヨビーズ
ワカンダ人が利用している特殊デバイス。
ホログラムによる通信装置、遠隔操縦の発信機、さらには怪我の応急処置装置にまで使われる優れもの。

  • ブラックパンサースーツ
王家に代々伝わるブラックパンサーの戦闘スーツ。全身がヴィブラニウム製で、あらゆる攻撃を吸収・無効化し鋭い爪で敵を引き裂く無敵の戦闘服。
映画冒頭のチャラは『シビル・ウォー』でも登場した頭パーツを手動で着脱するタイプのスーツを着用し、
後にシュリが新しく開発した改良版を着用するようになる。
シュリによる改良版は、ネックレスに内蔵されたナノマシンで一瞬でスーツを形成する仕組みで、敵の攻撃を溜めて跳ね返させる効果がある。
そちらは2種類作成され、銀のネックレスを媒介としたシンプルなデザインのスーツと、金のネックレスを媒介とした豹らしく狂暴な雰囲気のスーツが存在する。
金のネックレスのスーツは任務で目立つという理由でチャラが使うことはなかったが、そちらのスーツは後に…

  • ドーラ・ミラージュ
ワカンダ国王親衛隊。全員女性で構成されており、赤い防護服にスキンヘッドが特徴。
全員、選りすぐりの戦闘力を持つ女戦士であり、国王への忠実心は厚い。
スーパー戦隊の怪人とは無関係。

  • 1992年
オークランドでティ・チャカとウンジョブの事件が発生した年。奇しくも、現実では白人警官が黒人の少女を射殺した事件を機に発生したロサンゼルス暴動の発生した年でもあった。
そしてその前年には、ハワード・スタークが妻共々バッキー・バーンズに殺害されている。












「父は俺に言った。お前にいつかあの国の追記修正させてやると。笑えるだろ?おとぎ話を信じるなんて…」













































  • ジェームズ・ブキャナン“バッキー”・バーンズ
演:セバスチャン・スタン/吹き替え:白石充
洗脳を解いて罪を償うため、ワカンダの技術で冷凍睡眠に就くことを決意した元ヒドラの暗殺兵士。
ワカンダの子どもたちからは「ホワイト・ウルフ」と呼ばれており、
ワカンダの太陽を受けながらとある女性の前でこれまでの話を聞きたいと伝える。
そう、予定より早い目覚めを果たした。

……その時が来たのだ。








Black Panther will return in...



ブラックパンサーは帰ってくる








AVENGERS
INFINITY WAR






決戦の時、迫る。



APRIL 27 '18

2018年4月27日 全世界同時公開

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