むこうぶち

登録日:2021/08/04 Wed 21:21:03
更新日:2021/08/19 Thu 14:26:35
所要時間:約 21 分で読めます








バブルが幕を開けた1980年代、それは貨幣の価値が基準を失い高騰していた時代

麻雀もまた史上最高レートの時代を迎えようとしていた――




概要

むこうぶちとは、近代麻雀で連載中の作品。連載は長く、巻数も50巻を越えている。
1980年代の日本という好景気に沸く時代に、マンションなどで行われる高レートの麻雀を描く。

最初は強さに憧れる水原祐太を主役としていたが、4話以降絶対的な強さを誇るむこうぶちの男、傀を主役とする群像劇となった。
コンビニコミックス版はタイトルが「麻雀破壊神 傀」となっており、最初から傀が主役となっている。
著者は龍虎の拳(漫画)の天獅子悦也が担当しているが、麻雀の監修には実力派プロである安藤満氏が協力していた。
安藤満氏が逝去してからはケネス徳田氏が監修に入っているが、それによりやや闘牌のレベルが変化している。
作風もかなり変化しており、初期は劇画風だったのだが比較的早期にタッチが柔らかくなっており、近年はフキダシ外の手書きセリフや効果音が増えて好景気に沸く日本のように賑やかになっている。




登場人物


主要人物


「誰も必要ない…自分は むこうぶちですから」

本作の主役を掻っ攫った、札束の入った小さな紙袋を持って神出鬼没に現れる御無礼妖怪人食いワカメ。
黒い長シャツとズボン、季節によってはコートを着ている年齢不詳の若い男。
タバコを吸っていること以外に生活感は一切なく、人の人生の節目にフラっと現れては刈り取り、人は傀との対局を経て何かを失い何かを得る。
とんでもない勝ち金を持っているとされるが、その行方を知る者は殆どいない。
完全に仕上がった際には御無礼と言い*1、それ以降は大抵誰も止められなくなる。
立場的には知る人ぞ知るみたいな感じでプロ雀士でも安永・多河・潤子ぐらいしか知らなかったのだが、いつの間にか青龍會全員に知れ渡っていた。



  • 水原祐太
「違う!俺が欲しかったのはタイトルじゃないんだ!強さ!それも圧倒的な…」

最初の3話の主人公。証券会社で働いていた。
安永萬に見込まれてプロ入りした、研修中の身ながら大会で優勝した若く熱くなりやすい表プロ雀士。
しかし実感を持てない勝利だったため競技麻雀に疑問を持ち、安永に連れられて行った高レート雀荘「東空紅」で出会った傀に憧れるようになる。
4話目からは影も形もなくなったが、後に再登場。
表からは除名処分にされたため裏プロ専業になり、熱くなりやすい性格は心の奥へと隠され、アラサーという年齢を感じさせない幼さを残す無邪気な性格になった。
対局中はよく喋り、安永や秀曰く「聞けば何でも喋るが本当のことを言うとは限らない」と評されている。
顔がそこそこいいことを活かしてヒモになったりチャラ女ものの服を普通に着たりとチャラさがどんどん増している。
裏主人公というべき成長し続ける存在になっており、様々な経験を経て独自の打ち筋を身に着けている。
傀に倣ってか、完全に決めてやったと思った際に御無礼(ごぶれー)と言う。

ひとでなしの世界へ飛び出して安永曰く「可愛げのない方向に成長した」ため、読者からの人気も高くはない模様。



  • 安永萬
「どうせ最後に勝つのは俺だけどな」

全雀連に所属する作中で著名な恰幅の良い中年男の表プロ雀士で、狂言回し。
肩書きや立場は巻が進むごとに少しずつ上がっており、最初はヒラの五段だったのが全雀連副理事の六段にまでなっている。
「メンチンの安永」と言われる重厚な雀風が持ち味の実力派だが、優勝にだけは手の届かないシルバーコレクターである。
裏プロの出身であり、現在でも裏の世界によく顔を出していて表裏問わず顔が広く、実力を見込んだ相手に誘いをかけて表の舞台へ上げたりもしている。
面倒見もよいため人望も厚く、プロアマの垣根を超えた麻雀研究団体「青龍會」の世話役になっている。
傀とは長い付き合いがあり、彼の後ろにつけるような軽妙な二着狙いを繰り返すことから「人鬼使い」とも呼ばれるが、安永自身も最強を追い求める挑戦者の立場にある。

モデルは安藤満氏で、勃起するまで尻に顔を埋めるという性癖まで反映してしまったため読者からは「尻フガ」とか呼ばれる。
多河が登場してからは女を抱いているところは見られなくなり、よく多河と飲んでいる。相手は不明だがどうやら結婚したため女遊びをしなくなった様子。
寄る年波に勝てないようで、ボケや老眼といった健康問題と否応なく向き合わされたりする。


表プロ

プロ団体に所属するプロ雀士たち。
プロといえど雀荘で打つものなので高レート麻雀への出入りは禁止されていないが、代打ち業などもやっているとあまり良くは思われない。

全雀連

作中における麻雀プロ団体。
現代日本では団体が乱立しているものの、本作では主戦場でないためかわかりやすくされている。

  • 岩田
全雀連理事。裏プロの出身で、安永とはその時から付き合いがある。
団体の金を横領したようで、香港行きの船で稼いで返そうとするも傀に敗れ香港の街へ消えた。
船には連れ戻すよう他の理事から厳命された安永も乗り込んでいたが、友情を優先して見送ったため安永は理事を一時罷免されることとなる。

  • 古畑
全雀連理事。安永を裏プロから拾い上げた恩人。
雀プロはプロモーションと考えており、未だに鉄火場に出入りする安永とプロフェッショナルを目指す青龍會のことを快く思っていない。
しかし自身のイベント会社と繋がっていたプロダクションでクーデターが起きて不正会計が明るみに出たため、全雀連を退会した。

  • 多河巧典
「自分はトップに立つ打ち筋を勉強したいんです」

青龍會を主宰している、A級リーグの実力派若手プロ雀士。麻雀だけでは食えないので昼は兄のやっている中古車屋で働いている。
安永とは夜学の後輩に当たり、二番弟子に当たる。
眉なしパンチパーマといういかつい見た目の通り、暴走族や裏プロを経て安永に見込まれて表プロの世界に入ったが、やはり勉学はからきしで字が汚く西を酉と書いたりハンドルがインド人になったりする。
自分が激しく浮き沈みしながら、他人のトータルスコアを操作して僅差で差し切るのを得意としている。
青龍會を仕切ったり安永に付き合っての飲みと、安永に次いで出番が多い。
祐太と同様表の最強の座に疑問を持ったりもしたが、命すら軽い裏の中の闇の世界があることに言及され表の最強を目指す。

  • 木村潤子
「強い人と打って負けたら…強くなれるんですか?」

父が安永の友達で幼い時から安永が知っているので、プロ入りの際に面倒を見て欲しいと安永に預けられたA級リーグの女子トッププロ雀士。OLをやっていたが、後輩に夢を見せるためと安永がプロ専業に転向させた。
最初は地味な見た目だったが、傀の対局を経て一線を飛び越えカンと閃きで勝負する「すっぴん打法」に開眼。でもガチのすっぴんはそこまでかわいくはない
以来華のある見た目になり、実力も大きく向上した。
青龍會の面々からは姐さんと呼ばれている。

  • 藤永太郎
「所詮は街の麻雀打ちだろうさ?須田」

青龍會所属のB級リーグ落ちした若手プロ雀士。職業は出版社の社員。
効率打法を得意としているが、レベルは高くなく翻弄される側。
傀のことは終始このようにナメ切っていたが、別の話で何故か突然畏怖するようになった。
ダイハツの初代ミラに乗っている。

  • 須田
「見たところ歳だって俺たちと変わらんぜ藤永」

青龍會所属の若手プロ雀士。「あちちち」と言う口癖がある。職業は事務員だが、どこの何の事務員かは不明。
藤永の相方のような存在だがやはりレベルは高くない。
しかも藤永より上を行きタイトルホルダーになったのに作中での扱いも藤永より下にされている。
藤永と同様傀のことを終始ナメていたのに突然畏怖するようになった。


アックスボンバー

全雀連に造反し独立した鉈切初男が20人ほどを引き抜いて発足させた、東北を拠点とするプロ団体。
オープン大会の決勝に残りながら造反したため、全雀連の理事に再任された安永は鉈切・高山・織田に囲まれ苦戦させられることとなる。

  • 鉈切初男
「YES!レッツ雀!」

アックスボンバー総帥。元全雀連所属のプロ雀士で塾の経営をしていたが、クーデターを起こして独立した顔が怖いおじさん。
安永の出した本を全て読破し一言一句諳んじられると言うほどのヘビーな安永ファンであり、自身の雀風も若き安永そのものでアックスボンバーも安永をメインに据える団体として設立したという。すっげえめんどくさいオタク
アックスボンバー設立の際に活動費のため塾などを売り払っており、東京最後の夜に安永を引き抜こうと勝負を持ち掛ける。
新団体設立後の大会でアマチュアとのレベル差を痛感しており、高山や織田のことも当初は駒としてしか見ていなかった。
しかし今の安永が目指しているアマチュアの傀に敗れ、安永の引き込みを諦め高山や織田もきっちり面倒を見るように諭され東京を後にした。
傀に対しては再戦したいと考えているが、東北では突如現れる傀の幻影に惑わされることとなる。
愛車はローバーMINImk2。

  • 高山
鉈切と共に造反したプロ雀士で、鉈切がクーデターを起こすきっかけを作った。
会ったことすらもない傀のことを何故か畏怖している。

  • 織田一樹
「運がいいヤツが運でタイトル取るなら 金があるオレが金で取って何が悪い?」

全雀連のタイトル戦で八百長を持ち掛けて優勝した若手プロ雀士。
織田製作所の取締役でもあり、実家はかなりの金持ちである。
表沙汰にはならなかったものの裏取引の現場を安永に見られたため、取引相手ともども傀・安永と卓を囲まれ持ち金を吸い上げられる制裁を受けた。しかも裏麻雀だからとローズやぶっこ抜きといったイカサマまで行う卑劣さも見せている。
その後オープン大会の決勝まで勝ち残り、鉈切に同調して造反し安永を3人で囲んでいる。
アックスボンバーに所属してからは若いからか表の仕事が多い。
目立ちたがりで洞察力が低く、裏取引やイカサマがバレたことを対局中に気付かなかったり自身を皮切りに包囲網を崩されたりしている。



裏の世界

表沙汰にできない仕事を稼業している者たち。
決して全員が裏プロ雀士というわけではなく、裏プロ雀士として生きていくには人付き合いが要とされる。
収入源となる人を手放さないためにはほんの少し上の力で付かず離れずじっくりと金を奪う必要があり、全てを食らいつくすようなやり方ではいずれより強い者に自らが食い殺されるからである。
そのためあの勝田も含め総じて実力は高く、またそれ故にかませ犬にされることも少なくない。

  • 三橋秀俊/ノガミの秀
「どうせ家族も故郷もねえ余生みてえな人生だ 傀を叩きのめせるなら他はどうでもいい」

裏プロ。副業は中古品の卸売業としているが、実際は倉庫泥棒。安永とは仲が良くないものの妙にウマが合う。
その実力は確実に安永以上であり、特に赤牌の使い方が上手く傀にも肉薄した。
たまたま傀と遭遇した後自分の運が尽きて窃盗がバレてしまい逮捕されたが、全て自供したことで執行猶予が付き半年で釈放され、傀に再戦を挑んだものの敗れた。
その後は苦戦していた高レート麻雀で偶然傀に出会い、安永のような二着狙いで卓の主を追い出したが、傀への執着を失い避けるようになり表プロという舞台のある安永を羨んだりもしている。
そしてその高レート雀荘が立地もよくヤクザも絡んでいなかったため事業提携を持ち掛けて居座り、上野のスナックでヒモをやったりして暮らしている。
その後たまたま出先で会ったおかまのカメムシ祐太に懐かれ、自身も後に安永から事情を聞きシンミリしてしまったことで行動を共にすることが多くなる。
調子がいい時は鼻唄を歌う。

  • 日陰
「どうせ俺が勝つんだ、道中は楽しい方がいい」

高レート麻雀だけで生計を立てる裏プロ。
無表情で氷の男と呼ばれるが、プライドが高く陰湿で熱くなりやすい部分がある。すぐ溶ける氷
口も悪く、潤子をボコボコにして楽しんだり藤永と須田をボロクソに貶した。
生活のため効率重視を徹底しており、麻雀の腕だけで無一文から身を立て直すなど実力は非常に高い。
一方で長く打ち続けるために目の前の一線に対する集中力を欠く傾向にあると祐太に分析されており、そのため傀に対しては「レートを上げて一戦で潰す」という鉄板戦法に見事に嵌められて何度も手痛い目に遭っている。
一方で傀とは延々と打ち続ければ勝てると考えており、無様な姿を晒し者にしたいなどと思っている。
ホテルなどを拠点にして金を置いていたが、火事で全てを失ってからは全財産をスーツケースに入れて持ち歩くようになった。

  • 巫藍子
「私を無視することは許しません」

フィクサーの鉢黒剛毅がバックについている、裏カジノ「洞窟(クロッタ)」のディーラー。潤子と違って普通に美人。
手加減をせず客をすぐに殺してしまうためキラークイーンと呼ばれ、賭場を仕切るヤクザたちからは内心疎まれている。足が不自由なため車椅子に乗っている。
麻雀の実力は作中トップクラスだが、傀からは何度も見逃しを食らった末にツモアガりを食らい自分から負けに行こうとするなど完全に魅了されている。
実は隠し子で、鉢黒には成人した子供が藍子しかいないことから復讐のために母と共に無理心中を図っていた。
助け出された際に母と足と共に記憶を失い、跡継ぎにしたいと考える鉢黒から父として接されたため愛憎が相反した時に失った足が痛む。

  • 勝田教導
「オラがどこまで打てる男か見せてやんべ!」

茨城からチームを率いて進出してきた裏プロ。
男らしい姿を見せようとする見栄っ張りな性格で、鬼攻めと呼ばれる剛腕な麻雀にもそれがよく表れている。
舎弟のつまらない通し*2男らしく抑えつけ雀荘のマスターを使った男らしい通しをして、傀の男らしい勝負という口車に崩されて男らしく敗れて以来、男らしく傀の幻影に怯えるようになる。
その男らしい姿に舎弟は離れ、男らしい廻銭に惹かれた付け馬を連れて歩くようになる。

  • 山下
「親の役に立てなきゃ子とはいえません」

ヤクザ一家の代打ち。
組長の妾の子であり、常に辛酸をなめさせられる立場にある。
自身で打って順位を操作し外ウマをも操作して儲けを出すことにかけては関東一と目され、実際実力も確かなのだが傀と同卓して麻雀でも辛酸をなめさせられる。


政治家・フィクサー・社長


日本政府関連

  • 及川勝依
「ジャンケンやコイントスで決めるようにワシはこの者に委ねて決めるのが好きでな」

及川老・及川少尉とも呼ばれる、傀のことを儂のアイドルと称して推している老人。
大企業の会長で国の発展に貢献してきた政界のフィクサーでもあり、とてつもない財力と権力を持つ。
安永ですら高レートの雀荘に傀のことを見たら知らせてくれと連絡網を通した人海戦術で探すのに対し、及川は傀を直接呼ぶことができる。
傀の打つ姿を見たいがため、自身の関わる会合や見込んだ相手と傀を打たせようとする。
生涯を通して独身であり、子供がいない。
好きな食べ物は戦友が継いでいる老舗京菓子屋「よし善」の羊羹。
作中一の萌えキャラと一部読者に評判

  • 赤川
「これでやっと及川翁の役に立てる」

及川の部下である、痩身で麿眉の代打ち。
忠誠心は高いものの周囲の評判は面白がって飼われているだけとまで言われるほど低く、当の及川からも補欠扱いされ「推せぬ男」と言われている。
何をやっても他人の当たり牌を一発で掴んで来るという異能を持つため、とにかく運も華もなく延々と相手の攻撃をかわし続けてアガリを取る。
役なしテンパイの当たり牌すら引き込んでしまったり山にない牌は引けないという欠点があるが、打っている当人にはわからないためそこを突かれて御無礼されている。

  • 三都州(みつくに)
「自分の人生で横綱とやれる機会は たぶんもう二度と…」

及川がタニマチをしている、伯州部屋の幕下力士。珍しく年齢が判明しており初登場時で27歳。
どもり癖がある上に体質的に相撲に向いておらず出世は絶望的だが、料理と麻雀の腕が良く勝負勘に優れている。
麻雀の横綱と見込んだ傀との対局で敗れたあと断髪し、料亭で働いている。

  • 鉢黒剛毅
「血は水よりも濃いといってな 天下国家も会社も血が支える」

大きな商社のトップでありフィクサー。及川とも知己であるが、権力的には及川の方が上の模様。
愛人が多くいたため子供も少なくないのだが、成人した子供は藍子しか残っていない。
庇護下に置いていた藍子と自身の後を継ぐか自由になるかで勝負をして傀・安永と卓を囲むが、敗北した。


華僑関連

「ここにいるのは弱者の一生に一度の不様が見たいだけのひとでなしなんです」

裏社会で有名で、安永ですら名を聞いたことがあるという華僑の大物。劉大人と呼ばれる。
人が破滅する姿を見たいがため、自分のビルで超高レートの卓を立てている。
基本的には振らず上がらずで傍観しているが、本気になれば潰しにかかる。
傀とどうすれば遊んで貰えるかと考えていたもののエサを用意することしかできなかったが、復活した江崎のおかげで対等の実力者がいれば遊んで貰えることを知り傀をハイレベルな卓で打たせることを画策する。

「この汚れが武器になるんだ、着替えてたまるか 連中はこれを見る度に俺に負い目を感じるのよ これで契約成立だ」

不動産担当兼代打ちのジーザス。
元は別の不動産会社の課長で、柔和そうに見えて冷酷に自分の利益を追求し原野商法などで稼いでいた悪徳営業マンだった。
麻雀の実力も低くなく、博打相手は懐事情まで調べ上げきっちりと金を巻き上げている。
しかし劉の卓で破滅させられて海の上に送られ、一年1000万ずつ減額するという契約で働いて借金を返しむさい見た目になって帰ってきた。
そうした仕事の中で死線を潜り抜けたためか「いつでも死ねる麻雀」に開眼、実力が大きく上がって一人称も私になり、口での挑発を多用するようになった。
劉の卓で挑んだ傀へのリベンジで邪魔に(うざったく)なった乾を破滅させ、劉がまた傀と打つため陸の上でも劉の下で働くことになった。
表社会では行方不明の横領犯として指名手配されているが、作風の変化と共にどんどん眉尻が下がって行って見た目も別人のように変わっているので気付く人はいない。
キャラとして人気が出た為か、作中では登場頻度も高く江崎を主人公とした外伝漫画「むこうぶち外伝 EZAKI」が連載、コミックスも全二巻で発売されている。

  • 後堂
「こんな冴えた感覚で こんなレートで こんな強敵とは二度と打てないだろう!もっと打ち続けたい!」

劉の資金洗浄用の会社で秘書として働く薄ハゲ。
几帳面で潔癖な秀才タイプであり、眉間にしわが寄っているが基本的には冷静。秘書としても有能で、様々な業務を的確にこなし事務仕事を手早く片付ける。
元々は倉庫会社の秘書で麻雀の腕がヘボい社長を的確にサポートしていたが、観戦していた江崎に腕を買われて傀・江崎と共に劉の卓で打ち、その後劉の下で働くことになった。
御無礼封じに失敗し退職金を10分の1に溶かしたもののその実力は確かで、江崎からは小勝負しかできないと陰口を叩かれたりするものの深く信頼されている。
江崎が仕事中によくダル絡みしに来たり厄介事を持ち込んできたりするが、そのせいで何度も望まぬ状況で傀と打つ羽目になる。?「これでやっと 夢が叶いましたね…」
バツイチで娘がおり親権は妻にあるが、娘からは好かれている模様。

その他

「真面目に稼ぐのも真面目に浪費するのももう飽きとるんだ私は!」

劉の卓のメンバーの一人で、証券会社の社長であり一度は江崎の破滅を見届けた。
しかし会社の金を横領して遊んでいたらしく、復活した江崎に敗れ会社ごと劉に奪われ破滅させられた。
実力は低くないものの、自身が3年間劉の卓で打ち儲け続けたために堕落し、銭金に執着するようになったことが明暗を分けた。

  • 深沼
「人助け商売は身軽さが肝心でしてな」

闇金の金貸し。
秀の相棒だったが、狭心症を患っており傀・安永との勝負に敗北した上に発作を起こし、負けたまま勝負のできない状態になったため解消となった。
安永の回想で度々登場する。

  • 小暮幸男
人鬼の犠牲者第一号の米穀商。

小暮以上に遣る瀬無い死を迎えた工場長。




一般人


  • 上島
「外車が何台も買えるぐらい負けてたもの」

東空紅の常連客であるおかま言葉のデザイナー。
傀の麻雀に魅せられており、何度となく負けている上客。
仕事の都合で香港に旅立ち、二度と傀と打つことはないと残念がっていた。傀はいっぺん香港まで行ったことあるけど

  • 河田
東空紅のマスター。長年レギュラーなのに名前を全く呼んでもらえない。
傀を注視したのは安永が傀と初の遭遇をした時で、以来二人から贔屓にしてもらっており長い付き合いがある。

  • 老舗京菓子屋「よし善」の主人中村頑次郎とその孫の輝勝
輝勝「俺…お爺の菓子をもっと仰山の客に喰うて欲しかってん。それだけやってん」
中村「京都がある限りわしが「よし善」や。わしも一から商売の学び直し…2人で「よし善」の再建やで?」

中村は戦時中、及川の部下であり、年に一度戦友会を開いている。
輝勝は製菓学校を卒業したものの自分が何をしたいかわからず、幼馴染の悪友たちとつるんで遊ぶ日々で、二人の仲はギクシャクしていた。

中村は愛に目が眩んで輝勝の器量が分からなくなっており、それを確かめるために及川に頼み込んで傀と麻雀を打つことを決断。
その代わりとして「よし善」の不動産を賭け、「半荘一回で二人合わせて+になる」という条件に挑むも敗北してしまう。

麻雀には敗北したものの、二人が傀に喰われることなく予想以上の闘牌を見せたことや、闘牌を経た輝勝と中村の成長と覚悟を見届けた及川は不動産の権利書を返却し、丸く収まるという結末となった。

  • 条二
「明らかに自分よか強いヤツと友達でいるのは…つらかったんスね」

高レート雀荘の裏メンバーの口下手な地蔵。レスリングをやっていたためか、非常にゴツい。でも寒がり。
粘り強い重厚な鳴き麻雀を得意としており、祐太を苦戦させた。
祐太が自身の持っていた200万を抜こうと傀・安永・祐太で卓を囲んできた際に安永が過去の経験として話していた旅打ちに興味を持ち、対局後に旅に出ようと思っていたところに祐太から誘われたため二人で旅打ちをすることに。
しかし青森で一旦腰を落ち着けあかねの雀荘で働いている時に祐太とレベルの差が生まれていることを実感し、自ら旅を降り別れた。

  • あかね
「人生に疲れてても女の心意気 化けないと人前に出られない歳だべさ」

青森で雀荘を経営している未亡人のシングルマザー。
旅打ちの最中に稼ぐのが厳しくなった条二を住み込みで雇う。
亡くなった旦那もゴツかったらしく、どうやらそういうのがタイプの模様。

  • 宮嶋雅芳/雅
「東京タワーよりも僕のタワーはどうだい?」

寺の住職である常芳の不肖の息子で、賭博と女に現を抜かす生臭坊主。
巨根で、男は読経ということでお経を唱えながらセックスする。
実力は低く、不適正な牌が何種類か使われていることを利用して稼いでいただけでありからくりを見抜いた傀・安永にボコボコにされた。
その後水商売の女性に顔が広いことを利用して保育園を立ち上げ成功したが、父が盲腸で入院している際に同じぐらいの年代で学園を経営しているもっと生臭な坊主堂嶺に狙われる。
麻雀勝負に誘い込むも二人揃って傀にボコられ、堂嶺とは博打友達になった。常芳の頭痛が痛い

  • 三宅
再開発事業に携わっている不動産会社の社員。
雀ゴロと組み、会社に土地を売った人が得た金を高レート麻雀で根こそぎ奪うという阿漕なことをやっている。
傀に負けすぎて会社の金を失ってしまったが、矢沢の計らいで事なきを得た。

  • 矢沢晴男
三宅の上司の部長。
三宅から阿漕な金稼ぎの方法を聞いて、自分もいい思いがしたいと三宅の失態をなかったことにした。
だが先物取引でしくじって金が必要な場面で傀に出会ってしまい、言い逃れできない状態になり三宅にも見捨てられ破滅した。

  • 張学基
「麻雀は一人で打つもの…民主主義では勝てない」

祖母が日本人の日中クォーター。12歳の時に来日し、現在は中国人が経営している雀荘で働いている。
麻将でやっているような軽妙な鳴き麻雀で藤永を翻弄するも、傀に敗れた同僚が逃げてしまい麻雀を打てなくなってしまう。
だがその場で藤永に誘われて青龍會に入り、以降も度々登場する。

  • 須賀
「慌てて人生のなりふり決めなきゃ夢はまだ追えるってもんでしょ」

いわゆる新人類と呼ばれるタイプの思考回路を持つ法学生。勉学はしておらず麻雀に精を出している。
最初は傀をカモと見ていたが、観察を続けていくうちに凄い打ち手だとわかり傀に打ち勝つことを目標とするようになった。
麻雀だけで生きていきたいと一念発起し大学を辞め、非正規の仕事で働いている。
しかし肝心の麻雀の実力はまだまだ傀に及ばず麻雀で生きていくこともできていないため、傀とは遭遇してもまだ同卓しようとはしない。

  • 桐谷準
「店を臨時の休業にして麻雀しろ…か 額に汗して金を稼げって小学校で習わなかったのかよ」

強面のバーテンダー。カンが鋭く、他家の当たり牌や有効牌を抱えてアガるかわし手を得意とする。
調子が良い時は他人のツモが有効かどうかすらわかるため、ツモ順をずらす鳴きも多用する。
麻雀で金を奪わせるための客を連れてくる義父と長らく不仲であったが、傀に敗れた際に和解した。

  • 橋塲繁
「攻撃に来ない敵に返し技はかけられまい?」

垂れ目の元雀ゴロで、近々上場する製菓会社の内部監査部門の社員。五分分けだと変質者にしか見えない
父親のコネで入社したが、父親が会社の指示で行かされたヤクザの花会で意識不明になってしまい、労災が下りなかったため会社を恨み会社の金を横領して父親を治療させている。
しっかり打てば傀を抑えられる高い実力を持ち傀に勝ったら代打ちになろうとさえ思っていたものの、敗因が対局を見ていた花会の胴元、かけそば、テンションの上げすぎとイマイチピリッとしない。
しかし腕は立つため、それを見込んだヤクザとずぶずぶの良い関係になれた。

  • 国田
「日頃のメンバー打ちでしてた我慢を今夜はしなくていい!サラ金で借りてもうアトがない感じもいい!」

勝田の舎弟。自衛隊員で坊主頭に眼鏡をかけているが、見た目のせいかナメられがち。
勝田が二度目に上京して傀と打った際に傀の実力に魅せられ、舎弟も自衛隊もやめ東京で雀荘で働いていた。
しかし雀荘は母親からの便りをぞんざいに扱った鬱陶しい先輩をリアルファイトでボコって辞めており、現在は高レート雀荘の裏メンバーとなっている。
冷静に場を分析して強気に勝負をかける麻雀を打つ。

  • 桶山
「会社は俺の家…家族ですよ。本当の家族は交通事故でとっくにあの世だ!親類も恋人もいない!俺が役に立つ人間だと証明しなきゃならない相手は…会社なんですよ!」

と啖呵を切ったものの、証拠隠滅のためクビにされたと思われる天涯孤独の会社員。

  • 箱崎統
裏麻雀を題材にした記事を書くため、高レート麻雀の取材をしている記者。
傀の話を聞いて回っているが、取材した中には傀の話と祐太の話が混ざっていることに気付く。

  • SP
「本部から暗号名(コードネーム)「人鬼」の情報が来ない」

警視庁警備部警護課の男。要人警護などの任務に就いている。
仕事先で度々会う傀のことを同業者だと誤解しており、御無礼と言って任務完了したことを知らせていると思い込んでいる。
決して天然なのではなく、そうやって何事も念には念を入れてかからねばならない職業病と思われる。

  • 石川さん
「ん~~~」

町工場に勤める、ぼんやりした一本ハゲの中年。
物覚えが悪く動作も鈍いため同僚から良く思われておらず身内の麻雀でムシられていたりするが、一度覚えたことは決して間違えず1ミリ以下の誤差すら見抜くため社長やベテラン社員の高岡からは慕われている。
麻雀は高岡が覚えさせたが大変苦労したらしく、しかもツモアガリやリーチや鳴きに関するルールなど麻雀の基本からして未だ理解できていない部分が多いため一人で打つことができない。
だがロンの点数計算は完璧に覚えており、しかもテンパイを必ず察知して振り込みを回避しつつ余り牌を打ち取ることができるという異能を持つ。
このため他者への振り込みは一切なく、ロンでアガって点を稼ぎ高岡に教えられ導かれるような形で半荘勝負ができている。
銭金にも全く頓着しておらず純粋に麻雀、というより振り込まずアガることを楽しんでいて、勝負の結果もネクタイが貰えて褒められて嬉しいぐらいにしか思っていない。
そんな石川さんに勝つためには傀ですら金を諦めるしかないというある意味作中最強の存在だが、そこまでやった傀が麻雀で上を行ったため強い苦手意識を植え付けられている。

  • 高岡
石川さんを良く思っている同僚で、常にぼんやりして表情の見えない石川さんの感情を読み取れる。
麻雀で難を残す石川さんを正しい方向へ導く賢者。

  • 浩二
石川さんを良く思っていない同僚で、与太郎などと呼んでいた。
工場の元請けの重役の息子で石川さんを窮地に導く道化。



作中でよく使われているルール

高レート雀荘において、基本は喰いタンアリ後付けアリの東風4人打ち・ウマ・ビンタ有・連荘は芝一本につき500点で行われている。
全雀連主催の競技麻雀は現実の競技麻雀準拠と思われる。

レート

裏では大抵1点1円のデカピン以上。
25000点持ちなら25000円。小銭は基本カットされているため、札束が吹き荒れる。
なお現実では卓上に札束が出てくるとしょっ引かれるので注意。

ウマ

現実でも良く使われている順位賞。ゲーム終了時に下位の者が上位の者に点数を渡した状態で清算する。
例えばワンスリーと言えば3位は2位の者に1万点・4位は1位の者に3万点渡した状態で清算する。

ビンタ

順位賞に近い何かで、握るもの。ゲーム終了時の精算で下位の者が上位の者全てに設定した金額を払う。
トップは全員から受け取れるが、ラスは全員に払わなければならず、更に配給原点を下回っている場合はこれが倍額になる。
この原点のラインをよく「クビ」と例えて言い、傀はよく他人のクビを切るためだけにアガりの見逃しを行う。
合意があれば対局中でも額を上げることができるが、逆に下げることは少ない。誰も儲けている相手を逃がしたくはないし、負け分を取り返したいためである。

アリス

東空紅で初期にのみ使われたルール。
面前でアガった場合、ツモ山をドラの隣からめくる。
自分の手中にある牌が出た場合、千円の御祝儀が発生し更に隣をめくることができる。


作中での主な雀荘・卓

作中では表プロの競技麻雀、もしくはどこかの雀荘か、マンションや料亭にある名もない高レート卓が舞台となっている。
時々ホームレスのたまり場や公民館などで突発的におっ始めることもある。
バブル景気に乗っかって素人が次々と新しい高レート卓を始めているため同じ場所で打つことはあまりないが、主要人物が絡む場所なら再度使われることもある。

東空紅

安永・傀・上島が贔屓にしている、河田がマスターをやっている赤坂の雀荘。
アリス有のデカリャンピンの卓とそれより高いレートの卓がある。
2000年には既に潰れている模様。

劉の卓

劉が所有するビルにある自動卓。
レートは千点一万・ウマワンスリー・ビンタ50万と非常に高いが、更にビンタを上げることもできる。
江崎が破滅させられた時はウマがワンツーだったのだが、江崎の再戦時には「あの時と同じワンスリー」と言ってしまっている。うりゅりゅ劉サン記憶を間違えてませんか?
しかしそんな細かいことはみんなどうでもよかったのか、特に反論はなかったのでワンスリーに改訂された。

秀の雀荘

東京では珍しいらしい赤入り祝儀アリの高レート麻雀。店主はバーコードハゲ。
エレベーター付きのマンションにあり、立地が良い上にヤクザも絡んでいないとなかなかの好条件。
森江が卓の主だった時は千点五千円・ウマワンスリー・祝儀五万円で、チップ一枚が実質1万点というあべこべなルールで森江が客を潰しまくり秀も苦しんだ。
しかしたまたま遭遇した傀を利用する形で逆に森江を潰して追い出し、それ以降は秀が卓の主になった、
その後は秀の馴染みの客を呼ぶため普通の赤入り高レート麻雀程度のルールに変え、いい感じにやっている模様。

江崎の卓

江崎が傀を誘い込んで打つために中華料理屋の二階に用意した自動卓。ゴキブリホイホイ
中華料理屋自体は完全なダミーであり、全くやる気がなく不潔でまずい。後堂は口にする気にすらなれなかった。
客同士に勝手にルールを決めさせた結果、全員が200万ずつ供託してトップが総取りというルールになっている。
ここで江崎がやる気なく打ってちょろい高レート卓という噂を流したことで傀を呼ぶことに成功したが、傀と打つ前日に江崎が何者かに刺されて昏睡状態に陥ったため後堂が代走した。

トラックの手積み卓

アイドリング中の保冷車の荷台に用意された卓。卓の主は番人を称する老人。イカサマ有というのが最大の特徴。
しかし積雪でマフラーが埋まってしまったために中にいたうちの3人が一酸化炭素中毒で昏睡状態に陥り、番人の老人はその場で死亡が確認されたため二度と開かれなくなった。ストップアイドリング。
なお、4人目の黒い服の男は雪の中を普通に歩いて帰って行ったという。どこへ?

リーチ麻雀葉山

とある代打ちが退職金代わりにヤクザから貰って店主になったという店舗兼住宅の雀荘。
しかし妻に先立たれて以来人が変わったように自分の店で打ちまくるようになったせいで、経営は非常に厳しく相当な借金を抱えている。

学生街にある千点50円の非常に健全な雀荘。
傾斜のきつい坂の下にあるためか、ある暑い夏の日に建設現場に資材を運ぶため坂に停車していたトラックがサイドブレーキをかけ忘れ、バックで暴走し壁を窓もろとも突き破られる事故が起きた。
窓の前にある卓で打っていた学生4名が被害に遭い、窓際の3名が資材の直撃で即死し1名が意識不明の重体になっている。
後に現場は修復され、事故防止策として窓は埋められて車止めを設置し人的被害を防ぐため物置にされているが、その周辺では「出る」という噂がある。

天国

潰れかけのヤクザが所有する、歌舞伎町のとある廃ビルに開かれた雀荘。
店員は老人一人で、入り口にスジモンの見張りがいる。
国田・橋塲・桐谷とそれなりの腕を持つ雀ゴロがたまたま一堂に会し傀と戦ったが、3人が揃って傀のことを黙り合ったため上手く足並みが揃わずあっという間に蹴散らされた。
そしてその日にビルの取り壊しと組の解散が決まり、廃業となった。





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最終更新:2021年08月19日 14:26

*1 麻雀のマナー的にはよろしくない

*2 自分の欲しい牌や持っている牌を教え合ったり第三者を通して他人の持っている牌を教えるイカサマ