リング・オブ・ガンダム

登録日:2021/09/04 Sat 18:01:07
更新日:2024/12/17 Tue 22:19:28
所要時間:約 6 分で読めます






アムロの遺産!?……リング?




リング・オブ・ガンダムとは、ガンダムシリーズのアニメ作品。

【概要】

2009年にガンダムシリーズ生誕30周年記念作として、サンライズとロボットが合作した3DCGによる短編アニメ。
シリーズ原作者である富野由悠季が脚本・総監督を務めており、宇宙世紀シリーズに関連した作品となっている。
2009年8月21日に東京ビッグサイトで開催された「ガンダム・ビッグエキスポ」にて公開され、後に30周年記念のドキュメントBD-BOXにて収録された。

俳優の動作や表情をキャプチャして、それを3DCGとして反映した映像技術を売りにしている。
富野氏は3DCGに否定的な姿勢を見せていたが、「現在の東京のCGワークを調べてみたかった」という映像表現の学習を試みた理由でロボットと組むことを選択した。
しかし、制作の過程においてはデザインや表現などにおいて非常に試行錯誤を繰り返した様子。

富野氏は本作について壮大な構想を練っていたことが設定資料集からも読み取れる(というか、本作の設定の大半はこの資料集由来である)が、本作に関する展開は続くことなく終わった。
短編映像は「リング・オブ・ガンダムのプロモーションアニメ」的な存在でもあったので、見方によってはリング・オブ・ガンダムの「本編」は未公開に終わったとも言える。

宇宙世紀シリーズと関係性を持つ映像作品という立場だが、現時点では年表などの正史関係で取り扱われることはなく、『G-SAVIOUR』のような宙に浮いた扱いとなっている。と言っても、G-SAVIOURとは違って公式関係の媒体で触れられる機会は少なからずあるが。
作品が展開された媒体などの都合もあり、シリーズファンの間でもマイナーな作品として認識されることが多い。
ただし、世界観や一部設定のコンセプトなどは『ガンダム Gのレコンギスタ』に再利用されたとも言われている。

ちなみに「リング・オブ・ガンダム」というタイトルは、『∀ガンダム』の没タイトルを再利用した名前である。

【あらすじ】

宇宙世紀に隣接した時代、遥か未来の世界である「ガイア・センチュリー」という時代を人類は迎えた。
地球連邦軍は前世紀で根絶していたが再生し、第一次産業の復興や軍事力の整備などを行っていた。

そんな地球連邦軍に所属していた青年のエイジィは、前世紀の人類の記憶の象徴である「ビューティ・メモリー」に遭遇する。
そして、エイジィは人類再生の鍵を起動させるための存在である「アムロの遺産」と関わることになる。

【主な登場人物】

地球連邦軍

  • エイジィ
CV:川岡大次郎
本作の主人公となる地球連邦軍のモビルスーツパイロットの青年。
ビューティ・メモリーへの接触を任されることになり、後に宇宙に上がると「アムロの遺産」であるガンダムへ搭乗する。
エイジィの真の正体は地球連邦軍に送り込まれたエクスのスパイである。

  • グレン
CV:コング桑田
地球連邦軍のモビルスーツパイロットの大佐でエイジィの上官。
「アムロの遺産」を掴むために宇宙に上がることを決断するが、後にエイジィの真の正体を知ると敵対することになる。

エクス

  • ユリア
CV:平田裕香
エクスに属している少女。リング・コロニーでガンダムの改良に従事していた。
エイジィがガンダムを強奪した際に二人で共にガンダムに搭乗することになる。

その他

  • ビューティ・メモリー
CV:小清水亜美
エイジィが発見した旧世紀の記録。インターフェイスがキャラクターの姿をしている存在で、厳密に言えば「人物」ではない。
なお、ビューティを演じた小清水氏は後に『機動戦士ガンダムAGE』にてアリーサ・ガンヘイルを演じている。

【用語】

▽ガイア・センチュリー

本作の世界における年号で「G.C.」と略される。「宇宙世紀に隣接する時代」を意味し、宇宙世紀が終焉した未来の世界である。
宇宙世紀がいつ終わったのかは明かされていないが、少なくともこの時代が始まってから300年以上は経過している。

連邦のような組織が再度復活するまでに回復しているが、文明のレベル自体は宇宙世紀よりも衰えている。
かつての宇宙世紀における度重なる戦乱によって人類は疲労感を覚えていたことにより、法律で定められた訳でもないが自発的な武装解除が風潮として定着している。
武装解除が定着した影響により、戦争を始めそうな雰囲気のある者に対しては戦争犯罪と断罪して隔離する「武器狩り」が進んでいる。

▽エクス

宇宙世紀末期に最後に建設されたスペース・コロニー。正式名称は「エクスペイレイトランド」。
武器狩りの風潮から戦争犯罪人と断罪された人々が地球からの隔離目的で送り込まれた。
放逐された人々の子孫は軍事力を所持して地球への帰還を目指し、G.C.300年代に行動を開始した。

▽地球連邦軍

この世界における巨大組織及び軍隊。かつての連邦が再興したとされるが、宇宙世紀の地球連邦から直接的に地続きな組織体制なのかは不明。

▽アンハウム

「国連戦争博物館」とも呼ばれる地球連邦内部の組織。
かつて存在した「戦争」に関する情報を保存しており、エクスに対抗するために宇宙世紀時代の兵器を発掘している。
「チグップ」と呼ばれる私的防衛隊も抱えており、この部隊はシベリアへの発掘活動に出ているようだ。

▽リング・コロニー

この時代に地球の周囲に建設された超大型コロニーだが、居住者が存在しないという異質なコロニー。
かつてのコロニーの比ではない大きさの理由は、文明崩壊後にナノロボットによって基礎が固められたことで自己成長を行った結果である。
このコロニーの真の正体は、人類が新しい太陽系及び地球である「外宇宙」に進出するための巨大宇宙船。

【登場機体】

RX-78-2ガンダム

宇宙世紀時代の伝説のパイロットであるアムロ・レイが搭乗していたと伝えられている機体。「アムロの遺産」とも呼ばれる。
外観はトリコロールカラーだった当時から変更されており、ホワイトカラー(白色)となった。
宇宙世紀時代からナノマシンを用いて保管されていた機体だが、操縦系統や関節部分などの技術は時代相応にアップデートされているために性能も強化されている。

◆髑髏モビルスーツ

地球連邦軍がこの時代に運用しているモビルスーツ。元々は宇宙世紀末期時代に開発されており、連邦軍が発掘して運用しているとも言われる。
人間の頭蓋骨をデザインしたような異様な外観が特徴的。
尻尾のような武装が搭載されているが、これは母艦のカタパルトへの接続やコロニーの外壁に捕まることに使われる。

◆髑髏モビルスーツ(指揮官仕様)

髑髏モビルスーツの指揮官専用仕様。通常機との変更点として、頭部が赤色でリーダーであることを示す角が追加されている。

【余談】

  • リング・オブ・ガンダムにおけるRX-78-2 ガンダムは、現時点ではキット化されていない。
    しかし、機体色以外はオリジナルのRX-78-2と大きな変化は起きていないことで比較的再現が容易なためか、ファンのモデラーによる既存のRX-78-2プラモを塗装した改造例が少なからず見当たる。




でも、Wiki篭りはいつか、アニヲタの集いの遺産とリンクして、アニヲタWikiの記憶の全てを新しいアニヲタWiki(仮)に…追記・修正させられます…荒らしさえしなければね。

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最終更新:2024年12月17日 22:19