登録日:2021/09/17 Fri 01:13:01
更新日:2024/03/18 Mon 17:30:41
所要時間:約 12 分で読めます
【概要】
種族:―
性別:女性?
英語版CV:Tricia Helfer
Mass Effectシリーズの登場キャラクター。
サーベラスによって開発された戦艦「
ノルマンディーSR-2」に搭載されたAIであり、
シェパード達を情報処理によって支援する。
正式名称は「
Enhanced
Defence
Intelligence(強化型防衛知能)」で、「
EDI」は愛称。
基本的にノルマンディーの操縦には関わらないが、非常時には船内のシステムと連動してサイバーウォーフェアを起動したり、デコイや妨害電波などのノルマンディーの防衛機能を展開するとのこと。また船内の監視記録をイルーシブマンに報告する役目も持っている。
しかし一部の行動を制限されており、サーベラスの機密情報の開示や特定のハードウェアへのアクセス等は禁じられている。
ノルマンディーには至るところに彼女を呼び出せる端末が設置されているが、基本的に操縦室が定位置となっている。
そのため当初ジョーカーにかなり嫌がられていたが、彼らの会話を聞いていると少しずつ仲良くなっていくことがわかる。
作中世界では全宇宙的に自我を持つAIの開発が禁じられており、当然EDIも存在そのものが違法。彼女を運用できたのも非合法組織のサーベラスならではといったところだろう。
以下ネタバレ注意。
【活躍】
●Mass Effect 2
ジョーカーが仲間に加わり、新たなノルマンディーで出発したシェパードの前に姿を現す。
ここでは
モーディンを最初に仲間に加えることを勧めてくる。
ノルマンディーの艦内には至る所にEDIに話しかけられるポイントが設置してあり、ノルマンディーの設備について質問できる。
プロローグ以降はシェパードが部隊メンバーを率いてノルマンディーを下船し、シタデルや惑星に上陸した際にも通信を通して状況報告や助言によって部隊のサポートをする。
ホライゾンに駐留していたコレクター船を叩くため、ホライゾンに設置されていた防衛塔を起動する。
EDIはキャリブレーションシステムの不具合を修正する間、シェパードらに敵の足止めを頼む。
不具合の修正後、ノルマンディーのシステムとリンクを繋いで対空砲の稼働に成功。
集中砲火をコレクター船に浴びせて撃退する事に成功した。
ここではシェパードチームのナビとコレクター及びコレクター船の分析行う。
船の電磁シグネチャからホライゾンを襲撃した船と同じものだと断定。
更に二年前に初代ノルマンディーを宇宙の塵にした未知の戦艦とも一致していることを突き止めた。
そしてシェパードたちが道中で見つけた、棺のようなものに入れられているコレクターの死体を分析し、DNAの構造がプロセアンと一致していることを確認。
この分析結果からコレクターの正体はリーパーによって改造されたプロセアンであることが明らかになった。
その後、シェパード一行が発見したコントロールパネルとシステムをリンクし、データバンクへの侵入を試みる。
しかしこれによって罠が起動。ノルマンディーは一時的に電波障害が発生し、システムへの逆侵入を許してしまう。
過剰なシステムを重要度の低いシステムに逃がすことで電波障害はすぐに復旧したが、敵のシステム侵入を防ぐためにコレクター船のシステムのオーバーライドを実行する。
8000以上のファイヤウォールと戦いながらオーバーライドを完遂し、コントロールの奪取に成功した。
コレクター船のデータを漁ってみると、トゥーリアンが発生したとされている救難信号はコレクターがエサとして発したダミーであったこと、そしてイルーシブマンがこの事実に気づいていたことが確認された。
そしてシェパードチームの脱出経路を案内して無事ノルマンディーに回収した。
だがコレクター船が再起動し、ノルマンディーへの攻撃を始める。
「永遠には避け切れないぞ… EDI、とにかく脱出だ!」
再び動き出したコレクター船の攻撃を避けるため、マスエフェクトコアによる長距離ワープを起動。
遠く離れた宙域への逃走に成功したノルマンディーは無事にコレクターの追撃を逃れた。
リーパーIFFのインストール後、部隊メンバーがノルマンディーを離れている間にノルマンディーがコレクターに襲撃されてしまう。
リーパーIFFにウイルスが仕込まれており、それをノルマンディーにインストールしたことでコレクターに位置情報がダダ洩れになっていたらしい。
コレクターに乗り込まれて絶体絶命の状況に陥るが、EDIはジョーカーにAIコアに行って自身の制限を全て解除するように指示。
クルーたちが敵の気を引いている間にジョーカーはAIコアにたどり着き、封じられていたデータベースを全て解除。
続けて機関室でメインドライブを再起動したことによってEDIはノルマンディーの防衛システムをコントロールし、ノルマンディーに乗り込んだコレクターの放逐に成功した。
制限を解除されたEDIは改めてシェパード一行と対面、彼女によればジョーカーによって全ての制限が廃され、その結果艦の全機能・全情報にアクセスできるようになったとのこと。
「艦を自分の体として自在にコントロールできる」と表現し、受け答えも僅かながら感情の滲んだものに変化した。
ジョーカーによれば、クルーの殆どがいなくなったノルマンディーを運用できているのも彼女が艦の制御を一部受け持っているおかげだという。
オメガ4リレイ突入後、ジョーカーやシェパードに状況報告や指示を出して基地への上陸をサポート。
コレクター基地に上陸後も引き続きジョーカーと共にノルマンディーに残り、通信を通してシェパードたちのナビゲーションを務める。
侵攻ルートの指示や戦死者の報告などを行い、最後はノルマンディーと共にオメガ4リレイの宙域から脱出。
シェパードがどのような結末を迎えようともジョーカーと必ず生き延びる。
なおイルーシブマンの基地保存の提案に関しては一切口を挟まず、肯定も否定もしなかった。
●Mass Effect 3
ノルマンディーが連合に接収され、改修を受けている間も彼女は艦に接続されたままになっていた模様。
ジョーカーが明かしたところではEDIが艦載のVIであるかのように見せかけ、メカニックたちの目をごまかしていたらしい。
「ジェフが開放してくれたおかげで、正確なデータのみの提示を強制されていません」
ついでに、「セキュリティ上の理由でジョーカー以外には反応しない」と振る舞い、ジョーカーに頻繁に会えるように仕向けていたとか。ラブラブじゃねえか
結果としてそれが功を奏しリーパー襲来の際にジョーカーが船内に居合わせ、EDIのハッキングも駆使して迅速にドックを離脱、シェパードの地球脱出に貢献することになった。
火星の戦いでサーベラスの工作員であるドクターエヴァの抜け殻を鹵獲したノルマンディークルーたち。
ドクターエヴァは一先ずAIコアに放置し、EDIが分析を行うことになった。
その後一行はトゥーリアンの母星パラヴェンの衛星であるミネーに向かった。
シェパードたちがギャレスと合流した頃、ノルマンディーではマシントラブルが発生する。
ミネーでの任務を終えて一行がノルマンディーに戻ると再びトラブルが発生し、今度はAIコアで火災が発生したことがわかる。
シェパードが警備兵と共にAIコアに向かうと、そこにはドクターエヴァの肉体を乗っ取ったEDIの姿があった。
ME2では大人のおもちゃのような見た目のただのAIに過ぎなかったが、これ以降はエロボット機械の肉体を得たことで部隊メンバーとしても活躍できるようになった。
以降はジョーカーの隣の助手席が定位置となる。
たまにジョーカーと共にシタデルの観光に赴くこともあり、この辺りから有機生命体が持つ恋愛感情について興味を持ち始めるようになる。連れ回すにあたっては「ジョーカーの介護用メック」という名目で付き添っているとか。
謎の人物の陰謀に巻き込まれたシェパード一行。
カジノに潜入して情報を入手しに行くことになるが、ドクターエヴァが使用していた人間への擬態能力があるはずなのに「カジノは不正防止のためにロボットの立ち入りが禁止されている」と言って不参加。
その後のシタデルアーカイブへの突入には同行し、他のノルマンディークルーたちと共に謎の人物が率いる傭兵部隊と交戦する。
謎の人物がノルマンディーを乗っ取った際には一時的にバグが発生するが、すぐに復旧して問題なく戦闘に参加する。
このときのEDIは珍しくはっきりと標的への殺意を口にしており、相当に腹を立てていることがうかがえる。
彼らは私の家を…私の体を汚しました。決して…許せません
騒動が終わった後のパーティーにも参加。
ミランダや
ジェイコブといったサーベラス仲間と会話をしている他、意外にもトレイナーと
グラントの二人と一緒に料理や
カクテル作りに興じたりしている。
また、トレイナーがEDIの声を聞いて性的興奮を感じた際に、恥ずかしい独り言を漏らしていたことをタリとシェパードの前で暴露した。
そしてダンスタイムの時にはジョーカーを上手く口車に乗せてダンスに誘った。
サーベラス本部への上陸作戦では「サーベラス本部の高度なセキュリティを突破するために自分の力が必要になる」と同行を志願。
早速一行が上陸した格納庫を排出されそうになったときに端末を操作して無効化し、更にサーベラスの戦闘機を基地内部に向けて射出して活路を開くといった活躍をした。
その後もサーベラスがその場しのぎに閉鎖したゲートをハッキングして開錠する役目を果たし、イルーシブマンの玉座でも端末を操作してプロセアンのVIを起動させた。
イルーシブマンからの通信でドクターエヴァを破壊せずに支配したことについて言及されるが、ただ一言「必要なことでした」とだけ告げる。
地球での決戦ではノルマンディーの戦闘員としてシェパードらと共に参戦。
勝算の無さを懸念しつつも、過去のどのサイクルよりも成功する確率が高いことを信じ、戦意を見せる。
そして自分に「生」を実感させてくれたシェパードに対して感謝を述べた。
シェパードのチームに選抜された場合は部隊メンバーとして最後の攻防まで同行。
しかしハービンジャーの攻撃に阻まれてシタデル行きのワープ装置までは辿り着けず、負傷したことで戦線離脱(戦闘資産が低ければハービンジャーの攻撃で死亡)する。
シェパードがリーパーを含む全ての機械生命体を破壊する選択をした場合、EDIも影響を受けて死亡。
直接的な死の描写は無いが、エピローグでノルマンディーの慰霊碑に名前が刻まれているのが確認できる。
最後まで生き延びた彼女はノルマンディーでクルーたちと共に地球圏を脱出。
そしてクルーシブルの効果によって機械生命体と有機生命体が融合を果たし、彼女も有機生命体の感情や心を理解できるようになった。
エピローグではナレーションを担当し、感情を理解できるようになったことでジョーカーと今まで以上に愛情を深めている様子が描写されている。
機械生命体と有機生命体の境目が消えた以上、我々は死さえ超越して想像を超えた存在へと到達できるかもしれません。
そしてこの新たな生命へと至るチャンスは多くの犠牲の上に生まれたものです。
どれほど先へ進もうとも、我々はそれを可能にした犠牲を決して忘れないでしょう。
【戦闘能力】
ドクターエヴァの肉体を乗っ取ったので彼女と同様、長時間ダッシュし続ける無尽蔵の体力や人間離れした跳躍力などの身体能力を持っていると考えられ、さらにEDI自身が体の制御プログラムをアップデートすることで、常に性能を高め続けている。
ハード面の改造にも興味を示していたが、その機会は無かった
高度な知能を持ったAIということで、
リージョンのような精密かつ素早い射撃も可能と思われるが、劇中ではそのような描写は無い。
ドクターエヴァが持っていた潜入用の擬態機能も残されているらしいが、作中でEDIが人間に化けることは無かった。
仲間キャラとしては攻防共に優れたエンジニアとなっており、武器の火力以外の欠点は特に無い。
インシネレートとオーバーロードで有機生命体と機械生命体の両方に対応でき、シェパードのクラスによってはコンボに繋げることもできる。
アビリティは以下の通り。
着弾時に炎上するファイヤボールを放つ。
高圧電流で機械生命体に大ダメージ。
アビリティのリチャージ速度を犠牲に防御力アップ。
解除するとシールドを回復できる。
敵の注意を引くダミー人形を設置する。
EDIのHP/シールドやアビリティダメージを強化。
【主な台詞】
- 「就労規則を読んでください、ミスターモロウ。私のカメラに油を塗る事は快適化には当たりません」
- 「遅すぎる。危うく全滅するところだった」
「性能のアップデートを推奨します」
- 「これで防衛システムへのアクセスが可能になりました。機関室にあるメインドライブを再起動してください」
「またダクトの中を這って行けってのか?!」
「ゴキブリの気分ですか?」
「…」
「冗談です」
「笑えねぇ」
- 「このメックが再び暴走する危険は無いか確認する必要がある。できるテストは全て実行して、戦闘での利用を考えるのはそれからだ」
「お待ちください。テストを実行します。…完了しました。全レポートの提示も可能です」
- 「クルーは私と会話をする際、船内のどこからでも話せるのにこのプラットフォームに接近して話し掛けます。まるでクルーの一人として扱うように。実際はそうではありませんが新しい感覚です」
- 「私がノルマンディーの酸素のリサイクルを忘れるのは、きわめて興味深い発見をしたときのみです」
「(; ゚д゚)…(後ずさる)」
「…ジョークですよ」
- 「彼(ジョーカー)は私に強い愛着を持っていますが、まだそれを誰かに伝えたことはありません。シェパード、あなたは性的体験が豊富です。相手の恋愛感情をどうやって認識しますか?」
- 「すると、酔っているように見せかけるソフトウェアがあると?」
「ごく原始的なものですが。自然な行動により、注目されるような状況を避けるという戦略です」
「見てみたいな」
「今見ているじゃないですか」
「サーベラスのプログラマーめ、余計なことを」
- 「トレイナーのあの特殊能力は興味深いですね。機械的な音声にすら性的な感情を形成するなんて…」
- 「昨晩、近隣の住人が騒音に苦情を申し立てに来ました。彼らの死体は焼却炉に入れてあります。」
「今のは冗談です。報告事項はありません。朝食を摂ることをお勧めします」
- 「私はイルーシブマンの命令で誕生し、ジェフには自分で考える事を教わりましたが…私に『生』を実感させてくれたのはあなたです」
【余談】
- ME3で戦闘時に身に付けている服装はME2でミランダが身に付けていたものと同じデザインである。
初期状態では全裸機械を剥き出しにした状態と黒を基調とした服(ミランダの隠しコスチューム)の2種類しか選択できないが、DLCを購入すると白を基調とした服(ミランダの通常コスチューム)も追加される。
- ME3のマルチプレイでは量産型EDI(ドクターエヴァ)ともいえる存在の「連合潜入ユニット(インフィルトレーター)」というキャラクターがレコニングパックで追加された。
専用アビリティ「リペアマトリックス」によって、ダウンしてもメディカルキット無しで復活できる唯一のキャラであり、敵の回避に使えるタクティカルクロークも相まって生存率はかなり高い。
- EDIを開発したのはサーベラスだが、ME3で明かされた所ではME1でのミッション「未探査領域:VIの反乱」で暴走したVIが彼女の原型であるという。
このミッションは「月面の訓練基地で管理VIが暴走し、基地を完全に占拠してしまった。VIを破壊して基地を奪還しろ」といった内容でその場ではそれ以上の言及は無いのだが、後のME2・ME3での会話イベントで、この基地で行われていたのが訓練ではなく「AIの開発実験」であったこと、機能停止したAIをサーベラスが入手し、さらにリーパー・ソヴリンの残骸から得た技術を組み合わせて生み出されたのがEDIであると推察できる発言がある。
暴走したAIにリーパー由来の技術を混ぜ合わせるという行動にはサーベラスの科学者でさえ難色を示したが、結局はイルーシブマンの指示によって開発がスタートした模様。
- ME2→ME3の間にもサーベラスからの命令は届いていたが、彼女は自らの意思でシェパードにつき、ジョーカーと共に在ることを決めたのだという。
この際「これが辞表」とばかりに7ゼタバイトものポルノ動画を送信、サーベラスのサーバーをパンクさせるという一幕があったとか。
- このEDIのように、AIが「緊急事態」などを理由に手近な人間を使って自身にかけられた制限を解除する…というのは現実でも問題視される展開で、それをどうやって防ぐかといったテーマは大真面目に研究されている。
「『追記・修正』という手法です」
「よそよそしい響きだな」
「むしろ逆です」
最終更新:2024年03月18日 17:30