登録日:2011/12/16 (金) 17:32:48
更新日:2025/03/06 Thu 08:39:10
所要時間:約 6 分で読めます
「俺は阿久津丈二、自分たちの項目を建ててしまったお調子者のタイムスリップ・ヤクザだ!」
代紋TAKE2は
ヤングマガジンで連載されていた極道マンガ。
原作は木内一雅、作画は渡辺潤が担当している。
1991年から2004年まで連載された長期連載作品であり、
ヤングマガジンの代表作であった。
「静かなるドン」と並び極道マンガの代表作とされる。
従来の極道マンガにタイムスリップと言うSFのジャンルを取り込んだ実験的な内容となっており、そのラストには賛否分かれるが伏線を完璧に回収した作品となっている。
また長期連載の例にもれず執筆中に作画レベルが驚異的に向上する。
特に最終巻の表紙は第1巻と全く同じ構図が採られており見比べると作画の変化がよく分かる。
◆[第零部]−ドブに散った鉄砲玉編−◆
1979年、新宿で応援団との喧嘩に負けた若き海江田組組員・阿久津丈二はそれ以来不幸の坂を転げ落ちるようにして、10年後の1989年に誰からも馬鹿にされる惨めなチンピラに堕ちてしまう。
最終的に自らの舎弟によって当時抗争中の黒川組の鉄砲玉にされドブ川の中で惨めな最期を迎えることになってしまう。
今わの際にこれまでの人生を悔いる丈二であったが、その瞬間神の悪戯か彼に第二の人生が始まることになる…。
◆[第一部]−
タイムスリップ・ヤクザ編−◆
神の悪戯により人生の転機となった10年前、1979年に
タイムスリップした阿久津丈二。前世での記憶と経験を活かして着々と組内で頭角を現していく丈二であったが彼の
タイムスリップは非応なく周囲の人々の運命も変えていくことになる…。
そして、その変化は阿久津丈二と江原信吾と言う二人の男の10年に及ぶ死闘の幕開けともなるのであった…。
◆[第二部]−府中大暴動編−◆
全てを失い府中刑務所に入所することになった丈二。そこであるトラブルがきっかけに明石組3代目田村親分の命を救うことになり、明石組と関係を持つことになる。
一方、刑務所内は新所長による圧政により史上最大の大暴動が発生する。
その中である意外な人物が丈二にコンタクトを取りに来た…。
◆[第三部]−千葉大抗争編−◆
関東・関西両極道組織のトップによる密約によって破門を解かれ千葉の木更津にある白浜組の8代目を襲名することになった丈二。
この構成員わずか十名の弱小組織が千葉の極道社会に新たな風を吹かせることとなる。
一方、明石組の関東侵攻がついに始まり、橋頭保として選ばれたのが丈二達の居る木更津であった…。
◆[第四部]−新宿死闘編−◆
千葉を統一し千葉阿久津連合初代会長の座に就任した丈二だったが、江原による海江田組の独裁と悪政を聞き会長を辞任、仲間たちと共に新宿へと舞い戻る。
丈二と江原、新宿を舞台とした海江田組三代目をかけた大抗争が開始される。
◆[第五部]−内憂外患編−◆
海江田組3代目を辞任し、阿久津組を立ち上げた丈二。
当初の目標を成し遂げた丈二であったが運命は彼に安息の時間を与えることはなく様々な事件が彼を襲う。
一方で大阪では関西に落ち延びた江原は明石組幹部の大森と接触、丈二に復讐するため東京を壊滅すべく暗躍を開始する…。
◆[第六部]−東京地獄編−◆
ついにはじまった明石組の跡目継承を巡る一代抗争。
それと同時に江原は海外より招聘した最強の傭兵集団と共に再び東京に舞い戻る。
破壊される東京タワー
無力化されていく警察
暴徒と化す市民
そしてついに
自衛隊による治安出動が始まる…。
戦場と化した東京で復讐の鬼と化した江原と全てを失った丈二との最後の死闘が始まる
そしてついに丈二はこの世界の真実を知ることになる(?)。
多くの犠牲と悲劇と共に…。
長期連載のため登場人物も非常に大人数になっているが、どの人物も使い捨てにせず非常に魅力的に描かれている
ここでは主人公の身をあげているがその他の人物に関しては
と言う別項目を建てているのでそちらを参照してもらいたい。
◆阿久津丈二(元白浜一家総長、元千葉阿久津連合会・会長、元3代目海江田組・組長、元阿久津組・組長、元田上梅沢一家6代目総長、関東八州田連合会・会長)◆
この世界では前世の記憶と経験をもとに極道として驚異的なスピードで出世していくことなる。
様々な修羅場を経験することで、前世で花開くことなく終わった才能が開花。
日本一の極道へと成長していく。
しかし、自分の
タイムスリップが原因で多くの人間が傷つき死んでいくことに心を痛め(但し、その反面前の人生で死んだ、悲惨な目に遭った人間を助ける事にも成功している)自分の運命に疑問を持ち始める。
◆江原慎吾(海江田組3代目組長)◆
海江田組でも屈指の実力を持つ経済ヤクザ。
大阪出身で関西弁を話す。
優秀な頭脳と冷酷な決断力を持ち、流暢な英語をしゃべる。
丈二と何度も対立し丈二を激しく恨むようになる。
その結果、彼も才能と野心が開花し(但し丈二の前の人生では、その性格が災いしてかなり早い段階で頭打ちになってしまっていた)極道社会の頂点に上り詰めていくも、丈二への憎しみに焼きつくされ残忍で冷酷な性格へと変貌していく。
謀略によって海江田組の3代目を襲名するも、最終的に丈二との戦いに3代目の座を追われる。
その後は大阪に落ち延び明石組内の大森に接触、体制を整えた後は東京を壊滅するべく海外より最強の傭兵集団を招聘、丈二に対して最後の戦いを挑む。
その聡明な頭脳によりこの世界の真実にただ一人気付く。…!?
「俺は阿久津丈二、冥殿と「兄☆弟」の盃を交わしてしまった哀れなタイムスリップ・ヤクザだ!」
※WARNING※
これ以上先を読まれますとデータが強制的にリセットされます。よろしいですか?
YES/NO
GAME OVER
実はこの世界はゲーム内の仮想世界であり
ゲーム名は「極道くん 成り上がれ極道の頂点」(機種:SFC ジャンル:育成シミュレーション 開発(株)エンブレム 価格:8930円)
阿久津はこのゲームの主人公であり、丈二の異常な出世速度や不死生は全てゲームのルーチンに沿ったものであった。
おそらくEDとしては
ランクS 金の代紋―全国統一ED−
ランクA 頂点に立つ者の苦しみ―関東統一ED−
ランクB 三代目襲名!−海江田組3代目襲名ED−
ランクC 千葉の覇者―千葉統一ED−
ランクD 府中の英雄―出所後堅気ED―
ランクE ドブに散った鉄砲玉−BAD ED−
みたいな感じにプログラムが書かれていたのではないだろうか?
この世界の真実に気付いていたのは江原と阿久津のみで、完璧に理解していたのは江原のみである。
それに気付いた彼はその規則=神に挑戦していくことになる。
おそらくプレーヤーの言っていたゲームのバグとは、丈二のタイムスリップではなくこの江原自身の存在ではないだろうか?(プレーヤーは真のラスボスは江原ではないとも言っている)
最終的にEDを迎えた丈二は全ての真実を知った後、再び
ゲームのリセット=TAKE3を開始することとなる…。
+
|
真実? |
…とは言っても、それが劇中世界の真実であるかは実のところ不明である。
丈二自身、自分達がゲームのキャラクターなら「全ての謎に説明が付く」と一応の納得をしている一方、そもそも「人間や世界そのものが高次元の何者かにゲームや実験で弄ばれているかの様な不可解な存在」ではないかと思い至っている。
人間が神の存在を確認出来ない様に、ゲームのキャラクターが二度目の死の間際に世界の正体やプレイヤーの存在をその目で確認するというのもおかしな話ではある。
後期の江原の言動・思考も当人と丈二は真相に気付いていた故と認識しているが、他の登場人物達(江原曰く「物語の脇役」)は江原が追い込まれておかしくなっている様にしか見ていない。
とはいえ、丈二の二度のタイムスリップ、傭兵との死闘等で彼を守る異常な強運、その力に江原が特別な確信を持っていたのも事実である。
|
「俺は阿久津丈二、冥殿のせいでさらに追記・修正をせねばならない哀れなタイムスリップ・ヤクザだ!」
- クソ漫画の頂点 -- 名無しさん (2014-01-26 00:14:12)
- 読んだことないけどオチは知ってるぜ って人多いと思う 悪い意味でめっちゃ有名 -- 名無しさん (2014-03-24 05:06:38)
- 何で極道のゲームを子供が遊んでいるのかは突っ込まないように -- 名無しさん (2014-03-24 11:08:47)
- 面白かった。 -- 名無しさん (2014-03-24 12:43:29)
- 熱血硬派くにお君みたいなゲームなんだよ、きっと -- 名無しさん (2014-03-24 13:50:49)
- 終わりよければ全て良しっていうけどこれはその逆をやっちまったのかな -- 名無しさん (2014-12-12 05:11:19)
- 最終回がアレだったんで悪い方向に有名になっちゃったけど、丈二が海江田の三代目になるまでは普通に面白い漫画なんだよな -- 名無しさん (2015-07-28 17:55:39)
- 第六部の東京地獄編以外は面白かった。 -- 名無しさん (2015-08-20 05:23:20)
- 心底ゴミ漫画だったなぁ・・・金返せや -- 名無しさん (2016-02-24 20:55:17)
- というかそれ自体今わの際の丈二の勝手な妄想で、結局分かった事は「take2は結局失敗だった⇒だから本当の成功を掴む為take3へ⇒成功の先には…!?」だけなのでは!? -- 名無しさん (2016-07-09 22:27:49)
- 今の技術なら極道くん本当に作れそう。 -- 名無しさん (2016-09-01 21:29:15)
- ヤクザ物としてみれば秀作 問題は・ゲームオチ・数十巻続けてこのオチ・もしゲームだとしたらクソゲー の理由で最悪だ。リングの「SF部分」を見ないようにこれも割り切ろうか。 -- 名無しさん (2016-09-30 19:02:16)
- ゲームだった事を受け入れられたとしても、連載年数13年、作中経過年数10年にも及ぶ大長編が「スーファミの」ソフトだったってのは容量的に無理あるよなぁ… -- 名無しさん (2016-09-30 19:39:16)
- 昔のコミックバンチに「リプレイJ」というこの作品と同系統の作品があったけど、それも結局主人公が「記憶を残したままスタート地点に戻る」というものだった。一応「時を操るチート能力を以ってしても、運命を変える事は出来ない」、これはターミネーターもそうだったし、そういう意味では案外妥当な結末だったのかも知れないと思っている。 -- 名無しさん (2016-10-29 09:59:54)
- 所見で工エエェェ(´д`)ェェエエ工ってなるけど、しばらく経ってから見直すとある程度受け入れられる気がする。結果的には面白かった -- 名無しさん (2019-03-17 13:36:19)
- この漫画最終回と同じ日に発売のジャンプではシャーマンキングが蜜柑になったという… ただあっちは完全版でちゃんと終わらせてもらえたから結果的に大きな差が… -- 名無しさん (2019-04-25 16:01:50)
- 続編のTAKE3も読んでみたい -- 名無しさん (2019-12-23 19:39:33)
- とゆうか何で江原は東京でテロなんか起こしたんだ?江原が日本のヤクザの頂点に立ちたいなら傭兵を使って明石組を壊滅させ、三栄会で権力握った後、関西のヤクザを率いて関東勢と戦った方が良かったんじゃないか? -- 名無しさん (2020-01-04 08:52:01)
- ↑江原はその時点でもう世界の真実に気付き始めてたからとにかくぶっ飛んだ事して世界を破壊したかったんじゃないか 東京地獄編は実は本来存在しないシナリオでゲーム遊んでる子供達の視点からはほとんど省かれてたりして。子供の遊ぶスーファミのゲームで第6章の出来事がはっきり描写されてると思えないんだよね。ゲームの中で暮らしてる丈二達には大事件だけどメタ視点だとカオリが江原にやられた後からゴミ処理場の決闘までシーンが飛んでたりしてな。全部憶測に過ぎないけど。 -- 名無し (2020-03-05 03:29:37)
- ゲーム云々は無しで丈二死亡→take3へならここまで叩かれなかった気がする -- 名無しさん (2020-12-12 12:01:09)
- ↑そう考えると江原はマトリックスでいうモーフィアスなわけだ。丈二はネオだけど、ネオと違ってゲーム内で生きていくことを肯定し、take3ではバグである江原対策を進めるミスタースミスの立場になるのかも? -- 名無しさん (2021-02-07 15:14:56)
- 丈二はtake3が始まることを喜んでたけど、自分からすると永久に修羅のヤクザ人生を繰り返す地獄に見えた。しかし、北欧神話のヴァルハラ(勇猛な戦士の魂が死後永久に戦を楽しむ)みたいなもので暴力団という闘争を旨とする人々にはむしろ天国なのではないかという意見を見てなるほどと思った。 -- 名無しさん (2021-02-07 15:20:35)
- 江原は名前が真悟で、世界の真実を唯一悟る人物として最初から配置されていたのでは……と作画担当の渡辺潤がツイートしてた。 -- 名無しさん (2021-02-17 11:17:16)
- 終わり悪ければ全て悪しのドがつく典型的な作品 -- 名無しさん (2021-06-10 18:06:20)
- ヤクザ漫画のオチとしは駄目だったけど、改めてこの作品を本当にテレビゲームとして作り直して、本来のラスボスを倒すルートや江原と丈二の共闘するメタフィクションルートとか実装してほしい -- 名無しさん (2021-09-01 13:32:05)
- オチの伏線は十分に貼られていたんだけど、こんな夢落ちみたいなラストじゃ賛否あるわな -- 名無しさん (2021-09-01 14:15:01)
- リプレイJは初めからタイムスリップものとわかってたからいいのでは? -- 名無しさん (2021-09-01 20:12:31)
- ↑途中投稿しちゃった。ゼロとは言えないが弱々な伏線でいきなりタイムスリップもので夢オチ状態でした・・・とやったのがダメな理由かと。 -- ↑ (2021-09-01 20:14:03)
- うまく言えないけどゲームオチより「ゲーム設定をオチまで取っておいた事」が問題な気がする。プレイヤーの操り人形だった事に気づいたはずなのに何も感じてない。「気にしない」という結論を出したにしても葛藤がない。中盤辺りで設定明かしてアイデンティティで悩ませておけば上のコメントにあるようなヴァルハラ解釈にもできただろうに。 -- 名無しさん (2021-09-01 22:09:25)
- タイムスリップは1回だけ? -- 名無しさん (2022-05-07 00:17:07)
- というか、江原の性格的にあれは究極の現実逃避とも取れるからね。「阿久津に敗けた事を認めたくない」「この世に自分と同等以上の存在を持たない」だからこそ至った結論だったと思っている。 -- 名無しさん (2022-07-17 00:38:10)
- ↑あの時江原はすべてが阿久津に都合良く作用していると言っていたけれど、そもそも阿久津の愛する人とお腹の赤ちゃん他何人か阿久津にとつての大切な人間を自分の手で頃しているんだから、この時点で破綻しているんだよね。つまり、これは江原が自分以外がどうなろうと知ったこっちゃないという人種だからなんだよな。 -- 名無しさん (2022-07-17 06:52:21)
- 木更津で謎の光によって生き返るのって軽いネタばらしだったのかな -- 名無しさん (2022-07-25 15:30:24)
- 葛藤がないとはいっても、丈二自身は「自分の意思と関係なく動かされる」じゃなくて「自分で考えて行動している(認識になる)」形だったからねぇ。次はもっといい終わりを迎えられる可能性もあるし。 -- 名無しさん (2022-07-29 05:24:47)
- オチを知った上で読むと、最終回より最終章の傭兵無双とその長さの方がキツかった。ゲーム的に考えれば「中ボス格の傭兵達がモブ組員や警官その他にやられる・作戦を阻止されるわけがない」ってのもあったんだろうけど、長いんだよなぁ……。「ギャン!ギャンギャンギャン!(まとめてやられながら)」とか何度もあったしw -- 名無しさん (2023-07-02 02:58:51)
- 連載中に911テロが起きたのと、パトレイバー2とエヴァ旧劇があったから、現実の日本に対してもクリエイターとしても描きたいことが多すぎて傭兵編があんな長くなったのかなぁと思った。 -- 名無しさん (2023-07-16 00:53:49)
- この漫画を今の技術でゲーム化したら面白そう -- 名無しさん (2024-06-10 16:12:38)
- 『龍が如く』のシステムをベースにしてゲーム化したら面白そうなものができそうな気がする。 -- 名無しさん (2024-07-27 23:33:10)
- よくどんどん画力が上がっていった漫画の一つとして挙げられるけど自分は多少荒いけどキャラが表情豊かで書き分けができてる初期の絵柄が好きな漫画。10巻あたりとか絵もストーリーも神憑ってると思う。 -- 名無しさん (2024-10-20 23:41:29)
- 中盤で洋一と敵対してたヤクザが『56す?56しますか?56さない?』みたいな事興奮して連呼する場面があるんだけど、オチを見たうえだとゲームの選択肢を選んでるみたいでこれも伏線の一つだったのかもって思った -- 名無しさん (2024-10-20 23:48:20)
- たまにクソ漫画扱いされるけど別にクソ漫画ではないよな本当にクソだったら長期連載されん、オチが気に入るかどうかってだけでそのオチも伏線の回収にはなってる。 -- 名無しさん (2025-02-19 13:08:54)
- 作画の渡辺先生はどう思っていたんだろう。次回作以降は原作を付けずに描いてるが… -- 名無しさん (2025-02-21 19:18:27)
- ゲームオチってのもタイムスリップしてる理由を示しただけだと思うんだけどな、「本来のゲームのラスボス」ってのが誰か?ってのとゲームの世界でバグを引き起こしてる主人公が神(ゲーム遊んでるプレイヤー)の意思をtake3でどう打開していくかってのが描かれなかった方が問題だと思う -- 名無しさん (2025-03-06 08:39:10)
最終更新:2025年03月06日 08:39