モブ子の恋

登録日:2021/11/30 Tue 00:48:14
更新日:2021/12/13 Mon 21:54:36
所要時間:約 5 分で読めます






脇役だって,恋をする。

単行本1巻帯より



 ○概要      

『モブ子の恋』とは田村茜による漫画作品である。単行本は既刊11巻(2021年11月現在)。
月刊コミックゼノンにて連載が開始され、後にコミックタタンに移籍した。

本作は主要人物が“脇役”として扱われているのが最大の特徴。
派手なラブコメのような華やかさやキャラの濃さは無いが、脇役(=どこにでもいそうな普通の人々)の恋物語が純朴に描かれている。
物語の中心となる二人の男女の心情が緻密に描写され、二人の初々しい感情の交差や絶妙な距離感が読者の心を揺さぶる。
登場人物は基本的にみんないい人たちで、読者からのヘイトを買うような嫌なヤツがほぼ出てこないのも本作の特徴。

単行本のカバー下にはオマケ漫画が隠されている。



 ○ストーリー   

20年間、ずっと片隅で“脇役”として過ごしてきた女子大生の田中さん。
彼女は同じスーパーでアルバイトをしている入江君に対し、初めての恋心が芽生えた。

大人しい性格の田中さんは積極的な行動が苦手だが、後輩の阿部さんの言葉を切欠に、勇気を振り絞って少しずつ入江君との距離を縮めようと努力していく。



 ○登場人物    

  • 田中(たなか) 信子(のぶこ)
大学2年生。目立つのが苦手な大人しい性格。
広島県の大学に通うため、愛媛県の実家を出て一人暮らしをしており、大学入学とほぼ同時期にスーパートクマルでのアルバイトを始めた。

悪い方向に自意識過剰でネガティブな想像力がたくましいなど、マイナス思考が強め。
また、他人に対して気を遣い過ぎて逆に何もできなかったり、ついセルフ言い訳をしてしまったりと、自分から行動を起こすのも苦手*1
アルバイトを始めた頃、入江君に助けてもらった際に、彼の「困っている人がいれば自然と動くことができる」優しさに触れ、それ以降から意識するようになった。


  • 入江(いりえ) 博基(ひろき)
スーパートクマルでアルバイトをしている、田中さんと同い年の大学2年生。メガネ男子。
両親と3つ上の兄の4人家族で、実家から(田中さんとは別の)大学に通っている。
困っている人を自然と助けられる優しさを秘めているが、普段は物静かでクールな性格をしており、恋愛に関しても「自分とは遠い世界の話」だと考えている*2
当初は無表情なことが多かったが、田中さんと深く関わっていくにつれて自然に笑ったり、驚いたり、顔を真っ赤にして照れたりと、様々な表情を見せるようになっていく。
本作は基本的に田中さんの視点で物語が進行するが、たまに彼の視点で進行する事もある。


  • 阿部(あべ) 陽菜(はるな)
春からスーパートクマルでアルバイトを始めた大学1年生。制服が可愛いという理由でトクマルでのバイトを決めた。
田中さんとは対照的にテンション高めで賑やかな性格。誰とでもすぐに馴染めるコミュ力を持ち、行動力もある。
田中さんが入江君に対して好意を持っていることを察し、かつて自分が好意をもっていた相手に思いを伝えられずに後悔した経験から、彼女の背中を押して恋を応援する。
そして彼女自身も、同じ大学のシロ君こと白川翔君に恋をしている。


  • 金子(かねこ) 慎也(しんや)
スーパートクマルでアルバイトをしている大学3年生。店長と仲が良い。
阿部さんと同じようにテンションが高く、物静かな入江君にも遠慮なく絡むお調子者気質。
恋愛に疎い彼に対して「恋とは何か」を説き、田中さんを意識させる切っ掛けを作る。
度々入江君にアドバイスをするなど、良き先輩として要所要所で活躍する…のだが、たまにお節介焼きが過ぎる、無神経な発言をポロっと漏らすことがあるなど、ちょっと残念な一面がある。
下の名前が優也だったはずだがいつの間にか慎也に変わった。*3


  • 篠崎(しのざき)
スーパートクマルでアルバイトをしている大学4年生。
サバサバした性格で大体気だるそうにしているが、後輩の面倒見は良いお姉さん。
金子さんとは旧知の仲で、彼が調子に乗ったときにシバくことがある。


  • 店長
スーパートクマルの店長。気さくで物腰柔らかな男性。
田中さんのアルバイトの面接のときに、彼女の名前を「モブ子」と聞き間違えた。
金子さんと仲が良く、プライベートで一緒に釣りに出かけているらしい。
若く見えるが実は40代であり、いわゆる氷河期世代の人なので、就職活動はトラウマになっている。


  • 早川(はやかわ) 芙美子(ふみこ)
田中さんと同じ大学通っているメガネっ子。通称“ふみちゃん”。
学部も田中さんと同じなので、大学のときは大体一緒にいる仲の良い友人。
田中さんに好きな人がいる事を知り、一緒に服を買いに行くなど、恋を成就させるための手助けをする。
ダンディで大人な大学の教員 西澤先生のファン(恋愛感情ではなく、“推し”を愛でていたいというような感情を持っている)。


  • 大野(おおの) (あきら)
スーパートクマルに夏休みから新しく入ったバイトの男子高校生。
チャラそーな雰囲気だけど素直な性格をした良い子。バイト代が入ったらホットスナックを大量に買い込むという夢を持っている。
初めてのレジ打ちでミスをしたとき、教育係として自分を励ましてくれた田中さんに密かに恋心を抱く。



 ○余談      

  • 本作の公式Twitterでは、単行本のカバー下オマケ漫画で見たい内容や初回特典のイラストカードで描いてほしいイラストなどを、4択の中から投票するアンケートを実施している。
    更に単行本最新刊が発売される時期には、当選されれば田村茜先生直筆のサイン色紙がもらえるプレゼントキャンペーンも行っている。


  • 2021年7月30日~11月30日の期間に、本作の舞台・広島県を走るアストラムラインとのコラボイベントが行われた。
    漫画のモデルとなった場所がスタンプになっている聖地巡礼スタンプラリーや、窓ラッピング等のフォトスポットの設置、アストラムラインとコラボしたオリジナルグッズ販売などの企画が催された。


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最終更新:2021年12月13日 21:54

*1 これらの彼女の性格は作中で「モブ子の習性」と扱われ、テロップで簡潔に解説される

*2 ただしカップルを見かけても、内心で見下したりバカにしたりするようなことはせず、あくまで恋愛を理解できない自分の方がズレているのだと考えている

*3 単行本4巻収録の特別編では「優也」と名乗っていたが、単行本6巻収録の特別編以降は「慎也」で統一されている