ボディビル

登録日:2011/12/09 Fri 11:16:31
更新日:2024/04/09 Tue 13:13:19
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ボディビルとは、ウェイトトレーニングや栄養摂取の管理、場合によっては薬物を使用する事により、自身の筋肉を鍛え上げる事。

■概要

運動する人なら誰でもやる事だが、それを一種の「美術品」としてコンテストで披露する目的で行う場合を特にボディビルと呼ぶ事が多いようだ。
歴史を遡れば、古代のインドにおいて、既に筋肉を纏った肉体美を披露する大会が存在していたらしい。

現在のシステムを確立したのは19世紀ドイツのユルゲン・サンドウと呼ばれる人物で、ボディビルの父と呼ばれる。
彼は、肉体美を競う審査基準を整えただけでなく、ダンベルなどのトレーニング器具を自ら開発したのだ。まさしくマッスルの神、略してマ神である。

筋肉=男らしさという前時代的な価値観の下で行われる競技であるため、一般人への知名度は低く、イロモノ的に見られがち。
一方、その見方を逆手に取り、マッチョマンをギャグとして扱うメディアも多い。
だが2010年代に入り、フィットネスブームと共に「体作りのプロ」であるボディビルダーの知見を取り入れる流れが広まり、少しづつ印象は変わりつつある。


■コンテスト


ボディビルのコンテストは、世界中で開かれているが、その特徴は単純に筋肉の量や筋力の数値でなく、「美しさ」を審査基準にしているところである。
鍛え上げられた肉体美に、オイルを塗り、ポージングをとったその姿は…。
う、う、美しすぎる…。

審査基準はコンテストや団体ごとに違っており、体重ごとのクラス分けもきっちりなされている。
とにかくデカい事が大正義なコンテスト*1から厳しい薬物検査の上でバランス重視のコンテストまで千差万別。

オリンピック競技に加えたいと言う動きもあったが、残念ながら実現はしなかった。
動きが乏しい事、薬物投与がほぼ必須な事が理由だった模様。

日本においては、統一大会や連盟のようなものはなく、四つの大きな団体がそれぞれ独自に大会を開いている。
この団体は横のつながりが弱く、大会に出るにはその団体に登録せねばならず、しかも掛け持ちが禁止されている。
ある団体に所属しながら、別の団体の大会に出場すると、軽くて数年の出場禁止処分、最悪、業界からの永久追放もありえる。


■ポージング


体の部位を強調するためのポーズがあり、出場選手は審査員の指示に従って既定のポーズを取った後、
各々最も自信のある部位を強調する「フリーポーズ」に移行する。
主なポージングは次の通り。

  • ダブルバイセップス(フロント/バック)
いわゆるムキムキポーズ。左右の腕を水平に上げた後、肘を上に曲げて力こぶを作る。
体全体のバランスを見られる。
観客に体を向けるときは「~フロント」、背を向けるときは「~バック」となり、体をやや反らせる。
一般的に最も知られているポージングであり、ボディビルを知らなくてもこのポーズだけは知っているという人も多い。

  • モストマスキュラー
ダブルバイセップスに次いでよく知られるポーズ。やや前かがみになり、両腕で何かを抱え込むように輪を作る。
「Most Muscular=最もたくましい」の名の通り、僧帽筋、肩の大きさ、腕の太さなど、上半身の力強さが最も強調される。
団体によっては規定ポーズに入っておらず、フリーポーズでのみ披露される。

  • サイドチェスト
体を横に向け、腕を体側面につけて、肘を90°曲げる。胸筋の厚みをアピールするポーズ。

  • サイドトライセップス
体を横に向け、手を腰の後ろで組んで、片足を前に踏み出す。上腕三頭筋を主に強調する。

  • アブドミナルアンドサイ
頭の後ろに両手を回し、腹筋を見せる。腹周りの脂肪がどれだけ絞ってあるかを見るためのポーズ。
また、足の筋肉も強調され、足の絞り方、筋肉のカットがよく見られる。

  • フロント(リア)リラックス
自然体からやや腕を外側へ広げる。最も基本的なポーズで、これを起点に様々なポーズへ移行する。
名前こそ「リラックス」だが、全身に力を入れており、全然リラックスしていない。

  • サイドリラックス
体を横に向け、フロントリラックスから上半身を少しひねって見せる。
やっぱり全然リラックスじゃない。

  • ラットスプレッド(フロント/バック)
両手を腰につけ、肘を横に張る。ラット(背筋)スプレッド(広げる)の名の通り、背筋を横に広げて、体の横幅を強調するポーズ。

  • オリバポーズ
両腕を真上に伸ばし、手首を外側へ曲げたポーズ。
伝説のビルダーセルジオ・オリバの代名詞的存在。
アニヲタ的にはビスケット・オリバ楊海王戦後に見せたポーズといえば通じやすいか。


なお、ボディビルダーはニッカリ笑っているイメージが強いが、あれは実は笑っているわけではなく、
思い切り力むと自然とああいう表情になってしまうのである。
当然、フィギュアスケートのように笑顔が採点対象になっているわけではない。

また、ビルダーの体が黒光りしているのは、筋肉の凹凸を目立たせるため。
スポットライトの下で行う関係上、色白だと反射で見えづらくなってしまうのである。
かつてはオイルやワセリンを塗って色黒にしていたが、汗で流れて落ちてしまい、会場の掃除が大変になるという理由から、現在はほとんど使われない。
代わりに日焼けをするのが主流になっている。


■女性ボディビルダー

こちらは比較的新しく、1970年代あたりから始まった。当初は(十分すごいが)レベルが高いとは言えなかったためか、あまり話題にはならなかった。
しかし時が経つにつれレベルも向上していき、男性顔負けの筋肉を持つものも現れ始めた。
だが、女性があんなに筋肉をつけるのは本当に大変である。まず、女性は男性よりもホルモンの関係で筋肉がつきづらい。だから、一般よりも男性ホルモンの割合が多くないとより筋肉をつける事は難しいし、骨格も適していないと筋肉を大きく見せられない。つまり、天賦の才能が必要なのである。
また、その条件をクリアしたとて、足が痙攣し始めてもスクワットを行い、腕が上がららなくなってもトレーニングを続けるくらいの根性がいる。
しかも、鍛え上げると赤ちゃんが産めなくなる。子宮のあたりが強くなりすぎて、どんなに気張っても産み落とせなくなるのである。全てを筋肉に捧げる覚悟がいるのだ。
ですからトレーニングして痩せたいけど、あんなムキムキになりたくない、という一般女性の方、並みのトレーニングではあんなマッチョになれませんし、普通のレベルのトレーニングは、貴女の肉体を確実に美しくしてくれます。
安心してトレーニングしてください。


■トレーニング方法


筋肉を鍛えるには、トレーニングをして、休養をして…。と言う流れを繰り返していく事になる。
トレーニングで一度傷ついた筋肉の修復には、2日3日掛かるのだ。腹筋は回復が早いので休養無しで構わないなんて意見も未だに見られるが勿論筋肉である以上そんな事はなく他の筋肉と同じようにしっかり休養を取る事。筋肉は休養時に作られるのである。
トレーニングは行う前にしっかり鍛える部位とそのための種目を決めておき、長くとも2時間以内に終わるようにメニューを組んだ方が良い。
何時間もやっても疲れて集中力が持たず、追い込めない上翌日も疲労が溜まっているという事になりかねない。
十分な時間が取れない場合は別だが基本的には鍛える部位毎に日程を分けた方が良い。

プロテインは、ホエイ(乳精)の割合が高いものを、トレーニング後30分以内に飲む……というのは基本中の基本であり、このタイミングだけでプロテインを飲んでいてもぶっちゃけそこまで筋肥大は起きない。本格的に体を大きくしたいならば起床時、間食、就寝前のタイミングでも摂取する。勿論休養日にも怠らずに。

色々書いたが一番大事なのは続ける事である。
何事も途中で投げ出せば成果が出ないのは筋肉にも言えるのだ。
後、本気でやるなら日々のプロテイン、サプリメント代やトレーニングジムの会費やトレーニング器具代等なんだかんだお金がかかるのである程度懐に余裕が求められる。マッチョになるのもタダとはいかないんだ……

あんなマッチョな体つきにはなりたくないなんて言ってるそこのあなた、ボディービルダー達は…。

  • 翌朝に腕が上がらないくらいトレーニング。腕があがったら嘆く

  • 用事があってジムに行けない日もトレーニング出来るよう、自宅に器具が完璧完備

  • 完璧に管理された食生活を送る

と言う過酷な生活を何年も続けた末に、あの肉体美を得ているのだ。ちょっとトレーニングしてプロテイン飲んだって、あんな肉体にはなれはしない。女性の場合、これを超えた努力と生まれ持った体質が必要になる。
また、ものにもよるがプロテインだけ飲んでトレーニングしなかったら、太るだけなので注意。
最悪、「オクレ兄さん!!」と叫ぶ事になりかねない。


■薬物


ボディビルディングと聞いて薬物(ドーピング)を連想する一般人は多い。あながち間違いではないがイコールでもない。

ドーピングの項目にもあるが、薬物は確実に選手の身体を害する。元プロボディビルダーが後日ひどい状態になる事は珍しくない。
もちろんこれは問題視されていて、抜き打ち検査などのシステムで薬物を締め出す健康重視のコンテストや団体もちゃんとある。

しかし、薬物検査を厳しくすると選手層全体で筋肉量が落ちる*2。これは避けられない。そうなると「ショービジネス」としてのコンテストの集客力はどうしても落ちる。
そのため、金銭的に考えると運営側はなかなか薬物締め出しに踏み切れないのである。


■著名なボディビル経験者


言わずと知れたマッチョマンの代名詞。ボディビル大会の最高峰「ミスター・オリンピア」を七連覇した。

我らが兄貴。パンツレスリングで見せる肉体美はボディビルの賜物。

  • 三島由紀夫
ホモの文豪。耽美主義、ナルシズムが高じて、自分の写真集まで出す始末。ホモは文豪。

  • マッスル北村
日本のビルダーの代表格。東京大学、東京医科大にも在籍していた知的マッチョ。
入れ込みすぎて体調を崩し、突然死。死因はなんと「餓死」であった。

  • 小渕恵三
84代目内閣総理大臣。文弱のイメージに反して若かりし頃はマッチョマンだったらしい。

お笑い芸人。テレビ番組の企画で肉体改造を行ったが、その後も趣味で続けている。もともとアメフト選手なので素養はあったのだろう。

タレント・俳優。同じくテレビ番組の企画で肉体改造を行いコンテストに出場したが、こちらは出場者に苦笑された挙句、ポージングにネタを入れすぎたせいで主催者に苦言を呈されている。

「サーフ系ボディビルダー」を自称するゲイビデオ男優兼売り専
だが、なぜか頑なに下半身を鍛えようとせず、上半身に比べて下半身が貧弱な「チキンレッグ」と呼ばれる体型になっている。

  • カンガルー
上半身の筋肉がデカい方がモテるというボディビル社会を持つ野生生物。
オスはトレーニングに精を出し、ポージングを決めてアピールする。

  • なかやまきんに君
皆さんご存知お笑い芸人。最近だと腹筋崩壊太郎/ベローサマギア役で有名か。
タレント業と並行してビルダーとしても活動し、YouTubeでフィットネスの紹介動画も上げている。彼が参加するのは「フィジーク」と呼ばれる上半身のバランス重視階級。


■関連項目





追記、修正は、兄貴の逞しい胸板に抱かれてウットリしてからお願いします。

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最終更新:2024年04月09日 13:13

*1 世界最高峰のコンテスト「IFBB ジョー・ウィダーズミスターオリンピア」はこの最右翼。

*2 低い薬物度でデカい身体になる「個人」はいる。前述のセルジオ・オリバはあまり薬物を使わなかったと言われる。