超兄貴

登録日:2012/02/04(土) 22:12:54
更新日:2024/12/09 Mon 11:24:31
所要時間:約 3 分で読めます








今でこそくそみそテクニック真夏の夜の淫夢などによって、
ホモネタはネットで見ない日はない位に定着している。

だがそれより以前の1992年のクリスマスに、
そんな時代を先取りし過ぎたゲームが生まれていたのをご存知だろうか……。*1


■概要


超兄貴とは1992年、メサイヤから発売されたSTGである。
ハードはPCエンジン(CD-ROM²)。


特徴はなんと言っても筋肉と下ネタ満載なバカゲーの模範のような世界観で、
ムキムキマッチョなキャラばかりが登場したり、
ネーミングセンスがイカれていたりと発売当時から色んな意味で問題作であった。

その奇抜すぎる内容からクソゲーと勘違いされやすいが、
メガドライブで高い評価を得たジノーグを土台にしてる為か意外にもゲームとしては普通に高い完成度を誇っている。(そのためか続編の『愛・超兄貴』以降に比べるとアニキ成分が足りない敵キャラも存在する。)
特に、当時弱冠19歳にして鬼才・葉山宏治……いやさ、葉山のアニキィがサンプリング等も駆使して生み出したBGMの評価は高く、ゲームよりサントラのほうが売れたという逸話は有名な話。
サントラは単純にゲーム中のBGMを収録しているだけではなく、アレンジ版や合間に(、というか初っ端から)寸劇を挟み込む等して一つのアルバムとして普通に聴き応えがありすぎるのも評価の高い理由だろう。
現在までに幾度も再販が繰り返されており、元ゲームがハードの都合から決して大ヒットが見込めるようなタイトルでは無かったにもかかわらず、色々と異例尽くしである。

難易度は易しい方だが一度被弾すると持ち直すまでが大変。

ちなみに何故かラングリッサーシリーズにも客演している。


■ストーリー(オープニングデモそのまま)




大銀河ボディービルコンテスト10連覇を果たした、ビルダー星の帝王にも不安があった。

母星の残有プロティンが、底をつきはじめたのだ。

筋肉こそ最高の美徳とする文化がため近隣の惑星は、無差別侵攻を受けていた。

この様子を天界で見ていたイダテンとベンテンは、これをよしとせず、侵攻を受けた星を巡りビルダー軍を駆逐し、

軍の築いたプロティン採掘プラントを破壊しつつ帝星を目指した!!


■登場キャラ


ボ帝の侵略阻止のため派遣されたムキムキの青年(神?)。
後述のアドンとサムソンが呼ぶ「兄貴」とは彼のこと。
通常ショットの他に強力なメンズビームを発射可能。

当時の児童向け雑誌で広報スタッフが、
「タメてタメて溜まりきったところで離した瞬間、ドピュっと男の一撃「メンズビーム」を発射する」
と説明していた。


  • ベンテン(自機、cV.住友優子)
同じくお色気ムンムンなお姉さん。
女なので発射するのはメンズビームではなく扇形に広がっていくスプラッシュビーム。


  • アドン、サムソン(オプション)
ボ帝に侵略された星の王子。自機二人に救出され、以後付き従う。
ムキムキスキンヘッドで貞操帯を装着しており、頭に空いた穴からショットとメンズビームを撃つ。
見た目は同じだが尻がプリティなのがアドンで、乳首がつつましいのがサムソンらしい。
ある意味、本ゲームを象徴する存在だが本作(初代)の時点での役目はあくまでもオプションである。

体をはって弾を防げるが、耐久限界を超えると「ッアニキ……」と切ない断末魔を残して死ぬ。
が、熟練プレイヤーはそんなのお構いなしにアドンとサムソンをぶつけまくる戦法を取っている。

名前の元ネタは当時の有名なゲイ向け雑誌から。
そうした(名前や元ネタからの)イメージや、前述のサントラではアドンとサムソン達がメインビジュアルになっていることもあってか彼等を“超兄貴”と勘違いする層が多かったようで、晴れて(?)次回作では自機へと昇格していしている。
ちなみに、低確率でアドンとサムソンではなく、当時のメサイアが推しまくっていたマスコットキャラの“うみにん”(背景にもいる)が付く場合もある。グラフィックは別だが性能は一緒。



  • ボ帝ビル
ビルダー星の帝王で本作のラスボス。由来はそのまま「ボディビル」から。
必殺技は腹筋で空気を圧縮し放つボ帝カッター。
既婚者。

オープニングの姿は愛用の巨大ロボであり、最後はこれに乗り闘う。
ちなみに、巨大ロボの片手が既に無くなっているが、
2面の最後で、独立した片手が既にボスとして登場しているからである。


■ステージ


1ステージに3体のボスとステージボス1体が控える。
……が容量の関係で一部割愛。

  • 1面 エデン
初っぱなから妙に癒し系なBGMを背に敵を蹴散らしていく。
ステージの元ネタはカルト映画「未来世紀ブラジル」

◆フライング綱吉
ボディビル歴125年。ちょんまげがプリティ。


  • 2面 テレマ海岸
なぜか宇宙空間を進む。
ショットを防ぐ壁が多数浮かんでいるのでビームが有効。

◆アムール
ハート型の魚のようなボス。ボ帝の親友らしい。
紙耐久でメンズビーム1発程であっけなく沈む。
見た目と相まってどこかの埋葬ポケを思い出す。


  • 3面 幻想第四次空間
ドイツ人ジャーマンやヤエモンなど秀逸なBGMが揃う。

◆戦闘列車
BGM「ドイツ人ジャーマン」の印象のほうが大きい悲しいボス。

◆ヤエモン
↑チガウヨ!
トーマスもどき。「きかんしゃやえもん」というアニメ化された絵本が元ネタ。


  • 4面 男の海
実に酸っぱそうな、それでいて美しい海中ステージ。
敵のスイマーがクロールで泳いで来たりする。

◆シェルザアニキ
ボッティチェリのビーナス誕生の様な出で立ちで、カーテンには妖艶な女性の影が……。
が、カーテンを開けてみればムキムキ男がスクワットをしている。
BGM「憧れのマッチョダンディ」は名曲。

◆サブ&マリン
リーゼントの戦艦がサブ、下の正常位な魚がマリン。


  • 5面 ボ星帝都
ボ帝の本拠地。
敵の攻撃が非常に激しい。

◆エル&トポ
一方は般若面を、一方はゴーグルをしたシンクロナイズドスイマーコンビ。
ボ帝の寝室に出入りが許されるビルダー四天王の一角。
BGM「Sexy Dynamite」は一度聞くと耳から離れない。

エヴァ弐号機の元ネタ。


■余談


そんな彼らであるが、数年前よりにもよって美少女たちが麻雀で対戦するオンラインゲームの
プレイアブルキャラクターとして復活してしまった。
くぎゅほっちゃんマリ姉が声を担当する美少女キャラたちに混じって
野太い声で対局する兄貴たち…カオスであるが、意外な人気を誇っていた。世の中何が流行るかわからないものである。

本作のサントラ『超兄貴~兄貴のすべて~』は30年以上前に発売されたにもかかわらず今なお再販がされ続け、現在でも新品で購入が可能
一般的にゲームのサントラは早期に廃盤になるのだが、ゲームのサントラでここまでロングセラーになるのは最早偉業である。

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愛・超兄貴

追記・修正頼みやしたぜ兄貴!


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最終更新:2024年12月09日 11:24

*1 まぁ、厳密には後述のアドンとサムソンの元ネタ通りに性風俗雑誌のコーナーに同性愛の男性向けの雑誌も混ざって置いてあり、更にその雑誌の表紙にビルダータイプのモデルさんが使われる等、ある種のテンプレ的なイメージは既に存在していたらしい。……そのせいでボディビルに打ち込む人は“そっちのケ”があるとの誤解も生んでしまっていたようだが。