ヴィルジニー(Seraphic Blue)

登録日:2022/06/19 Sun 22:04:35
更新日:2025/01/06 Mon 13:52:38
所要時間:約 12 分(折り畳み含むと 20 分)で読めます





私は御父様の所有物。
望まれればこの生命も惜しまず捨ててみせる。




ヴィルジニーとは、ゲーム『Seraphic Blue』の登場人物である。

【概要】

RACE:??? AGE:??? SEX:FAMALE STATURE:173cm
CLASS:ゲオルクの娘(推測)
常にゲオルクの傍に寄り添っている金髪の女性。
彼は娘だと言っているが、並外れた戦闘能力やレイクの母親と同一の容姿等、
凡そ普通とは呼べぬ数々のファクターを持っている。
(ゲーム内キャストデータより抜粋)

ローズバーグ製薬のドン「ゲオルク・ローズバーグ」のボディガードとして働く"娘"。「似非の戦乙女<ヴァルキリーフェイク>」のコードネームで呼ばれ、ゲオルクと協力関係にある怪物エンデからも一目を置かれる戦闘力を有する。
容姿は何故か本編の十年以上前に死亡したレイクの母親「シリア・ローズバーグ」に瓜二つ。
ただしシリアの瞳の色が緑なのに対し、ヴィルジニーの方は金色である。
その様を一目見たニクソンが「何とも言えぬ忌まわしい空気…! さながら禁忌を犯したかの様に…!」と直感する程度には、ろくでもない過程を経て誕生したらしい。

性格は無機的・無感情を絵に書いたような人格。仰々しく芝居掛った言い回しはゲオルクのそれに通じる。
序章時点では"親"のゲオルクから発言を求められないとまともに反応すら示さないレベル。
ただし、ゲオルクへの罵倒や口撃へは敏感に反応し、激しい敵意と殺意を露わにする。
ヴェーネが評して曰く「起伏の無い感情が殺意のベクトルを孕む…。極めて危険で厄介なパターン…。」とのこと。
初の邂逅からはある程度饒舌になり、レイク達へ軽口も飛ばすようになるなど感情をそれなりに示すようにはなる。

また、「感情が希薄」ではあるが他者の秘めたそれを感じ取る分にはむしろ敏感。
作中でヴィルジニーが「何を考えているのかわからない」と評したのはせいぜいゲオルク配下のハイディぐらいに留まる。

レイク達との敵対勢力に属する関係から、作中では幾度も難敵としてその行く手を阻む。


【戦闘】


赦さない…。御父様を悲しませる悪い奴ら…。

御父様は、私が守るッ!

作中では計三回戦うことになるが、その全てが壁ボス相当の強さという本作指折りの難敵。複数人で戦えるだけよりはマシだが。

代名詞の「ショックウェーブDA」を初めとした多彩な物理攻撃を操り、さらにFEを利用した攻撃を多用する。
ここまではあまりFE操作を気にしなくてもどうにか進められるレベルだが、ヴィルジニー初戦からは明確に
ボス戦で「出すと致命的なFEを残さない」立ち回りを徹底しないと勝てなくなる難易度となる。
そしてMOV・AGIの値が高く快速で行動される。こちらもクイック状態への移行などで速度を強化しないと手数差で圧倒される可能性が出てくる。

+ 使用技(1戦目)
  • ショックウェーブDA
単体大ダメージ→全体中ダメージの属性二段攻撃。みんなのトラウマ。6ターン周期で発動する。
威力が非常に高く、防御を固めないと戦闘不能者が高確率で発生する。先行される最初のターンは防御すらほぼ許されない鬼畜ぶり。
DC版では味方の基礎破耐性が調整されたため素でも耐えやすくなっているが、無印ではIスフィアで破耐性を上げないと厳しい。

  • ノーマルアタック
単体弱ダメージ。一番弱いので実質デレ行動。

  • スカイ・ハイ
単体中ダメージ。痛いが一刀両断よりはまだマシ。

  • 突撃
単体中ダメージ。若干スカイ・ハイよりは痛い。FEが発生するが空気。

  • 一刀両断
単体大ダメージ。HPが約25%を切ると使い始める。レベルが低いとこれでもヴェーネあたりは即死の危険がある。

  • 真空派
風属性全体攻撃。威力はそこそこ。FEが出るためむしろ有利になる。

  • ソニックブーム
レベル2攻撃魔法。AC/。ほぼ真空破と大差ない性能。

  • アーシィ
レベル1攻撃魔法。FEが発生する。明らかに他の技と比べて威力がしょっぱいが……

  • グラウンドサンダー
レベル4攻撃魔法。AC/。この段階で使えるこっちの魔法レベルが最大2なのに4レベルの魔法をぶっ放してくる。
パーティメンバーのHPが4桁に届くか届かないかという段階で、平然と3000超のダメージを与えてくるオーバーキル攻撃。
3人しかいない味方が1人確定で消し飛ぶので絶対に撃たせてはならない。土FEを残さないように立ち回ることを余儀なくされる。

+ 使用技(2戦目)
  • フィールド火属性変動
常時効果が発揮されるタクティカルスフィア。あらゆる物理攻撃にFE変動効果を与える。この段階でももう嫌な予感しかしないが…

  • ヒートアップ
レベル5補助魔法。AC。この段階で使えるこっちの魔法レベルが最大4なのに(ry 効果は全体に狂乱付与とかいう極悪なもの。
とは言えこの段階でならターンが回ってきた際、不利状態を自動回復する「オールグリーン」のスフィアがあるので対処は可能。
って思うじゃん?

  • ラーヴァウェイブ
レベル4攻撃魔法。AC/。全体とはいえ高めのレベルの魔法なのでダメージが馬鹿にならない。極力撃たせないようにはしたいが…

  • コメットストライク
レベル4攻撃魔法。属性。威力が高い上、グラウンドサンダーを誘発する。AC水天のスパークミストあたりで天FEを消したい。

  • インプロード
レベル4攻撃魔法。属性。威力が高く、破のFEが発生する。

  • ブレイクアクティブ
レベル5補助魔法。AC。こっちの魔法レベルが最大4なのに(ry
破FEが出ていれば優先使用し、効果はなんと全体麻痺とかいう鬼畜。一見ヒートアップ同様オールグリーンで対処できそうだが、
本作の麻痺状態はWTバーの進行そのものを停止させてしまうために「ターンが回って来た際」の条件を満たすことができなくなる。
つまり1度撃たせたが最後、数ターン一方的にボコられた挙句、対応しきれない内にまた麻痺を浴びるずっとヴィルジニーのターン状態へ陥りかねない。

  • フィールドエレメント・シグマ
場のFE全てを消費し、その数に応じて威力が上がる攻撃技。HP50%以下で解禁する。
消費FE数によっては酷いダメージを拝むことにもなるが、これを使わせる段階まで来ていれば場のFE数は必然的に
抑えられているはずなので、ぶっちゃけそこまで恐ろしくはない。

+ 使用技(3戦目)
  • 振り回す
単体中ダメージ。スカイ・ハイと実は性能が完全に同一の技。

  • 三連斬
単体弱ダメージ×3。分散するとは言えトータルダメージは一刀両断より上と結構痛い。
しかし一番恐ろしいのは「3ヒットする」点である。

  • アクセルスラッシュ
全体中ダメージ攻撃。威力より「全体攻撃である」ことが脅威。

  • SHヴァルキリーアクセル
スカイハイ・ヴァルキリーアクセル。AWT0のために使用後、即座にヴィルジニーのターンが回って来る技。
体力最大からでもこれのせいで戦闘不能者が発生しかねない危険性を孕む。途中までならプロテクト状態で対応可能だが…

  • ディヴァイン・ディヴァイド
対象「最大HP÷2」の固定ダメージを与える全体割合攻撃。FF5オメガが使う波動砲を想像すればだいたいあってる。
HPが半分を下回っているだけで実質即死という脅威の技。後半から解禁する技とはいえ、そこそこ使用頻度が高めなのも怖い。

  • アーム・カラミティ
HP半分以下で発動。ヴィルジニー自身の基礎不利状態付与率を即死・石化以外全て上昇させる。具体的には、
  • 毒(ターン毎に最大HP依存の割合ダメージ。無印で5%、DCで20%)
  • 病気(有利状態無効化。ターン毎に最大HP依存の割合ダメージ。無印で10%、DCで20%。DCでは攻防も下落)
  • 麻痺(一定時間行動不能+攻撃回避不能。アクティブバーそのもの進行停止なのでオールグリーン無効)
  • スロウ(敏捷-30%。クイック無効)
  • 視野狭窄(命中半減。物理アビリティ封印)
  • 忘却(精神アビリティ封印。敵からの精神攻撃で被ダメージ+30%。DCではTPダメージ5%も追加)
  • 狂乱(勝手に味方を通常攻撃する。物理攻撃を受けると解除)
  • メランコリー(全有利状態解除。全能力低下)
が、全ての物理攻撃に低確率とはいえ付随するようになる。
低確率とは言えど一回一回の攻撃毎に全部の不利状態付与を一つ一つ判定するので、耐性でも到底防ぎきれるものではない。
例えるならネオエクスデスの「グランドクロス」が、味方が物理攻撃を喰らう度に即時単体誘発するようなものである。
こうなると多段攻撃や全体攻撃が発動する度にパーティが状態異常塗れ不可避。
タクティカルスフィア「オールグリーン」で大体は対処できるが、2戦目同様に麻痺だけはどうしようもないので別途耐性をつけるなどの対策が必須。













































【以下、Episode33以降のネタバレ】












































【Episode33/神騙りの罪科】



御父様が長年憧れた、娘に守られる父親というシチュエーション。

故に私の正式名はヴィルジニー28"VVF"。

ヴァージョン・ヴァルキリーフェイク(Version Valkyrie-Fake)。

現世に在りて御父様に仕える
"似非の戦女神"<ヴァルキリーフェイク>なのよ。

ヴィルジニー
RACE:バイオヒューマン AGE:1 SEX:FEMALE STATURE:173cm
CLASS:ヴァルキリーフェイク
プロジェクト・ヴィルジニーに依って生み出されたシリアと同一肉体のバイオヒューマン。
正式名称はヴィルジニー・ナンバー28VVF(ヴァージョン・ヴァルキリーフェイク)。
(ゲーム内キャストデータより抜粋)

プロジェクト・ヴィルジニー
ゲオルクが10年前に発動したプロジェクト。
レイクを身篭った現実のシリアを死なせたゲオルクが、
それでも尚彼女に固執し、挙げ句の果てに彼女を再生しようという考えに至った結果たる物。
彼女のDNAデータからバイオヒューマン"ヴィルジニー"を作成し、これに彼女の魂、
即ち現在のヴェーネの魂を繋げる事で、シリアの再生を行おうとしていた。

バイオヒューマン
素体に対し魂を繋げず擬似人格を植え付ける事で、
魂を持たない擬似的な生命を与えられた人間の事。
(ゲーム内タームデータより抜粋)

その正体を大雑把に、作中用語に拠らない現代知識の範疇で述べればゲオルクの娘、故人シリア・ローズバーグのクローン人間
本作の世界では基本的に「魂」との繋がりがないと肉体は稼働しないわけだが、ヴィルジニーは魂に依らない基礎原始的な疑似人格を人為的に植え付けられて活動している。
我々の世界において「魂の実存」が未だ確認されていないことを踏まえると、セラブル作中の登場人物中では最も現実の「人間」に近いと言えるのが何とも皮肉なことである。
ちなみにナンバー27以前の「ヴィルジニー」は基礎人格すら定着に失敗し廃棄処分、ネオイーヴル*1の餌とされてしまったらしい。

ヴィルジニーの存在理由は「ヴェーネの魂でもあるシリアの魂を収める、完全なシリア・ローズバーグを再生するための器」である。
その過程でヴィルジニーの人格は当然消滅することになるが、後述する理由でそこに疑問も抵抗もヴィルジニーは「持てない」。

ヴィルジニーが"父"であるゲオルクに盲目的に服従しているのは、与えられた疑似人格が初めから「“ゲオルクに従う”以外の行動原理を持たない」ように作られているためである。
そのためレイク達からゲオルクを見限るように忠告されても、ゲオルクに従う以外の生き方をそもそも知らないが故、以下のように返すばかりであった。


そう思えるお前達が、少しだけ羨ましいかもしれないわね…。
しかし所詮は眼の前に在って手の届かない、"人の心"という異界。
そして私の世界には、決して終わらぬ御父様への愛と服従が在るのみ。


こうした境遇を見ると極めて大部分がヴェーネに近しい状態であり、ヴェーネからも「案外似た者同士かもしれないわね」と評されている。
通算三度目の敗北により、ゲオルクからの処分もヴィルジニーは覚悟の上となっていたが……待ち受けていた現実はその上を行く残酷なものであった。


【Episode34】


用済み…?

そう、お前はもう用済みだ。

如何して…。御父様…。

これまでゲオルクに仕え、シリアの魂を得て完全な「シリア・ローズバーグ」になることだけを求めてきたヴィルジニーだったが、
ゲオルクからの無情な宣告は「シリアの魂をお前に繋げる事は技術的に不可能」「"ヴィルジニー29"を新規作成する必要が在る」という不用品扱いの言葉だった。
「必要な物が在れば言うが良い。餞別として何でも与えよう。」と鷹揚に述べるゲオルクだったが、
存在意義を根底から破壊されたヴィルジニーが即答できるはずもなく、回答は保留。


胸の奥が蠢いている。
そう、踊るのではなく、蠢いて。
御父様に別れを告げられた刹那。

生まれた、理解不能の感覚。
広がった、未知の異世界。

熱くも、冷たくも。
疼いて止まず、押し殺されそうな、身体の芯。

私は如何したら良いのだろうか。
私は如何成ってしまうのだろうか。

生まれて初めて、この胸が苦しい。


ヴィルジニーの下した決断は、フョードルと共にゲオルクから離れることであった。
無許可で飛行船ブルーウイングを発着させたことは即座にゲオルクへ通達が向かったが、「約束の選別」としてゲオルクはそれを黙認。
そして、ヴィルジニーが向かった先はシリアが眠るココモの街であった。
目的は潜伏しているヤンシーらの掃討……ではなく、シリアの墓参り。
そして、ゲオルクを討つための戦力確保であった。


よく言うだろ? 可愛さ余って憎さ百倍とか。
掛けた愛情が深く大きい程に、そのネガ、敵意や憎悪もまた深く大きく成る。

それでは、今のヴィルジニーは…。

そうさ。予め植え付けられたゲオルクへの
絶対的な愛と服従は反転し、絶対的な敵対心と憎悪へと変異した。
今此処に居るのは、心の底よりゲオルクの打倒を欲する戦女神ヴィルジニー。

自身の存在意義を喪失したヴィルジニーは、ゲオルクに対して持っていた愛や忠誠といった感情が全て反転し、
ゆるぎなき絶対の憎悪と殺意をゲオルクへ持つようになったのである。
終盤にもなってこれまで散々に苦しめられたヴィルジニーが、まさかのパーティメンバー加入という展開に驚いたプレイヤーも多いことだろう。
そしてレイクの装備がしれっと全部剥がされてることに気づいて色々と察することにもなる



【Episode35】

主人公格であるレイク・ヴェーネが共に戦線離脱中のために、このEP35では事実上の主役としてプレイヤーの操作キャラに回る。
ゲオルクの懐刀であったヴィルジニーの離反に半信半疑だった面々も、容赦なくブルーウィングへ砲撃してくる様を見てその疑惑を捨てることになった。
あれほど崇拝していたゲオルクを呼び捨てにし、ボロクソに容赦なく罵りながら戦線を切り開く様はまさしく戦乙女<ヴァルキリー>。


ゲオルク。
約束の餞別を貰おうかしら。

貴様の血肉を寄越せ。

ヴィルジニー…!

赦さんッ…! 断じて赦さんッ…!
一人残らず屠って呉れる!

私達こそ! 貴様に食わせる血肉など持ってはいない!
此処で滅びろ! ゲオルク!


ゲオルクとの決戦後は、「シリアのコピーとして生まれた身であるから」という理由でヴェーネたちに正式同行していく。
冷静にシナリオを俯瞰すると、エンデとの戦いや最終決戦にまで随伴する動機が本筋の描写だけではやや希薄に見えるのだが、
ブルーウイング内での会話で、そこらへんの詳しい胸の内を彼女が語ってくれる。


この運命に於いて、シリアはある種の"始まり"だった。

そう…。始まりと共に終わって逝った生命…。

そんなシリアの姿を受け継いだ私が、この運命の決着に挑もうとしている訳だ。

私の知識に刻んでおくわ。運命という、その二文字を。


物語の始まりを告げ、そしてそのまま死んでいったシリア・ローズバーグの遺志を継ぐ者として、
元凶ゲオルクの討伐を成し遂げたヴィルジニーこそが、その役割を果たすに充分であることは疑う余地がないだろう。
あとキャラ性能面でも正直いないとすごく困る


【Episode37】

上述したようにゲオルクとの因縁がEP35で清算されてしまい、なおかつ以後の視点がヴェーネメインで進行していく関係上、
どうしても「同行者」に留まるヴィルジニーはシナリオ的に大変影が薄くなってしまう。
せいぜいヴェーネの正体が明かされる場面や、ディザスティア・レオナと対峙する場面でちょっと台詞があるぐらいである。

そんな彼女が大きな役割を果たすのがEpisode37。ヴェーネとオリジナルヴェーネの同化が果たされる局面である。
5年の断絶を経て言葉を交わすヴェーネ達だが、場の空気を読まず身勝手な自己陶酔を口から垂れ流すジークベルト。しかし……


素晴らしい…。心踊るゲームとは正に斯く在るべきもの…。
結末に於いて予定調和ながらも、その過程に於いて十全に…。

黙れ。

何だと?

お前は如何もゲオルクに似ている。

だから何だ?

無性に殺したいのよ。だから黙ってなさい。

………! くそう…!


ヴィルジニーとヴェーネの境遇を見て解るとおり、両者は子を私物化する親という最低の共通項を持つ。
ゲオルクの支配から脱したヴィルジニーからすれば、自分と「同類」のヴェーネを我が物顔で弄ぶジークベルトは殺意の対象以外の何者でもない。
これまで絶対者か何かのように好き放題を宣っていたジークベルトが、情けなく後ずさりしながら閉口する様に溜飲が下がったプレイヤーも多いだろう。ざまぁ。


クク…。これで益々眼が離せん…。

黙れと言った筈。本当に殺すわよ。

くっ…!

どうせエル様に消されてたし、別にそのまま始末しても誰も気に止まなかったと思うんですけど


【Letzte Episode】

最終決戦後のエンディングではランサードと共に当てのない放浪を続けている。
ゲオルクの処から出奔する際相当数の「餞別」をガメていったらしく、希少なバーシェント金貨*2をコイントスに使っている。
なんだかんだいい関係になりそうなものだが、両者の目線はむしろ「ランサードとヤンシーの今後の関係性」に置かれているようである。


【人間関係】

  • ゲオルク・ローズバーグ
ローズバーグ製薬のトップであるヴィルジニーの"御父様"。
ミスを犯した部下は容赦なく断罪する冷酷な男だが、作中で三度も敗れる失態を侵しているヴィルジニーは一度も処分せず無罪放免にする*3など、
"娘"のシリアと同一視して大変溺愛する傾向があった(過去形)
しかし「ヴァルキリーフェイク」として戦闘向きに素体調整されたヴィルジニーが、肝心のシリアの魂と適合しないと判明したことで関係性が崩壊。
「望むものは何でも与える」と言う破格待遇付きとは言え、「シリアの器」という存在意義そのものを剥奪する残酷な処分を下してしまった。
ヴィルジニーが飛行船を無許可で持ち出しても「約束の餞別」と解釈して不問に付すなど、それなりに思う所はあったようだが、
最終的には「劣化コピー」「過去の遺物」呼ばわりするなど道具以下の扱いに終わり、約束した餞別を「ゲオルク自身の首」として獲られる応報の末路を迎える。

  • シリア・ローズバーグ
ゲオルクの"娘"のオリジナル。
やはりというべきか思う処はあったようで、離反してから最初にヴィルジニーがまずやったことは彼女の墓参りであった。

シリアの魂を受け継いだセラフィックブルー第二翼。
当初は敵対関係にあったが、上述したように境遇的に近しい部分があるためか、ジークベルトが好き放題喚いている所に脅しを入れて黙らせるなど反応は好意的。
作中通りヴィルジニーは「父」の軛を破ったわけだが……しかしそれが、無垢ならざる闇の深いヴェーネに取っての救いとなることはなかったのが惜しまれる。

  • ユアン・オースティン
シリアと関係を持ったセラフィックブルー第一翼。
ゲオルク側だったヴィルジニーからは「元凶」呼ばわりされるなど関係は険悪だが、顔がシリアと同一であるためユアンからすればやり難い相手。

  • レイク・ランドヴェリー
シリアとユアンの間に生まれたセラフィックブルー本体。
当初は「人形みたいな奴」「出来の悪い偽物」とヴィルジニーをボロクソに貶していたが、「あんたと戦うのは気が乗らない」とも述べるなど心中はかなり複雑。
三戦目で出自を聞いてからはヴィルジニーも結局はゲオルクの被害者でしかないと理解したのか、対応を一気に軟化させてゲオルクからの離反を促すようになる。
そして、ラージュにおける決戦時には「挙げ句の果てにヴェーネやヴィルジニーを巻き込んで」とゲオルクを糾弾までしている。

  • ランサード・シャイアン
ロリコン疑惑がある最強のバウンティハンター。
ぶっちゃけ本編中での絡みはあまりなかったが、エンディング後は共に行動しながら放浪を続けている。

  • フョードル・ヴォロネシ
猪突猛進ジュブナイル系エンジニア。ヴィルジニー同様、ゲオルクが捨てたジョーカーの片割れ。
同じゲオルクからの離反組ということで叱咤激励したりされたり、色々と絡む場面は多いが流石にフラグが建つには至らなかった。

  • ハイディ・バーミンガム/レオナ・クルスク
リアリスト系エンジニア。根は激情家らしいが堅く己を律しており、感情が漏れ出る場面は殆どない。
ラージュ防衛用の兵器に「DIE WALKURE」という明らかにヴィルジニーを意識したものを設計するなど、個人的にヴィルジニーへ思う処は色々とあったようである。
ヴィルジニーの側も感情の読めないハイディには常々疑問を覚えていたらしい。

  • ジークベルト・アンスバッハ
ゲオルクと酷似した悪性を有するヴェーネの"父親"。
案の定というべきかヴィルジニーにはその一切が癇に障ったらしく、激しい拒絶反応(物理)を示している。


【余談】


  • ヴィルジニーの元ネタ
「ヴァルキリーフェイク」の元ネタは作者の過去作「STARDUST BLUE」の隠しダンジョンに出現する、同名の最強の雑魚敵に由来する。
ただでさえ高難易度なゲームの隠しダンジョンということで、フルドーピング前提の鬼畜な敵ばかりだが、その中でもヴァルキリーフェイクは群を抜いて凶悪な強さである。
「ショックウェーブ・デュアルアサルト」「ディヴァイン・ディヴァイド」「エレメンタルブレイク」など、原型とおぼしき技もこの時点で散見される。

  • 専用装備のモチーフ
セラブルは作者の過去作以外にはネタ・パロディ要素が極端に少ないのだが、ヴィルジニー用の武器の一つ「機槍レナストライデント」は元ネタが非常にわかりやすい点で、本作としては割と異質な存在である。






随分と手荒な追記修正だな! いかにもゲオルクのやりそうな事だ!
いいだろう! これを奴との前哨戦にしてやる!
散るがいい! 可能な限り無様にな!

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最終更新:2025年01月06日 13:52

*1 イーヴル化した人間を改造強化したもの

*2 作者の過去作「Sacred Blue」のネタ

*3 シリアの器なので処分できないという事情も大きいのだろうが