双頭刃

登録日:2019/03/07 Thu 21:01:49
更新日:2025/01/13 Mon 20:00:04
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双頭刃とは柄の両端に刃がある武器。明確な呼称がなく72通りの様々な名前があるためになんと呼べばいいかわからない武器である。
一応「両長巻」「両剣」「双刃刀」「双頭剣」等色々あるし形も違うが、ここでは一括して「双頭刃」として扱うこととする。
は通常のものでも刃と柄頭の両方で突けるようになっているが、柄頭の方は「石突」と呼ばれる槍を地面に立てて持つためのものなので明確には刃ではなく鈍器なので取り扱わない。
また両端がそれぞれ別種の武器となっているものはマルチウェポン(武器)へ。


歴史

中世にインドの中西部でラージプート族が「ハラディ」という双刃の短剣を用いており、これが後にシリアに伝わり「シリアン・ナイフ」と呼ばれるようになった。
ラージプート族が脅しつけて画像乞食したかどうかは不明
西洋には「デュエリング・シールド」中国武術には「蝉翅刀」「乾坤日月刀」という武器もあり、いずれも柄がある程度長く、手の部分が保護された構造になっている。
古代ローマの「ピルム・ムーリアリス(槍の壁)」は、中央部は手で持てる程度の太さとなっており、中央部から両端に向けて槍の名の通り長い四角錐状となっているが、
手持ち武器として使用したかどうかは不明であり、おそらく並べて地面に打ち込んで柵を作るための杭だと言われている。

武器ではなく法具、神話系の武器であれば「金剛杵」というものもある。
インドラ/帝釈天が持ったとされる、柄そのものはごく短いが両側に刃や爪がついたもの。
刃の本数により独鈷杵(片側1本)・三鈷杵(片側3本)・五鈷杵(片側5本)等とも呼ばれる。
不動明王の持つ倶利迦羅の剣も、柄頭に三鈷の刃がついた三鈷剣である。

使用方法が「法具」などに分類される辺りから分かる通り、現実でのこのタイプは扱いが難しく

  • 両端に刃があるので重い上、重心が柄の中央になってしまうので遠心力も利かず威力が出ない。
  • それでいて真ん中は棒なので動きに制約がかかる。
  • 端側を持てないため同じ長さのポールウェポンの半分のリーチしかない。
  • 鞘に納めることができない、納めても鯉口あたりの金具がよほど大きくないと刀身に変な力がかかる。
  • 立てることもできないので、常に両手で提げるか抜き身で背負う形になる。
  • 振り回すだけで自分や周りの味方を切る可能性もあり危険。
  • 創作でみられる「柄を中央から手軽に分離・結合」する機構を実際に組み込むと、どうしても結合部が脆くなるなどの弊害が出る。
  • そもそもそのタイプは結合なんかせずに常に二刀流で戦った方が明らかに合理的。

そういう訳で非常に不便で実戦に向かない浪漫武器。
現実では片方の刃を潰した方が圧倒的に強いのは言うまでもない。
下手すれば両方無い…よーするに棒っきれ方がマシまである。
小型の物であれば上記の短剣ハラディを始め、鹿角刀、月牙刺など、メリケンサックや寸鉄・手槍の発展として実例が少数ある。

創作において

様々な武器や使い手がおり、振り回したり取り回し次第で非常に絵になるという需要から人気は非常に高い。
創作の世界なら上述のような取り回しの問題も無視しやすい。刃がビーム製だから収納もラクラクだとか。
分割して持てば二刀流になるのでどうやってもカッコ良い。
両剣状態から切り離して不意打ちしたり、より素早い攻撃になったり、両方の状態を併用したコンボになったり。その姿はまさに舞のような姿であろう。
ビーム刃だとか、そもそも切れ味が良いなど、高度な謎技術により切ったときの抵抗が少ないためジョイント部の弱みなどもほとんど考えなくてよい。
中央を手に握って回転させればそれだけで回転斬りとなったり、のように守護ったり、竜巻を発生させたり、何かしらのビームが発生したりするかもしれない。

余談だが、ゲルググが持つ「ビーム・ナギナタ」の影響からこの手の武器、特に逆刃型全般を薙刀(ナギナタ)と呼ぶ人がいたりするが、
本来の薙刀は槍の穂先が刀になった武器であり、ビーム・ナギナタとは似ても似つかないデザインで共通点は刀身ぐらい。

スクランダーカッターのような「刃のついた翼」は当然両側に刃があるが、武器ではなく装備なのでここでは除外する。



武器種別の柄の両端に刃のある武器と使い手一覧

分割可であれば併記する。

刀剣型

刀剣が比較的短い柄の両端に付いているもの。
  • 名称
    • 両剣
    • 双頭剣
    • 両斬天秤刀



刀剣型の亜種

片刃が両端で互い違いに付いているもの。
柄の長さは持ち手部分しかない短いものから、長柄武器と呼べるようなものまでまちまち。
  • 名称
    • 両長巻
    • 双刃刀
    • 天秤刀



槍型

槍の石突側にも穂先を付けたもの。
  • 名称
    • 双頭槍



その他

  • 名称
    • 蝉翅刀(両刃直刀)
    • 乾坤日月刀(同上)


  • 使い手
    • 四季(閃乱カグラ)
      • 大鎌
    • メ・ガリマ・バ(仮面ライダークウガ)
      • 大鎌
    • 鬼灯(戦国乙女)
      • 大鎌
    • 二本角のあるフレンズ(けものフレンズ)
      • 双方に角のついた槍状の武器を持つ者が多い
    • あずみ(あずみ)
      • 日本刀。柄の部分は短刀で逆刃ではない
    • 王大人(魁!!男塾)
      • の両端に歪んだ刃物を装着し、頭上で回転させて空を飛ぶ
    • 巨神の勇者フルングニル(斬撃のレギンレイヴ)
      • 。二本持ち
    • リ・ロン(ソウルシリーズ)
      • 刃のついたヌンチャク
    • アンジェリカ(サムライスピリッツ閃)
      • 両刃付き棍。捻じれた槍と鎌
    • バトルホーク(バトルホーク
      • 合体トマホーク。2本の斧を合体させる。両側の刃を飛ばす事も可能で、残った柄からは仕込み杖のごとく刀が出てくる




追記・修正よろしくおねがいしますましいがねおくしろよ正修・記追

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最終更新:2025年01月13日 20:00