エンプティー(流星のロックマン)

登録日:2022/10/15 Sat 06:56:30
更新日:2025/09/20 Sat 22:09:52NEW!
所要時間:約 4 分で読めます




わらわの野望が実現する前に、もう一度聞かせてくれ
やはり「記憶」は無いのか?

それはオリヒメ様が一番ご存じのハズです
だから貴方様は、私をこう名付けた
エンプティー… つまり「空っぽ」だと

そうか…そうであったな

申し訳ございません



いってまいります


エンプティーとは、『流星のロックマン2』の登場人物である。
アニメ版のCVは千葉一伸。


性格

ドクター・オリヒメ率いる組織の参謀役を務め、オリヒメに絶対の忠誠を誓っている。
また頭も切れ、仲間の作戦をアシストしたり、先を見据えて敵対者を敢えて懐柔するなど権謀術数を巡らせ、オリヒメに代わって計画の進行役を務めていた。
オリヒメもまたエンプティーには全幅の信頼を寄せており、オリヒメが唯一ブラザーバンドを結んだ相手でもある。

一方でオリヒメに仇なす者には一切容赦しない。
用済みの部下を淡々と始末したり、計画のために一般人を平気で襲うなど、冷酷な面も強い。


劇中の活躍

他の物語の参謀役よろしく当初は裏方に徹し、終盤に初めて表立って活動するという立ち回りをしている。

「計画に必要なオーパーツロックマンが持っている」「ムー大陸の封印された座標を見つけるにはハープ・ノートの力*1が必要」という要素から、脅迫まがいとは言え「協力するならロックマンへの攻撃を中止する」という取引を持ちかけ、一時的にハープ・ノートを仲間に引き入れてムー大陸を発見させる。
それだけでなく、ハープ・ノートとロックマンは強い絆で結ばれているので、例え敵対したとしてもロックマンはハープ・ノートを追ってムー大陸の座標に辿り着くはずと推察。
結果的にはロックマンこそ倒し損ねたものの、ロックマンの所持していたオーパーツも最強の寄生虫ことファントム・ブラックが強奪したことで、エンプティーの計画通りに進行してしまう。

修復を完了させた後は再びオリヒメの側近として復帰。
オーパーツの力でオリヒメはムー大陸を復活させ、彼女の野望である世界の支配に向けて共に動き出す。
ムー大陸最初の門番を務めたファントム・ブラックがロックマンとブライの二人に連敗を喫したため彼に解雇通知を叩き付けた上で制裁の一撃を下し、戦闘不能に追い込んだ。*2
その後、ムー大陸の最深部まで到達したロックマンとブライの二人を足止めするため自身諸共別空間へ隔離しようとするがブライがロックマンに攻撃を加える形で逃がしてしまったため、ブライとの一騎打ちにもつれ込む。
勝負は一進一退の様子を見せたが、ムー大陸の中枢にしてオリヒメの切り札であるラ・ムーがロックマンに敗れたことを察知し、オリヒメを守るためにブライトの戦闘を放棄。
再びロックマンと対峙することになるが、そこで衝撃の真実が明らかになる。




クリア後の隠しシナリオ「もうひとつのミライ」ではエンプティーIFとして登場。
こちらはアポロン・フレイムの側近的立場であるらしく、彼の前の最終関門として立ちはだかる。


戦闘

フィールドの奥から2,3列目に固有ギミックである魔法陣パネルが存在し、魔法陣パネル上にいる場合に攻撃が強化される特徴を持つ。

  • サモンウイルス
魔法陣パネルの上にいる時のみ発動。
ダバダンス、サワニガー、ステルス、コガラシマルの4種類のウイルスの中からいずれかを召喚する。
ロックマンが無属性の場合は召喚するウイルスはランダムだが、トライブオンしている時は弱点属性のウイルスしか召喚しない。
なお、ウイルスの攻撃特性も引き継がれているため、ステルス系は対インビジブル、コガラシマルはバリア解除も発揮される。

  • サンダーバズーカ
ジェミニサンダーと似た技で、縦一列に電気属性のビームで攻撃。当たると麻痺する。
魔法陣パネルの上で発動した場合、黒色の雷に変化しロックマンのいる横列に拡散する。
攻撃の出も早く、危険な技になる。

  • マジックサンダー
コの字型の軌道で雷を落とし、ロックマンを攻撃。
魔法陣パネルの上で発動した場合、黒色の雷に変化し軌道が往復する。
技を出す前の隙が大きいため、麻痺などの状態異常で回避することも簡単。

  • サンダーバリア
移動中に一定周期で雷のバリアを張る。
持続時間は短くブレイク性能の攻撃で無視できるが、根本的に発生を防ぐ手段も存在しない。

サモンウイルスを始め厄介な攻撃が多く、真正面から相手にするのはやや骨が折れる。
しかしその厄介な要素のほとんどが、"魔法陣パネルの上にいる時のみ"適用されるという点に注目。
逆にこの魔法陣パネルを別のパネルに塗り替えてしまえば、ウイルス召喚もしなくなり、弱体化させられる。


バトルカード

エンプティー(メガクラス)

フィールド奥の縦2×横3に落雷攻撃。
攻撃された場所はパラライズパネルに変化する。
他のメガクラスと比較すると、やや攻撃範囲が狭い点が痒いものの、次の攻撃に繋げやすい部分は評価できる。

エンプティーマジック(ギガクラス)

ダイナソーver.でのみ入手できるカード。
分類は無属性カードだが、サモンウイルスで使用した4種類全ての属性攻撃を行使する。
総ダメージ量は320と、ギガクラスとして見ると低い方だが、相手が無属性でない限り何らかの弱点攻撃が働くという利点がある。
更に電気属性のレーザーには対インビジブル、木属性のコガラシには風性能が付与されている関係上、相手が使用中のインビジブルやオーラも確実に除去させられる。
対戦環境においては、"事実上どんな状態からでも、トライブキングでさえ無ければほぼ確実に相手のトライブオン/ダブルトライブを解除できる"ということで、評価と警戒度が高くなっている。


アニメ版


アニメ版でもオリヒメの側近として序盤から登場。
人間とは思えぬ巨体に対面したスバルも若干気圧されていた。
当初はオーパーツの回収をオリヒメがスバルに依頼したこともあって丁寧に対応していたが、オリヒメが本性を現すと同時にスバルとは完全に敵対。
凄まじい戦闘力に加え、高い再生力で追い詰めたが再生のためのエネルギーを外部供給に頼る必要があり、そのため供給を担っていたオリヒメの車とケーブルで繋がっているという弱点を見抜かれてしまった。
エネルギーの供給を絶たれたことで一度は深手を負わされるが、オリヒメが回収していた二つのオーパーツを与えられたことで完全に復活した。
その上ムー大陸まで復活してしまい、そこでは外部供給に頼る必要もなかったため十全な戦闘力を発揮。
遂にウォーロックの中から最後のオーパーツを抜き取ってオリヒメに献上する。
直後、ムー大陸復活を止めるべく襲撃してきたブライを迎え撃ち、後一歩まで追いつめたがロックマンがオーパーツを奪還してしまい、慌てたオリヒメがエンプティーを呼び戻す。
その指示に応え即座に向かうも、ロックマンは三つのオーパーツの力を得たことで「トライブキング」に覚醒。
自身のあらゆる攻撃が通用せず、オーバースラッシャーによる三連続斬撃で真っ二つに切り裂かれた上で炎上。
苦悶の断末魔を挙げながらムー大陸の底へと消えていった。

直後ラ・ムーが本格的に復活するもすぐに封印されてしまったためアニメ版の事実上のラスボスを務めることになったが、
感動的な最期を遂げたゲーム版とは相反して、悪役的かつあまりにもあっけない最期となっている。
しかしやはりオリヒメにとっては大切な存在であり、彼の死にオリヒメは涙ながらの叫びを上げた。



余談

作中の立ち位置や魔術師モチーフ、魔法陣からウイルスを召喚する技など、ロックマンエグゼシリーズのナビ、マジックマンと共通点が多い。

またその素顔をローブで覆い隠し、どこか幽霊じみたその姿や、敵組織の参謀役といったポジション、真の自分というものを持たない正体まで含めて、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のミストバーンにも影響を受けたのではないかと考えられる。


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最終更新:2025年09月20日 22:09

*1 ウェーブロードを構成する電波が不安定で迷宮じみたエリア「バミューダラビリンス」を探索する必要があったのだが、ハープ・ノートは案内役のデンパくんの声を聴き取れるという特別な能力を持っている。

*2 ただし彼の電波体であるファントムまではデリートできなかったため、続編で彼が再起することになってしまう

*3 オリヒメが基礎技術を確立したマテリアルウェーブの発展技術である